花葬儀を選んだ理由
花葬儀の利用は2度目。私たちの希望を汲み取った葬儀が実現しました。
花葬儀に依頼したのは今回が2度目です。実は、私が息子を亡くした際に初めて利用しました。その時は事情があり身内で火葬のみのお見送りとなりました。ですから前回の内容を踏まえて――というよりは新たにお願いしたかたちとなります。義父はよく食べる人だったのですが、ある日体調が悪いと訴えるようになり食欲もなくなりました。そして2回目に救急搬送されてから数日のうちに亡くなってしまったんです。葬儀の準備を始めるにあたり、会員になっている花葬儀に連絡しました。
義父は7月に永逝したのですが、翌月8月は誕生日で本当にもうすぐで卒寿を迎えるというタイミングでした。お祝いすることもできなかったので、祭壇の花の色は卒寿のテーマカラー“紫”と白を取り入れてほしいとお願いしました。また、斎場が参列する人数に比べて規模の大きい部屋となってしまい、予算との兼ね合いもあるのでどのようにすべきか迷っていたんです。その際、全体のレイアウトを高さではなく横に広く配置するかたちで考えてくださり、提案どおり作っていただくことにしました。私たちの事情や希望に耳を傾けて、準備を進めてもらったと記憶しています。
花葬儀を体験して良かったこと
享年89歳でしたが、卒寿のテーマカラー“紫”の祭壇で見送ることができました。
祭壇を初めて確認した時は、息子の時と比べて大きなインパクトを受けたのが一番印象に残っていますね。卒寿に合わせた紫・白は色々な種類の花で彩られていました。その中には、紫陽花など季節を感じられるものが散りばめられており、そこにひまわりの黄色が差し色となって素敵な祭壇に仕上がっていました。そこには、懸念していた大きい部屋にも負けない祭壇が実現されていました。葬儀に参列した方々からは「素敵な祭壇だね」「こんなに立派で、費用がかかっているのでは?」と高評価でした。
贈り物をしてもいいということでしたので、私が筆文字で“長い人生お疲れさまでした”と“お母さん(義父の妻)を見守っていてください”といった意味を込めた書を準備しました。ひ孫からは折り紙や手紙のプレゼント、そして大好きだった鯛焼きなどの和菓子も飾りました。柩の上には、愛用の帽子とハンカチを飾りました。この帽子は義父の妻が購入したもので、歳を取ると体温調整も難しいので家の中でも常に身につけていましたね。その妻は残念ながら記憶があいまいになることが多く、葬儀について何か感想を述べられる状態ではないのですが、夫が亡くなったこと、もう隣にいないことを悲しんでいました。
お義父様はどんな方でしたか?
定年までタクシー運転手として勤め上げました。

長年、タクシー運転手として日々仕事にまい進し定年まで勤め上げました。仕事している時以外は家で過ごすことが多く、外出・外食はあまり好んでいなかったようです。仕事に関する話などを積極的に家族に話す方ではありませんでしたが、仕事仲間が経験したタクシー内で起きた不思議なエピソードなどを時折教えてくれることがありましたね。退職してからは、16時には晩ごはんを食べて20時に就寝、皆が寝ている翌朝3時半から4時頃には起きて朝ごはんを食べるといった生活を続けていました。
外食はせず、妻の手料理をこよなく愛した日々

義父は“とにかく食べる人”というイメージで、いつも盛り盛りとごはんを食べていました。甘いものが好きで、豚カツのような揚げ物もよく食べていましたね。りんご・桃・みかんなどフルーツにも目がなくて、ひ孫が遊びに来た時は一緒に食べていました。それから日本茶も好きで、お菓子のお供にいつも飲んでいました。家族が「一緒に外に食べに行こう」といっても留守番することがほとんどで、妻の料理を家でゆっくりと食べるのが一番だったようです。タクシー運転手時代も休憩時間に一度自宅に帰ってきて昼食を食べてから、また仕事に出るほどでした。
足を悪くした妻をサポートする優しさに加え、書類をストックするマメな一面も。

義父を支えるべくいつも食事を準備していた妻が足を悪くしてからは、日々の買い物は妻に代わってすべて行っていました。週に2回以上は、歩いて近くのスーパーまで買い出しに出かけ、必要なものや簡単に食べられる惣菜なども購入していました。亡くなるまでの7、8年間はそのように妻を陰ながらサポートしていた優しい義父でした。また、何十年分もの病院や税金、光熱費などの領収書に“何年何月何日”と記してストックしていました。The・昭和の男でしたから頑固なところもありましたが、マメな一面も持ち合わせている人でしたね。
こんなご葬儀でした


お式への要望
卒寿間近だった義父を想い、紫の花を取り入れたい。
〇卒寿間近で亡くなってしまったので、紫を祭壇のテーマカラーにしたい。
〇参列者の人数よりもキャパシティが大きい部屋。空間に合わせて祭壇を調整してほしい。
〇大好きだった和菓子を供えたい。
実際のご葬儀
〇祭壇は紫・白を基調とし、紫陽花やミニひまわりなど夏を感じさせる花を随所に取り入れました。
〇お柩のふたには、愛用の帽子とハンカチを置きました。
〇祭壇横には、三男の奥様が手書きしてご用意された筆文字の書を飾りました。
〇好んで食べていた鯛焼き・和菓子をご家族がたくさんお供えされました。
〇参列された方々へご供養として召し上がっていただく用に和菓子を用意しました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
魅力はシステマチックではなく、お客様に寄り添ってくれること。 多くの希望が叶った空間で、さようならが伝えられました。
私たちに寄り添ってくれたので希望なども話しやすかったです。それに応えるように親身に考えてくれたり、プランを出してくれたりしたので本当に助かりました。丁寧にマメにコンタクトを取ってくれる点もありがたかったです。卒寿を祝うかのような祭壇と家族からの贈り物に囲まれた温かい葬儀となり、義父の顔もにこやかだったように感じました。
何か利用する際、プランやセット内容が存在するものは「このように決まっていますので、こうなります」と説明されてしまうことが多いですよね。しかし花葬儀は、もちろんプラン等はあるんだけれども、意見や希望を聞いてくれて「どうすれば思いに近いものになるのか」を一緒に考えてくれる姿勢を持っていて、そこには“人の気持ちが乗っかっている”ように感じられました。
実は葬儀当日、食事の件で不具合があったんです。そのことについて、後日わざわざ謝罪に来てくださって、こちらも「もう大丈夫ですよ」と言うぐらい何度も頭を下げられていました。スタッフの方々の対応が丁寧で素晴らしいんですね。ですから全体を通して、家族の皆が今でも「良い葬儀だったね」と話しています。この度は本当にありがとうございました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。