無宗教葬(自由葬)とは?無宗教葬の特徴やメリット・デメリット

無宗教葬(自由葬)とは?無宗教葬の特徴やメリット・デメリット

葬儀には宗教が大きく関係するものと捉えがちですが、最近では宗教にとらわれない「無宗教葬(むしゅうきょうそう)」という自由なかたちの葬儀を選ばれる方が少しずつ増えています。今回はこの無宗教葬にスポットを当て、その特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

1.無宗教葬(自由葬)とは

無宗教葬(自由葬)とは
無宗教葬とは、宗教や宗派にとらわれない葬儀です。
より自分たちの「こうしてあげたい」、「儀礼だけの堅くるしいお別れはしたくない」など、ご家族の希望や意向から葬儀の内容を決められるのが特徴です。
そのため、無宗教葬は「自由葬」とも呼ばれ、新しいお見送りのかたちとして、選ばれはじめている葬儀スタイルでもあります。
ここでは、無宗教葬が一体どのようなものなのか、詳しくご紹介します。

無宗教葬の主な内容

一般的な仏式の葬儀では、読経やご焼香などの流れが通例とされますが、無宗教葬はそのような儀式はなく、また、内容に決まりや制限はありません。

<無宗教葬5つの魅力>
1.故人様の好きだった曲を挿入歌として流せる
2.プロの演奏家を招いてクラシックやジャズなど式中に演奏できる
3.故人様のご愛用品の持ち込みが可能
4.思い出の写真やビデオなど、エンドロールにして鑑賞できる
5.弔辞は手紙の朗読など、儀礼にとらわれない葬儀ができる

このように、無宗教葬では故人様が好きだった「もの」「こと」でお見送りの場を彩れるのが特徴です。さまざまなアイデアをかたちにできる葬儀として、今後も注目されていくでしょう。

僧侶を呼ばなくても葬儀はできる?

結論から言うと、無宗教葬では僧侶をお呼びせずとも葬儀を営むことは可能です。
無宗教葬は、宗教や宗派に属さないだけで、葬儀の内容自体は、参列者をお呼びして葬儀から告別式、そして火葬まで執り行います。

無宗教葬と一般的な葬儀との違いは、宗教的な儀礼がいっさいないことです。そのため、仏教式であれば、僧侶による読経や戒名があり、神道であれば、神主さまからのお祓いがあり、キリスト教では神父様や牧師様からの説教がありますが、無宗教葬にはこれらの宗教者をお呼びせずに、ご家族の希望をかたちにして営むことができるのです。

そんな葬儀であるがゆえに、無宗教葬では僧侶を呼ばない葬儀で大丈夫だろうかと、心配される声もあります。特に代々受け継がれてきた葬儀が、習わしとして根付いている地域や世代には、受け入れがたいこともあるようです。
無宗教葬ではこのようなケースもあるということを覚えておき、事前にご理解いただけるよう、葬儀社に相談しながら準備をされることをおすすめします。

2.無宗教葬を選ぶ人の割合と理由

無宗教葬を選ぶ人の割合と理由
2011年以降で無宗教葬を選んだ人の割合は、全体の2.2%ほどでした。これは全日本冠婚葬祭互助協会が実施した「全互協冠婚葬祭1万人アンケート調査」によるものですが、今後も選ばれていくでしょう。ここでは無宗教葬が選ばれる理由を解説していきます。

寺離れの進行

「寺離れ」というお墓を持たない世帯の増加や、先祖代々のお墓を自分たちの目の行き届く場所に移し、これまでお世話になっていたお寺とのお付き合いをやめる、「墓じまい」が増えたことも、無宗教葬を選ぶひとつの理由でしょう。

その土地に伝わる葬儀の習わしを受け継いでいく次の世代が、都市部へとはたらきに出ていき、そのまま世帯を持つなど、ふるさとの先祖のお墓を守り続けていくことや、自分たちのお墓を管理してもらう後継ぎがいないケースも寺離れの進行に関係しているでしょう。
死後のことで、子供たちに負担を掛けさせたくないなどという親の意向もあり、お墓を持たない、つまり、檀家にならないケースが都市部を中心に増えているのも事実なのです。

価値観の多様化

いまの日本は、昔からの伝統やしきたりよりも、個人の生き方や考え方の違いを尊重する動きが社会に広がってきています。これも、無宗教葬が増えているひとつの理由です。グローバル社会の中で、人々の暮らしには様々な価値観が入り交り、多様化しています。
葬儀も同じように宗教儀礼にとらわれず、後悔を残さない葬儀を営むことに葬儀全体の価値観が多様化してきているのです。

3.無宗教葬のメリット・デメリット

無宗教葬のメリット・デメリット
少しずつ注目を集めている無宗教葬ですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

無宗教葬のメリット

まずは、無宗教葬のメリットを3つご紹介します。

①希望と意思を最優先にした、自由なスタイルの式にできる
無宗教葬は宗教の枠にとらわれないため、故人様やご遺族の意思を尊重した葬儀ができます。たとえば、献花にするのか、ご焼香にするかを選べることはもちろん、そのような儀式を取り入れないという選択肢もあります。
また、故人様がご健在のうちに葬儀社と打ち合わせをして、自身の葬儀の内容を相談するといったこともあるようです。

②お布施や法名料などの宗教費用がいらない
宗教に基づく葬儀でなければ、僧侶などの宗教者を呼ばないので、読経料や戒名などのお布施がいりません。また、お墓を持たずして散骨や樹木葬などにするケースもあるため、宗教的な費用が抑えられるなどのメリットもあるようです。

③葬儀後の法要をしなくてよい
四十九日、一周忌などの葬儀後に行う法要は、宗教儀式のひとつであるため、無宗教葬であれば必要ありません。ただし、供養の機会を全くなくすという意味では決してなく、それぞれのタイミングで集まることはできます。

無宗教葬のデメリット

次に無宗教葬のデメリットを3つご紹介します。こちらもしっかり理解しておきましょう。

①葬儀を自分たちで作る必要がある
無宗教葬は思い通りの式を営める一方、自分たちで式を作らなければなりません。自由に葬儀をつくれることは魅力的ですが、式でやりたいことや故人様の希望がとくにない場合、「式を作ること」が難しくなります。

②周囲に受け入れられにくい
無宗教葬は、宗教にとらわれない形式の葬儀なので、とくに従来の一般葬に慣れた方からは理解されにくいようです。この場合、故人様のご遺志を尊重したことをお伝えすると、トラブルも避けられるはずです。

③菩提寺との関係性が悪くなるリスク
長くお世話になっている菩提寺がある場合、無宗教葬を希望するときは、事前に理解を得ましょう。相談なしに無宗教葬を執り行うと、菩提寺との関係性が悪化しかねません。最悪の場合、菩提寺にお墓があっても、納骨できるかどうかの問題にまで発展することもあります。事前の説明、相談を忘れないようにしましょう。

4.無宗教葬にはどんな種類がある?

無宗教葬にはどんな種類がある?
無宗教葬の種類に決まりはありませんが、「〇〇葬」という名前で呼ばれている形式もありますので、代表的なものをご紹介します。
一口に無宗教葬と言っても、どのような内容にするかは故人様やご遺族の考え方によって様々です。ただし、そのご意向によって、種類や式の流れにある程度の種類に分けることはできるようです。

音楽葬

音楽葬は、故人様がお好きだった音楽を式中に流し、故人様を偲ぶ形式です。音楽はCD音源だけでなく、プロの演奏家に頼むこともあります。
また、故人様がカラオケ好きだった場合、お気に入りの曲をご遺族やご参列者が披露する「カラオケ葬」という、一風変わったお見送りもあるようです。

キャンドル葬

キャンドル葬は、祭壇や会場をキャンドルで彩り、幻想的な雰囲気の中で故人様を見送る形式です。ステンドグラスの灯かりを使うこともあるようで、これらの灯かりが、一般葬のロウソクの代わりになるともいえるでしょう。

ガーデン葬(自宅葬)

ガーデン葬は、おもに自宅の庭に祭壇を作り、故人様を見送る形式です。故人様が園芸を趣味にしていて、大切にされていた植栽やお庭がある場合に選ばれることがあります。ただし、葬儀当日が雨の場合や、テントを張るなどの準備が必要な場所だと、それなりのスペースが必要になるため、雨天時の対応とともに、スペースの確保、近隣住民への理解を考える必要もあります。

5.無宗教葬の流れ

無宗教葬の流れ
無宗教葬における葬儀の流れは、一般的な葬儀と変わりありません。ここでは、無宗教葬の流れで代表的なものをご紹介いたします。

映像放映・演奏・ご友人のスピーチがある

故人様やご遺族が希望するプログラムを入れられる場合は、映像放映や演奏、ご友人のスピーチがあるケースが多いようです。一般的な葬儀では、ここに読経や引導渡しのような宗教の儀式が入ります。

献花

無宗教葬では、ご焼香ではなく献花が多いようです。このときのお花も故人様のお好きだった花にすることもあるようです。

6.無宗教葬のマナー

無宗教葬のマナー
無宗教葬のマナーは、一般的な葬儀と基本的に変わりありません。ただし、宗教、宗派にとらわれない形式だからこそ、数珠を持参すべきか、お香典の表書きをどうすべきかなど、悩むことが多いのです。
そこで、ここでは失敗しない無宗教葬の参列マナーをご紹介いたします。

服装マナー

無宗教葬の服装は、一般の葬儀とおなじく、喪服を着用しましょう。

・男性の場合
男性は、ブラックスーツに白無地のワイシャツを組み合わせるスタイルが一般的です。ネクタイ、靴下、靴は黒色の、光沢がないものを選びましょう。カバンを持参する場合、合皮や綿素材のものを使います(革製品は殺生を思わせることになります)。

・女性の場合
女性は肌の露出が少ない黒のワンピース、スーツ、アンサンブルなどがよいでしょう。ストッキングや靴も黒に統一し、エナメル質なものは避けましょう。メイクや髪飾りも華美になりすぎないよう注意しましょう。

・学生の場合
学生の場合は、学校の制服を着ましょう。制服がない場合は、黒、グレー、紺色のブレザーに同系色のズボンやスカートを合わせます。シャツやブラウスは白無地のものを選びましょう。

無宗教葬の場合、案内状に「服装自由」や「平服でお越しください」などと言われていれば、ブラックフォーマルの喪服である必要はありません。それでも、「葬儀」という場をわきまえ、あくまでも黒や紺を基調としたダークトーンの服装で参列するのがマナーです。

数珠

無宗教葬は仏教に基づいた式ではないので、数珠は不要です。ただし、数珠を持って行ってもマナー違反というわけではありません。事前に葬儀のイメージがつかめない場合、念のため持参し、必要に応じて取り出すようにするとよいでしょう。

お香典

ご遺族側が辞退していない限り、無宗教葬であってもお香典は基本的に用意しましょう。金額の相場も一般の葬儀と変わりません。封筒の表書きは「御香典」「ご霊前」など、宗派に関係なく使える言葉を選べば大丈夫です。
無宗教葬を営む方がお香典を辞退する場合は、参列をお願いする方々にその旨をしっかりと伝える必要があります。その点も、一般的な葬儀と同じです。

7.まとめ

無宗教葬は、故人様との最後の時間を、思いのままに自由なスタイルでかなえられるご葬儀です。これまでの宗教的な儀式にお式全体の時間を設けるよりも、より故人様への感謝の気持ちや想いをお伝えする場として、喪に附するだけでなく、ご家族やご参列者の想い出に残るような、印象的なご葬儀になることでしょう。
しかし一方で、無宗教の葬儀であることを良く思わない方や、お寺との関係性が続く場合には、式を終えてからのアフターフォローも大切になってきます。ですので、関係する方々との関係性までもしっかりと理解し、親身にサポートしてくれる葬儀社を見つけましょう。

花葬儀では、無宗教葬を彩る花祭壇を得意としています。故人様のお人柄や、思い出の場所を再現し、空間デザイナーが丹念にデッサンをおこします。また、経験豊富なプランナーとともに、どのようなご葬儀がベストか、ひとつずつヒアリングをしてまいりますので、ご相談からお打ち合わせまでに素敵なアイデアが生まれることも多々ございます。
オンリーワンの無宗教葬をお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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