法事のメッセージはどう伝える?欠席・出席・供物のケース別文例とマナー
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- 【 法事・法要のマナー 】

法事の場では、故人様をしのぶ気持ちとともに、ご家族やご親族へ丁寧な言葉を届けることが大切です。とはいえ、欠席の返信やお香典に添える一言など、どのような表現が適切なのか迷われる方も少なくありません。
この記事では、法事のメッセージを書く上での基本マナー、手段の選び方、具体的な文例を丁寧に解説いたします。ぜひ、ご遺族に心温まる言葉を届けるためのヒントになさってください。
1.【法事の案内を受けたら】メッセージを送るのはいつ、どんな時?

まず、「法事のメッセージ」が果たす役割や、どのような場面で必要になるのかを整理します。
どのような場面で必要になる?
法事に際し、メッセージの送付が必要になる代表的な場面には、主に以下が挙げられます。
・法事を欠席する際の連絡文
やむを得ず法事に参列できない場合は、ご遺族へのお詫びと、故人様をしのぶ気持ちを添えたメッセージをお送りするとよいでしょう。出席できないことへの気遣いが伝わり、ご遺族への礼を失することもありません。
・お香典や供物を郵送する際の添え状
欠席に際し、お香典や供花・お供え物を送る際には、一言メッセージを添えることがマナーです。
・参列するが、供花などを先に送る時
当日は身軽に参列したい等の理由で、供花などを事前に郵送することもあります。この場合も、短いメッセージを添えると丁寧です。
なお、法事の席に出席し、お香典やお供え物を手渡しする際は、口頭でご挨拶をお伝えするのが基本であるため、メッセージカードを添える必要はありません。
メッセージの持つ意味と役割
法事のメッセージは、葬儀のような「お悔やみ」中心の言葉ではなく、追善供養の場にふさわしい「しのぶ・祈る」表現を用いることが基本となります。
ご家族が心を込めて催される法事に際して、参列できるかどうかを問わず、メッセージを添えることで「故人様をしのんでいます」「ご家族の皆様を気にかけています」といった想いを示すことができます。
なお本文では「法事」と「法要」の2つの言葉を使っております。法事と法要の違いについて知りたい方は、「法事と法要の違い」の記事をご覧ください。
2.メッセージを書くときの基本マナー
法事のメッセージは、心を込めて書くことが最も大切ですが、同時に弔事にふさわしいマナーを心がけることも欠かせません。
ここでは、メッセージを書くときに注意すべき基本マナーについて解説します。
使ってはいけない言葉
法事では、相手への配慮から避けるべき言葉があります。ここでは、代表的なNGワードや言葉選びのポイントを解説します。
忌み言葉・重ね言葉に注意
忌み言葉とは、「死ぬ」「終わる」などの不幸や不吉を連想させる表現のことで、弔事全般で避けられる言葉です。また、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉は、不幸が続くイメージを与えるため、法事のメッセージでも控えるのがマナーとされています。
なお、「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」といった表現は、葬儀直後のご遺族に対して用いられる言葉であり、すでに一定の時間が経過した法事の場では、少し穏やかな追悼の言葉に言い換えるとよいでしょう。
宗派によって避けるべき表現
同じ仏教でも、宗派によっては避けるべき表現があります。たとえば浄土真宗では、亡くなると即座に極楽浄土へ往生し成仏する教えであるため、冥土での幸福を祈る「ご冥福」という表現は用いず、「ご供養」「おしのび申し上げます」といった表現を用いることが一般的です。
相手との関係性に合わせた言葉の選び方
法事メッセージでは、次のように相手との関係性によって言葉選びや文体のトーンを調整することが大切です。
・ご親族へのメッセージ
ご家族やご親族の場合、形式ばった言葉よりも「皆様のご体調はいかがでしょうか」「穏やかな日々をお過ごしくださいませ」など、思いやりのある言葉が心に響きます。
・仕事関係の方へのメッセージ
ビジネス関係では、丁寧かつ簡潔にまとめることが基本です。個人的な感情表現は控えめにします。
・友人・知人へのメッセージ
親しみを込めつつも、節度を保ちます。「◯◯様の優しい笑顔を思い出します」といった自然な言葉がふさわしいでしょう。
書き方の形式とルール
文章の内容だけでなく、用紙の選び方や書き方の形式にも決まり事があります。受け取ったご遺族に失礼な印象を与えないよう、基本的なルールを押さえておきましょう。
文体・句読点の使い方
文体は「です・ます調」で統一し、丁寧ながらも自然な読みやすさを意識します。形式的すぎる文章よりも、故人様を静かにしのぶ気持ちや、ご遺族を気遣う思いが自然に伝わる表現を使いましょう。
句読点については、縦書きの正式な挨拶状やお礼状では使用しないのが慣例です。
頭語・結語の使い方
封書で送る正式な挨拶状や、法事への欠席連絡、法事後の御礼状など、改まった文面が求められる場合には、「拝啓」「謹啓」などの頭語と、「敬具」「謹白」などの結語を添えるのが一般的です。
一方で、短い文章で想いを伝えるメッセージカードや一筆箋などでは、頭語・結語を省略しても失礼にはあたりません。用途や文面の長さに応じて使い分けることが大切です。
便箋・カードの選び方
手紙の場合は縦書きが望ましく、便箋は白または薄いグレーの無地を選びましょう。便箋の枚数が2枚以上にならないよう、1枚にまとめるのがマナーです。
カードは白や淡い色が基本で、装飾が華美なデザインは避けます。印刷済みの弔事用カードを使用する際も、最後に手書きでひと言添えると、丁寧な印象になります。
LINE・メールで送ってもよい?
近年では、法事の連絡にメールやLINE(メッセージアプリ)が使われるケースも増えていますが、あくまで略式であることを忘れてはいけません。法事の案内が封書(手紙)や往復はがきで届いた場合、必ずはがきか手紙で返信しましょう。
メールやLINEで連絡を送っても差し支えないのは、次のような限定的なケースです。
・ご遺族との関係性が非常に親しい場合
・ご遺族側から、メールやLINEでの返信・連絡を求められた場合
送る際には、絵文字等は避け、件名には「ご法要のお知らせについて」など内容がわかる言葉を入れるようにします。
3.法事のメッセージの文例集|参列・欠席・法要別の書き方
ここでは、参列・欠席・法要の種類ごとに、実際に使える法事のメッセージの文例を紹介します。ご自身の立場に合わせてアレンジしながら使ってください。
文例は横書きですが、手紙の場合は縦書きが基本で句読点を使用しない点にご注意ください。
欠席時のメッセージの文例
やむを得ず法事に欠席する場合は、丁寧な言葉で「参列できないお詫び」と「故人様をしのぶ気持ち」を伝えることが大切です。
欠席のお詫びを伝える一般的な文例
このたびのご法要にあたり、遠方のため出席できず申し訳ございません。
故◯◯様をしのび、心静かに手を合わせております。
ご家族の皆様におかれましても、どうぞご自愛ください。
敬具
供物・お香典に添える文例
ご法要に参列できず、お詫び申し上げます。
ささやかではございますが、供物(またはお香典)をお納めいただければ幸いです。
故◯◯様を静かにしのび、心よりご供養申し上げます。
ご家族の皆様のご平安をお祈りいたします。
敬具
親しい知人として送る文例
ご法要のご案内をいただきながら、伺えず申し訳ございません。
◯◯様のお優しいお姿が今も胸に残っております。
ご家族の皆様に、穏やかな日々が続きますよう心よりお祈り申し上げます。
敬具
弔電(電報)を送る場合の文例
あらたまった形でお悔やみを伝えたい場合には、弔電を利用します。
親族として送る場合
ご家族の皆様のお気持ちを拝察しつつ、静かに手を合わせております。
どうか皆様、お体を大切にお過ごしくださいませ。
仕事関係者として送る場合
お姿は見えずとも、そのお人柄は今も心に残っております。
ご家族の皆様のご平安を心よりお祈り申し上げます。
供花などの供物を郵送する際に添える文例
法要に先立ち、供花を郵送するケースの文例をご紹介します。
当日は参列させていただきますが、まずは書中にて、故◯◯様の安らかなるお眠りをお祈り申し上げます。
ご家族の皆様に、これからも穏やかな日々が続きますようお祈り申し上げます。
法要の種類別メッセージ文例
法要の種類によって、文面に込める思いや表現のトーンが微妙に異なります。特に使用頻度の高い「四十九日法要」と「一周忌・三回忌」の文例をご紹介します。
四十九日法要用の文例
このたびは、故◯◯様の四十九日法要にお招きいただき、ありがとうございました。
在りし日のお姿を思い返しながら、心静かに手を合わせておりました。
ささやかではございますが、ご供養の気持ちをお納めいただければ幸いです。
ご家族の皆様が、ひと区切りを迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。
敬具
四十九日法要は、仏教において「忌明け」とみなされる重要な節目です。そのため、メッセージも「ご家族の皆様がひと区切りを迎えられますように」という心遣いの言葉を盛り込むとよいでしょう。
一周忌・三回忌用の文例
故◯◯様のご生前のお姿は、今なお心に深く残っております。
あれから一年(または三年)の月日が流れ、ご家族の皆様におかれましても、
さまざまな想いでこの日を迎えられたことと拝察いたします。
どうかご無理なく、故人様を静かにしのぶひとときをお過ごしくださいませ。
敬具
一周忌・三回忌は、悲しみの中にも少しずつ感謝や思い出を語る場となるため、温かみのある言葉を添えるとよいでしょう。
4.法事のメッセージに関するQ&A
A.形式的には手紙・カードが丁寧とされていますが、近年ではご遺族との関係性や状況によってメールでメッセージを送るケースも増えています。
ただし、メールを用いる場合でも文体は「です・ます調」で丁寧語を用い、絵文字やカジュアルすぎる言い回しは避けましょう。また、件名に「ご法要のお知らせに際して」など内容が一目で分かる表現を入れ、ご遺族が確認しやすく配慮します。
A.親しくない関係の場合でも、形式と礼節を守った言葉づかいが大切です。
個人的なエピソードや感情は控えめにし、以下のような故人様とご遺族の両方に配慮した言い回しを使うとよいでしょう。
【文例】
ご家族の皆様におかれましては、どうぞご自愛のうえ
穏やかな日々をお過ごしくださいますようお祈りいたします。
A.お香典に添える言葉は、長文ではなく、簡潔に気持ちが伝わる一文程度でまとめるのが基本です。
たとえば、「ご法要にあたり、心ばかりではございますが、お納めくださいませ。故人様のご安寧をお祈り申し上げます。」などの表現が適しています。
添えるカードや便箋は、白または淡いグレーの無地を選び、文字は薄墨ではなく、読みやすい黒インクで丁寧に書きましょう。
5.法事にはメッセージで「気持ち」を丁寧に届けましょう
法事のメッセージは、形式や文面の美しさよりも、故人様を思う心とご遺族への気遣いを込めることが大切です。短い一文でも、そこに「しのぶ気持ち」があれば十分に伝わります。
しかし、実際にどんな言葉を選べばよいか、迷うこともあるでしょう。花葬儀では、ご法要や弔電のマナー、言葉選びに関するご相談もお受けしています。
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