身内が亡くなった年のお正月、どう過ごせばいい?家族で迷った体験
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- 【 生き方のヒント 】

身内が亡くなった後に迎えるお正月は、それまで当たり前にしていたことにも、ふと迷いが生まれやすくなります。「今年は正月飾りを出さないほうがいい?」「おせちは食べても大丈夫?」「初詣やお年玉はどうする?」と、気になることが次々に出てくるかもしれません。
お父様を亡くしたT.Iさん(40代女性)も、年末が近づく頃、「喪中のお正月をどう過ごせばよいのだろう」と考えたそうです。ご家族やご親族に聞いても意見は少しずつ異なり、何が正しいのかわからなくなってしまったといいます。
今回は、花葬儀の担当者への相談をきっかけに、ご家族なりのお正月の過ごし方を決めるまでの体験を伺いました。
1.父の葬儀を終え、気づけばもう12月。「喪中のお正月はどう過ごそう?」と迷い始めました

T.Iさんのお父様が亡くなったのは、10月中旬のことでした。突然のことではなかったものの、実際にその日を迎えると、ご家族は葬儀の準備や手続きに追われたといいます。
「そのころは、目の前のことをひとつずつ進めるだけで精いっぱいでした。気づいたら12月になっていて、スーパーには鏡餅やお正月飾りが並び始めていたんです」
それを見たとき、T.Iさんは、「来年のお正月はどう過ごせばいいんだろう?」と考え始めました。
「喪中はがきはすでに出していましたが、お正月の過ごし方については、家族で具体的に話し合っていませんでした。正月飾りや初詣は控えるとしても、おせち料理やお年玉はどうするのか。いつもどおりにしてよいことと、控えたほうがよいことの線引きがわからなかったんです」
そこで、T.Iさんは、何をどこまで控えるべきなのか、家族と相談しながら考えていくことにしました。
2.「お正月らしいことは全部控える?」周りに聞くほど、答えがわからなくなりました
T.Iさんは、お正月をどう過ごすか、ご主人様とお嬢様にも相談してみました。
正月飾りや初詣は控えたほうがよいのではないか。一方で、おせち料理までやめる必要があるのだろうか。家族の間でも考え方は異なり、話し合いはすぐにはまとまりませんでした。
夫と娘の考えは、少し違いました
ご主人様もお嬢様も、喪中はお祝い事を控えるものという一般的な考え方から、正月飾りを出したり、初詣に出かけたりすることは、今年は控えたほうがよいと考えていたそうです。
一方、おせち料理については、考え方が異なっていたといいます。
話してみると、ご主人様は、
「お義父さんが亡くなってまだ時間も経っていないから、お正月は完全自粛でいいと思うよ」という考えでした。
一方で、お嬢様は少し違う考えを持っていたそうです。
「私は、全部やめなくてもいいと思う。食べ物くらいは自由にしてもいいんじゃない?」
さらにお嬢様は、毎年お母様の家に持って行くおせち料理について、このように話しました。
「おじいちゃん、黒豆と数の子をいつも楽しみにしてたじゃん。今年も用意してあげたいよ」
その言葉を聞き、T.Iさんも、お父様の好きだった料理を用意したいと思いました。ただ、おせち料理として例年どおり用意してよいのかまでは、自分では判断がつかなかったといいます。
家族それぞれの思いはわかるものの、どうするのがよいのか、結局、その場では答えを出せませんでした。
私は静かに過ごすから」と話す母を、一人にしてよいのか気になりました
次に、T.Iさんは、電車で1時間ほど離れた実家で暮らすお母様に電話をかけました。お正月をどう過ごすのか聞きたかったことに加え、一人になってしまったお母様のことも気がかりだったといいます。
「お正月、いつもみたいにお母さんのところに集まる?あと、おせち料理をどうしようか迷っていて…」
すると、お母様は疲れた様子でこう答えました。
「いろいろあって疲れたから、私はひとりで普段通りの生活をして静かに過ごすわ。私のことは気にしないで、おせち料理はみんなが納得するように決めてちょうだい」
お母様は一人で過ごすつもりなのだとわかりましたが、T.Iさんは、お父様がいない最初のお正月を、本当に一人で過ごさせてよいのだろうかと気になったといいます。
親族に聞いても意見はさまざま。「結局、何が正しいの?」と思うように
迷いが残ったまま、T.Iさんは、毎年お正月に集まっていたご親族の方々にも、今年はどう過ごすのか相談してみました。ご親族とのお正月には、近所の神社で行われるお祭りへ足を運んだり、子どもたちにお年玉を渡したりする恒例の行事があったからです。
すると、「喪中だから、お祭りもお年玉もやめといたほうがいいんじゃない?」「お年玉くらいは例年どおりでいいでしょう。四十九日を過ぎて忌明けは迎えたわけだし、神社のお祭りも参加していいんじゃない?」と、意見が異なりました。
どのご親族も、「今年はどうしようか」と迷いながら答えている様子だったそうです。結局、何が正しいのかT.Iさんはわからなくなってしまいました。
3.花葬儀に聞いてわかったのは、「何もかも一律とは限らない」ということでした
それから数日後、葬儀後に必要となる相続や各種手続きについて相談していた花葬儀のアフターサポート担当者から、T.Iさんに電話がありました。
用件がひと通り終わったあと、担当者から「ほかに何かお困りのことはありませんか」と尋ねられたT.Iさん。正月の過ごし方についても、思い切って聞いてみたとのことです。
すると、担当者は、忌中・喪中のお正月の過ごし方や、正月飾り・おせち・初詣・お年玉のマナーについて、丁寧に説明してくれたそうです。
「喪中にはお祝い事を控えるのが一般的ですが、お正月の過ごし方すべてに、一律の決まりがあるわけではありません。正月飾りや初詣などを控えるかどうかだけでなく、おせち料理をどうするか、お年玉を例年どおり渡すかについても、それぞれの家庭の事情や考え方によって判断が分かれます」
担当者から、一般的なマナーを踏まえつつ、家族がどう過ごしたいかも大切にしてよいと聞き、T.Iさんは、すべてを一律に控えなければならないわけではないのだと気づきました。
T.Iさんは、お母様から言われた「おせち料理はみんなが納得するように決めて」という言葉も思い出したそうです。そしてもう一度、ご家族やご親族と話し合ってみることにしたといいます。
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4.「何をしないか」だけでなく、「どう過ごしたいか」を家族で決めました
担当者から聞いたことをご主人様とお嬢様にも伝え、あらためてご家族で話し合った結果、「お正月らしいことをすべてやめるのではなく、自分たちが納得できる形でひとつずつ決めていこう」ということになりました。
当初の話の通り、正月飾りを出すことや初詣は控えることにしました。一方、おせち料理は、すべてをやめるのではなく、お父様が好きだった黒豆や数の子は用意することにしました。お父様を思いながら、家族でいつもとは少し違うお正月を過ごそうと考えたそうです。
ご親族とも話し合い、毎年一緒に出かけていた神社のお祭りは見送ることにしました。お祭りに行きたいご家庭については、それぞれの判断に任せることにしたといいます。
子どもたちが楽しみにしているお年玉は、新年を祝うという形にこだわらず、「お小遣い」として渡したそうです。
そして最後にご家族で考えたのが、お母様のことでした。
「母は『気にしないで』と言っていましたけど、やっぱり父がいない最初のお正月を一人で過ごさせるのは気がかりでした。夫や娘にその気持ちを話したら、二人とも同じように思っていたみたいです」
そこで、元旦に、お父様の好きだった食べ物を持っていきたい、とお母様に伝えました。
それぞれの考え方は尊重しつつ、「お正月をどのように過ごしたいか」を伝え合ったことで、大きなトラブルもなく決められたとT.Iさんは振り返ります。
5.元日、父の好きだった黒豆と数の子を持って母のもとへ
元日の朝、T.Iさんはご家族と一緒に、お母様の住む実家へ向かいました。持っていったのは、お母様の好きな料理と、お父様の好きだった黒豆と数の子です。
「娘が『おじいちゃん、毎年これを楽しみにしてたでしょ?』と言って出したら、母が少し泣いたんです。それから、『ありがとう』と言って受け取っている姿を見て、私も思わず涙がこぼれました」
黒豆と数の子をお父様の遺影の前に供え、家族全員で手を合わせました。そのあとは、みんなで食卓を囲み、お父様の思い出を話しながら静かに過ごしたそうです。
にぎやかなお正月ではありませんでしたが、T.Iさんは、「今年はこれでよかった」と振り返ります。
「最初は、お正月の正しい過ごし方ばかり考えていました。でも、正しさだけじゃなくて、残った家族がどう過ごしたいのかという気持ちも大事にしていい。今回のことで、そう思えるようになりました」
お供え物と遺影写真を見ながら、お母様は「お父さんがいたら、喜んで食べてただろうね」と言ったそうです。それを聞いたT.Iさんも、お父様がおいしそうに食べていた姿を思い出し、心が少しだけあたたかくなったと語ってくださいました。
6.身内が亡くなった年のお正月は、基本を知ったうえで家族に合う過ごし方を
身内が亡くなった年のお正月は、普段とは違う配慮が必要になります。しかし、だからといって、「喪中や忌中だから、お正月らしいことは何もしてはいけない」と一律に考える必要はありません。基本的な考え方を知ったうえで、ご家族の気持ち、ご親族との関係なども踏まえながら、それぞれに合った過ごし方を考えてはいかがでしょうか。
それでも、「これはしてもよいのだろうか」「親族にはどう伝えればよい?」と迷うことはあるでしょう。そのようなときは、T.Iさんのように、葬儀社へ相談してみるのもひとつの方法です。
花葬儀では、葬儀が終わった後も、ご遺族のお困りごとや不安に寄り添いながらサポートしています。年末年始の過ごし方をはじめ、「こんなことを聞いてもよいのかな」と思うようなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。
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