人生設計でお金の計画を立てよう!将来をシミュレーションし賢く未来に備える方法

人生設計でお金の計画を立てよう!将来をシミュレーションし賢く未来に備える方法

人生設計をすると、効率的にお金の計画が立てられることは、広く知られています。とはいえ、「計画の作り方がわからない」「なんとなく面倒くさそう」と、足踏みしている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、将来に備えて考えておくべきお金や人生設計の方法、ポイントなどについて詳しく解説します。人生設計に興味のある方や、将来に不安を感じている方は、ぜひ参考になさってください。

1.人生設計とは?

人生設計とは?

人生設計とは、「自分や家族がどのように生きていくか」という将来に向けた計画を立てることをいいます。近年では「ライフプラン」という名称で馴染みのある方も多いのではないでしょうか。

人生における主なイベント(ライフイベント)には、以下のようなものが挙げられます。

・結婚
・出産
・子どもの教育
・住宅購入
・転職
・退職
・葬儀、お墓の準備など

人生設計では、それらのライフイベントや、人生における目標を達成するための具体的な流れを、時系列で表して整理します。人生設計を通じて今後必要になる資金を予測し、貯蓄目標を設定することで、将来必要なお金の準備ができ、収入の減少や出費に備えることが可能になるのです。

2.人生設計で押さえておきたい「人生の3大資金」

人生には多くの節目がありますが、中でも特に多くの資金を要するものを「人生の3大資金」と呼びます。これらは金額が大きい分、準備に時間がかかりやすく、支払いも長期に渡ることが一般的です。

人生設計は、この人生の3大資金をベースに考えることが非常に大切です。次項から、3大資金それぞれについて詳しく解説します。

住宅資金

住宅資金とは、マイホームの購入や、それに付随する費用を指します。

マイホームの購入費用

マイホーム購入には多額のまとまった資金が必要です。国土交通省が発表した「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、初めて住宅を取得する世帯が新築の注文住宅を取得した場合の価格は、全国平均で5,436万円でした(土地の購入代金含む)。そのうち自己資金は約1,665万円、残りの約3,772万円は借入金となっています。

多くの資金が必要となるマイホームは、人生においても最も高額な買い物のひとつであるといえるでしょう。

住宅に付帯する費用

住宅資金としては、住宅を購入した後に継続して支払う付帯費用も考慮する必要があります。以下に、主な付帯費用をまとめました。

・固定資産税・都市計画税
・火災保険料
・地震保険料
・修繕費用
・ローン返済の利息

前述した国土交通省の報告によると、住宅ローンがある世帯の返済額は、注文住宅の取得世帯で年間約174万円となっています。これを月あたりに換算すると、約14.5万円となります。

マイホームを持ち続けるためには住宅ローンを継続的に払っていく必要がありますが、それに加えて修繕費や税金などもかかることを念頭に置いておかなければ、大切な資産を守れなくなる可能性があります。

賃貸住宅の場合の注意点

賃貸住宅を選択した場合、住宅購入のための住宅資金は必要ありませんが、代わりに生活費として賃貸料がかかります。特に老後の生活を考える際には、賃貸料が老後資金に与える影響を具体的に検討する必要があります。固定収入が減少する中で賃貸料の支払いを続けられるかどうかや、将来賃貸料が上昇するリスクも考慮しなければなりません。

教育資金

教育資金は、子供の学びを支えるための重要な資金です。日本における教育費は、公立学校と私立学校で大きく異なります。以下に、公立学校と私立学校の教育費(年額)を表にまとめました。

公立学校 私立学校
幼稚園
16.5万円
30.8万円
小学校
35.2万円
166.6万円
中学校
53.8万円
143.6万円
高校
51.2万円
105.4万円
合計 約156.7万円 約446.4万円

※1万円未満切り捨て

出典:
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00001.html
https://www.mext.go.jp/content/20221220-mxt_chousa01-000026656_1a.pdf

なお、大学の入費初年度にかかる費用の平均は、以下の通りです。

国立大学 私立大学
入学費用
28.2万円
24.5万円
授業料(年額)
53.5万円
93万円
合計
81.7万円
117.5万円

※1万円未満切り捨て

出典:
文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
https://www.mext.go.jp/content/20211224-mxt_sigakujo-000019681_4.pdf

令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20211224-mxt_sigakujo-000019681_1.pdf

(掲載元)私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00004.htm

なお、私立大学は上記に加え、多額の「施設設備費」がかかります。上記の文部科学省の調査によると、文系で平均約15万円程度、医科歯科系学部では約93万円以上が年額で必要との結果が出ています。

教育費には多額の資金が必要になりますので、積立型の貯蓄や投資を計画するのも方法のひとつです。

老後資金

老後資金は、退職後の生活費や医療費、介護費用などを賄うために必要となる資金です。一般的には公的年金だけでは不足することが多く、個人の貯蓄や退職金で必要があります。

老後のために必要な貯蓄額

2019年に金融庁が発表した報告書では、65歳の夫と60歳の妻が無職となり、平均寿命を迎えるまでの30年間で、約2,000万円の資金が不足するとされています。これは「老後2000万円問題」として大きな注目を集めました。

この試算は、総務省の家計調査統計に基づいたものです。夫婦2人の場合、月額209,198円(年金・その他)の収入に対して、月額の支出は267,718円で、毎月58,520円の不足が生じます。これを30年間続けると、合計約1,962万円の資金が不足するというわけです。

ただし、実際には個々の生活状況や希望する生活水準によって必要額は大きく異なります。年金の額がそれぞれ異なるのはもちろん、65歳を過ぎても年金以外に収入がある場合、単身世帯である場合など、人ぞれぞれで前提条件も異なるため、一概に2,000万円が必要というわけではありません。

逆に、趣味や旅行などを楽しみたいと考える場合には、さらに多くの資金が必要になってくるため、自分のケースにあてはめて考えることが必要です。

老後資金を準備する方法

老後資金を準備する方法としては、早期からの積立が重要です。例えば毎月一定額を貯蓄することで、長期間にわたって資金を蓄えていくことが可能です。

投資を通じて資産を増やす方法もありますが、リスクを管理するためには分散投資を行い、定期的にポートフォリオを見直すことが大切です。また、自分のリスク許容度を理解し、過度なリスクを避けるよう心がける必要があります。

お子様のいる方は、教育資金に資金を回しすぎないよう、気を付けておくことも大切です。

3.3大資金以外に用意しておきたいお金

ここからは、3大資金以外にも、できれば用意しておきたいお金の項目について解説します。

結婚・出産費用

結婚に関わる費用としては、指輪や挙式、新婚旅行などの費用がかかります。以下は、株式会社リクルートが2023年に発表した各項目の全国平均額(推計値)です。

婚約指輪
38.2万円
結婚指輪(2人分)
28.1万円
結納金
97.3万円
挙式、披露宴・ウエディングパーティー
327.1万円
新婚旅行
43.4万円

出展:ゼクシィ結婚トレンド調査2023(首都圏)
https://souken.zexy.net/data/trend2023/XY_MT23_report_06shutoken.pdf
(掲載元)https://souken.zexy.net/research_news/trend.html

結婚後、出産を考える方も多いでしょう。出産費用としては、妊娠から出産にかけての健診費用、分娩費用、入院費用などが含まれます。妊婦健診は自治体による助成があるものの、病院によっては追加で検査費用がかかる場合もあります。分娩費用は、正常分娩の場合で平均48万円程度です。
出産にあたっては、女性は仕事を休まなくてはなりません。また子育てをするうえで、夫婦のどちらかが退職や転職、時短勤務を余儀なくされることもあります。出産にかかる費用だけでなく、その後収入が一時的に減ることも考慮しておきましょう。

葬儀・埋葬費用

葬儀費用は、地域や宗教、そして行われる儀式の内容によっても大きく異なりますが、一般的な葬儀の場合、費用は数十万円から数百万円の範囲で変動します。

株式会社鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」(※1)によると、葬儀にかかる費用の平均総額は約118.5万円となっています。

葬儀費用の内訳は、主に以下の4つです。

1.葬儀の基本費用:祭壇や棺など、葬儀を行うために基本的に必要となる費用
2.宗教費用:宗教者へのお布施など、宗教的な儀式を行う場合にかかる費用
3.おもてなし費用:参列者への食事や返礼品などの費用
4.施設利用料:葬儀を執り行う施設や安置施設の利用料金

葬儀の費用について詳しく知りたい方は「葬儀費用の相場と中身」にて詳しく解説しておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

また、葬儀後の埋葬にかかるお金も、考えておきたいところです。同じく株式会社鎌倉新書の調査(※2)によると、お墓の平均購入金額は下記の通りでした。

・一般墓:149.5万円
・樹木葬:63.7万円
・納骨堂:80.3万円

お墓・埋葬に関する費用は、自分が亡くなった後にかかる費用ですが、多くの方が自分で準備しておきたいと考えています。早めに備えておくことで、老後に慌てることなく、希望に沿わない形になることも避けられるでしょう。

(※1)株式会社鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」
https://www.e-sogi.com/guide/55135/
(※2)株式会社鎌倉新書「第15回お墓の消費者全国実態調査」
https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2024/

4.人生設計・お金の計画の立て方

人生設計・お金の計画の立て方

ここまで、主なライフイベントに必要なお金について解説してきました。
ここからは、人生設計とお金の計画の立て方を、ステップごとに詳しく解説していきます。

1.将来起こりうるライフイベント・かかる費用を書き出す

まずは、ある程度予想されるライフイベントを書き出します。主なものとして、ここまでに挙げたような結婚や出産、子どもの教育に関わることなどが挙げられます。

次に、それぞれにどれくらいの資金が必要なのかを見積もって書き込みます。各イベントに合わせて自分の年齢も書いておくとよりわかりやすいでしょう。ライフイベント以外にも、趣味などで大きなお金を使いたい場合は、予算を設定しておくと、無理のない計画が立てやすくなります。

2.「収入と支出」「資産と負債」を把握

次に、毎月の収入と支出を整理してまとめます。支出は、固定費と変動費に分けると考えやすくなります。

固定費
毎月、ほぼ一定の額発生する支出
(例)住居費、通信費、保険料など
変動費
月ごとに支払い額が変動するもの
(例)食費、娯楽費、医療費など

資産と負債の把握をするためには、それぞれをリスト化して挙げていくと把握しやすくなります。資産には、銀行口座の残高、株式や不動産などの投資資産、退職金の予測額などが該当します。一方、負債には住宅ローンや教育ローン、クレジットカードの残高などがあります。

住宅ローンなどの大きな出費があると、一時的に資産がマイナスになることがありますが、老後資金を貯めるためにも、将来的にはプラスに転じるように計画を立てましょう。

3.作成した表を見直し資産形成を考える

ライフイベントごとにかかる費用や収入と支出の記録、資産と負債の一覧を作成したあとは、それらを定期的に見直しながら、「資産形成」の計画を立てます。

資産形成には、貯金や積立保険、投資など、さまざまな選択肢があります。将来的に必要となる資金には手をつけず、毎月積立を継続していくことで、着実に資産を増やすことができます。将来に備えるためにも、ライフスタイルの変化に合わせて計画を柔軟に修正しながら、長期的な視点で資産形成を行っていきましょう。

5.人生設計を立てるポイント

人生設計の立て方を解説しましたが、その際に重要となるポイントや注意点について説明します。

人生においてかなえたいこと・価値観をまとめる

人生設計は、自分の人生をデザインする第一歩です。実現するかどうかにとらわれず、まずは心の中にある夢や目標を紙に書き出しましょう。

「人生でかなえたいことがパッと思いつかない」という人は、「人生の最期」から逆算して考える方法もあります。例えば、どのような方々に、どのようにお別れしてもらいたいか、そのためにはどのようにしていけばよいか、などを考えてみてもよいでしょう。

人生の最期は予期せず訪れるものであるため、終末期の希望を書いておくことは、生涯にわたって役立ちます。終末期の希望をまとめるには、エンディングノートや終活アプリなどのツールが有用です。ツールを利用することで、自分の価値観や希望、恐れを明確にすることができ、それらを踏まえた人生設計が可能になります。

老後も見据えた準備を始める

人生設計は、老後を見据えて考えることが非常に重要です。お子様がいる場合、つい教育資金にお金を多く割いてしまうことが多く、将来的に老後資金が不足する恐れがあります。結果として、お子様に負担をかけてしまうことになるかもしれません。

このような事態をさけるためにも、教育資金と老後資金のバランスを考え、計画的に老後資金の準備を始めることが大切です。

資産形成はメリット・デメリットを踏まえて行う

資産形成にはさまざまな方法がありますが、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて行うことが大切です。

預貯金は安全性が高く手軽ですが、利息が低いのがデメリットです。株式投資は高いリターンが期待できますが、市場の変動によるリスクがともないます。また保険は将来のリスクに備えることはできますが、貯蓄型でも掛けた保険料の全額が戻ってくることはほとんどありません。

自分のライフステージや目標に応じて、各方法のメリットとデメリットを理解し、適切な方法を選びましょう。

6.人生設計の後に行いたいお金の見直し

人生設計をした後に行いたいのがお金の見直しです。将来必要となる資金を作るために、どのようなお金の見直し方があるのかを解説します。

家計の見える化

人生設計では収入と支出の整理が必要だと述べましたが、家計の収入と支出を整理した後、それらの流れを追跡することで、どの部分にお金が過剰にかかっているのかがわかります。

例えば外食費や趣味に関する出費が多い場合、それらを見直すことで節約が可能となります。節約したお金は、貯蓄や投資に回すことも可能です。

また、資産と負債の状況を把握することも重要です。現金や預貯金、株式などの資産だけでなく、住宅ローンなどの負債も含めて把握しましょう。資産から負債を引いた純資産を正確に理解することで、資産形成の計画も立てやすくなります。

シミュレーションのためのテンプレートも活用

お金の見直しには、エクセルなどのテンプレートを用いたシミュレーションが役立ちます。収入、支出、資産、負債などの情報や、ライフイベントごとに見積もられる金額を入力すると、不足する資金や必要な貯蓄額などがわかります。

無料で配布されているものとしては、日本FP協会やマイクロソフト社が提供しているものがあります。他にも無料で利用できるシミュレーションツールが複数配布されていますので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

固定費の見直し

通信費や住居費を始めとした固定費の見直しを行うことで、お金の大幅な節約につながる可能性があります。固定費は毎月一定の支出が発生するため、一度見直しを行うと、確実に支出を抑えられます。

ライフスタイルの変化などにより固定費は変動することがあるため、定期的に固定費を見直すことで、現在の生活スタイルに合った最適な支出にすることができます。あまり使っていないサブスクリプションサービスが無いかも確認し、不要なものは解約して、無駄な支出を削減しましょう。

保険と貯蓄のバランスを再考

保険は突発的なリスクに対して保障を提供してくれますが、保険を掛けすぎると貯蓄に回すお金が減ってしまいます。一方、貯蓄は教育資金など計画的な支出に対応するために重要ですが、貯蓄だけに頼ると、大きな事故や病気などの予期せぬ事態に対応できないリスクがあります。

保険と貯蓄にはそれぞれ特有の役割がありますから、ライフステージや目標に応じて適切な配分を考えましょう。

7.人生設計で将来のライフイベントの費用に備えましょう

文例/ご遺族の友人・知人が差出人の場合

人生設計を作り将来のライフイベントを想定し、それぞれにかかる費用に備えることは、安心して年齢を重ねるためにも重要です。ぜひ今回の記事を参考に、お金のシミュレーションをしてみてください。それにより、老後や人生の最期などを安心して迎えることができるはずです。

老後や人生の最期は誰にでも訪れるものです。老後資金や葬儀、埋葬方法など、遠い将来についてもぜひ考えておきましょう。

花葬儀では、経験豊富なスタッフが葬儀の事前相談はもちろん、終活相談や終活アプリの提供など、幅広いサービスを行っています。人生設計でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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