花葬儀を選んだ理由
ていねいで親身な対応に「ここなら安心できそう」とお願いすることに決めました。
突然母が亡くなり、急いで葬儀場を探さなくてはいけなくなりました。とはいえどこにどのようにご相談したらよいのかもわかりません。焦る気持ちのまま、30年以上前に父の葬儀でお世話になったお寺に相談してみようとインターネットで検索したところ、花葬儀さんのお名前を見つけました。
その時は、花葬儀さんがお花にこだわった葬式を行っているところだとは知らなかったのですが、お電話をしたときの対応がていねいで好感を抱きました。突然のことだったので、哀しみと同様で考えることがよくできない状態でしたが、そんな私たちに親身に寄り添ってくださるのが感じられ、「ここなら安心してお任せできそう」と思いました。
電話を切った後、あらためて花葬儀さんのホームページを拝見したところ、「花祭壇」というお花を使った葬儀をされていることを知りました。掲載されている祭壇はどれも個性的でそれぞれの想いがこもっているように感じられ、とても素敵だと思いました。母も花が好きだったこともあり、これはきっとご縁なのかもしれないと思い、お願いすることに決めました。
花葬儀を体験して良かったこと
心に寄り添ったきめ細かな対応で、私たちの想いを100%汲み取っていただきました。
母のイメージに合った様々なお花をセレクトしていただきかわいらしい祭壇となりました。母の日に渡しそびれたカーネーションも入れて下さったのがとても嬉しかったです。打ち合わせで熱心に母のことを聞いてくださり、母のイメージをつかもうとしていらしゃるのが伝わってきたため、こちらも心置きなく想いを伝えることができました。
打ち合わせでは母のイメージを考えながら、フラワーデザイナーさんが「こんな仕上がりはいかがでしょう」とその場でデザイン画を描いてくださったのに感動しました。
そして、何よりも、「私たちの心に寄り添って」という姿勢が伝わってきて、安心して当日までお任せすることができたのは良かったと思います。
父が早くに亡くなったので、娘の私たちとしては哀しいながらも「お母さん、やっとお父さんに逢に行けるね」という気持ちもありました。そのような話をしたところ、「お母様からお父様にお渡しできるように」と母のために花束を作って下さり出棺時に持たせて下さった気遣いがうれしかったです。
スタッフさんとの打ち合わせを重ねる中で「母が父に逢いに行く」というイメージが膨らみ、メモリアルコーナーには母と父の若い頃からの想い出の写真をたくさん飾らせてもらうことも出来ました。娘たちからの最後の贈り物として「久しぶりのデート」をプレゼントすることができたのは、花葬儀さんの心遣いがあったからこそだと感謝しています。
お母様はどんな方でしたか?
新しいことを始めたらとことん追求する努力家。優しくかわいらしい中にも心の強さがある人でした。

母は探究心旺盛な努力家で、やり始めたことはとことん極めるところがありました。子育てが一段落した40歳過ぎから始めた書道は、師範の免状を取る腕前でした。篆刻もマスターし自分の書に押印したり、私たちや友人にも彫りプレゼントしたりしていました。
書道から文字そのものにも興味関心を持ち、日本書紀や万葉集などの古い文学や文字なども自分でコツコツと調べ大学ノート数冊にまとめあげていました。
60歳近くになりボタニカルアートを始めたのですが、植物を詳細に描いた裏面には、その花の特性や生息地など、自分で調べたことを美しい字で細かく書き記し、植物図鑑のように仕上げていました。
花が好きだった母。ボタニカルアートでは市の展覧会に出品したことも。

花が好きだった母ですが、バラのような華やかな花よりも、高山植物のような自然に咲く花を好んでいました。ただ切り花を飾って眺めるというよりは、自分でその花が咲いている場所へ足を運んで写真に収め、自宅でその写真を見ながらボタニカルアートを描くのが好きでした。本格的に、そして熱心に取り組んでいたので、2度もデジタルカメラを母にプレゼントしました。
書道もボタニカルアートも、すべて通信講座で学んでいた母。コツコツと課題をこなすので、どんどん上達し、市の展覧会に出品したこともありました。
長女気質の頑張り屋さん。優しくかわいらしい女性でした。

父と母は中学の同級生でした。同窓会で再会し、結婚に至りました。ふたりとも長男・長女で、お互いのきょうだいをスキーに連れていったり勉強を教えたりするような「頼れるお兄ちゃん・お姉ちゃん」だったようです。
戦争を体験し苦労も多く、下のきょうだいのために我慢も多かったとは聞いています。母のその忍耐力や自律心を私たちは尊敬し、お手本にしています。
また、一方では周囲を和ませるようなかわいらしさや、誰をも気遣う優しさもありました。お世話になったケアマネさんたちからも「かわいらしい方」とよく言われていました。本当に素敵な、自慢の母でした。
こんなご葬儀でした


お式への要望
心のこもった空間で母の旅立ちを穏やかに見送りたい。
〇暖色系の花でやさしいイメージに仕上げてほしい。
〇「久しぶりに母が父に会いに行く」というイメージにしてほしい。
〇父と母ふたりの思い出写真をたくさん飾ってあげたい。
〇母の旅立ちを送る心温まるお見送りにしたい。
実際のご葬儀
〇淡い色合いのお花でお母様のかわいらしさ、やさしさを演出しました。
〇久しぶりに再会するお父様にお渡しできるよう、お母様に花束をご用意いたしました。
〇メモリアルコーナーには、お父様とお母様の結婚式のお写真など、若い頃のお写真を中心におふたりの思い出を飾っていただきました
〇お母様とお父様が繰り返し聞いていた曲をBGMに流しました。
〇お母様が熱心に描かれていたボタニカルアートを会場に飾り、手作りの温かさを演出しました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
最期だからこそ大切にしたいセレモニー。花葬儀さんに出会えたのは父の導きだったのかもしれません。

最初から最後まで、私たちに寄り添ってくださったことが大変心強く、安心してお任せできました。全体的に温かくかわいらしい花咲く野原のようなイメージにしていただき、私たちの意向や母の好みを汲み取っていただけたと感じました。母のみならず父にも思いをはせ、穏やかな気持ちでお見送りができたことに、本当に感謝しています。
花葬儀さんのような形式のお葬式ははじめての経験でしたが、葬儀後、あらためて写真を見て思い返しても、本当によい選択だったと思います。当初は突然のことで気持ちが落ち着かなかった状態でしたが、母を心穏やかに送り出すことができたのは、花葬儀さんがこちらの話しをていねいに聴き、希望や想いを汲み取ってくださったからだと思っています。
人生には節目節目で様々なセレモニーがありますが、その中でもお葬式は人生の集大成だと思います。葬儀こそいかに亡くなった本人の生き様や背景、残された家族の想いを汲み取れるかが大切になってくるのだと、花葬儀さんに出会って思うようになりました。葬儀は規模で選ぶのではなく、いかにスタッフさんが気持ちに寄り添って下さるかが大切なのだと感じました。
また、きめ細かいアフターサービスも、私たちにとって大きな支えになりました。父を送り出した葬儀場の検索から始まったご縁。姉とは「お父さんが導いてくれたのかもしれないね」と話しています。本当にありがとうございました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。