花葬儀を選んだ理由
ルールに縛られない父らしい自由な葬儀で送ってあげたいと思いました。
花葬儀のことは、インターネット検索で知りました。一般的な葬儀も検討しましたが、型に縛られない葬儀のほうが自由人だった父らしくていいなと思いましたし、自分にはあまりお金を使わないまま若くして亡くなったので、「最期はお父さんのためにお金を使ってあげたい」という思いで、花葬儀を選びました。
花葬儀なら、弔問に来てくださる方をお迎えするのに相応しい葬儀になるとも思いました。父は亡くなる1ヶ月前まで現役で仕事をしていて、亡くなる直前までたくさんの方にお世話になったのですが、入院後は感染予防ということで、お見舞いに来ていただくのもままなりませんでした。ですから、お世話になった職場の方に最期に父に会いに来てほしいと思っていたのです。
自由な形の葬儀なので、宗派に合うだろうかという心配はありましたが、お坊様も花葬儀が手配してくださり、何の問題もありませんでした。お花がいっぱいの式場にお寺の葬具が合うのかな?という不安も、会場の雰囲気と調和するアクリル製の透明な焼香台などを用意していただいて、まったく違和感がありませんでした。
花葬儀を体験して良かったこと
ひまわりの花と手書きの手紙。家族の愛がいっぱいの葬儀を叶えられました。
当日、会場に入ったときの感想は、「想像以上」。失礼な言い方かもしれませんが、コーディネーターさんに描いていただいたイラストよりも、本物のほうがずっと良いと感じました。会場は花の香りにあふれていて、ご焼香が始まってからも、お線香の香りに負けることなく、ずっと花の香りが漂っていました。
遺影は旅先で撮影した、カッコ良くポーズを決めている写真を選んだのですが、その雰囲気と花々がとても良く調和していて、妹も「お父さんっぽいね」と喜んでいました。
実は打ち合わせのとき、妹が「お父さんは太陽みたいな人だったから、明るく天国にいってほしい」と言ったところ、コーディネーターの方が「では、ひまわりの花を入れましょう」と提案してくださったのです。3月だったので、正直この時期にひまわりは難しいと思っていたのですが、九州の方から取り寄せてくださって本当に驚きました。他にも、父の愛車は黄色のビートルで、イメージカラーが黄色だったので、黄色の花をたくさん入れていただき、とても明るい会場になりました。
会葬御礼には、小学生の妹が手書きしたお礼状とパインあめを入れました。御礼状を印刷すると費用がかかるのでどうしようかコーディネーターの方に相談したところ、「お嬢様の手書きの手紙をコピーしてはいかがですか。パイナップルがお好きだったのなら、パインあめも一緒に入れましょう」と。手紙は大きなパネルにして、妹が描いた絵と一緒に、会場にも飾っていただきました。
妹も、手紙を書くことが心の支えになったようで、「お父さんために頑張らなくちゃ」と一所懸命書いていました。スタッフの方には、いろいろなアイデアを提案していただき、本当に感謝しています。
お父様はどんな方でしたか?
楽しいことが好きで、自由な発想で現場を変えるアイディアマンでした。
祖父の代から技術系で、公務員として長年、公共施設の設計や省エネ関連の仕事を担当していました。職場の方いわく、父は「アイディアマン」で、自由な発想で現場を改革する人だったそうです。お祭りやイベントなど、皆で楽しいことをやるのが好きな人で、普通は人が嫌がる役員なども進んで引き受けていました。私が小学生になったときに一緒にソフトボールを始め、大人になってから始めたせいかあまり上手くはなかったのですが、自治会のチームに所属して楽しく活動していました。
手先が器用で機械いじりが好き、いつも活動的に行動していました。
車やバイクが好きで、若い頃はVESPAなどが何十台も家にありました。乗るのも好きなのですが、それ以上に手先が器用で機械いじりが好きだったようです。カメラも昔のフィルムカメラなどのコレクションをたくさん持っていて、修理をして友人に譲ることもありました。子どもの頃は家族で裏磐梯にスキーに出かけ、車の中でよくサザンをかけていたのを覚えています。歳を取ってからは沖縄に出かけることが多くなり、音楽はジャズをよく聴いていました。
明るくて自由奔放で常に一生懸命、永遠の少年のような父でした。
父を一言で表すなら、「いくつになっても少年みたいな人」。自由奔放なぶん、周りが振り回されてしまうこともありましたが、息子から見ても、いつまでも子どもみたいで、楽しいことが好きな明るい人でした。日曜日も早起きしてバイクに乗りに出かけるなど、常に何かにめいいっぱい取り組んでいて、家でのんびり過ごしている姿をほとんど見たことがありません。いつもアクティブで、全力で人生を楽しんでいた父。その姿を思うと、「太く短く生きた人生だったのかな」と感じています。
こんなご葬儀でした

お式への要望
現役のまま亡くなった父の明るい印象を崩さない葬儀
〇現役のまま亡くなった父の明るいイメージを崩さない葬儀にしたい
〇お世話になった参列者の印象に残るような葬儀をしたい
〇明るい自由人だった父らしく、家族の愛いっぱいに送ってあげたい
実際のご葬儀
〇イメージカラーが黄色とお聞きして、ひまわりなど黄色のお花をアレンジしました。
〇地元のチームで楽しまれていたソフトボールのユニホームを展示しました。
〇沖縄への家族旅行のお写真とともにお好きだったパイナップルをお供えしました。
〇会葬御礼には、お嬢様の手書きのお礼状とパイン飴を入れました。手書きのお礼状は大きなパネルにして、会場にも飾らせていただきました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
参列者の方から「お父さんからお礼を言われているよう」という言葉をいただくほど、明るく温もりあふれる葬儀になりました。
HPではじめて見たときから、自由でモダンな葬儀になるのだろうとは思っていましたが、実際にお願いしてみて、当初感じていた以上に、とても良い葬儀ができたと思います。お葬式に適切な表現ではないかもしれませんが、「またお願いしたい」「人に紹介したくなる」ような心に残る葬儀でした。
花葬儀の良いところは、「悲しむだけに終わらない葬儀ができる」という点だと思います。参列してくださった職場の方には後日、「なんだか結婚式のような明るい葬儀だったね」と言われました。お別れに行って、逆に父から「今までお世話になりました。ありがとう」と言われているような葬儀だったと。職場の方には、父のことを覚えていてほしいと思っていたので、皆さんの印象に残る葬儀ができて、とても嬉しく思います。
若い頃の父と歳を重ねてからの父、どちらも偲ぶことができる葬儀で、私も、悲しみの中に、まるでそこに父がいるような温かさを感じていました。花葬儀なら私たちのように、「明るく温かく送ってあげられて良かったね」という葬儀ができると思います。
スタッフの方には、本当にお世話になりました。打ち合わせでは、家族を亡くしたばかりで辛い思いをしている私たちに、一生懸命に良い提案をしていただき、当日もテキパキと丁寧な対応をしてくださいましたし、司会の方も、家族が渡したメモをもとに父の仕事での功績を原稿にしてくださり、お世話になった方々に向けて良いスピーチしていただいたと思っています。
お陰様で、とても良い葬儀で無事に父を送ることができました。どうもありがとうございました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。














