終活は断捨離から始める?メリット・手順・注意点を解説
- 作成日: 更新日:
- 【 終活の基礎知識 】

終活を考え始めたとき、「何から手を付ければよいのか」と迷う方も多いでしょう。そのようなとき、第一歩として取り組みやすいのが断捨離です。身の回りのものを整理することで、生前整理の準備にもなり、ご家族の負担軽減にもつながります。
この記事では、終活の第一歩として取り組みやすい断捨離に注目し、終活と断捨離の関係、メリット、具体的な進め方や注意点をわかりやすく解説します。
【もくじ】
1.そもそも断捨離とは?意味と考え方
断捨離とは、不要なものを捨てることだけを指す言葉ではありません。ものへの執着心から離れ、身軽で快適な人生や心の平穏を得ようとする考え方を含めた言葉です。
仏教用語などではなく、「断行(だんぎょう)」「捨行(しゃぎょう)」「離行(りぎょう)」というヨガの行法にもとづき、不要なものが入ることを「断ち」、不要なものを「捨て」、ものへの執着から「離れる」との意味で使われ始めた造語とされています。
終活の中で、断捨離は「生前整理」の一部として位置づけられます。生前整理とは、ご自身が元気なうちに身の回りを整理し、将来に備える終活の取り組み全般を指します。
2.終活を断捨離から始める理由
終活を始めようと考えたとき、「何から始めればよいのか」と悩むかもしれませんが、実際には、断捨離から取り組む方が少なくありません。
ここでは、終活を断捨離から始める人が多い理由について、実際の調査結果なども踏まえながら解説します。
断捨離が第一歩に向く理由
終活を始めようと考えたとき、多くの方は、身の回りの整理として断捨離から取り組むようです。
自分の都合のよいときに、自分の判断で、また、自分のペースで進めることができるため、生前整理や身辺整理の中でも着手しやすく、終活のスタートとして選ばれやすいのでしょう。
終活の中でも取り組みやすく、精神的な負担が少ない点が、断捨離が第一歩として選ばれる大きな理由です。
調査から見る終活の始め方
朝日新聞が行った「終活に関する意識と実態調査結果」によると、終活を始めるきっかけとして多かった回答は、「自分のことは自分でしたいから」「子供に迷惑をかけたくないから」でした。
このように、趣味にかかわるものや衣類、食器類など、自分の判断で整理できる物から身辺整理を進めたいと思う方が多いために、終活は断捨離から始める人が多いのだと考えられます。

記事名:「終活 まずは断捨離・身の回りの整理から 何をしてよいのか戸惑いも」
調査名:「終活に関する意識と実態調査結果」
URL:https://www.asahi.com/relife/article/14515467
実際に遺品整理の現場では、大量の家財の処分にご家族が何週間もかかるケースもあります。だからこそ、元気なうちから少しずつ整理しておくことが、ご家族の負担軽減につながります。
なお、終活について詳しく知りたい方は、「終活の準備」の記事が参考になります。
3.終活の断捨離はいつから始める?年代別メリット

終活における断捨離は、高齢になってからと考える方もいるかもしれません。しかし、まだ自分の死について本気で考える前から始めるメリットもあります。
ここでは、全年代で共通した断捨離のメリットと、年代別に断捨離を始めるメリットについて解説します。
全年代で共通した断捨離のメリット
年代別の断捨離を始めるメリットをご説明する前に、まずは、全年代に共通する断捨離を行うメリットについて整理しておきましょう。
ご家族の負担が軽減する
自分の死後、趣味のもの、衣類などは、残されたご家族が整理をしなくてはなりません。自分のものは自分で取捨選択し、整理しておけば、万が一自分が急逝しても、ご家族の負担を軽減できます。
単身世帯の増加が指摘されるなか、元気なうちに身の回りを整理しておく重要性は高まっています。
部屋や身の回りがきれいになる
自分の身の回りを見直して、本当に残したいもの、そうでないものの仕分けをし、断捨離をすることで部屋や身の回りがきれいになると、心理的な負担が減り、生活の質も向上するでしょう。
お金や時間の節約になる
身の回りのものを見直し、必要なもの、不要なものを判断する。その作業を日常的に続けていると、無駄なものを新たに買わないようになるため、お金の節約になります。
また、ものが少なくなり、身の回りが整頓されれば、掃除をする時間も短縮されるでしょう。
30代で断捨離をするメリット
30代は社会人としての生活が充実し、結婚して新しい家庭を築く、子供を授かるなどのことが多い時期だといえます。そうした30代だからこその断捨離のメリットは以下です。
ご家族が増える・転勤などの備えに
結婚をして、子供に恵まれれば、自分の身に何かあった際に、身の回りがものであふれていると、配偶者や子供たちに負担がかかります。また、転勤を理由に引っ越しをしなくてはならなくなった場合にも、日常的に断捨離ができていないと、引越しの荷物が多くなりたいへんでしょう。
ライフプランを見直す機会になる
30代は、仕事で昇進を目指したり、人生の目標を立てたりと精力的に過ごす時期です。そのような時期に、あえて終活や断捨離について考えることは、自身のライフプランを見直すきっかけになります。
40代で断捨離をするメリット
仕事に加えて育児なども経験することが多い40代。そのような40代で断捨離をするメリットは以下です。
今後の終活が楽になる
50歳以降、本格的に行わなければならなくなる終活を前に、40代で断捨離をしておくことで、今後の後片付けや終活がとても楽になります。
断捨離が早く進む
ものを整理する断捨離においては、判断力と体力が必要です。
体力や判断力に余裕がある40代ならば、断捨離が早く進むでしょう。
50代で断捨離をするメリット
50代は、一般的に子育てがある程度落ち着き、時間に少し余裕が出てくる時期です。50代で断捨離するメリットは以下です。
重いものの整理は早めが安心
年齢を重ねるにつれて体力的な負担を感じやすくなるため、無理なく動けるうちに、できれば50代までに重いものなどは整理しておくと安心です。
セカンドライフが明確になる
50代は、人生の折り返し地点の時期ともいえます。そのような時期に断捨離をして身の回りの整理をすれば、今まで諦めきれなかった思いや活動に終止符を打つきっかけになるかもしれません。
断捨離をして、身の回りのものはもちろん、人間関係や金銭面の棚卸しをすることで、自分のセカンドライフをどのように過ごしたいのかが明確になるでしょう。
60代で断捨離をするメリット
60代は、自分に何かあったときにご家族に迷惑をかけないよう、終活を始める方も多くなります。そのような60代で断捨離をするメリットは以下です。
住環境変化に対応しやすくなる
60代になると、これから先のライフスタイルや体力の低下を見据えて、交通の便がよい駅前のマンションに住み替える人も増えています。
住環境を変える際に断捨離ができていると、引っ越しで運ぶ荷物も少なく、身軽に住環境の変化に対応できるでしょう。
ご家族と話し合いながら行える
60代は、子供がいるならば、すでに成人しているか、それに近い年齢になっていることが多く、先祖代々継承されてきたものや家財など、今後、どう管理するかの話し合いもご家族とできるでしょう。
4.終活の断捨離の手順
終活での断捨離は、明確な期限があるわけではないため、闇雲に始めても長続きはしません。手順を踏みながら確実に進めていきましょう。
今あるものを把握する
終活での断捨離は、今あるものを自分で把握することから始めます。
「捨てるか」「捨てないか」を判断するのではなく、まずは、手放すかどうかは考えずに、今あるものをリスト化しましょう。
必要なもの・不要なものの仕分け
次にリスト化した持ち物を、必要なもの・不要なものに仕分けをしましょう。すぐにどちらかに仕分けできないものについては、以下のようにランクをつけて仕分けをすることをおすすめします。
・A:必要なもの
・B:使用頻度は少ないが捨てられないもの
・C:捨てようと思っているけれど、捨てるのに勇気がいるもの
・D不要なもの
(・X:判断がつかないもの)
判断がつかないものは、「X:判断がつかないもの」として仕分けをし、時間をおいたあとに、どうするかを判断しましょう。
不用品を処分する
仕分けができたら、「D:不要なもの」から実際に処分をしましょう。
粗大ゴミや家電など、すぐには処分ができないものは、行政の方針に従い計画的に処分を進めます。
不用品の処分は、手間のかかる作業ですが、不要なものを手放すことで、老後の生活の質が向上します。
次章では、仕分けをよりスムーズに行うための具体的な判断基準について解説します。
5.断捨離で迷わないための判断基準

前章では終活の断捨離の流れをご紹介しましたが、実際に悩みやすいのが「必要か不要か」の判断です。
ここでは、迷わず仕分けを進めるための具体的な判断基準や考え方をご紹介します。
不要・必要を見極める具体的な基準
断捨離は、捨てるアイテムごとに具体的な判断基準をつくって行うとスムーズに進みます。
たとえば、洋服などは下記のような基準を設けて、それに合ったアクションを決めておくとよいでしょう。
■あったことを忘れていた……即処分
忘れていたということは、必要もないし、愛着もないことなので、即処分します。
■ここ数年着ていない……早めに捨てる
思い直して着るようになりそうな洋服は残して、今後も着る機会がないと判断したものは早めに捨てましょう。
■寿命がきている……買い替えながら捨てる
使い込んで寿命がきている服は、着づらいものですから捨てていいでしょう。しかし、気に入っている場合は、たまに着ながら、同じデザインの新しい服を買ったら捨てるという方法もあります。
■今の流行ではない……着ないなら捨てる
流行でなくても、好きなら着てもいいでしょう。ただし、着ないと選択したならば、捨てるべきです。
■好みが変わって着なくなった……早めに捨てる
好みが変わって着なくなったとは、すなわち、その服が嫌いになったということですから捨てます。
迷ったときの判断の方法
自分が長い間大切にしてきたもの、大切な方から受け取ったものは、手放すのに勇気がいります。だからといって、現状維持では断捨離は進みません。
基準を設ける、ご家族に相談するなどして自分の中で納得できる理由を見出し、ある程度は思い切って判断することが大切です。
6.断捨離での不用品の処分方法

断捨離で手放すことにした不用品の処分方法には、「捨てる」「譲る」「売却する」があります。
ゴミとして処分する
断捨離で不用品と判断したものを、ゴミとして処分する方法があります。ただし不用品の種類によっては、処分をするのにお金がかかる場合があります。
自治体ごとに、粗大ゴミや家電、パソコンなど処分するものにより処分方法が異なるため、ゴミとして処分する際は自治体のルールを確認して正しく処分しましょう。
ふさわしい人に譲る
捨ててしまうだけでなく、「ふさわしい人に譲る」という選択肢もあります。本が好きな人に本を譲る、素敵なデザインの雑貨、食器などを友人に譲るなど、喜んで引き受けてもらえそうな人がいたら、まずは受け取ってもえらえるか連絡してみてもよいでしょう。
売却する
手軽に売却する方法には、以下のような手段などがあります。
■リサイクルショップ:店舗に不用品を持って行き買い取ってもらう方法
■宅配買取業者:不用品を箱に詰めて宅配買い取り業者に送付し、査定してもらってから納得して売却する方法
■フリマアプリやネットオークション:オンラインで個人で売却する方法
売却するには少なからず労力が必要になりますが、捨ててしまうときの罪悪感もなく、大切なものをリサイクルすることで清々しい気持ちで断捨離ができるでしょう。
7.終活の断捨離を無理なく行うコツ
処分方法を理解したうえで、次に大切なのは「無理なく続けること」です。
ここでは、終活の断捨離を無理なく、スムーズに進めるための具体的なコツをご紹介します。
処分しやすいものから始める
断捨離をスムーズに行うには、一度にすべてを終わらせようとせず、ストレスなく処分できるものから始めましょう。
消耗品や長期間着ていない服など、迷いなく手放せるものから始めるとスムーズに進みます。
少しずつでも続ける
断捨離を進めていく中で、大量に処分しなくてはならないものが発生すると、一時的に生活空間が圧迫されたり、生活のリズムが乱されたりなど、生活に支障が及ぶ場合があります。
断捨離は、できれば早く終わらせたいと思うものですが、自分の心が乱されない範囲のものから始めて、少しずつでも続けていけば自ずとゴールも見えてくるでしょう。
捨てにくいものは後回しにする
断捨離の途中で、捨てにくいもの、捨てていいか判断ができないものが出てくる場合もあるでしょう。特に思い出にかかわるものなどを強引に処分してしまうと、後悔することになりかねません。
迷いのある気持ちのまま処分をせずに、捨てにくいものは後回しにして、期限を設け、あらためて判断をしましょう。
8.終活の断捨離の注意点
終活の断捨離では注意すべき点がいくつかありますので、ここでご紹介します。
断捨離は自分の意思で行う
はじめにも触れましたが、断捨離はものを捨てるだけが目的ではありません。ものを処分することとあわせて、ものへの執着心をなくすことも大切な目的です。他者からなかば強引にすすめられ、自分の意思に反して断捨離を行えば、ものへの執着から自分を解放できず、また、すぐにものがあふれてしまうことにもなりかねません。
断捨離は、自分の意思で行わなければ、意味を成さないのです。
自分のもの以外は絶対に捨てない
一人暮らしで、すべて自分のものであるなら問題はありませんが、ご家族と一緒に暮らしている中で断捨離を行う場合には、自分のもの以外は勝手に処分をしてはいけません。
不要に見えても、本人が大切にしているものかもしれません。勝手に処分してしまえば、トラブルが起きる場合もあるでしょう。目障りに思ったとしても、相談なしに処分せず、自分のものだけに絞って断捨離を行います。
資産に関するものは断捨離の対象外とする
資産に関するものは、断捨離の対象外とします。
特に金銭関係の書類は、自分が亡くなったあとにご家族であっても再発行できないものもあります。遺産相続の手続きに必要な書類などもあるので、資産整理の観点からも安易に処分せず、ご家族のためにも大切に保管しておきましょう。
資産に関するもの、家宝の保管場所などを記録に残すためには、遺言書の作成が有効です。また、エンディングノートを活用するのも一つの方法です。
エンディングノートをスムーズに書き進める方法については、「エンディングノートの書き方」の記事で詳しくご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
体力のあるうちに始める
断捨離は力が必要になる作業もあるので、体力があるうちに始めたほうがよいといえます。
体力があるうちは、たいてい精神面も健康ですから、ポジティブな気持ちで断捨離を進められるでしょう。
精神が不安定なときには行わない
断捨離をしてものを減らすことは、環境の変化にもつながり、少なからず不安な気持ちになるかもしれません。したがって、精神が不安定なときに行うと、その不安が過剰に大きくなってしまう可能性があります。
正常な判断で必要なもの、不要なものの仕分けができなくなるケースもありますから、精神が不安定なときには断捨離は行わないようにしましょう。
9.終活の断捨離でよくある質問
終活の断捨離でよくある質問についてお答えします。
A.普通に生活をしているだけで、自然とものはどんどん増えていくものです。外出すればノベルティや、おまけの品をもらうこともありますし、ポストにはたくさんの広告チラシが入ってきます。
つまり、自分でものを増やすつもりがなくても、自然とものは増えてしまうので、できるだけ処分することを意識した生活を継続する必要があります。「処分する」ことに意識があると、ポストに届いたチラシも、おまけの品も、自分にとって不必要であれば、すぐに処分できるでしょう。
A.TwitterやFacebook、InstagramなどSNSのアカウントは、「デジタル遺品」や「デジタル遺産」ともいわれ、何も対処しなければ、自分の死後も残り続けます。「もしものときには、アカウントを削除してほしい」「状況に応じたステイタスにしてほしい」と望む場合には、アカウント情報(ID・パスワードなど)を事前にメモに残し、ご家族に手続きをしてもらうようにしましょう。
一部のSNSでは、自分の死後、アカウントを管理する管理人を指定しておく設定もできますし、今後、それぞれのSNSの仕様ルールも変化することが予想されますが、安心して任せられるご家族に処分の対応を頼んでおくことが、最良の対策だと考えられます。
A.スマートフォンやパソコンに保存されている写真や個人情報などのデジタル遺品産は、とてもプライベートなもので、たとえご家族であっても手を出しにく難いものです。したがって、スマホやパソコンに残るデータで不要なものは、随時、削除するなど自分でデータの処分をしておくことをおすすめします。
スマホやパソコンは、ログインできるのは本人のみで、一般的にご家族が専門業者に依頼しても、機種や状況によってはロックの解除が難しい場合があります。そこで、自分の死後、スマホやパソコンのデータの処分を信頼するご家族に頼む場合は、ロック解除のパスワード等をご家族と共有しておきましょう。
A.昔のアルバムや、紙焼きの写真が、本棚にあり、処分するかどうか迷うこともあるでしょう。そのまま残しておくと場所もとるため処分したいと思ったなら、思い切って、思い入れのある写真だけ残して、その他の写真は処分するのがよいでしょう。
または、写真をスキャンしてデータ化しておくのも処分方法の一つです。データ化すれば、場所をとらずに思い出を残せます。
10.終活の断捨離は早めに始めるのがおすすめ
終活を何から始めるか迷ったときは、まず身の回りを整える終活の断捨離から取り組むのがおすすめです。終活の断捨離は、単にものを減らすことではなく、生前整理として自分の価値観を見つめ直し、将来の手続きや遺品整理の負担をご家族のために軽くする準備でもあります。
メリットや進め方、注意点を押さえながら、無理のない範囲で少しずつ進めていきましょう。まずは「1か所だけ」「1袋だけ」など小さな目標から始めると続けやすくなります。断捨離を始めるのに早すぎることはありません。思い立ったときが、行動に移すタイミングです。
花葬儀では終活のひとつ、自分の葬儀の準備についてのご相談も「事前相談」で承っております。「こういう葬儀で見送ってほしい」というような、ご本人のお気持ちに寄り添いながら、葬儀のアドバイスをさせていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。











