感動葬儀ストーリー:温泉旅館の湯をお取り寄せ

「その旅館にお連れする、というのはどうでしょう?」「その旅館にお連れする、というのはどうでしょう?」

社内ミーティングで、あるスタッフがそう言いました。
「毎年、家族で草津の決まった温泉旅館に行っていて、妻はそこがとても好きだった」
喪主であるご主人様がヒアリングでそんなお話をされていたので、
「ならば“最後の家族旅行”ができれば…」
という想いからの提案だったのです。
しかし、さすがにそこまでできる時間的なゆとりはない。ご家族にも移動のご負担をおかけしてしまう…。
そこで私たちは、せめてその旅館から何かお取り寄せすることができればと、旅館に電話をかけてみました。
「はい、よく存じ上げております」
女将様はさすがに、常連様のお名前を出しただけでそうおっしゃられました。
「実は、奥様が亡くなられまして…」
その時、女将様は言葉を失われてしまいました。
しかし、葬儀を担当する私たちの想いをお話ししたところ、気を取り直し、こう言ってく ださったのです。

「では、うちの温泉の湯をお送りいたします」「では、うちの温泉の湯をお送りいたします」

「え?そこまでしてくださるんですか?」
その時の感動は、今でも忘れられません。
ならば、その温泉の湯を奥様に浴びていただこう。
そう思いつくのに時間はかかりませんでした。


感動を共有していただくため、ご家族にはその瞬間まで内緒に感動を共有していただくため、ご家族にはその瞬間まで内緒に

納棺の儀に際して行なう湯灌の際に、お好きだった温泉の湯を浴びていただく。
そのご提案、そして温泉の湯を送って下さるという女将様の心づくしを、ご主人様は大変喜んでくださいました。
「ただ、一つ、ご協力いただきたいことがあります」
私たちはご主人様に言いました。
「その瞬間まで、ご家族には内緒にしておきましょう」
ご家族に、心からの感動を提供できれば。
そんな想いから申し出たこのお願いを、ご主人様は快く了承してくださいました。


旅館に行かなくても実現した「最後の家族旅行」旅館に行かなくても実現した「最後の家族旅行」

そして、その瞬間はやってきました。
「このお湯は、ご家族で毎年訪れておられた草津の温泉旅館のお湯です。女将様にご協力をいただき、送っていただくことができました…」
ご家族はもちろん、立ち会われた親族の方々が感動の涙に暮れたのは言うまでもありません。
「よかったね…」
「また一緒に温泉に行けたね…」
ご家族のそんな言葉に、私たちも目頭が熱くなりました。
花祭壇も、お食事も、もちろん喜んでいただけました。
しかし、それにもまして、「この温泉の湯がありがたかった」とご主人様におっしゃっていただいたことが、今でも印象深く残っています。

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