お香典の代わりに線香は送っていい?相場・選び方・マナーを解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】

訃報の連絡や葬儀の案内が来たときに、「お香典の代わりに線香を送っても失礼にならないのだろうか」と迷う方も多いのではないでしょうか。香典辞退の場合や葬儀に参列できなかった場合など、線香を送る場面は意外とあります。
本記事では、お香典の代わりに線香を送るケースや、線香の選び方、価格の相場、送る際のマナーをわかりやすく解説します。
【もくじ】
1.お香典の代わりに線香を送ることはある?

お香典の代わりに線香を送ることは、昔からある慣習なのでしょうか。
線香をお供えする意味も合わせて解説します。
線香をお供えする意味
葬儀やお墓、仏壇などに線香をお供えする意味は二つあり、お香典の代わりとして線香を送る背景にも関係しています。
ひとつは、仏様の食事という意味です。仏教には「亡くなった方は香りを召し上がる」という考え方があり、これを「香食(こうじき)」と呼びます。故人様、そしてご先祖様の食べ物となるよう、よい香りのする花や炊き立てのごはん、線香の煙などを仏前にお供えします。
もうひとつは、仏様への供養という意味です。よい香りのする線香を供え、読経と共に手を合わせることで、仏様への尊敬の気持ちを表します。
お香典の代わりに線香を送ることもある
お香典は、本来「線香や抹香の代わりに供える金銭」を意味しています。葬儀などに参列する際には、このお香典を持参することがマナーですが、お香典が普及し始める室町~江戸時代までは、故人様のそばで線香を焚き続けるご遺族のために、参列者が線香を持参していたと伝わっています。
つまり、お香典の代わりに線香を送ることはマナー違反ではなく、むしろ本来の作法にのっとった形式であるといえるでしょう。
現代では、「お悔やみの気持ちの表れ」や「ご遺族の負担を軽減させる」といった意味合いでお香典を包むことが主流となりましたが、お香典の代わりにお供え物を送るケースは今でも存在しています。
線香代の意味や相場、お線香をあげに行く時期については、「家族葬の線香代」の記事が参考になります。
仏教以外では線香は送らない
仏様に香りを召し上がっていただく目的で線香を焚くのは、仏教の考え方です。神道やキリスト教などの仏教以外の宗教では、お香典の代わりに線香を送ることはないので注意しましょう。
2.お香典の代わりに線香を送るケースとは?
お香典の代わりに線香を送るのは、どのような場合なのかを詳しく解説します。
香典辞退の場合
葬儀案内の中に、「お香典は辞退します」といった内容が明記されていることがあります。香典は故人様への思いを表す尊い風習ではありますが、お香典の管理や香典返しの用意などがご遺族にとって負担となることもあるため、香典辞退というケースも考えられるのです。
ご遺族側の意向を無視してお香典を持参することは失礼にあたりますから、香典辞退の連絡がきたときにはそれに従いましょう。
どうしてもお悔やみの気持ちを伝えたい場合には、葬儀が終わった後に線香を送ることができます。お香典よりも安価となる線香であれば、ご遺族の精神的な負担にもなりにくいため、マナー違反とはならないでしょう。
葬儀に参列できなかった場合
なんらかの事情によって、葬儀への参列がかなわなかった場合、お香典の代わりに線香を送ることもあります。
線香を送るのは、葬儀が終わってから四十九日を迎えるまでが目安です。葬儀直後はご遺族が忙しいため、葬儀が落ち着いた頃に届くよう配慮するとよいでしょう。
喪中はがきで訃報を知った場合
喪中はがきを受け取って初めて訃報を知った場合も、既に葬儀は終わっていますから、お香典ではなく線香を送って弔意を示すことがあります。
線香は、喪中はがきが到着してから12月中旬までに送るのが目安です。年をまたがないようにしましょう。
盆や法要の場合
故人様が初めて迎えるお盆(初盆/新盆)や、四十九日法要や一周忌などの法要の際に線香を送ることもあります。法要には御供物料を持参するのが一般的ですが、現金を包む代わりに線香などのお供え物を用意しても問題ありません。
初盆(新盆)に向けて送る場合にはお盆入りの1~2週間ほど前に、法要の場合は法要の前日までに、ご遺族のもとに届くようにしましょう。
3.お香典の代わりに送る線香の選び方

お香典の代わりに線香を送る場合、「どのような種類の線香を選んだらよいのか」悩むものです。特に仏壇がご自宅にない方は線香に触れる機会が少ないため、そもそも線香の種類などご存じない方も多いことでしょう。
そこで、線香のおおまかな種類と、選び方のポイントをご紹介します。
進物用線香を選ぶ
線香には、自宅用のほかに、贈答用として用いられる「進物用線香」というものがあります。進物用線香とは、人に贈るためのもので、自宅用に比べて香りがよく、桐箱や漆箱などに収められています。
お香典の代わりに線香を送る際は、必ず進物用線香を選ぶようにしましょう。
香りを考えて選ぶ
線香は、家庭用・進物用のほかに、原料の違いを基準とした「杉線香」と「匂い線香」とに分けられます。
杉線香とは、杉の葉を原料としていて煙が多く、一般的にお墓参りのときなどに使われるタイプです。匂い線香は、タブの木の皮に香木などを混ぜたもので、香り高いのが特徴です。
香典の代わりとして送る進物用の線香は匂い、線香であることがほとんどです。
以下にご紹介する代表的な香りの中から、故人様やご遺族の方の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
沈香
沈香(じんこう)は、香り豊かな樹脂を持つ香木です。樹脂の比重が大きいほどよく沈むことから、この名前がついたといわれています。
長い時間をかけて生成される香り成分は「甘味」「酸味」「苦味」「辛味」「塩辛み」などが複雑に絡み合っており、調香することによって安らぎを与える香りになると評価されています。
伽羅
伽羅(きゃら)は、沈香の中でも特に品質が高く、最上級と認められた香木を指します。沈香のもつ香りをさらに昇華させた香りと評されており、伽羅を使用した線香は、ほかのものよりも高い値段で販売されています。
白檀
白檀(びゃくだん)は、インドを中心に栽培されている香木で、甘味のあるウッディな香りが特徴です。「線香の香りといえば、白檀」といわれるほど、日本人にとって古くから親しみのある原料です。
煙の量に配慮して選ぶ
香りだけではなく、送り先の住環境も考えて線香を選びます。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、煙の多い線香は住民トラブルに繋がる恐れがあるからです。
線香は毎日焚くものですから、相手の環境に合わせて煙の少ないタイプや1本が短いタイプを選ぶなど、細やかな部分にまで配慮して送るようにしましょう。
4.お香典の代わりに送る「線香の価格」の相場
お香典の代わりに送る線香は、お香典と同じ金額分を用意しなくてはならないというわけではありません。ご遺族側の負担にならない範囲で、弔意を示せる価格帯のものを選ぶとよいでしょう。
一般的に、ご近所付き合いの関係なら千~2千円、特別お世話になった関係なら5千円以上、どちらでもない場合は3千円程度が相場です。しかし、これはあくまでも目安ですから、故人様と贈り主との関係性、年齢、地域なども踏まえてご自身で判断されるとよいでしょう。
5.お香典の代わりに線香を送るときのマナー

お香典の代わりに線香を送る際は、掛け紙や表書き、水引などのマナーを確認しておくことが大切です。
ここでは、進物用線香を送る際の基本的なマナーを解説します。
のし紙(熨斗のついていない掛け紙)は白黒の結び切りを選ぶ
線香を弔事の贈り物として送る場合は、「のし(熨斗)」のついた「のし紙」ではなく、「のし(熨斗)」のついていない「掛け紙」をつけて送ります。最近は、「掛け紙」のことも「のし紙」と呼ぶことが多くなっていますが、正式な名称は掛け紙です。また、弔事用であるため、白と黒の結び切りの水引がついたものを選びましょう。
表書きはお香典と同様に
お香典の代わりに線香を送る場合も、のし紙には、お香典と同じように表書きを入れます。
表書きには、次のようなものがあります。
・四十九日前に使用する場合:「御霊前」
・四十九日以降に使用する場合:「御仏前」
・時期を選ばずに使用したい場合:「御供」「御供物」
・その他:「初盆お見舞い」「喪中お見舞い」
この表書きを、水引の上中央に記載し、水引の下中央には差出人の名前を入れます。
お香典の表書きの書き方は、「御霊前と御仏前」の記事で詳しく解説しております。
配送は「内のし」にし、挨拶状を添える
お香典の代わりに線香を送る場合は、宅配便や郵送を利用するのが一般的です。進物用線香には掛け紙を付け、品物に直接掛け紙をかけてから包装する「内のし」にします。また、短い挨拶状を添えるとより丁寧です。
送るタイミングや差出人名に注意
お香典の代わりに線香を送る際は、品物そのものだけでなく、送り方にも配慮が必要です。たとえば、事前の連絡なく葬儀直後に届くよう手配すると、ご遺族が対応に追われてしまうことがあります。葬儀後に送る場合は、少し落ち着いた時期を選ぶとよいでしょう。
また、差出人名がわかりにくい状態で送ると、ご遺族がお礼状を出す際に困ってしまうことがあります。特に名字だけの場合は誰からのものか判断できないこともあるため、フルネームで記載すると安心です。
6.線香をもらったときのお返しは必要?
お香典をいただいたら香典返しを手配するのが一般的ですが、お香典の代わりに線香をお供えとしていただいた場合はどうしたらよいのでしょうか。
線香を受け取った側の対応についてもご紹介します。
お返しは基本的には不要
線香をお供えとして受け取った場合、基本的にお返しは必要ないと考えましょう。特に前もってお香典辞退の旨を伝えている場合、お返しは必要ありません。
しかし「いただいたままでは申し訳ない」「送られてきた線香が高価なものだった」など、どうしても気になる場合は、線香の金額の3分の1程度にあたる品物を送るとよいでしょう。
できるだけ早くお礼状を書く
お返しを送らない場合でも、お礼状は必要です。線香をお供えとしていただいたら、できるだけ早くお礼状を書きましょう。
相手との関係性によっては電話でも問題ありませんが、手紙やはがきで丁寧にお礼を伝えるのが礼儀です。
7.お香典の代わりに線香を送るときのQ&A
A.お香典の代わりに線香を送る場合は、ご遺族が誰からのお供え物かわかるよう、掛け紙や挨拶状に氏名を明記します。
夫婦で送る場合は夫婦連名、会社関係で送る場合は会社名や部署名も添えると丁寧です。名字だけではわかりにくい場合もあるため、フルネームで記載すると安心です。
A.はい、問題ありません。
葬儀後にご自宅へ弔問する際、お供え物として進物用線香を持参するケースは多く見られます。その際は掛け紙を付け、「御供」や「御仏前」などの表書きを記載するのが一般的です。訪問する場合は、ご遺族の負担にならないよう事前に都合を確認してから伺うとよいでしょう。
A.はい、短い挨拶状やメッセージを添えると丁寧です。
突然の訃報で葬儀に参列できなかったことへのお詫びや、お悔やみの言葉などを簡潔に書くのが一般的です。長い文章にする必要はなく、弔意が伝わる内容であれば問題ありません。
8.お香典の代わりに線香を送るときはマナーを守ろう
線香を送ることは、ご遺族に負担をかけずに、故人様を供養する気持ちを伝える手段のひとつです。お香典に比べれば少額となるケースが多いですが、故人様の冥福を祈り、ご遺族にお悔やみの気持ちを伝えるという点に変わりはありません。
故人様やご遺族を思う気持ちを正しく伝えるためにも、ご紹介したマナーを守って線香を送りましょう。
線香以外のお供え物について知りたい方は、「家族葬のお供え物」の記事が参考になります。
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