お彼岸のお供えとは?何を供える?定番・意味・表書き・相場を解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】

お彼岸のお供えについて、「何を供えればよいのか」「どのような品を用意すれば失礼にあたらないのか」と迷っていませんか。
近年は、家族構成や住環境の変化により、お彼岸のお供えも形式にこだわりすぎず、実用性や負担の少なさを重視する考え方が広がっています。日持ちや管理のしやすさを意識し、無理のない形でお供えを選ぶ方が増えているのも特徴です。
本記事では、自宅用・持参用・贈答用のお彼岸のお供え物をわかりやすく紹介し、それぞれの意味やマナー、表書き・相場についても丁寧に解説します。
1.お彼岸とは?

お彼岸は、1年に2回、春と秋にやってきます。春のお彼岸は「春彼岸」とも呼ばれ、期間は3月の春分の日を真ん中の日にして前後3日間をあわせた7日間のことをいいます。
また、秋のお彼岸は「秋彼岸」とも呼ばれ、期間は9月の秋分の日を真ん中の日にして前後3日間をあわせた7日間をいいます。
お彼岸に、お墓参りに行ったり法要を行ったりするのは実は日本独自の慣習です。ご先祖様を供養するために設けられた大切な期間だといえるでしょう。そのため、お彼岸にはご先祖様への感謝の気持ちを込めて、お供え物を用意する習慣があります。
お彼岸の日程や法要のお布施などについては、「お彼岸はいつ?期間・日程をわかりやすく解説|お布施・お墓参りの基本も」の記事が参考になります。
2.お彼岸のお供え物に決まりはない

一般的には、日持ちするお菓子や果物、お花、お線香などが、お彼岸のお供えとして多く選ばれています。しかし、お彼岸のお供え物に、これでなければならないといった決まりはありません。自宅の仏壇に何をお供えしてもかまいませんし、他家を訪ねるときもお供え物に何を選んでもよいのです。
お彼岸のお供えの考え方・選び方の基準
ただし、「決まりはない」といっても、何を選んでもよいという意味ではなく、相手や状況への配慮を前提に考えることが大切です。自宅のお供え物として購入する場合は自由に選択できますが、訪問先にお供え物を持参する場合は、迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
そのようなときは、訪問先の家族構成・年齢・生活習慣や地域の風習なども考慮しつつ選択されてはいかがでしょうか。基本的に日持ちがするものであれば、先方も困ることは少ないでしょう。
こうした点を踏まえたうえで、次章では自宅のお仏壇にお供えする際に、おすすめのお供え物を具体的にご紹介します。
3.お彼岸での自宅のお仏壇におすすめのお供え物は?

お彼岸期間中、自宅のお仏壇には、いつもより多くのお供え物を置き盛大に飾るのが一般的です。
ここでは、自宅のお仏壇におすすめのお供え物をご紹介します。
お彼岸のお供えの基本「五供(ごく)」とは
お彼岸のお供えを考える際は、「五供(ごく)」と呼ばれる仏教の考え方を意識すると選びやすくなります。 五供とは、香・花・灯明・浄水・飲食の5つをお供えすることで、故人様やご先祖様への感謝の気持ちを表すものです。
自宅のお仏壇では、必ずしもすべてを完璧にそろえる必要はありませんが、五供の考え方を知っておくことで、心のこもったお彼岸のお供えにつながります。
ぼた餅・おはぎ
昔からお彼岸の際に自宅のお仏壇にお供えされてきたものに、「ぼた餅」と「おはぎ」があります。春のお彼岸のお供え物が「ぼた餅」、秋のお彼岸のお供え物が「おはぎ」です。どちらももち米とあんこを使用したお菓子ですが、その違いについてはさまざまな説があります。
1.呼び方だけが違う
春の彼岸には小豆を「春に咲く牡丹の花」に見立てて「ぼた餅」と呼び、秋の彼岸には小豆と「秋に咲く萩の花」の形状が似ていることから「おはぎ」と呼んだとの説があります。


他にもぼた餅は牡丹の花のように丸く大きく作られ、おはぎは萩の花のように細長い俵型のように作られるからだという説もあります。
2.あんこの作り方が違う
外側を覆うあんこが、ぼた餅は「こしあん」、おはぎは「粒あん」であるとする説や、きなこがかかっているか、かかっていないかで判断するという説もあります。
3.お米の種類が違う
「もち米」で作ったものをぼた餅、「うるち米」で作ったものをおはぎと呼ぶケースもあります。
その他、食べる時期(春か秋か)が違う、お米のつき方が違う、地域によって違うなどの説があります。
お彼岸団子
お彼岸のお供え物としては、ぼた餅やおはぎのほかに、お彼岸団子をお供えするご家庭もあります。お彼岸団子は、丸い形に「円満」や「ご先祖様とのつながり」を表す意味が込められており、地域によっては昔から親しまれてきました。
白い団子を故人様やご先祖様への感謝の気持ちを込めてお供えします。地域によって異なりますが、一般的に6個(六道輪廻にちなむ)が多く、7個・13個などとする例もあります。
果物
お供え物としては、季節の果物も一般的です。お彼岸の期間は7日間なので、傷みにくい果物を選ぶとよいでしょう。リンゴやメロンなど常温でも長持ちするものがおすすめです。
精進料理
お彼岸やお盆などの特別なときに、肉や魚介類を使わずに作られた精進料理をお仏壇にお供えするケースもよく見受けられます。精進料理には、殺生を避け、心を清めて故人様やご先祖様を供養するという意味があり、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
故人様がお好きだった食べ物
お彼岸では故人様がお好きだった食べ物をお供えするのも通例です。ただ、果物同様、傷みにくいものをお供えするようにしましょう。また、殺生を連想させる肉や魚は、お供え物としては避けるのが基本とされています。
お花
お彼岸のお供えには、季節の花を選ぶとよいでしょう。春のお彼岸ではチューリップ、秋のお彼岸では菊やリンドウなど、その時期らしい花をお供えすることで、季節感のある供養になります。
お仏壇の花立ではなく、花瓶を用意してお花を供えてもよいでしょう。
4.お彼岸のお供え|持参・贈答用の定番品は?

お彼岸に実家や親戚宅などを訪問する際、お供え物として何を持参すればよいのかわからない方のために、定番とされているお供え物をご紹介します。
線香・ろうそく
仏教では、故人様には香りがもっとも上等な食べ物であるといった考え方があるので、線香はお彼岸の贈答品として一般的です。線香を持参するときには、ろうそくとセットにしてもよいでしょう。
線香やろうそくは、ご先祖様を供養するときに使用することができる、いわゆる「消えもの」なので、訪問先にも喜ばれるお供え物です。
菓子折り
日持ちして小分けにしやすい菓子折りは、お彼岸の贈答品の定番です。お供えしたあとの保管に気づかいがいらず、気軽に食べることもできるからです。
和菓子なら日本茶といっしょに楽しめる「おまんじゅうや最中などがセットになったもの」、洋菓子なら「数種類のクッキーの詰め合わせ」などが、お供え物としてよく選ばれています。
果物
季節の果物は彩もよく豪華にも見えるので、お彼岸の贈答品に適しています。常温で日持ちするリンゴやメロンなどが定番ですが、複数の果物を詰め合わせてきれいに包装してある盛籠も見栄えがよくお供え物として人気です。
そうめん
そうめんは精進料理の代表的な食材なので、お彼岸のお供え物として多くの方から選ばれています。
また、そうめんは、お盆のお供え物としても定番で、「あの世へ帰る仏様が、振る舞われた料理やお土産などの荷物をまとめるときの紐として使用する」と一部で言い伝えられており、お盆以外のときのお供え物としても利用される機会が多い品物です。
ジュース・缶詰
お彼岸に持参するお供え物は、相手の負担を考えて日持ちのする品を選ぶのが基本であるため、特に消費期限の長いジュースや缶詰はお供え物としておすすめです。
お花
お彼岸によく持参される品としてお花があります。お彼岸だからこの花でないといけない、といった決まりはありません。
お彼岸の時期になると、フラワーショップの店頭にはお花をカゴや器に飾りつけたフラワーアレンジメントが並びます。花束だと花瓶が必要になるので、故人様がお好きだった花が使われているフラワーアレンジメントを選ぶのもよいでしょう。
ただ、生花は水の管理が必要だったり、時間がたつと花びらが落ちたりして扱いづらかったりするデメリットがあるので、最近はプリザーブドフラワーなどの造花を持参する方も増えているようです。
現金(お香典)はお供え物とは別に包む
場合によっては、お供え物とは別に、現金(お香典)を持参するケースもあります。その際はお供え物ではなく、「御香典」や「御香料」として渡すのが一般的です。
遠方の場合は郵送も検討する
遠方でお彼岸の時期に訪問できない場合は、お供え物を郵送する方法もあります。生ものは避け、日持ちする菓子折りや線香などを選ぶと先方のご負担が少なくなります。到着日は先方のご都合もあるため、事前に一言連絡しておくと丁寧です。
弊社「花葬儀」が実際にご相談を受ける中でも、「相手に気を遣わせないこと」を重視して、郵送や消えものを選ばれる方が増えています。
5.お彼岸のお供え物の相場は?

持参するお供え物が高額だと、渡す相手に「お返しをしなければ…」といった心の負担をかけてしまうかもしれません。そこで、お供え物の相場はだいたい3千円~5千円程度とされているようです。
こうした相場を反映して、お彼岸の時期になると百貨店などのお店では、持参用の3千円~5千円の線香とろうそくのセットや菓子折り、缶詰の詰め合わせなどの商品が売り出されます。
6.お供え物の掛け紙に熨斗(のし)は不要
贈り物につけることが多い「熨斗(のし)紙」をお彼岸に持参するお供え物にもつけようとしている方がいるかもしれませんが、それはマナー違反になるので注意しましょう。
「熨斗(熨斗紙や御祝儀袋などの右上にある飾り)」が入った掛け紙は、慶事の際に用いられるもので、お彼岸などの仏事のときには使ってはいけません。
お彼岸では、熨斗のない「掛け紙」に、仏事用の水引を用いるのが一般的です。店舗で購入する際は「仏事用・熨斗なしの掛け紙で」と伝えると、間違いを防ぐことができます。
ただし、関西地方では黄色と白の水引も広く用いられるなど、地域によっては水引の色が違うこともあるので、お供え物を持参する地域の慣習やルールなどを前もってリサーチすることをおすすめします。
7.「お供え物の掛け紙」の表書きの書き方は?

掛け紙は水引で上段と下段に分かれていて、どのような状況(結婚式、葬儀、お歳暮など)での贈り物なのかによって、上段と下段に書く内容が変わります。
お彼岸のお供え物の掛け紙の場合は、上段には「御供」または「御供物」と書きます。そして、掛け紙の下段には自分の氏名をフルネームで書きます。
会社や所属機関の名前などは、氏名の右上に小さく書き入れます。複数人で贈るときには連名となりますが、その際は、右側に目上の方がくるように記入するのがマナーとされています。
8.お彼岸でお供え物をいただいた場合のお返しは?
お彼岸でお供え物をいただいた場合のお返しは「基本的には必要ない」という考えもありますが、感謝の気持ちを表したい場合は、相手の負担にならない程度の金額の品物を贈るとよいでしょう。
また、贈る相手や地域によっては、香典返しの「半返し」と同様の考え方で、いただいたお供え物の額の「3分の1」から「2分の1」程度の金額の品物を贈る場合もあります。
9.ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお供えをしましょう
A.はい、必ずしも当日に用意しなければならない決まりはありません。
お彼岸は春分・秋分の日を中日とした7日間の期間を指すため、その前後の日にお供えしても差し支えないとされています。ご家族の都合や体調、天候などを考慮し、無理のない日程でお供えすることが大切です。
A.お彼岸のお供え物は、お仏壇とお墓で必ず同じものを用意する必要はありません。
自宅のお仏壇には日持ちや管理のしやすさを考えたお供え物を選び、お墓参りでは花や線香を中心にお供えするケースが一般的です。
A.はい、失礼にはあたりません。むしろ、故人様を偲ぶ気持ちが伝わるお供えとして、好意的に受け取られることが多いでしょう。
ただし、生ものや傷みやすい食品、強いにおいのあるものは避ける配慮が必要です。
10.お彼岸のお供え物は、形式よりも気持ちを大切にして選びましょう
ご説明したように、お彼岸のお供え物にこれでなければならないといった決まりはありません。ご先祖様やお供え物を持って行く相手のことを考え、形式よりも喜んでもらいたいといった気持ちを大切にして選べばよいでしょう。
ただ、迷われてしまう方は、定番の品をご紹介しましたので、それを参考にお供え物を選んでみてください。お彼岸は、ご先祖様を供養する大切な期間です。自宅のお仏壇にはご先祖様に感謝の気持ちを込めてお供えをしましょう。
なお、お彼岸のお供えは、ご自宅のお仏壇だけでなく、お墓参りの際にも行われます。お墓参りでは、故人様やご先祖様に感謝の気持ちを伝えながら、季節の花やお線香をお供えするのが一般的です。
花葬儀では、葬儀のマナーに関する「葬儀参列者のマナーガイド」を公開しております。
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