花葬儀を選んだ理由
妻の願いを叶えたいという一心で葬儀社を探し、ついに理想のプランに出会えました
体調を崩し介護施設に入所していた妻が、施設内でコロナウイルスに感染し肺炎を発症したことが原因で、73歳の若さで亡くなってしまいました。
大きな喪失感に苛まれながらも、生前から夫婦ともに「お坊さんも戒名も要らない」「少人数でこぢんまりと」と考えていたこともあり、まずはその条件で葬儀をあげてもらえる会社さんを探しました。「シンプルな葬儀」を謳う会社が数社、自宅までパンフレットを持ってきてくださったのですが、中身を見るとやはりお坊さんが入る従来通りの形式ということが多く、がっかりさせられたことも。友人からも「読経がないと葬儀の間、座が持たないだろう」と言われ、「やはりそんなものだろうか」と悩んだときもありました。
そんな中で娘が見つけてくれたのが、花葬儀さんのホームページでした。さっそく見てみると、宗教色がなく10名前後の小規模な葬儀が可能で、花をふんだんにあしらった美しい祭壇を提供してくれるとありました。娘とも「最期はきれいなお花で飾ってあげたい」と話していたので、花葬儀はまさに私たち家族の理想にぴったりだったのです。問い合わせからわずか2日後にプランナーさんとの面談が実現し、そのスピード感もすばらしかったです。
花葬儀を体験して良かったこと
その場でデザイナーさんが描いてくださったイメージスケッチに感動
やはり、妻が希望していた形で葬送してあげられたことが一番です。問い合わせからプランの相談まで日がなかったにもかかわらず、プランナーさんに加えフラワーデザイナーの方もわざわざお越しになり、こちらの要望を丁寧にヒアリングしてくださいました。そして、デザイナーさんがその場でサッと描き上げたイメージスケッチがとても素敵で、「これだ」と一目で気に入ってしまいました。葬儀が終わった後、そのスケッチは記念に頂戴し大切にファイリングしています。
実際の祭壇もスケッチ通り、いえそれ以上の仕上がりでした。最初から飾っていた花のほかに、親族からいただいた供花もすべて祭壇に入れ込んでいただいて、さらに豪華になったのも嬉しかったです。仏式の葬儀によくあるスタンド供花をそのまま置いたのでは、せっかくオーダーメイドしたデザインに違和感が生まれてしまいますよね。このすばらしい世界観が崩れるのではと懸念していましたが、おしゃれに仕上げてくださって良かったです。
当日は妻の友人も数名参列してくださったのですが、「すばらしく美しいご葬儀でしたね」とのご感想をいただけ、妻も喜んでいることと思います。
奥様はどんな方でしたか?
好奇心が旺盛な妻と向かった新婚旅行先は、ハワイでなく「台湾」

右:新婚旅行から40年以上ぶりに家族で訪れた台湾のお写真
妻とは、私が新卒で入った会社に彼女が学生アルバイトで来たことで知り合いました。若さあふれる新入社員だった私はそれなりにモテたのですが、いつの間にか妻のペースに乗せられ、気づけば結婚していましたね(笑)。当時の新婚旅行先といえばハワイが定番でしたが、皆と同じじゃつまらないと台湾を訪れることに。普通の女性なら敬遠するかもしれませんが、妻は「面白そう」と文句も言わずについてきて、好奇心にあふれる性格や物おじしないところも好きでした。
夫婦や家族で年1回の海外旅行が恒例に。趣味も多くアクティブな女性でした

私は仕事上、海外に出張する機会がたびたびあり、アメリカでロッキー山脈やマッキンリーの雄大な光景に圧倒されるたびに「いつか妻にも見せたい」と思っていました。子育てがひと段落してからは毎年のように長期休暇を取り、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなど世界各国を妻と訪問。彼女はそのために英会話を習ったり、はたまた旅先で出会ったベルギー刺繍の教室に通ったりと、精力的に活動していました。葬儀会場に飾ったベルギー刺繍の作品は、妻の手によるものです。
NYの美術館「フリック・コレクション」の中庭が一番のお気に入り

妻は花や植物も大好きで、海外に行くと植栽が美しい古城や美術館の中庭にも、よく足を運びました。一番のお気に入りはNYにある美術館「フリック・コレクション」の中庭で、NYを訪れると必ず立ち寄って、何もせず小一時間くらいゆっくり過ごすのがお決まりに。2019年末から2020年のお正月もNYに行ったのですが、その後すぐにコロナ禍に突入し、これが妻との最後の海外旅行になってしまいました。コロナがなければまだまだ一緒に各地を旅行できたのにと思うと、残念で仕方ありません。
こんなご葬儀でした


お式への要望
お坊さんなし、戒名なし、花であふれる美しい葬儀にしたい
〇宗教色を出したくない
〇少人数の家族葬
〇予算をすべてお花に回し、豪華にしたい
〇シックで上品な雰囲気にしたい。お花はデザイナーさんのセンスにお任せ
実際のご葬儀
〇海外旅行先で写した奥様のお写真を飾りました
〇お写真の周りは生花で彩りを添えました
〇奥様の作品「ベルギー刺繍」を額装して展示しました
〇ご親族・知人からの供花も祭壇に加え、アレンジして飾りました(ご芳名のみ別途展示)
葬儀を終えての感想はいかがですか?
「いい夫婦の日」に合わせたサプライズ演出も!おしゃれな色味の祭壇デザインに娘も大喜び

「ご家族で、もう一度海外旅行に行きませんか」とプランナーさんが提案して下さり、祭壇の周りに旅行先で撮影した写真をたくさん飾っていただきました。どの写真も夫婦や家族の思い出が詰まったものでしたので、温かみあふれる空間になったと思います。
また、葬儀当日は偶然にも11月22日=「いい夫婦の日」。サプライズで花束を用意していただき、妻の棺に私が直接手向けるという粋な演出があり、深く印象に残っています。
妻のファッションの好みは、派手でなくシンプルだけど上品なもの。シックな色合いやデザインの洋服をよく着ていました。祭壇のお花はすべてフラワーデザイナーさんにお任せしたのですが、パープルやワインレッドが多めのおしゃれなデザインに仕上げていただき、とても満足しています。娘も「お母さんらしくて素敵だね」と大変喜んでいました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。