一周忌を欠席する場合の香典マナー|送るべきか・包む金額・渡し方まで解説
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- 【 法事・法要のマナー 】
一周忌は、故人様が旅立たれてから一年という大きな節目に行われる大切な法要ですが、やむを得ず欠席せざるをえない場合もあります。その際、「お香典を送るべきか」「包むべき金額はいくらか」など、お香典について悩む方も多いでしょう。
本記事では、一周忌を欠席する場合のお香典について詳しく解説します。送るべきかの判断基準から、金額相場、渡す方法や添える手紙の書き方までご紹介します。一周忌に出られずお香典をどうしようか迷っている方は、ぜひ参考になさってください。
1.一周忌を欠席する場合に香典はどうする?
まずは、一周忌を欠席する際の基本的なお香典に関するマナーを確認していきましょう。
欠席する場合も香典は送るのが基本
一周忌で欠席する場合でも、お香典を準備するのが一般的なマナーです。参列できなくとも、お香典によって「供養の意思」や「一周忌を大切に思う気持ち」を形にすることができるからです。
ご親族や故人様と親しいご関係の方であれば、なおさらお香典で「軽視していない」ことを示すのが重要です。
香典を送らない選択が許される場合もある
ただし、「必ずお香典を送らなければならない」というわけではありません。
たとえば、以下のようなケースでは、お香典を控えてもかまわないでしょう。
・故人様やご遺族と元々疎遠で、過去にお香典のやり取りがない
・ご遺族からの案内に、お香典を辞退する旨が記載されている
・地域や宗教の慣習で、一周忌のお香典は渡さないことになっている
それでも「お香典を送らないのは気になる」という場合は、手紙だけ送る、お香典の代わりにお線香やお花をお届けするなど、別の形で気持ちを伝えてもよいでしょう。
2.一周忌を欠席して香典を送る場合の金額相場
お香典を送ると決めたら、次に悩むのが「いくら包むか」でしょう。ここでは、一周忌を欠席した場合のお香典の相場をご紹介します。
香典の金額は出席時と同じでよい?
一周忌のお香典は基本的に、参列した場合と同額を包むことが望ましく、欠席を理由に減額すると失礼になる恐れがあります。金額に迷ったら、ご親族や法要を担当する葬儀社に相談することをおすすめします。
親族・友人・仕事関係など関係別の相場
では、一周忌に参列する場合のお香典の金額相場はいくらなのでしょうか。
以下に、一周忌におけるお香典の目安の額を故人様との関係別にご紹介します。
・子・親:3万円~10万円
・兄弟姉妹:1万円~5万円
・祖父母・孫:1万円~5万円
・伯父(叔父)・伯母(叔母)・おい・めい:1万円~3万円
・いとこ:1万円~3万円
・その他のご親戚:5000円~1万円
・ご友人:3000円~1万円
・近隣の知人:3000円~5000円
金額で後悔しないためのポイント
相場より極端に少ない金額は、失礼にあたる可能性があるため注意が必要です。ただし、負担を感じるほどの高額を包む必要はありません。無理のない範囲で、気持ちを込められる金額にすることが大切です。
また、故人様やご遺族との関係性も考慮しましょう。親しい間柄であればあるほど「思いを形にする」意味で、やや高めの金額を包む傾向があります。迷った場合は、ご家族や葬儀社に相談し、周囲の意見を参考にして決めると安心です。
3.一周忌を欠席する場合の香典の渡し方とタイミング
一周忌を欠席する場合のお香典の渡し方は、大きく分けて3つあります。それぞれの方法をタイミングもあわせて解説します。
なお、いずれの方法で渡す場合でも、まずは香典袋(不祝儀袋)を正しく準備することが大切です。香典袋の選び方や書き方については、「一周忌のお香典」の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
郵送する(現金書留)
遠方の場合や訪問が難しい場合は、現金書留での郵送が一般的です。普通郵便や簡易書留ではなく、必ず現金書留を使います。法要前日までに届くよう発送しましょう。具体的な郵送方法については、「一周忌を欠席して香典を送る際に添える手紙の書き方と文例」で解説します。
代理人に託す
ご親族や知人に代理で渡してもらうのもひとつの方法です。代理人が法要当日に参列する場合は、その際に渡してもらってかまいません。代理人が法要前に訪問できる場合は、前もって渡してもらうことも可能です。どちらの場合でも、ご遺族に「代理の者がお渡しする予定です」と事前に伝えておきましょう。
手渡しする
法要には参列できないものの、事前に伺う時間がある場合は、直接お香典をお渡ししてもよいでしょう。もし事前の訪問が難しいようであれば、法要の前日までに届くように郵送しましょう。もしくは、ご遺族に事前に連絡のうえ、法要後にご自宅へ弔問し、お渡しすることも可能です。
4.一周忌を欠席する理由は伝えるべき?
一周忌の案内状が届いた時点で欠席しなければならないことがわかったら、すみやかに欠席の連絡をします。急な予定変更や体調不良などで直前に欠席となる場合も、わかった時点ですぐに連絡をして、謝罪の言葉を伝えましょう。
必ずしも詳しい理由まで伝える必要はありませんが、簡単な事情を一言添えることで誠意が伝わることもあります。どのように伝えるか迷ったときは、「相手に不要な心配をかけないか」を基準に判断するとよいでしょう。
5.一周忌を欠席して香典を送る際に添える手紙の書き方と文例
お香典を郵送する際は、手紙を添えるのがマナーです。ここでは、手紙を書く際の道具や書き方の基本、実際に使える文例をご紹介します。
手紙で使う封筒や筆記具の選び方
お香典に添える手紙を書く際は、以下のように使用する道具にも気を配りましょう。
【便箋】
白無地の縦書き便箋が基本です。華美な柄や色付きの便箋は避けましょう。厚手で上質なものを選ぶと、より丁寧な印象になります。
【手紙を入れる封筒】
お香典に添える手紙は、香典袋の中には入れません。郵送する際は、現金書留封筒の中に香典袋とともに入れます。
手紙を封筒に入れてそえる場合は、無地で白色の一重のものを選びましょう。二重封筒は「不幸が重なる」とされ、弔事には不向きです。なお、手紙を封筒に入れず、たたんだ状態でそのまま同封しても失礼にはあたりません。
【筆記具】
黒の万年筆や筆ペンなどが適していますが、近年はボールペンも許容される傾向にあります。最近見かけるようになった消せるタイプのペンは使わないようにしましょう。
香典に添える手紙の書き方とマナー
以下のポイントを意識して書くと、心のこもった手紙になります。
●冒頭で欠席のお詫びと香典同封の旨を伝える
弔事の手紙では、時候の挨拶は不要です。「このたびはご法要に参列できず、誠に申し訳ありません」「心ばかりではございますがお香典を同封させていただきました」などと簡潔に記します。
●故人様への思いとご遺族への気遣いを忘れずに
故人様の人柄をしのぶ言葉や、ご遺族の健康を気遣う表現を添えると、あたたかい手紙になります。
●忌み言葉や重ね言葉は避ける
「次々・重ね重ね・失う」などの言葉は不幸を連想させるため避けます。結びの言葉でも「くれぐれも・度々」などの繰り返し表現は控えます。
●手紙は1枚程度にまとめる
文章は長くなりすぎず、白便箋1枚に収まる程度が適切です。簡潔かつ誠意の伝わる文面を心がけましょう。
【相手別】香典に添える手紙の文例
お香典に添える手紙は、相手との関係性に合わせた言葉選びが大切です。以下に、ご親族、仕事関係者、知人の方の場合の一般的な文例をご紹介します。文例は見本として横書きで掲載していますが、実際に使用する際は縦書きとします。
なお、文例はすべて仏教の場合を想定して「ご仏前」という表現を用いておりますが、お相手の宗教的背景を考慮し、状況に即した表現に置き換えてお使いください。
ご親族の場合
【文例】
このたびは〇〇さんの一周忌法要のご案内をいただき、心より御礼申し上げます。
本来ならば直接お伺いし、皆様とともに〇〇さんをしのびたかったのですが、
都合により出席が叶わず大変心苦しく思います。
ささやかではございますが、同封の御香典をお受け取りいただき、
ご仏前にお供えいただけますと幸いです。
〇〇さんの優しかったお人柄をしのびつつ、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
(差出人)
仕事関係者の場合
【文例】
このたびは○○様の一周忌法要に際し、
ご案内を賜りまして誠にありがとうございます。
本来であれば参列の上、ご冥福をお祈りすべきところでございましたが、
やむを得ない事情により欠席となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
僅かばかりではございますが、御香典を同封させていただきましたので、
ご仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
貴家皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
(差出人)
知人・関係が浅い方の場合
【文例】
このたびは○○様の一周忌法要のご案内をいただき、ありがとうございました。
ご一緒にお参りできず心苦しい限りでございますが、どうぞご容赦ください。
心ばかりの御香典を同封いたしましたので、ご仏前にお供えいただければ幸いです。
皆様のご健康をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
(差出人)
6.一周忌を欠席してもお香典で気持ちはしっかり伝えられます
やむを得ず一周忌を欠席する場合でも、故人様への想いとご遺族への配慮は、きちんと形にできます。そのひとつが、お香典を心を込めてお届けすることです。参列できなくても、お香典を丁寧にお渡しすることで、気持ちはしっかり伝わります。
一周忌のお香典や法要に関する不安やお悩みのある方は、花葬儀の事前相談にご連絡ください。経験豊富な専門スタッフが、丁寧にサポートさせていただきます。