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相続・遺品整理

相続放棄の期間は3か月|起算点や延長方法・押さえるべき注意点とは

相続放棄の期間は3か月|起算点や延長方法・押さえるべき注意点とは

相続放棄を考えている人は、「期間」に注意が必要です。今回は、相続放棄の期間と期間の考え方、延長したい場合の方法や手続きをする上でのポイントを詳しくご紹介します。 相続放棄は、財産を豊富に所有しているご家族がいる人だけに関わるものではありません。誰にでも相続放棄を検討する可能性はありますので、最後までお読みいただき、相続放棄と期間への理解を深めましょう。 【もくじ】 1.相続放棄の期間は3か月 2.相続放棄期間が過ぎたらどうなる? 3.相続放棄の期間延長ができるケース 4.相続放棄の期間延長の手続き方法 5.【例外】期間経過後に相続放棄が認められる場合 6.相続放棄に必要な手続きと書類の準備 7.期限内に正しく相続放棄手続きを行うための注意点 8.相続放棄は必ず期間内に手続きを 1.相続放棄の期間は3か月 相続放棄には3か月の期間があり、それを過ぎた場合、本人の意思に関係なく自動的に相続が決定します。 まずは相続放棄の期間とは何か、そして期間の考え方について解説します。 相続放棄の「期間」とは熟慮期間のこと 相続放棄の「期間」とは「熟慮期間」のことです。相続人は、この熟慮期間中に財産を相続するかどうかを検討し、以下の3つの選択肢から1つを選びます。相続放棄したい場合は、相続放棄を期間内に家庭裁判所に申述する必要があります。 ・単純承認 ・限定承認 ・相続放棄 「単純承認」とは、プラスの財産(※1)やマイナスの財産(※2)に関わらず、被相続人(財産を残して亡くなった人)の財産を無条件で全て相続することをいいます。また限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を上限として、マイナスの財産を引き継ぐ方法です。 (※1)預貯金、株、貴金属など、プラスの価値を持つ財産 (※2)借金など、マイナスの価値を持つ財産 相続放棄期間の起算点は「相続開始を知った時」 では、3か月という期間はいつからを指すのでしょうか。相続放棄の期間の起算点は「相続の開始を知った時」です。具体例は、以下の通りです。 ・亡くなったご家族の遺言書に、財産を自分に譲るという内容が書いてあったことを知った時 ・亡くなったご家族は遺言書を残していなかったが、自分に相続権があることを認識した時 ・前順位者が相続放棄し、自身が新たに相続人となったことを認識した時 ・相続人であるはずの人が既に亡くなっており、自分に相続権が回ってきたのを知った時 相続放棄期間の具体的な起算点・期限 起算点や期間の満了日についてもう少し詳しくご紹介しましょう。民法では「期間の初日は数に含まず、期間は末日を持って満了する」と定められています(※3)。 例えば相続開始を知った日が4月1日だった場合、起算点は4月2日となり、3か月後の7月2日の午前0時(7月1日の24時)までが相続放棄の期間です。ただし7月1日が日曜日や祝日の場合はその翌日が満了日となります。 (※3)民法(明治二十九年法律第八十九号) 第百四十条・第百四十一条 URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-Pa_1-Ch_6-At_140 (閲覧日2024年12月25日) 2.相続放棄期間が過ぎたらどうなる? 相続放棄の申述を、相続を知った時から3か月以内に行わなかった場合、原則として相続放棄ができなくなります。 ただし、条件次第では3か月の期間を延長することが可能です。期間延長ができるケースや手続き方法は次項から解説していきます。 3.相続放棄の期間延長ができるケース 相続放棄の期間延長は、「3か月という期間があることを知らなかった」「多忙で手続きができなかった」といった理由では認められません。そのため、相続が開始することを知った時点で、迅速に行動することが重要です。相続放棄の申述期間を3か月以上に延長することができるケースは、以下の通りです。 相続財産の調査が終わっていない場合 相続放棄をするかどうか決定するためには、事前にどのような相続財産があるのかを把握する必要があります。以下のケースのように相続財産の調査に時間がかかっており、3か月以内に全体を把握できない場合は、期間の延長の申し立てを行うことができます。 ・被相続人が財産の内容を明らかにしないまま亡くなった ・財産が多岐に渡り全容が把握できない ・財産の評価額の判定に時間がかかっている 他の相続人と連絡が取れない場合 相続放棄の期間延長の申し立ては、他の相続人と連絡がつかない場合にも可能です。理由は以下の通りです。 ・遺言書がある場合、遺言書に記載されている相続人全員に遺言書の内容を通知しなくてはならないため ・相続権のある人が相続放棄を行うと、別の人に相続権が移るため ・遺言書がない相続では、法定相続人全員で財産の分け方を話し合う必要があるため 相続の権利を持つ人は、遺言書に記載されている人物以外にも、亡くなった人の配偶者、子、実の親、兄弟姉妹など民法によって定められています。これを「法定相続人」といい、法定相続人には以下のように優先順位があります。 【法定相続人と相続順位】 ・常に相続人 配偶者 ・第1順位 […]

死亡後に行うべき手続きの流れ|葬儀から相続まで期限とあわせて解説【一覧表付き】

死亡後に行うべき手続きの流れ|葬儀から相続まで期限とあわせて解説【一覧表付き】

死亡後に行わなければならない手続きは、数十種類にものぼります。「逝去から14日以内」など期限が設けられているものもあるため、やるべきことを押さえておかなければ慌ただしく過ごすことになってしまうでしょう。 そこで今回は、死亡後に行うべき手続きの種類・方法・期限について、順を追ってご紹介します。「家族を失ってすぐに行動なんてできない」と思う方が大半でしょうが、ご紹介する内容はお金や権利など、非常に重要なものばかりです。大切な人の人生の幕をしっかり下ろすためにも、ぜひ最後までお読みください。 【もくじ】 1.死亡後の手続き【葬儀・初七日まで】 2.死亡後の手続き【5日後~14日以内】 3.死亡後の手続き【3カ月以内】 4.死亡後の手続き【葬儀後~四十九日まで】 5.死亡後の手続き【6カ月以内】 6.死亡後の手続き【10カ月以内】 7.死亡後の手続き【2年以内】 8.死亡後の手続き【3年以内】 9.死亡後の手続き【5年以内】 10.死亡後の手続き【その他/期限は無いが早めに】 11.死亡後の手続き一覧表 12.死亡後の手続きに関するQ&A 13.死亡後の手続きは期限を守ってすみやかに行いましょう 1.死亡後の手続き【葬儀・初七日まで】 死亡後から葬儀・初七日までに行わなければならない手続きをご紹介します。 死亡診断書の受け取り 「死亡診断書」とは、その人の死を医学的・法律的に証明する文書です。主に以下の項目が記載されています。 ・死亡した人の氏名、生年月日 ・死亡した日付 ・死亡した場所の住所 ・死亡の原因 病院で亡くなった場合や、治療中の病気で亡くなった場合は、当日か翌日には死亡診断書を受け取ることができます。死亡診断書は医師が作成し、ご遺族に渡されます。なお、「治療していない病気が原因の死亡」「不審死」「自殺」などの場合には「死体検案書」が作成されますが、受け取りに時間を要するケースもあります。 死亡届の提出 死亡診断書(死体検案書)を受け取ったら、「死亡届」を提出します。死亡診断書と死亡届は一体となっているため、新たに書式を用意する必要はありません。 【死亡届の手続き】 ・手続き先 死亡した場所を管轄する役所 死亡した人の本籍地 届出人の所在地を管轄する役所 のいずれか ・必要書類 死亡届、死亡診断書(死体検案書) ・期限 死亡を知った日から7日以内 期限を過ぎると5万円以下の過料が発生することがありますので注意してください。 埋火葬許可証の交付申請 死亡届を提出する際に申請するのが「埋火葬許可証(まいかそうきょかしょう)」です。埋火葬許可証がないと、ご遺体を火葬したり、埋葬したりすることができません。 死亡届と一緒に「埋火葬許可申請書」を提出しましょう。内容に不備がなければ許可証が発行されます。 葬儀社の選定、打ち合わせ 葬儀を執り行うために、葬儀社を選定します。亡くなってから探し始めると熟考する時間が取れないため、生前のうちから葬儀の希望をまとめたり、事前相談をしたりして、候補を絞っておくことをおすすめします。 葬儀社が決まったら、葬儀の内容について葬儀社と打ち合わせを行い、葬儀の準備を行います。参列してほしい人に連絡を取ることも忘れないようにしましょう。 通夜・葬儀・初七日の実施 通夜、葬儀・告別式を執り行います。仏教では亡くなってから7日目で「初七日(しょなのか)法要」を行うのが一般的ですが、近年は葬儀・告別式と同じ日に続けて執り行うケースが増えています。別日に行う場合は、別途葬儀社や宗教者へ依頼しましょう。 2.死亡後の手続き【5日後~14日以内】 死亡後5~14日以内に行うべき手続きについてご紹介します。 健康保険の資格喪失手続き 健康保険には「国民健康保険」「被用者保険」「後期高齢者医療制度」の3つがあります。 国民健康保険と後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合、通常、死亡届の提出により自動的に資格喪失の手続きが行われます。ただし、自治体によっては追加の手続きが必要な場合がありますので、具体的な手続きについては、お住まいの自治体の窓口に直接確認することをおすすめします。 【健康保険の種類と死亡時の手続き方法】 国民健康保険 被用者保険 後期高齢者医療制度 概要 […]

相続問題でよくあるトラブル5選|親が高齢になったら考えたい対策

相続問題でよくあるトラブル5選|親が高齢になったら考えたい対策

相続問題は、遺産の大小に関係なく起こります。他の相続人とのトラブルを避けるために、今からできることはなんでしょうか。 今回のコラムは「相続問題で起こりがちなトラブル5選」をテーマに、将来の相続に備えておきたい対策をご紹介します。「親も高齢になったので、そろそろ相続について具体的な行動を起こしたい」と考えている方にぴったりの内容です。どうぞ最後までお読みください。 【もくじ】 1.相続問題の増加と原因 2.相続問題が起こることによるリスク 3.相続で起こりがちなトラブル・問題5選 4.相続問題を未然に防ぐための対策・準備 5.相続問題の予防・解決には花葬儀をご利用ください 6.相続問題は事前の対策で予防しよう 1.相続問題の増加と原因 相続トラブルは、近年増加傾向にあります。相続人同士が対立する背景には、「家族関係の変化」「個人の権利意識の高まり」「高齢化社会の進展」などがあると考えられます。 相続問題が起こる主な原因は以下の通りです。 ・もともとご家族、ご親族同士の付き合いが希薄だった ・遺産が不動産など、簡単に分けられるものではなかった ・被相続人(※1)への貢献度と、実際の相続内容が釣り合わなかった ・怪我や病気により、財産所有者、もしくは相続人になる予定の人と意思疎通ができなくなった ・被相続人に多額の借金があることが発覚した 少しでも気になる点があれば、「我が家は大丈夫」と過信せず、相続が始まる前に対策を打っておくことが大切です。 (※1)亡くなった財産所有者 2.相続問題が起こることによるリスク 相続問題が起こると、どのようなリスクが発生するのでしょうか。 こちらで詳しくご紹介します。 家族関係の悪化 相続は金銭や権利など、繊細な要素を含むため、トラブルに発展すると、相続人同士の関係が悪化することが予想されます。 一般的に「相続人となる人」は以下の通りです。 ・遺言書がある場合 遺言書にて指定された人物。被相続人の血族が大半。 ・遺言書がない場合 民法で定められた相続の権利を持つ「法定相続人」。 (被相続人から見た)配偶者、子、親、祖父母、兄弟姉妹 など つまりほとんどのケースにおいて、相続問題はご自身に近しいご家族と争うことになります。「相続問題をきっかけに家族と断絶してしまった」というケースも珍しくありません。 金銭的・時間的・精神的な負担の増大 「誰が」「何を」「どのくらい相続するか」が決まらなければ、相続手続きを次のステップに進めることができません。決定には相続人全員の同意が必要であるため、相続問題が長期化するほど、以下のようなリスクが生じるかもしれません。 ・遺産に手をつけることができず、必要な支払いができない ・問題解決のために専門家に相談したら、想定外に時間と出費がかかった ・相続問題が思うように解決せず、精神的に参ってしまった また、相続した財産が一定額を超える場合、金額に応じて相続税が課せられます。相続税の申告・納付には期限があるため、「申告が遅れて罰則を受けた」といったことも起こりうるでしょう。相続問題が起こることで、相続人全員に金銭的・時間的・精神的な負担が重くのしかかる可能性があります。 法的手続きの遅延 相続問題は、法的手続きの遅れを引き起こします。相続に関係する法的手続きと内容は以下の通りです。 限定承認と相続放棄 相続方法には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3種類があります。それぞれの意味は以下の通りです。 ・単純承認:全ての財産を相続すること ・限定承認:財産を限定的に相続すること ・相続放棄:全ての財産を放棄すること 財産には預貯金や株式といった「プラスの財産」と、借金などの「マイナスの財産」があります。「マイナスの財産>プラスの財産」だった場合、相続人はプラスの財産の範囲内でマイナス財産も引き継ぐ「限定承認」か、相続放棄の選択を取ることができます。 ただし、限定承認と相続放棄の申請期限は3カ月以内と決まっているため、申請期間に遅れると単純承認が決定してしまいます。 相続登記 「相続登記」とは、死亡した人から相続した不動産の名義変更をする手続きです。法律により、相続を知ったときから3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられています。相続登記が期限内に完了していないと罰則の対象になるだけでなく、相続した不動産の権利を主張することが困難になる可能性があります。 故人の意思の尊重が困難 相続問題が発生することにより、故人様が希望していた通りの相続が行われない可能性が高くなります。何より、自分の財産をめぐってご家族が対立するのは、故人様にとって本意ではないでしょう。 3.相続で起こりがちなトラブル・問題5選 こちらでは、相続で特に多いトラブルを5つご紹介します。 相続財産の取り分について意見が食い違う 遺産の種類や規模に関わらず、相続人が複数いる場合に最も起こりやすい問題です。財産の取り分は、相続人が増えるほど合意が難しくなります。具体例を見てみましょう。 【例1】 […]

土地を相続放棄する方法は?押さえておきたいポイントや制度を解説

土地を相続放棄する方法は?押さえておきたいポイントや制度を解説

相続する予定の土地を相続放棄したい場合は、慎重に行動しなくてはなりません。安易な判断をすると、意図した通りの相続放棄ができない事態に陥りかねません。 今回は、土地を相続放棄する方法や相続放棄に関する制度について、わかりやすくご紹介します。土地の相続放棄をスムーズに進めるための重要な情報を多数お伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。 【もくじ】 1.土地を相続するか・相続放棄するかは慎重な判断が必要 2.いらない土地だけを相続放棄することはできない 3.土地の相続放棄の期限・仕組み 4.相続放棄で土地を手放す方法・流れ 5.相続放棄で土地を手放す前に押さえておくべきポイント 6.土地を相続放棄できない場合はどうする?対策を解説 7.相続した土地所有権の放棄ができる「相続土地国庫帰属制度」とは 8.土地の相続放棄に関する疑問は花葬儀までご相談ください 9.いらない土地は相続放棄するか有効に活用できる方法を検討しよう 1.土地を相続するか・相続放棄するかは慎重な判断が必要 土地は預金、株式、貴金属、自動車などと比べて、特殊な財産にあたります。なぜなら、土地には一等地から山林までさまざまな種類があり、保有しているだけでプラスの価値を生むものもあれば、逆にマイナスになってしまうものもあるからです。 価値の高い土地であっても、相続すれば固定資産税や土地を管理するための支出が生じますし、何かトラブルが生じた際に土地管理者としての責任を負うことにもなります。「土地を相続するか、相続放棄するか」の判断は将来への影響を考慮しながら、慎重に行わなければなりません。 2.いらない土地だけを相続放棄することはできない 「相続放棄」とは、相続する予定のもの一切を引き継がないことを指し、土地の相続放棄を選択した場合は以下の財産全てに関する相続権利を失います。 そのため、下記のような例は、どちらも認められません。 「都内の一等地と郊外にある管理の大変そうな山林を相続することになった。山林だけ相続放棄したい」 「遺言書には、預貯金と土地を譲ると書いてあった。預貯金だけを相続したい」 相続放棄によって相続権利を失う財産を以下にまとめましたので、参考にご覧ください。

相続人が認知症のときの問題と事前対策~相続手続きについても解説

相続人が認知症のときの問題と事前対策~相続手続きについても解説

今回は「相続人の中に認知症の方がいる場合の相続はどうなるのか?」をテーマに、事前対策と相続手続きについて解説します。 例えばお父様が亡くなり、認知症のお母様と複数人の子どもが財産を相続する場合、相続手続きが難航する恐れがあります。亡くなった方の財産が希望通りの形でご家族に渡るためには、相続人の中に認知症の方がいた場合に起こりうるトラブルやリスクを事前に把握し、対策をしておくことが重要です。 2040年には高齢者の約15%が認知症になると予想されています。現在、周りに認知症の方がいない人も他人事と思わず、もしもの時の備えとしてぜひ最後までお読みください。 【もくじ】 1.認知症の人が相続人になったら?法律面から解説 2.相続人の認知症が軽度の場合はどうなる? 3.相続人が認知症の場合に起こりうる相続トラブル・リスク 4.【財産所有者がご存命のとき】認知症相続人がいる場合の対策 5.【財産所有者のご逝去後】認知症相続人がいるときの相続手続き 6.認知症や相続は花葬儀にご相談ください 7.認知症の相続人がいる場合は早めの対策を 1.認知症の人が相続人になったら?法律面から解説 「認知症」とはさまざまな脳の病気により、記憶力や判断力などの認知機能が低下して、社会生活に支障をきたしている状態を指します。もしも認知症の人が相続人の中にいた場合、どのようなことが起こりうるのでしょうか?法律面から解説します。 認知症の相続人は相続放棄ができない 最初におさえておきたいポイントは、「認知症の人がとった法律行為は、無効となる可能性がある」ことです。このことは、民法第3条の2により定められています。 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。 (民法第3条の2) 相続人は被相続人(財産を残して亡くなった人)の希望に関わらず、相続を放棄することが可能です。しかし相続放棄も法律行為にあたるため、認知症の人が相続放棄しようとしても民法上認められません。 相続する財産よりも負債が多い場合や、相続財産の維持コストが高い場合など、客観的に見て相続放棄したほうがよさそうでも、スムーズに相続放棄ができないのです。 認知症の相続人がいると遺産分割協議は非常に困難 被相続人が遺言書を残していなかった場合、法定相続分(民法で定められた相続割合)に従って遺産を分配することが可能です。しかし、相続人全員の同意があれば、法定相続分とは異なる分配を決定することもできます。その場合は、相続権のある人全員で「誰が・何を・どのくらい相続するか」を相談して決めます。この話し合いを「遺産分割協議」といいます。 遺産分割協議は法律行為であるため、相続人の中に認知症の方がいた場合、有効な遺産分割協議を行うこと自体が非常に困難になります。 相続人の代わりに署名すると罪に問われる恐れも 遺産分割協議で決定した内容は「遺産分割協議書」にまとめます。遺産分割協議書はその後の相続手続きに必要となり、相続人全員の署名と捺印が必須です。自分の意思のもと行動できない認知症の相続人に代わって他の相続人が署名・捺印を行うと、遺産分割協議そのものが無効になるだけでなく、代筆した人が私文書偽造の罪に問われる恐れがあります。 2.相続人の認知症が軽度の場合はどうなる? 認知症には軽度~重度と程度があるため、全ての認知症の方が遺産分割協議に参加できないわけではありません。遺産分割協議に参加できるだけの意思能力が本人にあると判断されれば、遺産分割協議ならびに遺産分割協議書は有効となります。 なお、意思能力の判断は、多くの場合、医師の診断や関係者の総合的な評価に基づいて行われます。しかし法的な争いが生じた場合には、最終的には裁判所が判断を下すことになります。 軽い認知症であっても、法律上「判断能力のない者」とされてしまった場合、遺産分割協議が無効になるかもしれません。そのため、認知症の程度に関係なく、財産所有者が元気であるうちに対策を講じておくことが無難です。事前の対策については、「【財産所有者がご存命のとき】認知症相続人がいる場合の対策」で詳しくご説明します。 3.相続人が認知症の場合に起こりうる相続トラブル・リスク 相続人の中に認知症の方がいた場合、相続ではどのようなトラブルやリスクが起こるのでしょうか? こちらで詳しくご紹介します。 相続人同士が対立する ひとつめの可能性は、「相続人同士の対立」です。 (例) 当時は意思能力があった相続人が筆頭となって、財産の分割割合を決めていた。ところが遺産分割協議書を作成する直前に認知症が進行してしまったことにより、遺産分割協議がやり直しとなった。結果、白紙になった分割割合を巡って相続人同士が対立してしまった。 認知症の進行速度は人によって異なること、認知症の症状は日や時間によって波があることなどが、相続人同士の争いの原因となるようです。 認知症相続人が財産を適切に管理できない 遺産が相続されたとしても、認知症の程度によっては以下のようなトラブルが起こり得ます。 (例) 認知症の相続人が相続したはずの遺産(貴金属)がいつの間にか無くなっていた。ご家族が本人に確認を試みたが、相続人が廃棄してしまったのか、盗まれてしまったのかが分からず、そのまま行方知れずとなった。 認知症である相続人が財産を適切に管理できなくなっていた場合、遺産を失ったり相続人の間で疑心暗鬼に陥ったりといったことが起こる可能性もあります。 被相続人の意思が反映されない相続になる 相続が発生する前に対策を何も行っていなかった場合、被相続人の意思が反映されない相続になることがあります。 (例) 財産所有者は「家族みんなで相談して納得のいくように財産を分け合ってほしい」と思っていたが、相続が発生したとき(財産所有者の死亡)に認知症を患った相続人がおり、遺産分割協議が難航し、結果として誰も納得できない形での相続となった。 相続税の特例が使えない 相続した財産の総額が「3,000万円+600万円×法定相続人(※1)の数」を超えた分には相続税が課されます。 相続税には「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」など、税額を一部軽減させるための特例がありますが、特例を受けるためには遺産分割が確定していることが必要です。「遺言書なし・認知症の相続人あり」の場合の相続では、遺産分割協議が難航する可能性があり、特例を使うことができない恐れがあります。 (※1)民法で定められた「相続する権利を持つ人」のこと。被相続人にとっての配偶者や子、両親や兄弟姉妹など。 預貯金などが凍結される 口座の名義人が認知症であると判断された場合、金融機関は財産の安全を守るために口座を凍結します。金融機関によっては、現金の引き出しや、ローンの支払いが不可能になるかもしれません。 被相続人から現金や株式を相続した場合には、後にご説明する成年後見制度を利用しなければ、自分の口座に移したり運用したりすることができなくなります。 4.【財産所有者がご存命のとき】認知症相続人がいる場合の対策 認知症による相続トラブルやリスクを回避するために、どのような対策が必要なのでしょうか。 まずは、財産所有者が元気な間にやっておくべき対策をご紹介します。 […]

遺産分割協議書の作成に必要な書類は?期限や注意点もあわせて解説

遺産分割協議書の作成に必要な書類は?期限や注意点もあわせて解説

花葬儀が送る「相続」に関するコラム、今回のテーマは「遺産分割協議書の作成に必要な書類」です。遺産分割協議で重要なのは、話し合いだけではありません。合意した内容を書面で残すことで、不要な争いを避けたり、相続の手続きを円滑に進めたりすることができます。 このコラムでは、遺産分割協議書を作るにあたって必要となる書類や、遺産分割協議書を使う手続き、書類の期限についてご紹介します。相続に関する事柄は専門用語が多く難しいと感じてしまいますが、このコラムではわかりやすさを最優先しておりますので、どうぞ最後までお読みください。 【もくじ】 1.遺産分割協議書とは何か? 2.遺産分割協議書を作るために必要な書類 3.遺言書があっても遺産分割協議を行う場合の必要書類 4.遺産分割協議書や相続手続きに必要な書類はコピーでも代用できる? 5.「法定相続情報一覧図」を作ると必要書類を代用できることも 6.遺産分割協議書を使う手続き・必要書類と提出先 7.遺産分割協議書や必要書類の有効期限 8.遺産分割協議書の作成で必要書類をまとめる際の注意点 9.遺産分割協議書作成のための必要書類は早めの用意を|わからないことは花葬儀へ 1.遺産分割協議書とは何か? そもそも「遺産分割協議書」とは、具体的にどのような書面を指すのでしょうか? 役割やメリットをこちらで詳しくご紹介します。 遺産分割協議書とは 「遺産」とは、亡くなった人の保有していた財産を指します。遺言書がある場合は、基本的に「遺言書に記載されていた人物」に「遺言書に記された内容に従って」相続されます。 もしも、亡くなった人が遺言書を残していない場合、「誰が」「何を」「どのくらい」相続するのかを決めなくてはなりません。相続の権利を持つ人(亡くなった人の配偶者や子ども、両親、兄弟姉妹などの血縁関係にあたるご親族)たちが、以下のいずれかの方法で遺産を分け合います。 1.「法定相続分(※1)」に従って分ける 2.自分たちで相続の割合を話し合って決定する 2.の自分たちで話し合って決めることを「遺産分割協議」といい、遺産分割協議で決まった内容を記したものが「遺産分割協議書」です。 (※1)民法によって定められている、誰が何を相続するかの目安となる割合。例えば配偶者と子2人の計3人が相続するなら、「配偶者2分の1、子4分の1、子4分の1」が目安。 出典:登記申請手続きのご案内(相続登記①/遺産分割協議編)法務省民事局7ページ URL :https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001388912.pdf 参照元:法務局 不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~ URL :https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html (閲覧日2024/7/19) 遺産分割協議書の役割・メリット 遺産分割協議書を作る大きな目的は「トラブルの防止」と「相続手続き」です。遺産分割協議で決定した内容を証拠として残すことで、「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。 また、相続によって承継した遺産の名義変更や相続税申告など、各種相続手続きの際にも、遺産分割協議書の提出が求められます。遺産分割協議書は、相続に関わるさまざまな場面で重要な役割を果たすのです。 2.遺産分割協議書を作るために必要な書類 遺産分割協議書を作るための必要書類は、以下の通りです。 【遺産分割協議書作成の必要書類】 被相続人に関する書類 ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類 ・被相続人の住民票除票または戸籍の附票 ・残高証明書、通帳 相続人に関する書類 ・相続人全員の印鑑登録証明書、実印 ・相続人全員の戸籍謄本 ・相続放棄者に関わる書類 その他 ・財産目録 ・寄与、特別受益などの証明となる書類 ・遺産の詳細がわかる文書 それぞれの書類の詳細や取得方法をご紹介します。 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等 被相続人(ひそうぞくにん)とは、財産をのこして亡くなった人のことを指します。被相続人が亡くなり相続が開始したことを証明するために、以下の書類が必要となります。 【被相続人に関する必要書類】 書類 概要 戸籍謄本 (こせきとうほん) 戸籍にある全員の身分事項を証明する 除籍謄本 […]

遺品整理はいつから行う?タイミングや進め方、注意点を押さえよう

遺品整理はいつから行う?タイミングや進め方、注意点を押さえよう

遺品整理はいつから始めるべきか、どのように進めるとよいのかは、多くの方にとって悩ましい問題です。大切なご家族を亡くされ悲しみの中にあるさなかに、遺品整理をする気持ちにはなかなかなれないものです。しかし、そのまま置いておくことができない場合も、少なくないでしょう。 そこで今回は、遺品整理を始めるタイミング、注意すべき点や費用などについて解説します。遺品整理をする時期や方法に迷っている方は、ぜひこの記事を読んで、整理を進める参考になさってください。 【もくじ】 1.遺品整理とは 2.「遺品整理をいつから行うか」は、ご家族の心の準備ができたタイミングで 3.遺品整理はいつからするとよい?節目となるタイミングとは 4.遺品整理の方法は大きく分けて2通り 5.自分たちで遺品整理をするときの流れ 6.遺品整理を行うときの注意点 7.遺品整理にかかる費用 8.業者に遺品整理を依頼する場合の選び方 9.遺品整理に関する疑問は花葬儀にご相談ください 10.遺品整理をいつから行うかは、ご家族の状況に合わせて決めましょう 1.遺品整理とは 「遺品整理をいつから始めたらよいか」を考えるにあたり、そもそも遺品整理とは具体的には何をすることなのか、また、誰が行うものなのかといった基本情報について押さえておきましょう。 遺品整理は「故人様の身の回りのもの」の整理 そもそも「遺品」とは、「故人様が使っていた身の回りのもの」の総称です。金銭的価値の有無にかかわらず、家具や家電、日用品などが含まれます。遺品整理とは、故人様の死後、のこされた身の回りのものを丁寧に整理し、適切な方法で分配または処分することをいいます。 遺品は法的には相続財産とされるため、法定相続人が遺品整理を行うことが一般的です。相続の手続きによって所有権が移動するため、相続放棄しない限り、遺品整理をする義務も生じます。遺品整理は時に心労を伴うものとなりますが、ご家族にとっては新たな一歩を踏み出すための大切な過程でもあります。 目に見えない「デジタル遺品」にも注意 デジタル遺品とは、故人様がスマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスに保存したデータのことです。具体的には、以下のようなものが含まれます。 ・写真、動画 ・文書ファイル ・ネット銀行の情報 ・月額制サービスのアカウント情報 ・SNSアカウントなど デジタル遺品を放置すると、「月額制サービスの料金が故人様の口座から引き続き引き落とされる」「SNSアカウントが乗っ取られる」「故人様の個人情報が漏洩する」といった問題が発生する恐れがあります。デジタル遺品も、遺品整理の一環として忘れずに行うことが大切です。 2.「遺品整理をいつから行うか」は、ご家族の心の準備ができたタイミングで 遺品整理を始める時期は、ご家族の心の準備ができたときがベストです。悲しみの中で、無理に遺品整理を進める必要はありません。 ただし実際には、以下のような事情により、早めの対応が必要になる場合もあります。 ・賃貸住宅の家賃の支払いが続く場合 ・固定資産税の納付期限が迫っている場合 ・空き家の管理が必要になる場合 このような状況では、遺品整理を後回しにすることが難しくなります。将来的な問題を避けるためにも、適切なタイミングで整理することが重要です。 3.遺品整理はいつからするとよい?節目となるタイミングとは ここからは、ご家族のお気持ちや故人様に関する諸手続きの観点から、遺品整理を行う上で節目となるタイミングについて解説します。 法要に合わせて 遺品整理は通常、故人様のご親族や相続人が行います。法要は、故人様をしのびつつ別れを受け入れる場でもあるため、心の整理をしたうえで遺品の整理に臨むことができるかもしれません。特に、四十九日法要に合わせて遺品整理が行われるケースが多いようです。 法要で集まる機会を利用して、故人様との思い出の品である「形見」を分け合うこともできるでしょう。 故人様に関わる諸手続きの後 葬儀後に行うべき手続きは70にも及ぶと言われており、故人様が亡くなった直後は、ご家族は死亡届の提出、健康保険証の返納、年金受給権者死亡届の提出、各種名義変更などの手続きに追われます。故人様に関わる諸手続きが済んだ後であれば、落ち着いた気持ちで遺品を整理できるかもしれません。 なお、遺品の中には故人様が所有されていた車など、名義変更が必要なものもあるため、遺品整理と並行して手続きが必要です。詳しくは「死亡後に名義変更が必要となる遺産や契約」をご覧ください。 賃貸住宅の場合は契約満了までに 故人様が賃貸住宅にお住まいだった場合、契約満了までに部屋を引き渡す必要があるため、契約満了日を踏まえて遺品整理を行うことが重要です。 円滑に進めるためにも、以下の手順で進めることをおすすめいたします。 1.故人様の賃貸契約の内容を確認する 2.家主や管理会社と連絡を取り、退去日程や必要な手続きを把握する 3.確認した情報をもとに、遺品整理を行う 時間的な制約がある中での作業は、心理的にも物理的にも、負担が大きくなる可能性があります。必要に応じて、親しい方々の協力を得たり、遺品整理の専門サービスを利用したりすることも考慮してみてください。 持ち家を売却する予定があればそれまでに 故人様が所有していた家を売却する予定がある場合、売却予定日までに遺品整理を行うことになります。早い段階で遺品整理を始めると、以下のような利点があります。 ・故人様の大切な品々を整理するための心の準備ができる ・家の状態を良好に保つことが可能 ・不要なものを処分することで空間を広く見せ、売却時の印象が良くなる また、相続した不動産の売却に関しては、以下の点にご留意いただくと経済的なメリットが得られる場合があります。両方の特例とも、適用期限は相続税の申告期限から約3年以内の売却になります。 被相続人の居住用財産(空き家)を売却したときの特例 […]

準確定申告とは?葬儀費用は控除対象になる?手続き期限や必要書類など

準確定申告とは?葬儀費用は控除対象になる?手続き期限や必要書類など

「準確定申告で葬儀費用を控除できるのだろうか?」大切なご家族の葬儀を終えた時に、このような疑問を抱く方がいらっしゃるかもしれません。 準確定申告は、ご家族が亡くなった後に手続きを求められる場合があります。しかし、申告を行う人や申告期限、申告基準が通常の確定申告と異なるため、注意が必要です。今回は、準確定申告について申告方法などをわかりやすく説明し、準確定申告で葬儀費用が控除できるかについても解説します。ぜひ最後までご一読ください。 【もくじ】 1.準確定申告は「故人様の確定申告」 2.準確定申告で葬儀費用は控除できるのか? 3.準確定申告が必要なケース、必要が無いケース 4.準確定申告が必要かどうか確認する方法 5.準確定申告で控除を受けられるもの 6.準確定申告は相続人全員で行う 7.準確定申告の期限は「相続後4か月以内」 8.準確定申告の手続きの流れ 9.準確定申告や葬儀費用に関するQ&A 10.準確定申告では葬儀費用の控除は不可|申告が必要かどうかはよく確認を 1.準確定申告は「故人様の確定申告」 そもそも「確定申告」とは、自分の1年間の所得(収入から経費などを差し引いたもの)から納めるべき税金を計算して、国に申告する手続きのことです。「準確定申告」は、税金を申告することができない故人様に代わり、相続人等が申告を行います。 準確定申告の申告対象期間は、「1月1日から亡くなる当日まで」です。したがって、故人様が8月1日に亡くなった場合、同年1月1日から8月1日までの間に得た所得に応じて申告を行います。 ただし、必ずしも全ての故人様に準確定申告であるわけではありません。詳細は「準確定申告が必要なケース」でご紹介します。 なお、自身が1年以上海外に移住する際に準確定申告が必要になることもありますが、このコラムでは、亡くなった人に関する準確定申告を中心にご紹介します。 2.準確定申告で葬儀費用は控除できるのか? 「控除」とは、納める税金を計算にあたり一定の金額を差し引くことのできる制度です。例えば確定申告で所得税を計算する場合、申告対象期間内にかかった医療費や生命保険料などを一部控除することができます。 では、準確定申告において、故人様の葬儀にかかった費用を控除することはできるのでしょうか?こちらで解説していきます。 準確定申告では葬儀費用は控除できない 結論から先に述べると、準確定申告では葬儀費用を控除することはできません。確定申告(準確定申告)で認められる所得控除には、医療費控除や社会保険料控除などがありますが、これらの中に葬儀費用に該当するような項目はないからです。そのため、たとえ故人様が生前すでに自分の葬儀費用を支払っていたとしても、葬儀費用は控除の対象にはなりません。 相続税控除の対象になる葬儀費用 では、葬儀費用はまったく控除されないのかというと、そうではありません。故人様の葬儀にかかった費用は、相続人が行う確定申告のうちの「相続税」において控除されます。 相続税の控除対象となる葬儀費用は以下の通りです。 1.火葬、埋葬、納骨にかかった費用 2.葬儀の前後に生じた費用のうち、葬儀に欠かせない費用 3.死亡診断書作成費用 4.故人様のお体の捜索や、お体・ご遺骨の運搬にかかった費用 2は、具体的には棺、斎場使用料、安置、通夜、会葬御礼、お布施などを指しています。香典返しや参列者の交通費、お墓の購入代などは含まれないため、注意が必要です。相続税における葬儀費用の控除は「葬儀費用のうち相続税控除の対象になるもの」にてわかりやすく解説しておりますので、併せてご一読ください。 「故人は生前大きな所得はなかったようだし、葬儀費用が控除できないのであれば、準確定申告はしなくてもよいのではないか?」と考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、ご家族が把握している収入が全てとは限りませんし、申告をすることで還付金が戻ってくるケースもあります。 次の項では準確定申告が必要なケースや、しなくてもよいケースについてご紹介いたします。申告を行うかどうかの判断材料としてお役立てください。 3.準確定申告が必要なケース、必要が無いケース 「実は準確定申告が必要だった」「申告していたら還付金が得られたのに」という失敗がないよう、相続が判明した時点で準確定申告が必要かどうか確認することが大切です。以下を参考に、故人様のケースがいずれにあたるのかを確認してみてください。 準確定申告が必ず必要となるケース 準確定申告が必要となるのは、「被相続人(※1)が生前に確定申告を行っていた場合」と「被相続人が死亡した年に収入がある場合」です。 【準確定申告を必ず行わなければならないケース】 ケース 具体例 被相続人が生前に 確定申告を行っていた ・一定額を超える収入(※2)があった ・個人事業主であった ・不動産収入があった ・同族会社の役員で、かつ、会社から利子や賃料を受け取っていた ・2箇所以上から給料を得ていた 被相続人が死亡した年に 収入がある ・不動産を売却した ・株式を売却した ・保険金を得た (※1)財産を遺して亡くなった人 (※2)「2,000万円を超える給与」「400万円を超える年金」「必要経費を除いた副収入が20万円以上」のいずれの場合に該当 準確定申告によって納税の義務が生じた場合、申告を行った相続人が遺産分割の割合に応じて支払うのが原則です。 […]

葬儀費用における控除の対象はどこまで?相続税申告が必要な場合や確定申告について解説

葬儀費用における控除の対象はどこまで?相続税申告が必要な場合や確定申告について解説

「葬儀費用を控除できれば……」と思う方は少なくありません。葬儀費用は決して安い金額ではありませんが、税に関することは複雑で、理解するのはとても難しいものです。 そこで今回は、葬儀費用の控除について、概要や注意点をわかりやすく解説します。控除の対象になる葬儀費用の範囲や、葬儀費用と関わりのある「相続税」の計算方法など、葬儀費用の控除について知りたい方に必要なポイントを厳選してご紹介します。どうぞ最後までご覧ください。 【もくじ】 1.葬儀費用は税控除の対象になる? 2.葬儀費用のうち相続税控除の対象になるもの 3.葬儀費用のうち控除対象にならないもの 4.【注意】相続税申告のために「領収書」やメモは必ず保管 5.相続税の計算方法 6.葬儀費用は控除を利用して賢く節税しましょう 1.葬儀費用は税控除の対象になる? そもそも、葬儀にかかった費用は、控除対象になるのでしょうか? こちらで詳しく解説します。 葬儀費用は「相続税」の控除対象になる 葬儀費用が控除の対象になるのは、「相続税」です。相続税は、課税対象となる財産の価格(課税価格)が、基礎控除額を超えた場合に支払います。そのため、「課税価格<基礎控除額」であれば、葬儀費用も控除の対象にはなりません。課税価格の出し方については、後ほど解説します。 「基礎控除」とは、全ての納税義務者が、無条件で課税額から一定の金額を引くことのできる、納税の負担を軽くするためのシステムです。基礎控除額の計算方法は以下の通りです。 3,000万円+600万円×法定相続人(※1)の数=基礎控除額 (※1)故人の配偶者や子など、民法で定められた相続権利を持つ人のこと 例えば、課税価格1億円相当の遺産を、2人の法定相続人が相続するとした場合、計算式は下記となります。 3,000万円+600万円×2人=4,200万円 この場合、「課税価格>基礎控除額」となり、相続税の支払い義務が生じます。 「所得税」の確定申告の対象にはならない 葬儀費用は相続税における控除の対象となりますが、「所得税の確定申告」の対象にはなりません。 「所得税の確定申告」とは、1年間の収入から必要経費を控除した「所得」の金額を計算し、その金額に対する税金を計算し、国に申告する手続きのことです。確定申告ではさまざまな控除の項目がありますが、その中に葬儀費用は含まれません。 「葬儀で受け取るお香典は、所得になるのか?」と思う方もいるかもしれませんが、お香典は非課税扱い、つまり、所得税の申告の必要がないものです。社葬の際に法人がお香典を受け取る場合を除き、葬儀費用を所得税の確定申告で控除することはできないため、注意しましょう。 「準確定申告」で所得控除が受けられることがある 葬儀費用は控除対象にはなりませんが、「もう少しお金を節約したい」という方は、「準確定申告」に目を向けてみましょう。 「準確定申告」とは、故人様が本来行うはずだった確定申告のことです。故人様に代わって相続人が代理で行うもので、場合によっては還付金を得られることもあります。 準確定申告は、相続人が必ず行わなくてはならないものではありません。故人様が生前に確定申告を行っていた場合など、特定の条件下にのみ必要になると理解しておきましょう。 2.葬儀費用のうち相続税控除の対象になるもの 葬儀費用としてかかったもの全てが控除の対象となるわけではありません。国税庁による相続税法基本通達によると、控除できる項目は以下のように定められています。 ・火葬、埋葬、納骨にかかる費用(火葬場までの交通費も含む) ・葬儀の前後に生じた費用のうち、通常葬儀に欠かせない費用 (棺、斎場使用料、安置、通夜、精進落としなどの飲食、会葬御礼、お布施、葬儀を手伝ってくれた人への心づけなど) ・死亡診断書作成費用 ・ご遺体の捜索、ご遺体やご遺骨の運搬にかかった費用 3.葬儀費用のうち控除対象にならないもの 「葬儀に直接的に関係しない費用」は、葬儀費用の控除対象にはなりません。 こちらでは、相続税控除の対象にならない主な項目をご紹介します。 香典返し お香典の本来の意味は、家族を亡くした人への金銭的援助です。そのためお香典は相続財産ではありません。そのため、お香典に対する返礼である香典返しも、相続税の控除対象には含まれません。 参列者の交通費、宿泊費 葬儀場から火葬場までの移動に伴う交通費は、控除の対象となります。ただし、遠方からの参列者の交通費、宿泊費などは、葬儀に伴うものとして認められないため、例えお車代を渡したとしても控除できません。 お墓などの祭祀(さいし)財産購入費用 お墓や墓地などの祭祀財産(※2)の購入費用は、非課税です。そのため、祭祀財産を購入したからといって、相続税の控除の対象になることはありません。 (※2)亡くなった人が遺した、先祖を祀(まつ)るための財産。本位牌、仏壇なども含む。 法事にかかった費用 初七日や四十九日など、葬儀のあとに続く法事は、葬儀とは直接関係ないものです。したがって、法事にかかった費用も相続税の控除の対象から外れます。 ただし最近は、葬儀と初七日を同時に執り行う「繰り上げ初七日」が増えています。その場合、繰り上げ初七日の費用は葬儀費用とまとめて請求されることが多いため、控除の対象となる場合もあります。 4.【注意】相続税申告のために「領収書」やメモは必ず保管 相続税で葬儀費用を控除するためには、何に、いくらかかったかがわかるものが必要です。具体的には、領収書、請求書などが該当します。 しかし、お布施やお心づけなど、現金払いで領収書のないものもあります。その場合は、「いつ、誰に、どのような目的で、いくら渡したか」をノートやメモなどに記録し保管しておくことが大切です。 実際にかかった費用よりも水増しで申告することは、もちろん犯罪です。水増しが発覚した場合、税務署から重いペナルティが課されるため、葬儀費用は正確に記録し、保管しておきましょう。 5.相続税の計算方法 相続税の支払い義務が生じるかどうかは、「課税価格>基礎控除額」の場合であるとご紹介しました。 こちらでは、課税価格はどのように算出できるのか、また、そのあとの相続税はどのように計算したらよいのかを、わかりやすく解説します。 […]

相続放棄したいとき葬儀費用は遺産から払える?故人様の預貯金は引き出して使える?

相続放棄したいとき葬儀費用は遺産から払える?故人様の預貯金は引き出して使える?

相続放棄を考える際に、「葬儀費用を、放棄予定の遺産から支払っても大丈夫か」と悩む方が多いようです。 葬儀費用には数十万円以上が必要となるため、遺産から支払いたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし同時に、「相続しない遺産を使ってしまったら、問題になるのではないか」と不安になることもあるのではないでしょうか。 そこで今回は、相続放棄と葬儀費用の関係について詳しくご紹介します。後にトラブルが起きないようにするためにも、ぜひ最後までお読みください。 【もくじ】 1.相続放棄を考える前に知っておくべき基本事項 2.相続放棄したい場合、葬儀費用は誰が払う? 3.葬儀費用を遺産から支払うと相続放棄が難しくなる場合とは 4.故人様の預貯金を引き出して葬儀費用を支払うと、相続放棄できない? 5.葬儀費用を遺産から払って相続放棄するときの注意点 6.遺産のうち受け取っても相続放棄できるもの 7.葬儀費用を立て替える際の注意点 8.葬儀費用を相続放棄する遺産から払う場合は慎重に 1.相続放棄を考える前に知っておくべき基本事項 まずは、相続放棄について基本的な事項をご紹介します。手続きの期限など、重要な情報についても述べているため、既にご存じの方もおさらいする気持ちで目を通してみてください。 相続放棄とは何か? 相続放棄とは、「被相続人(亡くなった方)から受け継ぐ予定の相続財産の全てを放棄することができる制度」です。 「相続財産」には、「プラスの財産」と「マイナスの財産」があります。それぞれの主な内容は以下のとおりです。 【相続財産の主な種類】 プラスの財産 マイナスの財産 ・預貯金  ・証券 ・自動車  ・不動産 ・骨とう品 ・貴金属など ・借入金 ・未払いの税金(所得税、住民税など) ・未払いの費用(光熱費、家賃、サブスクリプション代など)など 「プラスの財産に比べてマイナスの財産が多い」「相続に伴う親族トラブルに巻き込まれたくない」などの事情がある場合、相続予定の人は、相続放棄を選択することで負担を軽くできるでしょう。なお、被相続人が存命中は、相続放棄をすることができません。 相続放棄するための手続き・期限 相続放棄の期限は、「相続の開始があったことを知った時から3カ月以内」と民法で決められています。熟慮期間が十分にあると感じるかもしれませんが、この期間の間に下記を行わなくてはなりません。 1 「相続放棄申述書」「被相続人の住民票除票または戸籍附票」「申述人の戸籍謄本」を用意する 2 被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所に申し立てる 3カ月という期間内に相続放棄の手続きが間に合わなかった場合、熟慮期間の伸長(延長)の申立てを行うことができます。ただし、伸長の申立てが受理されるかどうかはケースバイケースであるため、相続放棄の意向を固めたら、なるべく早いうちに行動することをおすすめします。 2.相続放棄したい場合、葬儀費用は誰が払う? 被相続人の葬儀代は、相続人(喪主)、あるいはご遺族が支払うのが一般的です。 また、「故人様の葬儀費用を、相続放棄する予定の遺産から支払うことはできるのか?」という問いに対する答えは「イエス」です。 相続放棄をする場合でも、故人様の葬儀費用を、故人様の遺産から支払うことは法律上問題ありません。ただし、一部のケースにおいては、葬儀費用を遺産から支払ったことによって、その後の相続放棄が認められなくなることがあるため、注意が必要です。詳しくは、次の項にて解説します。 3.葬儀費用を遺産から支払うと相続放棄が難しくなる場合とは 「相続放棄する場合でも、故人様の葬儀代を遺産から出すことができる」と回答しましたが、場合によっては相続放棄が難しくなることがあります。 次項より、詳しく解説していきます。 「単純承認」したと見なされると相続放棄できなくなる 相続放棄が認められなくなるケースとは、裁判所が「相続人が被相続人の財産を単純承認した」と判断した場合です。 単純承認とは、「相続人が被相続人のプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も全て無制限・無条件に相続すること」を意味します。一度単純承認と見なされると、たとえ相続放棄の意思があったとしても、すべての財産を相続しなければならなくなります。 葬儀費用の支出は、一定の範囲内であれば単純承認には当たらないとされますが、単純承認と見なされる金額の明確な基準はありません。「そのお金は実際に葬儀費用のためだけに使用されたのか?」と疑問視されるような支出をした場合、単純承認と見なされるリスクがあります。 単純承認と見なされる恐れのあるケース どのような行為が単純承認に該当するのかは、民法第921条で以下のように定められています。 第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。 一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。 二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。 三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。 参照元:民法(明治二十九年法律第八十九号) (令和五年法律第五十三号による改正) URL:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089 これを要約すると、以下の通りです。 1 相続人が、相続放棄をする前に相続財産の一部、または全部を処分した 2 相続放棄の手続き期間内に手続きを行わなかった […]

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