おしゃれな祭壇とは?デザインのポイントと実例を紹介
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- 【 花祭壇 】

近年、葬儀において「おしゃれな祭壇」が注目を集めています。華やかで温かみのあるデザインの祭壇が選ばれるようになり、祭壇は飾りではなく、故人様の人生やご家族の想いを映す大切なものへと変化しています。
この記事では、おしゃれな祭壇とは何か、デザインの選び方、準備の進め方をわかりやすく解説します。納得のいく祭壇づくりをするためのヒントとしてお役立てください。
1.おしゃれな祭壇とは何か?

まず、祭壇がお別れの場で担う役割を整理し、近年おしゃれな祭壇が選ばれている背景をご説明します。
祭壇の基本的な意味と役割
葬儀における祭壇とは、亡くなった方の霊を供養するために用意される壇や棚のことです。ご家族・ご親族・参列者が故人様をしのび、感謝を伝えるための象徴的な場所でもあります。通夜や葬儀・告別式では遺影・位牌・生花・香典台などが整えられ、参列者が手を合わせる拠り所となります。
おしゃれな祭壇の主流は花祭壇
おしゃれな祭壇が注目されている背景には、葬儀のあり方が多様化している現状があります。
かつては白木祭壇を中心とした形式的なスタイルが一般的でしたが、近年は形式よりも「温かい雰囲気」や「視覚的な美しさ」に価値を見いだすご家族が増えています。価値観の変化により、祭壇は単なる飾りから「表現の場」へと認識が変わりつつあるのです。こうした流れの中で、より柔軟な表現が可能な花祭壇が人気を集めています。
2.おしゃれな祭壇を形づくるデザイン要素
おしゃれな祭壇は、花を美しく飾るだけで成立するものではありません。
ここでは、「色」「花材」「配置」の3つの視点から、おしゃれな祭壇に見られるデザインの傾向をご紹介します。
色使いのトレンド
近年は白一色ではなく、ピンクやラベンダー、グリーンなどを差し色にした配色も選ばれています。そのほか、厳粛さを保ちつつも温かみのある空間をつくるため、ご家族の希望や故人様のイメージに合わせた色選びが重視されています。
花材の選び方
故人様の好きだった花や季節の花を組み合わせるなど「その人らしさ」を演出する工夫が増えています。洋花と和花をミックスしたスタイルや、色味を統一したシンプルなアレンジなど、花材の選択肢も広がっています。
配置・構成の工夫
祭壇のデザインは、左右対称の伝統的な形から、より自由度の高いレイアウトへと進化しています。
例えば、あえて左右非対称(アシンメトリー)に花を配置すると、現代的な印象を与えられます。また、並べる花の高さを意図的に揃えない(ライン祭壇のように均一にしない)ことで、立体感と動きのあるレイアウトを生み出すことが可能です。
照明や背景装飾を組み合わせることで、空間全体をひとつの作品のように仕上げる演出も見られます。
3.おしゃれさと「故人様らしさ」を融合し、唯一無二の祭壇に
前の章で解説した洗練されたデザインは、祭壇の基礎となる重要な要素です。この基礎に故人様とご家族の想いを込めることで、祭壇は記憶に残る「表現の場」へと進化します。故人様を明るく見送るための「おしゃれ」が、より意味のあるものとなるでしょう。
ここでは、おしゃれさと故人様らしさをデザインに融合させ、納得のいく空間を創り上げる手法を解説いたします。
趣味・好きな色・人生観を反映
故人様が音楽好きであれば楽譜や楽器をイメージした装花を添える、野球ファンであれば球団カラーをアクセントに使うなどの表現方法があります。また「自然が好き」「海が好き」といった人生観を、青系の花や流木などの素材で表すこともできます。
演出としてのストーリー設計
花材や色合いだけではなく、「思い出のアイテムを祭壇に溶け込ませる」ことで、より深い演出が可能になります。写真や愛用品をさりげなく配置するなど、花以外の要素を取り入れる工夫が効果的です。
4.【実例集】想いを形にしたおしゃれな花祭壇
前章で解説した「おしゃれさと故人様らしさの融合」は、実際にどのように形になるのでしょうか。
ここでは、「美しさ」と「想い」が調和した、デザイン性の高い花祭壇の具体的な実例をご紹介いたします。理想の祭壇を見つけるヒントになさってください。
祭壇名:紅葉

こちらは、寺院の本堂に設置した祭壇です。赤・オレンジ・黄色のグラデーションで空間いっぱいに花々を飾り、ライトアップすることでリズムを持たせました。花の高さに敢えてバラツキを持たせ、自然な立体感を演出しました。
祭壇名:幼き日の思い出

キリスト教式で執り行われたお見送りです。故人様の棺を囲んでお話しできるよう、棺の周囲に空間を設けました。故人様が特にお好きだったデンファレも取り入れ、故人様が描かれた絵とともに飾ることで、思い出深い祭壇に仕上がっています。
祭壇名:アフリカンシンフォニー

ご主人様のために、広大な大地や生命の躍動感、力強さを表現しました。花木を左右非対称に飾り、デザイン性高く仕上げています。バラはすべて、ご主人様の故郷で育まれたものを厳選してご用意いたしました。
今回、理想の式でご主人様を見送れたことで、「お葬式は形が決まっていて自由がない」という思い込みが変わったと、ご遺族からお言葉をいただきました。
これらの事例のように、弊社「花葬儀」では、故人様の好きだった花や色、ご家族の想いをかたちにした世界に一つだけの花祭壇をおつくりしています。実際のさまざまなデザイン事例を「花祭壇ギャラリー」でぜひご覧ください。
5.おしゃれな祭壇づくりのための準備と進め方
理想の祭壇を実現するためには、準備の進め方を押さえておくことが大切です。
ここでは、事前準備と、打ち合わせをスムーズに進めるためのポイントを解説します。
事前に話し合っておきたいこと
葬儀社との打ち合わせ前に、ご家族で大まかな方向性を整理しておくとスムーズです。すべてを決めておく必要はありませんが、以下の3点を共有しておくと、専門のプランナーがお客様の想いを汲み取りやすくなります。
・祭壇の雰囲気
・何にこだわりたいのか
・避けたいこと
もちろん、事前の準備が難しくてもご心配には及びません。経験豊富な葬儀プランナーは、丁寧にお話を伺い、言葉にならないイメージも引き出してくれます。ご家族の希望を葬儀社がどこまで実現しようとしてくれるか、対応力を見極めましょう。
打ち合わせで伝えるべきポイント
打ち合わせでは、事前準備で決めた方向性をプランナーに伝えましょう。「淡いピンクを基調にしたい」「この写真のような配置が理想」など、具体的なイメージを示すと意図が伝わりやすくなります。
また、「この予算でどこまでできるか」「調整できるポイントはどこか」を遠慮なく質問しておくと安心です。
6.おしゃれな祭壇に関するQ&A
A.「おしゃれな花祭壇=高額」というイメージがありますが、実際は花材の種類やボリューム、照明や装飾の有無などを調整することで、幅広い価格帯から選ぶことができます。
大切なのは「どこにこだわりたいか」を決めておくこと。たとえば、花の量より色合いを重視する、背景演出はシンプルにするなど、優先順位をつけるだけで費用を抑えながら満足度の高い花祭壇のデザインにすることができます。
A.はい、可能です。スペースに合わせてデザインを工夫すれば、小規模会場やご自宅でも十分におしゃれな祭壇をつくることができます。
横幅を抑えて縦方向に伸ばしたデザインにしたり、背面にライトを使って奥行きを出したりすることで、実際の広さ以上に“ゆとり”を感じさせる演出ができます。コンパクトでも印象的に仕上げられるのが、近年の祭壇デザインの特徴です。
A.はい、可能です。仏式・神式・無宗教など、どの宗教形式の葬儀でも花や照明の工夫で上品なデザインに仕上げられます。
たとえば、仏式なら白や紫、神式なら白と緑など、宗教に合った配色を基本にしつつ、花材や色味で個性を加えられます。無宗教は自由度が高く、故人様らしさをより表現することができます。
7.おしゃれな祭壇は、想いを形にする新しいお見送りのかたち

おしゃれな祭壇は、単に外見の華やかさだけを指すものではありません。「ご家族がどう故人様を送りたいか」という想いを丁寧に形にすることで、より想いが深く伝わるのではないでしょうか。デザインを考える過程は、ご家族が故人様と向き合う大切な時間にもなるでしょう。
納得のいく祭壇を実現するためには、信頼できる葬儀社への相談が重要です。花葬儀の事前相談では、経験豊富なプランナーがご希望のテーマや雰囲気を丁寧に伺い、ご家族の想いを形にするお手伝いをいたします。











