花葬儀を選んだ理由
自らが初めて取り仕切る葬儀。丁寧な説明に安心感を抱きました。
両親は山梨県に実家があり、生活のサポートが必要となった時期に私が住む東京都に引っ越してきました。両親が高齢であるゆえ、もしもの時に慌てることがないように日頃から檀家である菩提寺や僧侶の手配について、また自宅近くの寺などについて下調べしていました。そのような時、インターネットで花葬儀のことを知ったのです。ホームページに掲載されていた花いっぱいの祭壇を見て素敵だなと思い、私たちも花葬儀なら花を愛する母に相応しいかたちで見送りができるのではないかと感じました。
母が数日で亡くなってしまうことが予想されるタイミングで問い合わせして、花葬儀の米倉さんが父のいる施設に訪問してくれました。葬儀について何もわからない状態の私たちの気持ちに寄り添って説明してくださり、また火葬の手続きなど事務的なやり取りについても一任できるということでとても助かったのを覚えています。
母の遺言には“亡くなったら身内だけで見送ってほしい”という希望がありました。だからといって質素で寂しい家族葬にはしたくありませんでした。また、私が家を継いだ責任感もあり、父や姉妹、親戚にきちんとお見送りできる場を整えたかった。このような意図を汲んで対応してくださったのが嬉しかったです。
花葬儀を体験して良かったこと
グリーンと季節の花々に囲まれた空間は、亡き母の思いが反映されていました。
花葬儀のホームページは確認していたものの、いざ打ち合わせとなると自分がイメージしているものが表現できるのだろうかと不安な面もありました。派手な感じではなく落ち着いた色にしたいことや周りをグリーンで満たしてほしいことなどを伝えたところ、デッサン画を描いてくださり、色もつけてくださったのでとてもわかりやすかったです。飾る花の種類についても時季に合わせて当日に綺麗に咲くものを提案していただきました。ユリの花を扱うということで花粉等が気になったのですが、事前に花粉や香りについて処理してくださるとのことで細かい部分にまで配慮が行き届いていました。
葬儀の前日に祭壇を確認したところ、花を愛していた母のイメージそのままに仕上がっており、お礼を申し上げたのを覚えています。なにより、長年連れ添った父も納得したかたちで、母を見送ることができました。また、姉と妹も「お母さんらしさが出ている」と喜んでいましたし、実際に参列した方々から「お母さんらしい祭壇だったね」「このようなかたちを初めて見た」と評価していただけました。結果として、皆が納得できるかたちで母の葬儀を行うことができ、私としても家を継ぐものとして、ひとつ責任が果たせたのではないかと感じています。
お母様はどんな方でしたか?
実家の庭には、一年中草木や色とりどりの花がありました。

父は仕事で家を空けることが多く、その間母は家を一人で守っていました。その山梨の家には南天やマサキの木、季節を感じられる梅や桜の木とともに母が育てた花々が隙間なく植えられていました。どんなに暑い日でも、寒い日でも一日中庭に出て木や花の手入れをしていましたね。娘の私からみても、よくそんなにお世話できるなと感心するほどでした。近所の方からも「花屋敷のようね」と好印象を持たれており、それがまた母の生きがいでもありました。綺麗な花が咲くと近所の方にお裾分けしたり、また別の花をいただいてきたりと日々の交流も楽しんでいるようでした。
”二輪草”のような夫婦。花の世話や野菜づくりを協力して暮らしを彩っていました。

母に認知症の傾向が表れたことをきっかけに、父は仕事を引退しました。それから特に夫婦で過ごす時間が増え、家の畑で夏ならナス、キュウリ、トマト、キャベツ、エンドウ豆など季節の野菜を育てるようになりました。几帳面な父が、野菜を保管する棚を作ってあげたりしていましたね。もちろん、庭の花たちも二人で協力して世話していました。また、父の趣味がカメラだったので、母の育てた花をよく写真に収めていました。二科展に作品を出して入賞したこともあります。若い頃は喧嘩もしていましたけど、後半は仲良く寄り添って生活していました。
夫婦で度々旅行に出かけることも。アルバムには数多の写真が綴られていました。

夫婦で旅行に行くことも多かったようです。父の好きな京都観光に行ったり、4WD車に寝袋を詰め込んで、山に登って富士山からの日の出を待ち構えたりといったアクティブな旅もしていました。私も子育てなど忙しかったですから、当時はそこまで関心を寄せていなかったんですけれども、亡くなった後にアルバムを整理していて「こんなに色々なところを巡っていたのね」と驚くほど出かけていました。
母が認知症となってからは、旅行をドタキャンされるなど私自身も悲しい思いをすることが多々ありました。しかし父に大事にされて、また家族にも恵まれて、母は良い人生を歩めたのではないかと思います。
こんなご葬儀でした


お式への要望
花を愛した母に相応しく、堅苦しくない空間にしたい
〇派手な感じではなく、落ち着いた色味にしたい。
〇斎場に備え付けてあるカーテンが隠れるようにレイアウトしてほしい。
〇供花を申し出てくださった親戚等の名前を記した木札を置きたい。
実際のご葬儀
〇遺影のまわりを明るく、グリーンの中に季節の花々が咲いている空間にしました。
〇金婚式の際に撮られたお写真を、祭壇の中に飾りました。
〇花言葉・花図鑑やねこに関する本もご一緒に飾りました。
〇メモリアルコーナーでは、お花が好きだった故人様を慕うように、写真を囲んで会話に花が咲きました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
葬儀についてお任せできたことや手厚いアフターフォローに感謝。 気持ちに余裕ができ、母との思い出に浸れる時間ができました。
母は東京に引っ越してきてから、花を植える庭もなくいつも寂しがっていました。それで家にこもってしまい、結果として認知症が進んでしまった部分もあるのかなと思います。だから散歩して肉まんを頬張ったり、花屋に一緒に行ったりともっとしてあげられたらよかったなと振り返ることもあるのですが、やはりお世話している時は、私自身も体調を崩してしまうほど大変だったこともたくさんあって。そのようなさまざまに巡る思いや初めて取り仕切る葬儀への不安などを理解してくださって、都合を押し付けるのではなく、こちらの希望に沿って動いてくださった花葬儀の方々に感謝しています。安心して任せることができたので、一人になってしまった父に寄り添うこともできましたし、じっくりとアルバムを眺めて母との思い出に浸る時間も取ることができました。
そして、葬儀後に不動産など相続関係の手続きをしなければならなかったのですが、花葬儀の荒井さんに話したところ司法書士の方を紹介してくださいました。その方に依頼して全てを済ませることができたので大変助かりました。位牌の手続きについても少し準備が遅れてしまったのですが、こちらも荒井さんに相談したところ四十九日に間に合うように手配してくださいました。このような葬儀後のことについてもスムーズに対応していただき、本当に感謝しています。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。