娘しかいないから自分が喪主に?不安だらけのお見送りが納得のいくものになった話
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】

「娘である自分が、お葬式の喪主を務めてもいいのだろうか?」
親御様の葬儀を意識し始めたとき、不安に思う娘様は少なくありません。「喪主は男性がやるもの」というイメージだけでなく、「自分に喪主の役目が務まるだろうか」という不安や、周囲への遠慮など、さまざまな葛藤から決断できないこともあるでしょう。
しかし実際には、娘様が喪主の役割をつつがなく果たし、納得のいくお別れにつながった例は多くあります。
この記事では、一人娘としてお父様の葬儀において喪主を務めたN様(55歳/東京都在住)の体験をお伝えします。不安を抱えながら喪主を引き受けたN様が、不安を乗り越え、お見送りを全うするまでの歩みをたどります。娘の自分が喪主を務めてよいのかと葛藤している方の参考になれば幸いです。
1.父の容体が悪化して、はじめて「葬儀」を意識した

お父様とのお別れを「いつかは来るもの」とは思いつつ、具体的な準備をしていなかったN様。
葬儀について調べ始めることになった当時の様子を振り返ります。
がんによる入退院が続くなかで、葬儀について調べ始めた
お父様ががんで入退院を繰り返すようになったのは、数年ほど前からのことでした。「万が一のことなんて、まだ先のこと」と自分に言い聞かせながらも、徐々に起き上がれない日が増えていくお父様の様子に、N様は不安を募らせていました。
そんなある日、お見舞いに行った病室で、お父様のほうから「そろそろ、自分の最期に向けて、いろいろ考えておかないといけない」と言われたそうです。「まだ考えたくない」という気持ちと、「父の覚悟を私も受け止めなければ」という思いでしばらく葛藤のあったN様ですが、やがて「父のために、できることをしよう」と心を決められたといいます。
「娘でも喪主はできる」という情報だけでは、決心がつかなかった
かつてお母様を見送られたときは、段取りの一切をお父様が取り仕切ってくださったため、N様自身は何から手をつければよいのかも見当がつかない状態でした。
まずはご実家の菩提寺(ぼだいじ)の連絡先を確認するところから始め、「そもそも喪主とは誰が務めるものなのか」についても、インターネットで検索してみることにしたそうです。
検索結果には「娘が喪主をしても問題ない」「血縁の近い人が喪主をするため、女性が務めるのも一般的である」と書かれていたものの、N様はすんなりとは受け入れられなかったといいます。
「スマートフォンで調べると『喪主は誰がやらなければいけないという決まりはない』とありましたが、自分が喪主をする実感はまったく湧きませんでした。普段、夫や父に頼っている私が家族の代表になるなんて、考えられませんでした」
2.喪主を夫に頼むか、娘の私がやるか迷った
N様が喪主をすることをためらった背景には、これまで見てきた葬儀の光景や、喪主という役割へのプレッシャーがありました。
「喪主は男性がやるもの」というイメージがあった
N様がこれまで参列した葬儀では、いつも男性が喪主として前に立ち、ご親戚や参列者の対応をしていたといいます。
「身近なところでは、主人の両親のお葬式も、主人のお姉さんのご主人が喪主をしました。父には弟もいますから、いざとなれば叔父に喪主を頼めばいいのではないか、と最初は考えていたんです」
ご自身でも気づかないうちに、「葬儀は男性が仕切るもの」という思い込みを抱いていたのだと、N様は当時を振り返ります。
「自分にできるだろうか」という不安があった
自分一人で喪主を務めることへの不安も、非常に大きかったそうです。N様は当時の心境を次のように話します。
「喪主は、葬儀の形や費用など、次々に決めていかなければならないと、調べてあらためてわかりました。父を失って混乱している中、そんな難しい判断が自分にできるのか。葬儀で前に立って挨拶をする自信もありませんでした」
葬儀について調べるほど、喪主がやるべきことの多さに気づき、プレッシャーを感じるようになっていったそうです。
夫に代わってもらいたいと思いつつ、ためらいがあった
叔父様に頼むことも頭をよぎるなか、インターネットで「娘の配偶者が喪主を務めてもよい」という情報を目にし、N様はさらに迷われました。
「夫に代わってもらえるなら、ずいぶん気持ちが楽になると思いました。夫は仕事柄、大勢の前で話すことにも慣れていましたから。主人の両親の葬儀でもお義姉さんのご主人が喪主をしていましたから、夫に喪主を頼むこと自体はおかしくありません。でも、夫だって喪主は未経験ですし、私の父のことなのに、夫に任せてしまうのも違う気がして迷っていました」
喪主ができる自信はないけど、責任を持って父を送るのは自分であるべきではないか・・・そのように、N様は悩まれたそうです。
3.相談を通じて、少しずつ迷いが晴れていった

自分一人ではどうすべきか、なかなか答えを出せずにいたN様。しかし、身近な人や専門家に不安を打ち明けることで、気持ちに変化が生まれたといいます。
思い切って叔父に相談してみた
ある日、お父様のお見舞いに来てくれた叔父様に、N様は「もしものときには、私が喪主をしてもいいのでしょうか」と尋ねてみたといいます。
叔父様は、「男性がやらなきゃいけないなんて決まりはないよ。お父さんを支えてきたのはあなたなんだから、あなたが喪主になってくれたら、お父さんも嬉しいと思う」と言ってくださったそうです。
N様はその時の気持ちをこのように振り返ります。
「叔父の言葉を聞いて、『喪主は男性がやるのがいいんじゃないか、参列する方にとってもお見送りしやすいんじゃないか』と思っていたのですが、一人で悩んでいたのは私だけだったのかもしれないと気づきました。もっと柔軟に考えていいのかもしれない、と思うようになったんです」
その後、叔父様から一度葬儀社に相談してみるよう勧められ、ご主人と一緒に事前相談に行ってみることにしました。
葬儀社の事前相談を利用してみた
N様は葬儀の紹介サイトから、複数の葬儀社に資料請求や事前相談を申し込みました。その1社が「花葬儀」でした。
事前相談では、花葬儀のメモリアルコンサルタントから、次のような説明があったといいます。
「娘様が喪主を務められることは、たくさんあります。喪主というと、何から何まで一人で判断して取り仕切るイメージがあるかもしれませんが、喪主様はあくまで対外的な『ご家族の代表』という立場です。
葬儀社とのやり取りや費用のお支払いは、他の方と分けて進めていただいて構いません。迷うことがあれば私どもやご家族と相談しながら決めていくことができますので、どうか安心してくださいね。まずは、いざというときに慌てないよう、ご不安なことを整理していきましょう」
さらにメモリアルコンサルタントから、資料をもとに「何をいつまでに決めればよいか」を具体的に教えてもらったそうです。葬儀全体の流れがわかったことで、漠然と不安に思っていたことが整理されていったそうです。
ひとりで背負わなくていいと気づいた
N様がもっとも気がかりだったのは、葬儀で前に立って行う喪主の挨拶でした。不安を打ち明けると、メモリアルコンサルタントからは次のような言葉があったといいます。
「喪主の挨拶も、ご本人が読まなくてはならない決まりはありません。ご家族が代わりに読まれることも多いですし、もし言葉が続かなくなっても、ご家族が引き継いでお話したり、私どもが原稿を代読することもできます」
大勢の前に立つプレッシャーは、N様が喪主をためらう理由でもありましたが、挨拶についてもこうして支えがあるとわかり、「喪主といっても、周囲を頼っていいんだ」と安心できたそうです。
父らしい見送りを考えられるようになった
事前相談では斎場の候補やご安置先、葬儀の形式についての希望を一つずつ確認していきました。さらにメモリアルコンサルタントは「お父様らしい葬儀の形を一緒に考えたい」と、お父様がどんな方だったのか、何が好きだったのかを尋ねたそうです。
建築の道に人生を捧げ、仕事が趣味そのものだったというお父様。そんなお父様について話すうちに、葬儀への希望が少しずつ具体的になってきたといいます。
「父からは『身内だけで見送ってほしい』と言われていましたが、質素で寂しい式にはしたくありませんでした。父が打ち込んできたことや、自然が大好きだったことを話すうちに、『長女として、皆様ときちんとお別れができる場を整えたい。父が生きてきた証を皆に見てもらいたい』と思ったんです。不安はありましたが、『自分が喪主をしてもいいのだろうか』ということよりも、『父をどう送りたいか?』を考えられるようになり、『父への想いを一番強く持っているのは自分だから、自分が中心になって見送りたい』との想いも強くなっていきました」
喪主を務める決心がついた
事前相談を終えたN様は、帰宅後あらためて、ご主人と話し合いました。
「事前相談で伺ったお話も踏まえて考え、『周りに頼りながらであれば、私でも喪主を務められる』と思うようになりました。叔父の言葉や事前相談で聞いたお話、そして『父をどう送りたいか』という気持ちがあって、ようやく喪主をする決心がついたんです。幼い頃から近くで見守ってくれた父のために、私が責任を持って見送りたいと思いました」
N様は後日、あらためて花葬儀に電話で相談し、「いざというときはこちらにお願いしたい」と伝えられました。
4.私を支えてくれた葬儀社のサポート
事前相談から2カ月後、お父様は息を引き取られました。
初めての喪主というプレッシャーの中、N様を支えたのは、事前に頼る先を決めておいた安心感と、葬儀社による手厚いサポートでした。
葬儀当日までの準備
葬儀の準備は多くの方にとって、不慣れなことの連続です。
お見送り当日まで、N様がどのように準備を進めていったのかを見ていきましょう。
やるべきことが整理でき、安心できた
お父様が亡くなられたあと、N様の助けとなったのが、葬儀の事前相談で受け取った資料でした。
「資料には、逝去直後から葬儀当日にやること、葬儀のマナーまで、何をすればよいかが詳しくまとめられていました。資料や、事前相談でお話しした内容をもとに、メモリアルコンサルタントの方に都度相談し、自分がやること、夫にお願いすること、葬儀社さんに任せられることを分けて考えることができたので、『何から手をつければいいのだろう』と迷うことがなくなりました。わからないことがあれば資料を見返せますし、電話をしたら親身になって答えていただけたのも、ありがたかったです」
慣れない手続きもサポートしてもらえた
菩提寺との調整や自治体への届け出といった不慣れな手続きも、葬儀社にサポートしてもらうことができたといいます。
「葬儀にあたり、お寺に連絡する必要があったのですが、担当の方がその場で電話を代わってくださり、日程調整などの細かな話を進めてくださいました。お布施の金額や戒名についてわからないことも、事前に教えていただいていたので、スムーズに進めることができました。火葬のための役所への手続きもしていただき、助かりました」
喪主としての不安も支えてもらえた
準備を進めるなかでは、精神的な面でも葬儀社の支えがあったといいます。
「夫と私で意見が合わず、迷うような場面もありました。そのようなときはメモリアルコンサルタントの方が、2人の希望をうまく生かす提案をしてくださいました。不安だった喪主挨拶についても相談にのっていただき、『これだけ想いがこもっていればご心配いりません。当日も近くに控えていますので、ご安心ください』と言っていただけて、心強かったです」
一つひとつの不安に丁寧に寄り添ってもらえたことで、前向きな気持ちで葬儀の日を迎えることができたとN様は振り返ります。
葬儀当日
迎えた葬儀当日は、ご親族とお父様のご友人をあわせて30名ほどの家族葬になりました。
「受付の設営や会場内でのご案内はすべて葬儀社の方が引き受けてくださって、私と夫は事前に伺った通り、参列される方々への対応や、会場に飾る品々の最終チェックなどに専念することができました。
一番緊張していたのは喪主挨拶でしたが、式が始まる前にもメモリアルコンサルタントの方が折に触れて声をかけてくださって、緊張を和らげてくれました。いざとなったら頼ることができるという安心感もあり、最後まで挨拶を読み上げることができました。香典返しは、葬儀当日に参列者の方にお渡ししたのですが、葬儀後にいただいたお香典についても、宛先をお渡しするだけで発送まで対応していただけて、式後まで頼ることができました」
当日の進行から葬儀後の細やかな対応まで、多くの支えを受けながら乗り切ることができたと、N様は話されました。
5.娘が喪主を務めて感じたこと

喪主として父親を見送り終えたいま、N様は葬儀をどう振り返っていらっしゃるのでしょうか。
ここからはN様ご自身の言葉で、喪主を務めて感じたことをたどっていきます。
肩書きを持って動いた分、「責任を果たせた」感覚があった
喪主の立場に立ったからこそ、自分自身の手で父を送り出せたという実感が残ったように思います。
葬儀の打ち合わせでは、葬儀についての考えが整理できておらず、まとまりのない話ばかりになってしまいましたが、丁寧に耳を傾けてもらうなかで、父への想いや「どう送ってあげたいか」を考えることができました。
ご参列くださった方々へのご挨拶や対応も、自分が代表になって行いました。お一人おひとりにご挨拶するなかで、「父はこんなに多くの方に慕われていたんだ」と知るとともに、娘としてきちんと送り出せている充足感も得ることができました。
一番不安だった喪主の挨拶も、大勢の前で上手に話す自信はありませんでしたが、来てくださった方々への感謝や父との思い出は、拙くても自分の言葉で伝えたいと思い、自分の言葉で用意しました。
親戚やご友人からも「彼らしい葬儀だった」「素敵な温かい葬儀だったよ」と声をかけていただきました。皆が納得できる形で葬儀を行うことができ、娘として、ひとつ責任を果たせたのではないかと思います。
周りを頼って乗り越えられるとわかった
「喪主をすることになったら、全部を一人でやらなければいけない」と最初は思っており、正直自信がありませんでしたが、実際には葬儀社の方をはじめ、たくさんの人に支えてもらいながら進めることができました。
夫にもたくさん相談してお香典や弔電の管理をしてもらい、離れて暮らしている娘も休みを取って、メモリアルコーナーに飾る写真選びを手伝ってくれるなど、家族それぞれが力を貸してくれたのです。
叔父も積極的に親戚と知人との橋渡しをしてくれて、心強かったです。「できるかどうか」ではなく、「頼りながらやればいい」のだと、身に染みてわかりました。
娘が喪主でも気にする人はいなかった
「娘が喪主でいいのだろうか」「周りから何か言われるのではないか」と悩んだこともありましたが、実際に父を見送ってみて、そうした心配は必要なかったように感じます。
親戚や父の友人たちからはあたたかい言葉をたくさんいただきましたが、喪主が娘であることに触れる人はいませんでした。私自身も、式の間ずっと気にかけていたのは、父にふさわしい式になっているか、参列してくださった方々に失礼がないかということでした。
葬儀で大事なのは「家族をどう送りたいか」という気持ちなのだと思います。父をきちんと送りたいという気持ちが強くあったからこそ、喪主の役目を最後までやり遂げることができたのだと感じています。
6.喪主を務めるうえで不安がある場合は、ご相談ください

喪主を務める方に厳格な決まりはなく、ご家族の意向や故人様との結び付きが尊重されます。近年は娘が喪主を務めることも多くあり、初めての経験に不安を感じる方もいらっしゃいますが、すべての役目を一人で背負い込む必要はありません。ほかのご家族と役割を分担したり、葬儀社に相談したりすれば、スムーズに進められることは多くあります。
迷いや不安は、そのままにしておくと、より強く感じやすいものです。まだ葬儀のことが具体的でない段階でも、ご不安ごとを相談し整理しておくことで、いざというときの負担を軽くすることができます。
花葬儀では、ご家族のご状況に合わせて、最適な葬儀の形や事前に決めるべき事項を丁寧にご案内いたします。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、まずはお気軽にご相談ください。











