火葬式とは?火葬式の流れやお布施・香典について
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- 【 葬儀のお金 】
火葬式とは、文字どおり火葬のみで故人様をお見送りする葬儀のことです。お通夜、葬儀、告別式を行わない身内だけのお別れで、葬儀に伴う負担が少ないのがメリットのひとつです。最近では新型コロナウイルス感染への懸念から、火葬式にすべきか、多くのご相談をいただきます。ここでは火葬式かどのような葬儀なのか、流れや香典などについてご紹介いたします。
【もくじ】
1.火葬式とは?
火葬式は、通夜・葬儀・告別式などの葬儀儀式を一切行いません。故人様をご安置した場所から火葬場に搬送し、火葬と収骨を行うという流れになります。そのため、火葬式は「直葬(ちょくそう)」とも呼ばれたりもします。火葬式はお別れの時間もたいへん短く、火葬炉の前で5分から10分ほどの読経やお別れでそのまま火葬となります。また、亡くなってから7日目に法要する「初七日法要」も火葬式と同時に済ませてしまうことがほとんどで、家族だけで儀式を省略した非常にシンプルなお見送りが火葬式なのです。
2.火葬式が選ばれるのはなぜ?
火葬式は葬儀コストが圧倒的に抑えられます。葬儀の準備や弔問対応が無いため、負担が軽減されるのです。ここでは、これらの火葬式のメリットをふまえて、どんな方に選ばれるのか、また、火葬式をおすすめする2つの理由をご紹介します。
火葬式が選ばれるワケ①葬儀にかかる費用や時間、弔問対応などの労力が減る
葬儀費用の平均相場は葬儀レビによると119万円と言われ、約6割がお通夜・葬儀・告別式の施行費や会食費とされています。ちなみにお布施はここに含まれませんので、葬儀のご予算とお見積りを頼むときは注意しましょう。火葬式はお通夜・葬儀・告別式を行わないため、会場費や参列者のご飲食代、会葬御礼などのコストが抑えられます。加えて、火葬式はご遺族や親族のみの参列で行うため、弔問対応や費用など、ご遺族の負担を軽くするメリットがあります。
火葬式が選ばれるワケ②経済的、体力的に葬儀がむずかしい
火葬式を選ぶ理由は、上記のメリットによるものですが、その背景には経済的に葬儀にまわせる余裕がない、ご遺族がご高齢、または闘病中であるなど、やむを得ない事情で火葬式を選ぶことがほとんどです。お葬式をするには準備やご参列者への対応が必要になりますので、それらを省略した火葬式は、不安や負担を軽減したシンプルな葬儀形式として選ばれているのです。 また、最近では新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、参列や葬儀式を自粛するなどの考えから、やむなく火葬式を選ぶ傾向もあるようです。
3.火葬式の流れとは?通夜は必要?
ここでは火葬式の流れがどういった順で行われるのか、またお通夜が必要かどうかについてご説明します。
火葬式は通夜・告別式を行わない
火葬式は通夜・告別式を行いません。ご遺族のみ火葬と収骨に立ち会うお見送りですので、後日弔問に来られる方がいるかもしれません。その場合は、失礼のないよう丁寧に対応する必要があることを覚えておくと良いでしょう。
葬儀社と火葬式の日程を決める
火葬式をお決めになったら、葬儀社と式の日程を決めましょう。都市部などの地域によっては火葬の予約が取りにくいことも予想されます。日程がすぐ決まる場合もありますが、待機するケースがあることを覚えておきましょう。火葬式まで日数が開いてしまう場合は、その間ご遺体を安置することとなり、安置場所を確保する必要が出てくることも考慮して、葬儀社に日程を相談することをおすすめします。
火葬式に花祭壇を用意することも
火葬式は儀式の一切を省略した非常にシンプルなお見送り方法ですが、花祭壇を設置してお別れの時間をつくるケースもあります。具体的には、火葬式の当日に、花祭壇をご用意したお部屋で故人様とお別れの時間を一時間ほど設けるというものです。火葬式でも僧侶をお呼びして読経いただくこともあれば、ご家族との時間を花の香りに包まれながら、少しでも和やかなお気持ちで見送る。あっという間に火葬されてしまったという後悔が残らないように、ご遺族の気持ちに寄り添った火葬式プランが増えています。葬儀社によっては様々な火葬式のプランがありますので、花祭壇を盛り込んだ火葬式を希望される場合、葬儀社に花祭壇のデザインやコスト面などを詳しく相談しながら検討することをおすすめします。
花葬儀では火葬式に花祭壇をプラスした火葬アップグレードプランをご用意しております。
花葬儀の火葬式
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納棺の儀
火葬式での納棺の儀は、火葬場に向かう前にご自宅か、ご安置所で故人様をお棺に納める儀式のことです。一般的な流れだと、この納棺の儀が故人様と対面できる最期のタイミングになります。納棺師付き添いのもと、故人様のご愛用品やお召し物を納めて差し上げます。宗教・宗派、それぞれの考え方により常識とする装束などもあるため、もし、納棺の際にどうしても持たせてあげたいアイテム等がある場合は、諦めずに葬儀プランナーに相談してみましょう。
火葬式
納棺の儀を終えたらそのまま出棺し、火葬場へ向かいます。火葬炉の前で5~10分のお別れと読経後、火葬となります。火葬場にもよりますが、昔と比べて都市部の場合、火葬時間は約40分から60分前後とされ、その間控室でお待ちいただくか、精進落としなどの会食をされるケースもあります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、大人数での会食は懸念される方もいらっしゃいますが、感染防止策をとっての会食もきちんと用意されていますので、不安に思ったらどのような会食のサービスがあるのか、葬儀担当者に聞いてみると良いでしょう。
収骨
収骨(しゅうこつ)とはお骨を骨壺へ納めることを言います。収骨の準備が整うと、場内アナウンスが入りますので、収骨室へ向かいましょう。
控え室などのお部屋を用意していたら、片付けをします。骨上げを終えられたあと、控え室に戻ることはなく、そのままご自宅へお帰りになる流れです。
ご遺族が揃った段階で、お骨の説明があります。お箸がそれぞれに配られ、お骨を骨壺へと納める「骨上げ(ほねあげ)」を行っていきます。骨上げは二人一組で、足元から頭の順に納めていきます。最後に喉仏を納めますが、故人様ともっとも近しいご家族が納めます。
収骨が終わると「埋葬許可証」を渡されますので大切に保管しましょう。この許可証は納骨のときにお墓や納骨堂の管理者へ渡す大切な書類ですので、無くさないように気を付けましょう。
納骨
納骨は、故人様のご遺骨をお墓や納骨堂などに納めることを言います。
納骨の時期は、一般的に四十九日法要後とされますが、地域や宗派によっては火葬後すぐ納骨するケースもあります。また、一周忌や三回忌といった節目に納骨を決められる方もいらっしゃいます。納骨のタイミングにルールはありませんが、特定の宗派がある場合や、菩提寺とのお付き合いがある場合は注意が必要です。お寺によっては火葬式での納骨を良く思わないケースもありますので、そのようなお寺とのトラブルを避けるために、事前に火葬式で納骨しても良いか、お寺様に相談することをおすすめします。
4.火葬式にかかる費用相場
火葬式に掛かる費用相場は約10万円~30万円と言われています。
葬儀費用の平均相場は119万円ですので、通夜・葬儀・告別式を省いた火葬式がどれだけコスト面で抑えられる葬儀かがわかります。とはいえ、後から弔問にいらっしゃる方が出てくるケースも十分にあるため、返礼品などの費用がかかることも想定しながら、あくまでも相場は目安として覚えておきましょう。
ここで注意したいのは、費用があまり掛からないからといって、安易に火葬式に決めないことです。火葬式のデメリットもきちんと理解した上で、火葬式を選ぶことが大切です。
5.火葬式にはデメリットもある
ここからは3つの火葬式のデメリットについて触れていきます。
火葬式のデメリットその1:お別れの時間が十分に確保されない
まずひとつは、火葬式にはお別れの時間が十分に持てません。火葬の日程が決まればそのまま火葬場へ搬送し、火葬炉の前で5~10分ほどのお別れで火葬となります。もし、火葬前に少しでも最後のお姿に寄り添いたいお気持ちがあるときは、その旨をきちんとご家族とともに話し合って、葬儀社に相談しましょう。
火葬式のデメリットその2:ご家族以外の方のお別れの場がない
火葬式はお身内だけで済ませることがほとんどです。
友人・知人は参列できないことが多く、故人様とお別れができません。このため、弔問に訪れるケースもあるので、ご家族でどのように対応されるか事前に話し合うと良いでしょう。
火葬式のデメリットその3:親族やお寺とのトラブルのリスクがある
親族やお寺とのトラブルも火葬式で起こるケースがあります。その理由は、火葬式が一切の儀式を省いた葬儀だからです。これまでの葬儀のならわしでは、なるべくお世話になった多くの方に参列していただき、お寺様に供養してもらうことが故人を偲ぶこととされてきました。今でこそ、葬儀においても、それぞれの価値観に合わせた形が求められ多様化してきた一方で、宗教的な風習や伝統などを守るべきだと親族やお寺様から苦言を受けるといったケースもまだまだあるということを覚えておくと良いでしょう。
これらの火葬式のデメリットを理解し、トラブルを想定しておくことで、安心して火葬式を選ぶことができるでしょう。納得のいくお見送りができるように、ご家族と葬儀社との間で火葬式のプランや当日の流れなど説明を受けて準備をしていきましょう。
6.火葬式のお布施や香典について
お通夜、葬儀と参列者をお呼びしない火葬式のお香典がそもそも必要かどうか疑問視されるケースがあります。その多くは、ご遺族でお香典辞退がはっきりと表明されていれば、お香典が要らないということになります。このお香典辞退があるかないかが判断材料になるので、もし辞退されていなければ、お香典が必要ということになります。また、火葬式を営む際、このお香典の問題についてはご遺族で話し合って決めることが大切です。辞退するときは、予め香典を辞退する旨をきちんとお伝えしましょう。また、お香典をいただいたときは、ありがたく受け取り、後日お返しの御礼をするのがマナーですので、その場でお香典をつけ返すなどは絶対にやめましょう。火葬式のお布施については、僧侶をお呼びして読経を申し込まれた際はご用意しましょう。
7.まとめ
火葬式はお通夜・葬儀・告別式の儀式を行わないシンプルなお見送り方法です。ご遺族のみで営まれるため、葬儀にかかる準備や弔問対応などの負担がかからず、昨今の新型コロナウイルス感染症のまん延防止にもとづいた安全で安心な葬儀の選択肢として注目を浴びてきています。ですが、一方ではそのデメリットを十分に把握しないまま、いちばん安全でコストがかからないからと、安易に火葬式でのお見送りの選択をしてに後悔してしまうケースも存在します。火葬式がどのような葬儀なのか、良い面はもちろん、悪い面もきちんと説明をしてくれる葬儀社を選ぶことがとても大切です。
花葬儀では万全の感染予防対策を行っております。安全・安心の火葬式をしたい、お花で彩りをプラスしてさびしくない火葬式で見送りたいなどいつでもご相談ください。