【2024年】お彼岸はいつ?お布施の相場、お墓参りのタイミングも解説

お彼岸はいつ?

1年に2回やってくる「お彼岸」ですが、その意味や実際の期間がいつなのかはわからない方も多いようです。
そこで今回は、お彼岸の意味、2024年(令和6年)の春と秋のお彼岸の期間、お彼岸に僧侶にお経をあげてもらったときのお布施の相場やお墓参りのタイミングについても解説します。ぜひ、参考になさってください。

1.お彼岸とは?

お彼岸の意味

春と秋のお彼岸。身近な言葉ですが、その意味を知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、お彼岸の意味を詳しく説明します。

お彼岸の意味は?

「彼岸」という言葉には河の向こう岸という意味があり、悟りの世界、仏さまの世界のことをいいます。一方、「此岸(しがん)」は私たちがいるこちらの世界のことをいいます。

そもそも彼岸は、古代インドの言語であるサンスクリット語の「パーラミター」を漢訳した「到彼岸」の略だと言われています。「パーラミター」は仏教用語で、「欲や煩悩に満ちた此岸の世界から修業を積むことで解脱し、悟りの境地の世界(彼岸)に到達すること」を意味します。

彼岸と此岸

我々日本の祖先は、こうした仏教の考え方と古来の自然観や先祖崇拝の考え方から、亡くなった先祖や家族の魂は、悟りの境地である「彼岸」にあって、我々現世にある者は煩悩に満ちた「此岸」にあると考えるようになりました。

そして、太陽が真東から上り真西へと沈む日、すなわち1日で昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日には、1年の中でもっとも彼岸と此岸との距離が近くなり、その前後の期間にご先祖様の供養を行えば、ご先祖様に思いが通じるだけでなく、自分も極楽浄土に行くことができるという思想が生まれました。そこで、春分の日や秋分の日の前後にお墓参りや法要を行うようになったのです。

現在、私たちが使っている「お彼岸」は、ほとんどの場合、春分の日や秋分の日の前後の期間にご先祖様を供養するためにお墓参りをしたり法要をしたりする行事のことを指す言葉となっています。

2.お彼岸(春と秋)とはいつのこと?

お彼岸の中日は、いつの日のことなのか、また、お彼岸とは具体的にはいつの期間をさすのかを説明します。

中日とは?

お彼岸の「中日」とは、お彼岸の真ん中の日のことで、春であれば「春分の日」、秋であれば「秋分の日」を指します。1年のうちで昼の時間と夜の時間がほぼ同じ長さになる日です。

ちなみに、彼岸の最初の日を「彼岸の入り」または「彼岸入り」と言い、真ん中の日となる春分の日と秋分の日を「中日」、最後の日を「彼岸明け」と呼びます。

お彼岸とは具体的にいつのことなの?

1年に2回、春と秋にあるお彼岸の期間は具体的にはいつのことなのでしょうか。

春のお彼岸は「春彼岸」とも呼ばれ、期間は3月の春分の日(中日)を真ん中の日にして前後3日間をあわせた7日間です。

秋のお彼岸は「秋彼岸」とも呼ばれ、期間は9月の秋分の日(中日)を真ん中の日にして前後3日間をあわせた7日間です。

3.お彼岸の日程の決め方

毎年、春と秋に7日間あるお彼岸の日程は、どのようにして決められるのかを解説していきます。

日程はどうやって決められるの?

春分の日と秋分の日は、日付で決まっているのではなく、太陽の運行に合わせて決められるので、毎年日にちが違います。

太陽が天文学上で定められている「春分点」と「秋分点」に達した日は、太陽は天の赤道上にあり、ほぼ真東から出てほぼ真西に沈みます。その日をそれぞれ「春分日」「秋分日」と呼び、その日付が春分の日と秋分の日となります。太陽は毎年、同じ日の同じ時間に同じ場所を通過することはありません。そこで、春分の日と秋分の日も毎年、違ってくるというわけです。

春分の日と秋分の日は、閣議によって決められ、毎年2月1日付で翌年の該当日が発表されます。こうして決められた春分の日と秋分の日によって、お彼岸の日程も決まります。

春分の日と秋分の日が祝日となった理由は?

春分の日と秋分の日は、昭和23年の「国民の祝日に関する法律」の制定当初に定められた合計9日に含まれる「国民の祝日」です。同法律では、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされ、秋分の日は、「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」とされています。

「なぜ、夏至や冬至は祝日ではなく、春分の日と秋分の日が祝日なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、春分と秋分の日には、宮中で「春季皇霊祭(こうれいさい)/秋季皇霊祭」「春季神殿祭(しんでんさい)/秋季神殿祭」が行われます。「春季(秋季)皇霊祭」は、毎年春分(秋分)の日に、天皇が皇霊殿(こうれいでん)で天皇家の祖先の神霊を祀られる儀式です。また、「春季神殿祭の儀(秋季神殿祭の儀)」は、天皇が天神地祇(てんじんちぎ/天地の神々のこと)や八百万神(やおよろずのかみ)を祀る儀式です。

そのため、戦前から、もともと春分と日と秋分の日の2日間は国家の祭日となっていたので、戦後には「春分の日」「秋分の日」という名前で祝日となりました。

4.2024年春・秋のお彼岸はいつ?

2024年秋・2024年春のお彼岸はいつ

今年の春のお彼岸が迫ってきました。2024年春のお彼岸はいつになるのでしょうか。また、秋のお彼岸がいつになるのかも説明します。

2024年(令和6年)春のお彼岸はいつ?

2024年(令和6年)の春分の日は3月20日で、春のお彼岸の期間は下記のように3月17日から3月23日までの7日間となります。

  • 3月17日(日) 彼岸入り
  • 3月18日(月)
  • 3月19日(火)
  • 3月20日(水)/祝日/春分の日/中日
  • 3月21日(木)
  • 3月22日(金)
  • 3月23日(土) 彼岸明け

2024年(令和6年)秋のお彼岸はいつ?

2024年(令和6年)の秋分の日は9月22日で、秋のお彼岸の期間は下記のように9月19日から9月25日までの7日間となります。

  • 9月19日(木) 彼岸入り
  • 9月20日(金)
  • 9月21日(土)
  • 9月22日(日)/祝日/秋分の日/中日
  • 9月23日(月)
  • 9月24日(火)
  • 9月25日(水) 彼岸明け

5.初彼岸はいつのこと?

人が亡くなってから初めて迎えるお盆の「新盆」は身近ですが、「初彼岸」という言葉を知っている方は少ないのではないでしょうか。

初彼岸は、人が亡くなってから四十九日が過ぎて初めて迎えるお彼岸のことです。したがって、四十九日の前にお彼岸を迎えた場合には、次のお彼岸が初彼岸となります。新盆も同様で、あくまでも亡くなって四十九日が過ぎて初めて迎えるお盆が新盆となります。

6.お彼岸の風習は日本だけ

すでに説明しましたが、お彼岸という概念そのものが日本独自のもので、お彼岸にお墓参りに行ったり、法要を行ったりする風習は日本だけのものです。仏教のルーツであるインドや中国にもお彼岸はありません。そもそも仏教では、魂の存在が認められておらず、人は死後49日で生まれ変わるか、悟りの境地に達して解脱するか、いずれかの道に進むとされています。

したがって、ご先祖の魂が、お彼岸の時期になるとこの世に近いところに来る、お盆には家に帰って来るというのは、日本古来の先祖崇拝信仰の名残りということができます。

7.お彼岸とお盆の違いは?

お彼岸のほかに、毎年、ご先祖様を供養するものにお盆があります。お彼岸とお盆の違いについてお伝えしましょう。

お彼岸は、ご先祖様のいる「彼岸」と我々のいる「此岸」との距離がもっとも近くなる日にお墓参りに行ったり法要をしたりして、ご先祖様を供養するとともに自分も極楽浄土に行けるように祈ります。つまり、自らお墓やお寺に足を運ぶわけです。一方、お盆は、ご先祖様の魂が帰って来る期間とされ、自宅の玄関先で迎え火をたいてご先祖様の魂をお迎えし、送り火をたいてご先祖様の魂をお見送りします。

このようにお彼岸は自ら彼岸にいるご先祖様に近づく、お盆はご先祖様の魂が帰って来るという点で違いがあるため、供養の方法にも若干の相違があります。

8.お彼岸のお布施はどうする?金額の相場は?

お彼岸に法要として僧侶にお経をあげてもらった際に、お布施としていくら支払えばよいのか迷っている方のために、コロナ禍における「お彼岸のお布施の相場」を調査したデータ「仏教に関する実態把握調査(2020年度臨時調査)報告書」(以下、報告書)をご紹介します。

※以下で説明する調査結果は2020年時点に調査した結果です。
また、お彼岸のお布施の金額は、調査対象者のうち、支払った金額が明確であった人のみで算出しています。

調査データ/全体の考察

報告書によると、お彼岸でのお布施の支払い率は、例年は79.1%ですが、2020年は85.0%、今後の支払い予定は50.2%という結果になりました。2020年はお彼岸にてお布施を支払った人の割合は増えていますが、その平均金額は以下のように下がっています。

「例年お経をあげてもらう人」の平均金額は16,033円、「2020年にお経をあげてもらった人」の平均金額は12,964円となっており、コロナ禍では金額が大きく落ち込んだことがわかります。

なお、「今後お経をあげてもらう意向の人」の平均金額は16,860円となり例年よりもわずかに上回りました。

大和証券調査「お彼岸のお布施の相場」データ

出典:「お彼岸のお布施の相場」を調査したデータ「仏教に関する実態把握調査(2020年度臨時調査)報告書
16ページ、17ページ
調査主体:公益財団法人全日本仏教会/大和証券株式会社
2020年8月21日(金)~ 8月22日(土)調査
調査地域・対象:全国/20~79歳の男女
http://www.jbf.ne.jp/wp-content/uploads/site211/files/pdf/bukkyoureport2020_102.pdf

菩提寺がある方の場合

全体のうち菩提寺がある方のお彼岸のお布施金額は、前述した全体の平均金額とほとんど差はなく、「例年お経をあげてもらう人」15,944円、「2021年にお経をあげてもらった人」13,392円、「今後お経をあげてもらう意向の人」16,819円とほぼ同水準の結果となりました。

菩提寺がない方の場合

報告書によると、菩提寺がない方のお彼岸のお布施平均金額は、「例年お経をあげてもらう人」16,766円、「2020年にお経をあげてもらった人」は6,638円、「今後お経をあげてもらう意向の人」は17,134円でした。

菩提寺がない方の場合、「例年お経をあげてもらう人の平均金額」とほぼ同額でしたが、「2020年にお経をあげてもらった人」の平均金額はかなり低くなっています。

これはコロナの影響のためだと考えられますが、調査結果によると、今後は菩提寺がない方の場合も約1.7万円程度に戻る(支払う人のみで算出)と推測されます。

地域別の特徴

同調査書の17ページを見ると、例年、お彼岸でお布施を支払っている人の2020年の支払い額は、例年と比較して40.6%(全国平均)に落ち込んでおり、都道府県別に見るとその下落は、特に東北、関東、中部、中国地方で著しいという結果になりました。

「合同で行われるお彼岸法要」と「個別に行うお彼岸法要」のお布施の金額

■お彼岸法要(彼岸会)のお布施の金額

お彼岸には、お寺によっては「お彼岸法要(彼岸会/ひがんえ)」と呼ばれる合同供養を行いますが、お寺の檀家や、そのお寺が運営する墓地にお墓を持つ方々も参加できます。

この彼岸会などで行った際のお布施は、3千円~1万円程度が相場と言われています。

■個別に行うお彼岸法要の金額

個別にお寺で法要を行う場合のお布施は、お寺で行われるお彼岸法要(彼岸会)に参加した場合のお布施の金額より高い傾向にあります。自宅で法要を行った際は3万円~5万円程度と言われており、僧侶に来てもらって行う場合には、別途お車代をお渡しすることもあります。

なお、いずれの場合も年齢、地域や宗教によっても異なります。

葬儀のお布施の相場については、「葬儀のお布施~金額の相場、渡し方とタイミングのまとめ~」の記事が参考になります。

9.お彼岸のお墓参りはいつがいいの?

お彼岸のお墓参りはいつがいいの?

「お彼岸にお墓参りをするのはなぜ?」
「7日間あるお彼岸の期間でいつお墓参りに行けばいいの?」
ここでは、このような疑問にお答えします。

お彼岸にお墓参りをするのはなぜ?

すでにご説明したように、日本では春分の日と秋分の日を挟んだ7日間は、ご先祖様との距離が近くなると考えられており、ご先祖様を供養するためにお彼岸にお墓参りをすることが風習となっています。

祖先がつくったこの風習は、ご先祖様に感謝し、亡くなったご家族に思いをはせ、また、煩悩を捨て切れない自分を見つめ直す大切な機会になるでしょう。ぜひ、お彼岸でのお墓参りを大切にしてください。

お墓参りに行くならいつがいいの?

お彼岸の期間には、彼岸入りや中日、彼岸明けがありますが、お墓参りに関して特にこの日でないといけないといった決まりはありません。7日間のうちで都合のつく日にお墓参りに行けばよいでしょう。

前述した彼岸会に参加する場合は、念のためお寺に合同供養を行っているか、また、参加できる時間帯などを確認しましょう。

10.お彼岸にお墓参りに行けない場合は?

「お彼岸には毎年、お墓参りに行っていたのに今年は用事で行けない」
そのような年もあるでしょう。お彼岸にお墓参りに行けない場合はどうすればよいのかを解説します。

お彼岸にはお墓参りに行かないとダメなの?

お彼岸だからといって、必ずお墓参りをしなければならないといった決まりはありませんので安心してください。

大切なのはご先祖様を供養する気持ちです。お墓参りに行けない場合は、家にあるお仏壇をきれいに掃除してお花を飾るなどし、手を合わせてご先祖様を思うだけでも十分です。

行けない場合はどうしたらよい?

お彼岸にお墓参りに行けない場合には、別の日に行けないか日程調整をすることをおすすめします。お墓参りは、いつ行かなければならないといった決まりはありません。行けるときに行けばよいのです。
ただ、雑草や落ち葉などでお墓は汚れてしまいますので、定期的に行くように心がけるとよいでしょう。

11.お彼岸に関するQ&A

お彼岸に関してよくある質問と、それに対する回答をご紹介します。

A.春のお彼岸には「ぼた餅」をお供えします。

ちなみに、秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えします。ぼた餅・おはぎ のどちらにも「もち米」と「あんこ」を使用していますが、なぜ呼び名が異なるのかについては、さまざまな説があります。

そもそも呼び名だけが異なるという説もあるため、「ぼた餅をお供えしたいのにおはぎしか手に入らない」という場合は、おはぎをお供えしても問題ありません。ご先祖様に対する尊敬と感謝の気持ちを伝えることがもっとも大切だといえるでしょう。

A.仏滅の「仏」は仏教とは関係がないため問題ありません。

六曜では一般的に「仏滅は縁起が悪い日」と言われていますが、墓参りはもちろん、葬儀、法事などでも気にする必要はないのです。ただし、「どうしても気になる」という人と一緒にお参りに行く場合は、その気持ちに配慮することもマナーのひとつといえるでしょう。

A.基本的にお返しは不要です。

ただし、心からの感謝の意を伝えましょう。個々の家庭の考え方や地域によっては、いただいたお供え物の3分の1から半分程度の品物を贈るケースもあります。

12.お彼岸はご先祖様を思って過ごしましょう

お彼岸はいつなのか?またその意味と、僧侶にお経をあげてもらったときのお布施の相場や、お墓参りのタイミングなどについて解説してきました。お彼岸の期間は毎年変わるので確認するようにしましょう。

お墓参りに行けない場合、自宅に仏壇があれば仏壇をきれいにして花を手向け、ご先祖様を思って手を合わせるだけでも十分に供養となります。もっとも大切なことは、ご先祖様を思う気持ちです。お彼岸の期間はご先祖様を思って過ごしましょう。

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