芳名帳とは?葬儀での書き方、種類、記帳時のマナーも解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】

葬儀に初めて参列する方にとって、「芳名帳」は聞き慣れない言葉でしょう。芳名帳にはどんな種類があって、どのようなことに気を付けて何を書けばよいのかを知っておかないと、葬儀当日に慌てることになります。
そこで今回は葬儀における芳名帳について詳しく解説します。どのような立場で参列するかによる書き方の違いもご紹介しますので、初めての葬儀参列に不安を抱いている方も、慣れない立場で参列する予定の方も合わせてご一読ください。
1.芳名帳とは?

まずは、芳名帳とはどのようなものなのかについて、詳しくご紹介します。
住所と氏名を記入するもの
「芳名(ほうめい)」とは、「名前」や「氏名」と同じ意味であり、相手を敬う際に使われる言葉です。「芳」という字には「よい評判」「相手に対する敬意」などの意味が含まれているため、自分に対しては使用しません。
芳名帳は、「芳名録」とも呼ばれ、参列した人の氏名と住所、必要に応じて会社名や連絡先を記入するものです。ノートタイプやカードタイプなど様々な種類があります。
芳名帳に記帳するのはほとんどが受付時です。受付を通らないと葬儀会場内に入ることができないため、「うっかり芳名帳への記帳を忘れた」という心配はありません。
弔事だけでなく慶事でも使われる
芳名帳は、通夜や葬儀などの弔事だけに使われるものではありません。結婚式やパーティといった慶事など、冠婚葬祭でも使われます。慶事に使う芳名帳は「ゲストブック」と呼ばれることもありますが、参加した人の「氏名」と「住所」を記載するという点では全て同じです。
2.葬儀で芳名帳を用意する目的は?
葬儀に参列した人に、住所と氏名を芳名帳に記帳してもらうのには、どういった目的があるのでしょうか?
詳しく解説します。
参列者を把握する
芳名帳の大きな役割として、参列者の把握というものがあります。小規模な葬儀であれば参列者を把握するのはある程度可能ですが、社葬や大規模な葬儀ですと誰が参列してくれたのかを全て覚えていることはできません。
芳名帳に氏名と住所を記帳してもらうことで、「故人様とどのような関係の人が、どれくらい参列してくれたのか」を、葬儀終了後も確認することができるため、この後に続く法要の案内を送るときなどに役立ちます。
香典返しの際に使う
芳名帳により参列者を把握することで、香典返しをスムーズに行うという目的もあります。
一般的に、葬儀受付で参列者はお香典を渡し、ご遺族は当日か後日に香典返しを用意します。香典返しの品はお香典の金額に応じて変わるため、芳名帳は「どれくらいのお香典を誰からいただいたのか」がわかるリスト(香典帳)を作成するときに使われることもあり、とても重要なものです。芳名帳の情報をもとに、葬儀会社が香典返しのためのリストをエクセルデータなどで作成することもあります。
ただし、地域などによって芳名帳の目的はさまざまで、ひとつの定義づけができるものではありません。何かしらの必要性があって用意されているものですので、参列時には必ず芳名帳への記帳を行いましょう。
3.芳名帳と香典帳との違いは?

葬儀では、「香典帳」という言葉も耳にすることがあります。「芳名帳」と何が違うのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
芳名帳と香典帳には「誰が書くものであり、どういう用途で使用されるのか」という違いがあります。
芳名帳は参列した人自身が記帳するのに対し、香典帳は基本的に喪主様やご親族、葬儀スタッフなどが記帳します。また、芳名帳は参列者を把握するために使用されますが、香典帳は香典返しを用意するために使われます。そのため、香典帳には参列者からいただいたお香典の金額を記入する欄があります。
地域によっては、芳名帳と香典帳が複写式になっているものが用意されていることもあります。悩んだときは受付の方の指示に従って対応するとよいでしょう。
4.芳名帳の種類は?
現在、芳名帳にはさまざまな種類があります。
その中から代表的なものをご紹介します(書き方についてはこの次の項で詳しく解説します)。
ノートタイプ
ノートタイプは、昔ながらの形式で、目にする機会の多い芳名帳です。和紙製や上質紙のノートであることが多く、縦に罫線が引かれており、右から順に縦書きで使います。
先に住所を書き、行を変えてから氏名を記入します。住所に使われる数字は漢字が基本ですので、間隔をあけ、読みやすさを意識しましょう
カードタイプ
カードタイプは、ひとりに1枚ずつ配布され、他の参列者に個人情報を見られることはありません。
カードタイプの芳名帳には、参列者の住所や氏名を書く以外に、「電話番号」「故人様とどのような関係であったか」「持参した香典の金額はいくらか」などを記入する欄が設けられていることがあります。聞かれていることで答えられるものに関する情報は全て書くようにしましょう。
表タイプ
表タイプは、記入欄が表になっている芳名帳です。表の一番上の欄に聞きたいことが書かれており、それに従って横向きに記帳していくだけですので、さほど抵抗なく書き進められるでしょう
オンライン
オンラインで記帳を済ませるタイプもあります。オンライン記帳は、コロナ禍により対面式での記帳が難しくなったときに注目されたサービスの一環で、受付付近に置かれたQRコードを参列者がスマホで読み取り、記帳内容を入力するというものです。
受付の列に並ばなくても記帳ができる、対面式の不安が解消されたなどといった点が喪主様、参列者の方々に好評です。
このようなオンライン記帳に加え、参列予定者の情報を前もって把握できるサービスも登場しています。
弊社「花葬儀」が提供する「つなごう」は、訃報の連絡を行ったり、参列者の氏名や故人様との続柄などを入力したりできるサービスです。喪主様は参列予定者の情報を事前に確認できるため、当日の受付対応や香典返しの準備をよりスムーズに進めることができます。芳名帳と併せて活用することで、よりスムーズに情報を管理できる点が好評です。
5.芳名帳の書き方をケース別に解説
芳名帳には、どのような立場で参列するかによって書き方が変わってきます。場合によっては住所・氏名以外の情報も記入しなければいけないため注意が必要です。
詳しく解説します
個人で参列する場合
個人で参列する場合、芳名帳に記入する情報は「住所」「氏名」です。「その他」の情報が聞かれていた場合は、従うようにしましょう。
夫婦で参列する場合
夫婦で参列する場合の記帳方法は、次のような形が多く見られます。
(1)夫と妻の住所と氏名をそれぞれ記入するパターン
(2)住所を書いた後に夫と妻の氏名を記入するパターン
お香典を夫婦で用意する場合、夫の名前だけを表書きに書くことがありますが、葬儀に参列するのは2名ですので、芳名帳には夫婦それぞれの氏名を書きます。ただし、香典返しは「家単位」でまとめてお渡しすることが多いため、芳名帳では夫婦を「1つの家」として扱うことが一般的です。
いずれにしても書き方は喪主や地域の考え方によって変わりますので、迷った際は記入前に受付に確認するとよいでしょう。
親子で参列する場合
親子で葬儀に参列する場合、先ほどご紹介した「夫婦で参列した場合」と同様に、基本的には全員の名前を書くことが多いようです。芳名帳の種類によっても書き方が変わりますので、受付の指示に従いましょう。1人で字を書くことのできない小さなお子様をお連れの場合は、大人が代わりに記帳します。
仕事の関係者として参列する場合
仕事でつながりのあった方の葬儀に参列する場合は、以下の順に記帳する形式がよく見られます。
(1)参列者が所属する会社の所在地と名前
(2)参列者の部署名と役職
(3)参列者の住所と氏名
このとき、会社の名前は正式名称とします。(株)などは「株式会社」と略さずに書きましょう。なお、職場の慣習や芳名帳のレイアウトによって、一部の項目を省略する場合もあります。
会社の代表として参列する場合
会社の代表として参列する場合は、先に会社の所在地と正式名称を書いてから、次に「代表」と書き、そのあとに個人の住所と氏名、部署名と役職名を書きます。
代理で参列する場合
葬儀に参列できない人の代わりに参列することもあります。そういった場合には、どのように芳名帳に記帳すればよいのでしょうか。
ケース別にご紹介します。
会社の上司の代理で参列する場合
会社の上司の代理で参列する場合、芳名帳へは、会社の所在地・正式名称のあとに、参列するはずだった人の住所と氏名、部署名、役職名を書きます。上司の名前の近くに「代」または「代理」と書いておくと、上司の代理で来たということが相手に伝わりやすくなります。
自分もお香典を用意している場合は、自分の情報も別途記帳しましょう
親族の葬儀に配偶者の代理で参列する場合
ご親族の葬儀に配偶者の代理で参列する場合、ご親族の住所・氏名を記帳し、代理で来たことがわかるよう「代理」もしくは「代」と追記します。
繰り返しになりますが、芳名帳への書き方についてはさまざまあり、「住所と氏名」を書く以外に明確なルールが定められているわけではありません。迷ったときは必ず受付に確認するようにしましょう。
6.芳名帳に記帳する際のマナーは?

芳名帳は、ただ指示された場所に住所や名前を書けばよいというわけではありません。すでに葬儀が始まっているという気持ちで、弔意を示しつつ、心をこめた振る舞いを心がけます。
芳名帳に記帳する際のマナーについて、解説します。
記帳する前に挨拶をする
記帳する前に、まずはお悔やみの挨拶をしましょう。他の方も記帳を待っていることが多いため、挨拶は手短にします。
以下に、代表的な挨拶をご紹介します。
・突然のことで、言葉もございません。心からお悔やみを申し上げます。
・このたびはご愁傷さまでございます。
ただし、キリスト教の場合、死を「神の元へ召される平安」と捉えるため、悲しみを強調する「ご愁傷様」「お悔やみ」は使いません。「故人様の安らかなお眠りをお祈り申し上げます」を使いましょう。
また、「ご冥福をお祈りします」は仏教(浄土真宗以外)で使う言葉です。故人様に向けたものであり、弔電など文面の中に入れる書き言葉ですので、受付時の挨拶には使わないようにしましょう。
記帳の文字は楷書で丁寧に書く
普段のメモ書きのような字で記帳するのはNGです。文字は後でご遺族側が確認するときに困らないよう、丁寧に書きます。また、楷書を使用します。
楷書とは、標準的な漢字の書体のひとつで、現代ではごく一般的に広く浸透している字の形です。書道に多くみられる、流れるような文字とは違い、一点一画を繋げず、省略せず、形を崩さず書く文字をさします。
なお、通夜や葬儀の受付係を頼まれたときの役割や挨拶の仕方などを知りたい方には、「通夜の受付係の挨拶」をご覧ください。
7.葬儀の芳名帳に関するQ&A
A.ネット通販や文具店などで売られていますが、葬儀会社が用意する場合がほとんどです。
葬儀会社が芳名帳を用意してくれる場合は、「どのようなタイプのものにするか」「香典の金額を記入する欄が必要か」など、香典返しのことも踏まえて葬儀担当者とよく相談して決めるとよいでしょう。
芳名帳を何冊用意した方がよいかも葬儀会社が提案してくれるので、芳名帳の用意はさほど難しくはありません。
A.シュレッダーにかけ、家庭ごみとして出します。
芳名帳は多くの方の個人情報が集まっているため、取り扱いには十分注意が必要です。芳名帳は四十九日を過ぎていてもその後の法要の折に使う可能性がありますので、葬儀後10年ほどはご自宅で保管しておくことをおすすめします。紙の芳名帳をデジタル化(写真撮影やExcel入力)した後、原本を処分してもよいでしょう。
処分するときは、第三者に内容が渡らないようシュレッダーにかけ、自治体のルールに従って廃棄します。重要書類を処分してくれる業者もありますので、お住まいの地区の行政などにご相談ください。
A.参列者が記帳用に筆記用具を持参する必要はありません。
必ず受付で筆ペンやボールペンが用意されていますので、それを使いましょう。筆ペンしかない場合は、上手か下手かというよりも楷書で丁寧に書くことを意識し、ご遺族側が読めるように心がけます。
8.葬儀の芳名帳には丁寧な記帳を心がけよう

葬儀会場について最初にやることが、芳名帳への記帳です。慣れない筆ペンしかなかった場合、上手に書こうと緊張してしまうものですが、芳名帳はご遺族が参列者の名前と住所を把握するために使うものですので、読めれば問題なしと考え、その中でできる限り丁寧に書くように努めてみましょう。
代理での参列や家族で参列する際は、どのように書けばよいか悩むところですが、「こうでなくてはいけない」と思うよりも、心をこめて書くことを優先し、わからなければ遠慮なく受付に質問してください。
花葬儀では、葬儀参列者のマナーガイドをご用意しております。お香典の渡し方や服装など、急な参列でも慌てないためのポイントを詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。











