【位牌の作成】いつまでに依頼する?手順や必要な情報、費用相場を解説
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
「位牌(いはい)」は、大切な方を亡くした際に用意する仏具のひとつです。ご遺族が作成の依頼をしなければならない位牌もあり、「どうやって依頼する?」「いつまでに用意すべき?」「費用は?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
そのような不安を解消するために、今回は「位牌の作成」をテーマとしたコラムをお届けします。これを読めば、位牌の意味、位牌の作成方法や期間、かかる費用、必要な手順が全て理解できるようになるでしょう。ぜひ最後までお付き合いください。
1.そもそも位牌とは?作成前に押さえておきたい意味・役割
まずは位牌の意味や役割、必要性について解説します。
位牌とは?
位牌とは、木の板などに故人様の生前のお名前、亡くなった日付や年齢、戒名(かいみょう)などを書いたものです。板にご先祖様の情報を書いて供養した中国の「木簡」が起源であり、日本には鎌倉時代以降に広まったとされています。
位牌には「魂のよりどころ」という重要な役割があり、故人様やご先祖様の魂が宿っているものとして、仏壇に安置して大切に扱います。なお、位牌は仏教の多くの宗派で用いるものです。神道には位牌と似た意味を持つ「霊璽(れいじ)」がありますが、キリスト教にはありません。
白木位牌と本位牌の違い
「位牌=黒塗りの木の板」を連想する方が多いかもしれませんが、故人様が亡くなって最初に用意するのは「白木位牌」と言い、塗装のされていない白木の板で作った位牌です。白木位牌の後に用意する位牌を「本位牌」と言い、それぞれの特徴は以下の通りです
【白木位牌】
- ・白木でできた仮の位牌
- ・戒名、没年月日、俗名、年齢などが書かれている
- ・葬儀で使用し、四十九日までご遺骨と一緒に飾られる
- ・多くの場合、葬儀社または寺院が用意する(数千円程度が相場)
【本位牌】
- ・正式な位牌
- ・位牌に刻む情報は基本的に白木位牌と同じ
- ・四十九日以降の忌明けから飾られる
- ・ご遺族が用意する
なぜ本位牌は必要?作成する理由
「仮とは言え、白木の位牌があるのだから本位牌は不要なのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、白木位牌を飾るのは、四十九日の忌明けまでであることが一般的です。故人様の魂が長く安らかに宿る場所として、また、耐久性や伝統の観点からも、本位牌に作り替えることが推奨されています。
したがって、故人様やご家族が仏教徒の場合は、本位牌の作成が必要です。ただし、一部の宗派では位牌を用いないこともあります。詳しくは「本位牌作成で迷わないための確認ポイント」にて後述しますので、そちらをご覧ください。
2.本位牌はいつまでに必要?作成期間はどれくらい?
本位牌は、文字を入れる工程が必要になるため、入手にはある程度の日数を要します。
こちらでは、本位牌作成にかかる期間の目安と、用意するタイミングをご紹介します。
本位牌を作成するタイミング
浄土真宗などの一部を除く仏教宗派では、亡くなった方の魂は現世に留まった後、四十九日目に成仏すると考えられています。そのタイミングで本位牌に故人様の魂を入れる儀式を行うため、本位牌は四十九日までに用意するのが一般的です。
四十九日までに間に合わない場合は、別のタイミングに合わせて作成します。詳しくは後述する「位牌の作成に関するQ&A」をご覧ください。
作成にかかる日数・期間の目安
位牌の作成を依頼してから手元に届くまでの期間は、およそ1~2週間です。特殊な加工を行う場合などは、さらに時間がかかることもあります。葬儀の準備と並行して手配しておくと安心でしょう。
3.本位牌作成の基本的な流れ・手順
本位牌を作成するまでの基本的な流れや、依頼する際に注意したいことをご紹介します。
1.菩提寺の有無、宗派の確認
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々がお世話になっている寺院のことです。まずは菩提寺の有無と、宗派を確認しましょう。宗派を確認する理由は、一部の宗派では位牌を用いないこともあるためです。
一般的に本位牌は葬儀社や仏具店に依頼するものですが、菩提寺から購入できるケースもあります。菩提寺がない場合や、位牌の手配についてご不明な点がある場合は、葬儀社にご相談ください。
2.白木位牌の情報を確認
白木位牌には戒名、没年月日、没年齢など、本位牌作成に必要な情報が記載されているため、内容を必ず確認します。位牌の裏にも書かれていないか注意しましょう。
なお、白木位牌に記載されていること全てを本位牌に刻むとは限りません。「霊位」「新帰元」「新円寂」といった文字がついている場合は省略、または削除することがあります。宗派や寺院によって異なる場合があるため、事前に僧侶や、位牌を取り扱っている葬儀社などに確認することをおすすめします。
3.本位牌の種類・内容の決定
本位牌のデザイン(塗りや蒔絵など)、サイズ、本位牌に刻む文字、文字の入れ方(手掘りや機械彫り)を決めます。それぞれの詳細は次項の「位牌作成に必要な情報まとめ」より解説しますので、参考になさってください。
4.作成を依頼
決定した内容に間違いがなければ、作成を依頼します。作成にかかる期間や、受け取り方法なども確認しましょう。
初めて本位牌を作成する場合、仏壇やご本尊、仏具なども用意することがあります。それぞれインターネットでの注文も可能ですが、葬儀社や仏具店と相談しながら用意すると安心です。
5.本位牌の受け取り・開眼供養(魂入れ)の準備
本位牌の受け取り後、開眼供養(かいげんくよう)の準備を進めます。開眼供養に関する詳細は後述する「開眼供養とは?」をお読みください。
4.位牌作成に必要な情報まとめ
本位牌は故人様の魂が宿る大切なものですから、後悔のないように用意したいものです。
こちらでは、位牌作成に必要となる情報や注意点を詳しく解説します。
位牌に記載する主な項目
まずは、位牌に記載する項目と、それぞれの意味をご紹介します。
戒名(法名・法号)
「戒名(かいみょう)」とは、仏門に入った証として与えられる名前で、あの世での新しい名前でもあります。位牌の表面中央に記載され、浄土真宗では「法名(ほうみょう)」、日蓮宗では「法号」と呼びます。
戒名は本来、仏門に入る際に授かる名前でしたが、現代では出家されていない一般の方々も、死後に授かるのが一般的になりました。また、戒名がなくても位牌を作ることはできます。戒名や法名について詳しくは「戒名と法名の違いは?」の記事をご覧ください。
没年月日
故人様が亡くなった日付が「没年月日」です。関東では、表面の戒名の右側に年、左側に月日を記すことが多くあります。東海や西日本では、主に位牌の裏面に没年月日を記載する傾向があります。なお、没年はどちらも和暦(令和〇年)が基本です。
没年齢
「没年齢」とは故人様が亡くなった時の年齢で、通常、位牌の裏に書きます。寺院や宗派によって、年齢の数え方や表記にはいくつかの方法があり、例えば、以下のような方法が見られます。
【没年齢の記載方法の例】
- ・「満年齢」/「数え年」
- ・「享年」/「行年」
- ・「〇〇歳」/「〇〇才」
基本的には、白木位牌に書かれている没年齢を本位牌に刻む方法で問題ありません。
俗名(生前のお名前)
仏教において、仏門に入る前の名前を「俗名(ぞくみょう)」と言い、現代においては、故人様の生前の名前を意味します。位牌の裏中央に記載するのが一般的ですが、その際、生前の名前の頭に「俗名」の文字を入れることもあります。
宗教観や経済状況などを理由に、戒名をつけずに俗名だけで位牌を作成することもあります。戒名だけの位牌は「俗名位牌」と呼ばれ、位牌の表に俗名を記し、最後に「之霊位」をつけるのが一般的です。
梵字(宗派による)
「梵字(ぼんじ)」とは、古代インド語を表すための文字ですが、位牌においては各宗派の信仰の対象を表す文字を意味します。戒名の上に記しますが、地域や寺院によっては記載しないこともあります。梵字の有無や種類は依頼時に確認しておくとよいでしょう。
位牌作成時に確認しておきたいこと
納得のいく位牌をスムーズに作成するためには、他にどのような点に注意したらよいのでしょうか。
事前に確認しておきたいことを、こちらでご紹介します。
設置する仏壇の内寸
本位牌は多くの場合、仏壇の2段目に飾ります。すでにご先祖様の位牌がある場合は、右側から古い順に並べるのが基本です。
位牌のサイズを考える時は以下に注意し、必要な採寸をしておきましょう。
- ・仏壇の2段目に納まるサイズであること
- ・新しく作る位牌が、ご本尊の総高(頭頂部)を超えないこと
ご本尊の目線の高さを位牌の高さが超えないことも、ご本尊を敬う上で大切とされています。
白木位牌
本位牌に刻む文字は、白木位牌に書かれていた情報が基となります。作成をする際は、間違えないよう写真を撮るなどしておきましょう。
また、依頼した本位牌を受け取った後、白木位牌の処分方法についてあらかじめ決めておくことも大切です。故人様の魂が宿っていたものとして、本位牌が届いた後も白木位牌を持ち続けたいと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、お焚き上げによって供養したり、自治体のルールに従って処分したりするのが通例です。
お焚き上げを希望する場合は、場所や日程を菩提寺や葬儀社にご確認ください。
ご先祖様の位牌
既にあるご先祖様の位牌に見た目を合わせる場合は、デザインやサイズを確認しておきましょう。白木位牌と同じように、写真を撮るのもおすすめです。なお、ご先祖様の位牌が複数ある場合は、一番新しい位牌を参考にすると、全体の調和が取りやすく、またご家族の最近のご意向も反映しやすいと考えられます。
5.本位牌作成で迷わないための確認ポイント
本位牌は四十九日までに用意しなくてはならないため、デザインや材質についてゆっくりと考えている余裕はあまりありません。
こちらでは、位牌作成で迷わないためのポイントを、項目ごとにご紹介します。
宗派
宗派の確認ポイントは以下の通りです。
宗派の確認が必要な理由
位牌に刻む言葉の一部は、宗派や寺院の考え方によって異なります。間違えないようにするためにも、最初に宗派を確認しましょう。なお、位牌は「故人様が生前信仰していた宗派」を基準に作成するのが一般的です。
浄土真宗は基本、位牌は用いない
「亡くなった方の魂は、死後現世に留まることなく、すぐに極楽浄土に行く」と考えられている浄土真宗では、位牌を必要としません。その代わり、「過去帳」や「法名軸」と呼ばれる帳面や掛け軸に、故人様のお名前や命日などの情報を記して仏壇に祀(まつ)ることがあります。
基本的に不要とされる浄土真宗の位牌ですが、「故人様への供養」として、作成することに柔軟な考えを持つ寺院もあるようです。希望する場合は、一度相談されるとよいでしょう。
材質・デザインの種類
位牌の材質、デザインの種類は以下の通りです。
塗り位牌
漆(うるし)を塗り、金箔や金粉で装飾したものを「塗り位牌」と言います。位牌に使われる木材にはヒノキ、紅松、シナなどがあり、漆も「本漆」「カシュー漆」とさまざまです。塗りの技法や、装飾に使われる金の質などによって価格が異なります。
唐木位牌
黒檀(こくたん)や紫檀(したん)といった高級な木材から作られる位牌が「唐木位牌」です。かつて木材を中国の「唐」経由で取り寄せていたことが名前の由来とされていますが、現在は国産の木材も使用されています。耐久性に優れており、重厚さや美しい木目が特徴的です。
モダン位牌
現代の住環境に合わせて作られた、デザイン性の高い位牌を「モダン位牌」と言います。位牌の基本的な要素はそのままとしながらも、形、色、加工方法、使用する素材などのバリエーションが豊富です。リビングなどで供養する際も、インテリアと調和しやすいといった特徴があります。
回出位牌(繰り出し位牌)
複数のご先祖様の位牌を、ひとつにまとめるための位牌が「回出(くりだし)位牌/繰り出し位牌」です。一般的な位牌よりも厚みがあり、戒名が書かれた札板を、内部に8~10枚程度収納できるようになっています。
札板の先頭は「〇〇家先祖代々之霊位」とし、法要や故人様の月命日に応じて中の板を入れ替えて供養を行うことができます。「ご先祖様の位牌が多く、新しい位牌を置く場所が確保できない」といったケースなどで検討されるとよいでしょう。
文字の入れ方
位牌の表面中央に入れる文字は、基本的に「院号」「道号」「戒名」「位号」の4つで構成されています。院号は「身分や地位の高さ」、道号は「戒名の上につけるもうひとつの名前」、位号は「現世の敬称にあたる言葉」をそれぞれ意味します。
院号や道号は必ずしも全員につくものではありません。また、宗派によって構成の順番や種類が変わるため、宗派の確認が必要です。
位牌の文字色は金色が主流ですが、ルールがあるわけではありません。地域によっては青や黒(位牌に彫るだけで色を入れない)などを用いることもあります。ただし、生前に戒名をいただいた場合は、戒名の部分を朱色にするのが原則です。
加工は、彫刻と位牌に直接書く方法があり、それぞれ機械加工か手加工かが選べます。
大きさ
位牌のサイズは「寸」で表し、1寸は約3㎝です。3.5~4.5寸(12㎝前後)が主流ですが、「仏壇に置けるか」「ご本尊の目線より高くならないか」を基準に選びましょう。
なお、位牌は夫婦連名で作成することもでき、これを「夫婦位牌」と言います。2人分の文字を入れるため、札板4寸以上で、幅広のタイプがおすすめです。一般的な位牌よりも大きくなりますのでご注意ください。
位牌の注文先
菩提寺以外で位牌の作成を依頼できるのは、「仏壇・仏具店」「ネット通販」「葬儀社」です。それぞれのメリットやデメリットを比較してみましょう。
仏壇・仏具店
仏壇・仏具店では、実物を手に取り、素材やデザインを確認しながら選べる点がメリットです。他に必要となる仏具をまとめて購入することもでき、初めて位牌を用意する方にとっては安心でしょう。
一方で、デメリットとして挙げられるのが「身体的負担が大きい」点です。店舗に直接行かなければならず、希望通りの位牌を探すために、複数の店舗をまわる可能性もあるでしょう。
加えて葬儀や法要の手配も進めなければならないため、四十九日までという短い期間の中では、大きな負担に感じてしまうかもしれません。仏壇・仏具店で位牌を作成する前に、希望するイメージや必要な情報をまとめておくことがポイントです。
ネット通販
ネット通販で位牌を作るメリットは「気軽さ」です。時間や場所を選ばずに、幅広い選択肢から選ぶことができます。比較も簡単なため、費用を抑えやすくなるでしょう。
ただし「思っていたものと違った」など、画像イメージと実物の乖離(かいり)が起こりやすいというデメリットがあります。また、位牌に入れる情報が間違っていても気づきにくいため、作り直しになるケースもあるでしょう。ネット通販で位牌を作成する際は、内容をよく精査することが大切です。
葬儀社
葬儀社で位牌を作るメリットは、「肉体的負担を軽くし、安心感を得られやすい」点です。幅広い知識を持つ葬儀社では「位牌の作成」「葬儀、法要の準備」「僧侶の手配」「お墓の相談」などを、一つの窓口でまとめて行うことができます。
葬儀はどなたにとっても慣れないものですから、位牌に限らず総合的なサポートを受けられる点は、大きな安心感を生むでしょう。信頼できる葬儀社を探し、希望は明確に伝えることがポイントです。
6.本位牌の作成にかかる費用の相場は?
本位牌作成にかかる費用は、大きくわけて「本体費用」「加工費用」の2つです。
詳しくご紹介します。
位牌本体の相場
位牌本体にかかる費用は、「使用している木材」「塗装や装飾の質と量」によって大きく異なります。種類ごとによる、位牌本体の相場は以下の通りです。
種類 | 費用相場 |
---|---|
塗り位牌 | 1~10万円 |
唐木位牌 | 2~10万円 |
モダン位牌 | 3~10万円 |
回出位牌 | 3~15万円 |
文字入れ料金の相場
文字入れ料金は「1名様分につき〇〇円」と設定していることが多く、数千円~1万円程度が相場です。金箔を追加したり、基本要素以外の文字を入れたりする場合は、別途費用がかかります。なお、夫婦連名の位牌である夫婦位牌の文字入れには、2人分の料金が必要です。
本体と文字入れ以外にも、以下の費用がかかることもありますので、事前によく確認しておきましょう。
- ・配達費用:ネット通販を利用した場合などにかかることがあります。
- ・戒名料 :15万円~数十万円が目安ですが、高位では100万円以上となる場合もあります。
戒名料はお布施としての性格が強く、明確な料金設定があるわけではありません。宗派や寺院の考え方によって異なりますので、詳しくは菩提寺にご確認ください。
7.本位牌が完成したらすること~開眼供養の準備~
本位牌が届き、四十九日を迎えたら「開眼供養」を行います。ただし、浄土真宗など一部の宗派では、教義上の理由から「開眼供養」という形をとらず、異なる名称や形式で儀式を行うことがあります。
こちらでは、開眼供養を行う宗派を想定し、開眼供養についての基本的な流れやマナー、お布施について解説します。
開眼供養とは?
「開眼供養(かいげんくよう)」とは、お墓や位牌などに故人様の魂を入れるために行う仏式の儀式です。「魂入れ(しょういれ)」や「入魂式(にゅうこんしき)」などとも呼ばれます。
逆に、故人様の魂が宿っているものから魂を抜くことを「閉眼供養(へいげんくよう)」と言い、両方を行うことで、白木位牌から本位牌へと故人様の魂を移すことができると考えられています。
開眼供養では僧侶による読経や焼香があり、四十九日法要と同時に行われることが一般的です。
開眼供養のお布施の金額相場
開眼供養で読経をしてもらう僧侶には、お布施をお渡しします。お布施とは読経してもらうことへの対価ではなく「仏式の修行の一環」「感謝の気持ち」です。そのため、金額に決まりがなく、いくら包むべきか悩まれる方は多くいらっしゃいます。
開眼供養のお布施は1~5万円を目安としたうえで、寺院の格、菩提寺との関係性、地域の慣習などを考慮して決めるとよいでしょう。判断に迷う際は、寺院に直接確認しても失礼にはあたりません。
お布施の渡し方マナー
お布施を用意する際、金額以外にも気になるのが「渡し方」です。お布施の渡し方のマナーを以下にご紹介します。
【包み方】
- ・お札の表(肖像画が見える面)が袋の表側になるように入れるのが一般的です。お札は新札が基本ですが、厳格に定められているわけではないため、旧札でも問題ありません。
- ・白無地の封筒を使います。中袋と奉書紙がセットになっているお布施袋が文房具店などで手に入るのでおすすめです。
- ・表書きの上段には「お布施」「御布施」などを、下段には「〇〇家」または施主様のお名前をフルネームで書きます。中袋がある場合は、裏面に施主様の住所と金額を記載しましょう。
【渡すタイミング】
- ・法要前、もしくは法要後の落ち着いて渡せるタイミングであれば問題ありません。
- ・「本日はどうぞよろしくお願いいたします」「お布施でございます。どうぞお納めください」などの挨拶を忘れないようにしましょう。
【渡し方】
- ・「切手盆(きってぼん)」という黒塗りのお盆に載せるか、袱紗(ふくさ)に包んで渡します。表書きが読めるよう、文字の正面を僧侶に向けましょう。
- ・切手盆や袱紗が用意できない場合は、小さな風呂敷で代用するか、「手渡しでもよろしいでしょうか」と確認した上で渡します。
お布施の詳しいマナーについては「法要のお布施を解説」の記事を参考になさってください。
菩提寺がない場合はどうする?
菩提寺がない場合は葬儀社に相談しましょう。葬儀社から、信頼性の高い寺院を紹介してもらうことができます。自分たちで寺院を探す手間が省けるだけでなく、お布施の金額について具体的な相談できる点がメリットです。
8.位牌の作成に関するQ&A
A.ご家族や寺院と相談し、納骨や次の法要のタイミングに間に合うように作成しましょう。
本位牌は四十九日までに用意するのが望ましいとされていますが、間に合わない場合は、納骨や四十九日の次の法要である百箇日(ひゃっかにち)を目安に用意しましょう。
本位牌の作成には1~2週間を要するため、早めの手配がポイントです。
A.もちろん可能です。その場合、戒名の部分は朱色になります。
生前のうちに作成する位牌を「生前位牌(または逆修牌 ぎゃくしゅはい/ぎゃくしゅうはい)」と言い、また、生前に戒名をいただくことは大きな功徳を得られると考えられています。生前に位牌を作成することで「自分で自由に決められる」「ご家族の費用負担が軽減できる」といったメリットもあるため、終活のひとつとして検討されるとよいでしょう。
生前位牌を作成すると、戒名の部分が朱色になります。これはまだ位牌に刻まれた方が存命中であることを示すと共に、長寿の願いを込められていることを意味しています。
A.位牌を再作成することは問題ありません。作り替える際は寺院に相談し、閉眼・開眼供養を忘れずに行いましょう。
大切に扱っていても、時間の経過で位牌が傷むことはあります。古い位牌は、新しく作り直す他に、複数の古い位牌をひとつにまとめる「回出位牌(繰り出し位牌)」を作成するという方法があります。どちらもご先祖様を思う気持ちで行うことですから問題ありません。どうぞご安心ください。
位牌を作り直す際は、故人様の魂を移す「閉眼供養」「開眼供養」を必ず行うと共に、古くなった位牌のお焚き上げを忘れないようにしましょう。
9.位牌の作成は四十九日まで|作成には葬儀社をご利用ください
本位牌は四十九日までにご遺族が手配し、作成しなければなりません。デザインや文字などをじっくり考えている余裕はあまりないため、葬儀や法要、お墓の相談などもまとめて行える葬儀社への依頼がおすすめです。
位牌の作成に関するご不安は、ぜひ花葬儀にご相談ください。品質の良い位牌を幅広く取り揃えており、お客様のご要望に寄り添えるものをご提案させていただきます。
これを機に、今後のご供養や万が一の備えについて詳しくお知りになりたい場合は、花葬儀の事前相談をご活用ください。お客様一人ひとりの状況に合わせて、位牌選びのご相談から、葬儀に関するあらゆる疑問にお答えします。