家族葬で会社からの香典は受け取るべき?辞退するべき?
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- 【 葬儀の種類 】
故人様が会社にお勤めだった場合、会社からお香典をいただくことがあります。家族葬ではお香典を辞退することも多いですが、会社からの場合、受け取りや辞退、お返しはどのようにすればよいのでしょうか。今回は、それぞれの対応についてお話しします。
【もくじ】
1.家族葬のお香典を辞退する理由
ご参列者が少ない家族葬では、お香典を辞退しようと考えられることが多いようです。その理由について、「シンプルなお葬式」を全国展開する株式会社みんれびが上位3つの辞退する理由を上げています。
1位:お返しが大変(33.3%)
2位:参列者に負担をかけたくない(25.8%)
3位:金銭面は家族だけでどうにかしたい(16.1%)
参考:意識調査「2割が香典辞退」‐香典よりも「小規模な葬儀を」 株式会社みんれび
https://www.yoriso.com/sogi/newsrelease/all/0001-2/
これらの結果からみると、家族葬に関係する対応はなるべく家族内で済ませたいという意識が働くようです。また、お香典をいただいた方にお礼をお渡しする「香典返し」が一般的なマナーとされていますが、家族葬ではお返しをする負担をなくす方法としてお香典を辞退するケースもあります。
2.家族葬で会社名義のお香典は受け取るべき?
お香典を辞退するときは、会社にもその旨を知らせておきましょう。しかし、それでもお香典を渡されたときは、ありがたく受け取るのが一般的なマナーです。この場合、お香典のお返しについては、「送り主が誰か」によって対応が異なります。ここでは名義別に必要な対応をご紹介します。
会社名義、または社長名義の場合
会社によっては、慶弔規則、つまり福利厚生の一環としてお香典を渡すと定めていることがあります。なお、社長名義の場合も、福利厚生の扱いです。このように「(社長名義を含め)会社として渡す」場合、お返しは不要です。また、お香典ではなく、慶弔見舞金(弔慰金)を渡すと定めている会社もあります。この見舞金についても、お返しは必要ありません。
連名を含む、個人名義の場合
弔意を示すため、お香典ではなく、お供え物が送られてくることがあります。基本的には、花(ご供花)、お線香、お供え用のお菓子などが多いようです。
粗品が送られてきた場合は、基本的にお返しを用意する必要はありませんが、いただいた品物があまりに高額の場合は、金額の1/3~半額程度でお返しを用意することをおすすめします。後日お礼状を送り、弔意をいただいたことへの感謝を伝えることを忘れずにしましょう。
職場の上司、同僚、または「○○課一同」のような連名など、個人単位でいただいたお香典には、お返しを用意しましょう。お返しの金額相場は、いただいた金額の1/3~半分程度が一般的で(いわゆる「半返し」)、これはご親族などからいただくお香典の対応と同じです。連名の場合は、いただいた金額を人数で割り、その金額の1/3~半額程度のお返しを1人ずつに用意します。ただし、その金額によっては、お香典をいただいた方で分けられる菓子折りなどに代えてお渡しすることも多いようです。
3.家族葬で香典を辞退することは会社にどう伝える?
家族葬でお香典を辞退したい場合、会社にはどのように伝えればよいのでしょう?ここでは電話とメール、それぞれの例文をご紹介します。
電話で伝える場合
お世話になっております。御社の△△部でお世話になっています□□の家族の者です。
○月×日に、□□が亡くなりました。生前は並々ならぬご厚情を賜り、本当にありがとうございました。
今回は□□の遺志をくみ取り、身内のみが集まる家族葬で見送りたいと思っています。参列やお香典などのお気遣いは、勝手ながら辞退させていただく方向で考えていますので、よろしくお願いいたします。
メールで伝える場合
いつもお世話になっております。御社の△△部でお世話になっています□□の家族の者です。
■月△日に、□□が永眠いたしました。
生前は並々ならぬご厚情を賜り、まことにありがとうございました。
通夜を■月◎日、告別式を■月▽日に執り行いますが、今回は身内のみが集まる家族葬を考えております。
また、故人の遺志をくみ取り、ご会葬やご厚志は辞退させていただきます。
勝手を申しますが、どうぞよろしくお願いいたします。
4.家族葬で会社から香典代わりによく送られるものは?
お香典の代わりによく送られてくるものには、ご供花、お線香、菓子折りなどが多いです。これらの粗品へのお返しは基本的に必要はありませんが、いただいた品物があまりに高額の場合は、金額の1/3~半額程度でお返しを用意することをおすすめします。
家族葬で済ませたからといってお礼をしなかったり、感謝の意をお伝えしないのは避けましょう。かならず後日お礼状を送り、弔意をいただいたことへの感謝を伝えましょう。
5.家族葬での「会社からの香典」に関するQ&A
A.マナー違反にはあたりません。ご自身やご家族のお気持ち次第で用意されてもよいでしょう。
一般的に、会社名義のお香典は福利厚生の扱いであるため、香典返しは不要であり、お礼の言葉を伝えるだけで十分とされています。しかし中には、いただいた気持ちに対して「お返しの品を用意したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。その場合は、ご家族で相談の上、香典返しを用意しても差し支えありません。
ただし、高額すぎるお返しは、かえって会社側に気を遣わせてしまうため注意が必要です。
A.忌引き休暇が明けて最初に出社した際に、直接お礼を伝えるのがベストです。
家族葬に会社名義のお香典をいただいた場合は、忌引き休暇明けに初めて出社したタイミングで、上司などにお礼を伝えるのが望ましいでしょう。その際は、お香典のお礼だけでなく、不在中に業務をサポートしてくれたことへの感謝も忘れずに伝えます。
相手の負担にならないよう、始業前や休憩時間を選び、手短に丁寧な言葉で伝えるのがポイントです。
A.お茶やお菓子、カタログギフトなどが多く選ばれています。
家族葬に限らず、香典返しには「不幸を残さないもの」という意味を込めて、お茶やお菓子などの「消えもの」を選ぶのが一般的です。また、「悲しみを拭い去る」という意味でタオルを選ぶ方も多くいらっしゃいます。近年では、受け取る側が自由に商品を選ぶことのできるカタログギフトも人気です。
なお、会社の同僚から連名でお香典をいただいた場合は、分けやすい個包装の食品がおすすめです。家族葬の香典返しで送る品物の詳細については「家族葬の香典返しに適した品物は?」の記事をご覧になってください。
6.まとめ
家族葬で会社からお香典やお供え物を辞退する場合はしっかりと辞退の意思を伝えましょう。ただし、連絡の行き違いなどの理由で、送られてくることがあるかもしれません。そのときは、送り主のご厚意を受け取りましょう。お香典やお供えものは、故人様とそのご家族に対する感謝のきもちと、追悼の意が込められたものです。故人様の遺志を尊重しつつ、弔意を無下に扱ってトラブルに発展しないようにする、その点を意識しておくとよいでしょう。
家族葬のお香典についての心配事、マナー、香典辞退をどうすべきか、迷われたらぜひ花葬儀にご相談ください。経験豊富なスタッフがヒアリングをいたしまして、ご依頼者様のベストな家族葬ができるようにサポートいたします。