身寄りがない方が老後に備えるには?対策や相談窓口を紹介

身寄りがない方が老後に備えるには?対策や相談窓口を紹介

「身寄りがない場合、老後にどのように備えたらよいのだろう?」このような不安を抱える方は多くいます。

現在、高齢化やライフスタイルの多様化によってひとり世帯が増えており、2040年には65歳以上の約4割が独り身になると予測されています。身寄りがない方が老後を迎えるにあたっては、どのような備えが必要となるのでしょうか。

そこで今回は、「身寄りのない方が安心して老後を過ごすための対策」を詳しくご紹介します。自分らしい、充実した老後生活の実現に向けて、今からしっかりと備えましょう。

1.身寄りがない方の老後に起こりがちなリスク

1.身寄りがない方の老後に起こりがちなリスク

「身寄りがない」というと、「家族や親族と死別した人」というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際は、諸事情でご家族と疎遠になってしまい、頼れる人がいない状態の方も、身寄りがないとされます。

身寄りがない方の老後には、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。こちらで詳しくご紹介します。

病気・認知症に気付きにくい

体調の変化は、自分でもすぐに気付けるものと、人に指摘されて初めて気付くものとがあります。例えば顔色の悪変や認知機能の異変などは、家族と同居していれば早い段階で知ることができますが、身寄りがなく一人暮らししている場合、これらの兆候を見逃しやすくなります。

特に「認知症」「ガン」「生活習慣病」など、高齢になるにつれ発症しやすくなる病気は、発見が遅れると治療が難しくなるだけでなく、日常の生活が不便になったり、最悪の場合、孤独死に至ったりする恐れもあるでしょう。

施設入居・入院時の身元保証人がいない

「身元保証人」とは、自分の身元を保証してくれる第三者を指します。高齢者向け施設への入居や、入院を検討するとき、費用の支払いがされない自体を避けるために、身元保証人を求められることがあります。

身元保証人は金銭の貸し借りなどでも耳にする言葉ですが、ここでは下記のような役割が求められます。

・金銭管理が難しくなった場合、経済面の保証をする
・入退院の対応を代行する
・対象者が亡くなった時の対応をする など

身元保証人がいない場合であっても、病院への入院は可能です。しかし、介護施設などへの入所が難しくなるケースもあるため、早い段階から備えなくてはなりません。

財産が意図しない形で承継される恐れがある

特定の人に遺産をのこしたい意向があっても、事前に意志を明確にしておかなければ、希望どおりに相続が実現しない可能性があります。

また、認知症やそのほかの重い病気になると、支払いが遅れたり、財産が意に反して失われたりしてしまうかもしれません。

身寄りがなく、財産管理をご家族に任せることができない方は、大切な財産を守る対策について理解を深めておくことが大切です。

死亡時に発見が遅れる

身寄りがない方が自宅で亡くなった場合、発見が遅れるというリスクもあります。死後長期間放置されることで、お体の状態が悪化するのは避けたいものです。

孤独死を防ぐための具体的な心がけ・対策については、別の記事でもご紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

2.身寄りのない方が亡くなるとどうなる?

身寄りがない方が亡くなった場合、「無縁仏」として埋葬されます。逝去後から埋葬までの流れは、以下の通りです。

【身寄りのない方が亡くなった場合の流れ】

身寄りのない方が亡くなった場合の流れ

「無縁仏にはなりたくない」と考える方や、「親族はいるけれど、同じお墓には入りたくない」という希望を持つ方も、中にはいらっしゃることでしょう。そういった方々には「永代供養墓に入る」「樹木葬や海洋散骨などの自然葬にする」などの選択肢がありますので、意向がある際は早めに備えておくことをおすすめします。

詳しい対策については、「無縁仏を避けるために事前にできる手段」を参考になさってください。

3.老後の不安整理には「終活ツール」がおすすめ

老後に関する漠然とした不安を把握し、対策を講じていくのは、非常に困難です。このような状況において役立つのが「終活ツール」です。

「終活」とは、人生の終わりに向けて行う準備のことです。残りの人生を前向きに、自分らしく生きるための活動として、多くの方が取り組んでいます。

代表的な終活ツールとして知られているのが「エンディングノート」です。ノートの内容に従って必要な情報や希望を書くことによって、「老後に備えなければならないこと」「本当に大切にしたいこと」が明確になります。また最近では、手書きのノートの他にも、オンラインで利用できる終活ツールもあります。

終活ツールに書き記す項目は、主に以下の通りです。

【終活ツールに書く一般的な項目】
自分の基本情報
氏名、住所、生年月日、血液型、健康保険証や運転免許証などの番号 など
資産情報
銀行口座、預貯金額、年金、不動産、有価証券、負債 など
医療や介護に関する希望と情報
希望する介護施設、終末医療の希望、かかりつけ、アレルギー、常備薬 など
葬儀やお墓に関する希望
葬儀形式、納骨方法、信仰宗教、お墓の場所 など
契約情報、ID・パスワード情報
ローン支払い状況、使っているサブスクリプション・SNS など
相続や遺言に関する希望(※1)
誰に何を残したいかの希望
その他
万が一の時に連絡してほしい友人・知人、親しい人へのメッセージ など

(※1)エンディングノートなどの終活ツールは法的な効力を持たないため、相続や遺言に関する希望について記しただけでは、希望通りの相続ができません。後述する必要な契約や制度と併用して、自分が理想とする老後が送れるように準備していきましょう。

4.身寄りがない方が老後に備える対策【不安・希望別】

4.身寄りがない方が老後に備える対策【不安・希望別】

前述の「終活ツール」を使って不安なこと、希望したいことが見えてきたら、今度は必要な契約や制度の利用を検討します。

多くの方が抱く不安や希望に沿って対策をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

ケース1:病気や認知症、日々の生活が不安

老後の健康は、誰もが不安になる項目です。特に、身寄りがない方の場合、先でご紹介したようなさまざまな点がリスクとなります。

しかしそういった不安も、以下の対策をとることで解消されやすくなるでしょう。

行政機関に相談する

自治体にある「社会福祉協議会」や「地域包括支援センター」にまずは相談してみましょう。これらは、福祉に関する相談を受け付けたり、高齢による困りごとへの支援を行ったりするところです。

社会福祉協議会
・非営利で社会福祉の発展を図る民間団体
・外出介助や買い物代行など、日常生活自立支援事業を有償で行う
地域包括支援センター
・介護保険法に基づいて設置されている相談機関
・身元保証人不要の医療施設や、身元保証を提供する団体につないでくれることもある

身寄りがない方でももちろん利用することができ、老後に関する不安とその対策についてアドバイスを受けることができます。

「見守り契約」を結ぶ

孤独死や病気の発見が遅れることを防ぐために、見守り契約を活用する方法もあります。見守り契約とは、定期的な電話や自宅訪問、または家にカメラやセンサーを設置するなどして、契約者の安否確認を行うサービスです。

見守り契約サービスは、下記のようなところで提供されています。

・郵便局
・電気・水道事業者
・警備会社
・行政書士、司法書士など

介護従事者との連携や、消費契約に関する相談などをセットで行っているところもあります。身寄りがない方にとっては、心強い支えとなるでしょう。

早めに施設入居を検討する

高齢者向けの施設へ早めに入居することによって、病気の発見の遅れや孤独死のリスクを防ぐことができます。

特別養護老人ホームと呼ばれる介護施設は「要介護3(※2)以上の認定を受けた65歳以上」が入所の条件となっていますが、安否確認や生活相談などのサービスが受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」であれば、健康なうちに入居できるため、早めの入居を選択肢のひとつとして考えてもよいでしょう。

(※2)人の手を借りずに日常生活を送ることが難しく、介護を受けるために必要な時間が70分以上90分未満であること

ケース2:入院・施設入居の際の身元保証人がほしい

高齢の方が入院や施設への入居を考えたときに、身元保証人を求められることがあると説明しましたが、身寄りがない方にとってはこれがハードルになることがあります。そのような時に活用できるのが「身元保証サービス」です。

身元保証サービスを契約していると、専門の保証会社が「身元保証人」の役割を担ってくれるため、いざというときに備えられ安心です。

ケース3:老後の財産管理を適切に行いたい

老化や認知症によって判断能力が欠けてしまっても、「成年後見制度」や「財産管理契約」を利用すれば、適切な財産管理が行えます。

成年後見制度とは、判断能力に不安のある方のために、契約や手続きを援助する制度です。「法定後見」と「任意後見」に分かれており、それぞれの違いは以下の通りです。

法定後見
・判断力が低下した人のために家庭裁判所が「法定後見人」を選任。
・法定後見は判断力の程度の度合いによって「成年後見人」「保佐人」「補助人」に分類される。
・「成年後見人」が3つの中で最も広い権限が与えられる。
任意後見
・判断能力が低下する前に本人が「任意後見人」を決めて契約する。
・本人の判断能力が低下した後に、契約内容が履行される

任意後見人が契約を履行する前から自分の財産を管理してほしい場合は、「財産管理契約」を結んでおくと、健康なうちから第三者に財産管理を任せることもできます。

これらの制度、契約を利用することによって、預貯金の管理だけでなく、詐欺被害の防止、資産の売却や処分などを自分ひとりで行わなくてもよくなるため、安心して老後を送ることができるでしょう。

ケース4:自分の死後についての希望を叶えたい

葬儀、埋葬方法、遺産の処分など、自分の死後についての希望は、制度やサービスを利用することによって叶えることができます。

ここからは、身寄りがない方が死後に希望を叶えるための対策をご紹介します。

葬儀・埋葬方法を比較検討する

自分の死後、葬儀や埋葬方法についての希望を叶えるためには、それらの具体的な内容をあらかじめ決めておく必要があります。

複数の葬儀社から資料を取り寄せたり、事前相談に行ったりして、下記について検討していきましょう。

・どのような葬儀にしたいか
・葬儀に呼びたい人
・埋葬場所、埋葬方法
・予算

決まったものについては遺言書やエンディングノートなどを使って、後見人に分かるように残しておくことも忘れてはいけません。

死後事務委任契約を結ぶ

前述した「任意後見」は、契約者の死亡とともに、任意後見人の代理権が消失してしまいます。つまり、自分の身体の引き取りや葬儀、相続手続きといったことを請け負ってくれる人がいなくなってしまうということです。

結果として、埋葬先や埋葬方法、葬儀についての希望があってもそれらが叶わなかったり、場合によっては無縁仏になったりする可能性があります。

このような問題を避けるためには、「死後事務委任契約」を結んでおくことが大切です。死後事務委任契約を結ぶことによって、契約者の死後に関する事項(葬儀、火葬、埋葬、医療費の支払い、遺品整理、退去手続きなど)を希望に沿って実行してくれます。

遺言書を作成する

「自分の財産を自分の死後、どのように扱ってほしいか」を書いたものが遺言書です。法的効力を持っていますから、第三者がその内容を勝手に書き変えることはできません。

先ほどご紹介した「死後事務委任契約」では、相続や身分に関する手続きは任せることはできませんので、自身の遺産について具体的な希望がある場合は、遺言書を必ず作成しておきましょう。

5.身寄りがない方の老後のご不安は「花葬儀」にご相談ください

5.身寄りがない方の老後のご不安は「花葬儀」にご相談ください

身寄りがない方の老後の悩みは、行政機関に相談ができるとご紹介しましたが、弊社「花葬儀」でも相談をお受けしております。

花葬儀で老後の不安相談をすることのメリットを3つご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

1.葬儀の相談とあわせて、終活に関するさまざまな相談が可能

終活サポートなら行政、葬儀なら葬儀社、介護なら介護施設……と相談内容ごとに相談相手を変えるのが一般的です。赴く場所や相談日時もバラバラで、情報をまとめるのが負担と感じることもあるでしょう。

花葬儀では、終活に関するさまざまな疑問や、葬儀後に必要となる手続きについて、ひとつの窓口で相談することが可能です。

2.複数のプロへの相見積などを中立な立場で行える

例えば、不動産の査定を業者に依頼すると、業者からの積極的な営業が始まることがありますが、これは業者側が利益を得るためというのが背景にあります。

花葬儀では、葬儀に関するご提案を主に行っていますが、「家を売却したい」「どの介護施設がよいか分からない」などといったご相談にも応じており、中立の立場でプロをご紹介することができます。客観的なアドバイスをご提供できるため、お気軽にご相談いただけるのがメリットです。

3.財産管理・成年後見人・身元保証の相談経験も豊富

花葬儀では、老後の財産管理や成年後見人、身元保証など、身寄りがない方の老後に関する相談実績もございます。また、司法書士、行政書士などとも連携しているため、遺言書作成や相続に関する複雑な手続きについてのご支援もこれまで数多く行ってまいりました。

初回の相談のほか、相続や不動産売却に関する一般的なご質問は基本的に無料です。

「行政サービスについて理解するのが難しい」「自分でできそうなところはプロに教えてもらって、なるべくお金をかけずに取り組んでみたい」「窓口は最小限でさまざまなことを相談したい」などさまざまなご相談をお受けしておりますので、ぜひ花葬儀までお問合せください。

6.身寄りがない老後は早めに備えて安心を手に入れよう

身寄りがなく、老後に不安をお持ちの方は多くいらっしゃいます。老後、そして自分の死後についてしっかりと考え備えておくことが、安心した生活につながります。

適切な制度やサービスを利用すれば、心安らかに老後を過ごすことは十分可能です。そのためにも、まずは元気なうちから老後に対する備えを始め、必要な手続きをしておくようにしましょう。

葬儀に関することはもちろん、終活や死後に関するご相談は花葬儀にお任せください。花葬儀は24時間365日、お電話やインターネットによる相談を受け付けております。また、弊社メンバーシップクラブ「リベントファミリー」にご加入いただくと、ご葬儀費用の割引や、専門家による複雑な手続きのサポートなど、便利なサービスを受けることができます。この機会にぜひご検討ください。

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