【葬儀の流れ】死亡から葬儀・その後の手続きまで、やるべきことをわかりやすく解説
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
ご家族の死亡後、葬儀を実施するまでには、多くの手続きと準備が必要になります。しかしいざ訃報に直面し、深い悲しみの中にいる状態では「どのような流れで進めたらよいのか」「何が必要なのか」と戸惑うものです。
このコラムでは、死亡後から葬儀実施までの流れや、ご遺族がやるべきこと、注意点をわかりやすく解説します。今まさに葬儀の準備を進めようとしている方だけでなく、将来を見据えて考えたい方にもおすすめの内容です。ぜひ最後までお読みください。
1.逝去から葬儀・火葬までの流れの全体像
ご遺族がやるべきことをひとつひとつ見ていく前に、死亡から火葬までの大まかな流れをご紹介します。全体像を把握することで、理解しやすくなるでしょう。以下は、病院で亡くなった場合の、一般的なスケジュールです。


死亡翌日から葬儀まで2~6日程度かかるとしていますが、これはあくまでも目安です。「火葬場の予約が取れない」「遠方で亡くなられた」などのケースでは、さらに日数を必要とすることもあります。
2.【逝去当日】最初に行う5つのこと
ここからは、ご遺族の行動に沿った流れをスケジュールごとに詳しくご説明していきます。
まずは、ご家族が死亡した日にやるべきことです。
訃報を受けてすぐはショックが強く、迅速な対応が難しいことでしょう。しかし以下にご紹介する5つは緊急性の高いものばかりですので、ご家族で協力して行いましょう。
1.近親者への訃報連絡
ご家族の訃報を近親者に伝えます。気が動転している中での連絡となりますので、以下の点を明確に伝えられるように意識しましょう。
【訃報連絡で必ず伝えること】
- ・誰が:誰が亡くなったのか
- ・いつ:何時に亡くなったのか
- ・なぜ:どのような理由で亡くなったのか
- ・どこ:故人様のお身体がどこにあるのか、また連絡をしている本人が今どこにいるのか
以降は医師からの説明や故人様の搬送手配など慌ただしくなります。まずは信頼できるご家族に訃報を連絡し、他の近親者への連絡はそのご家族にお願いしてもよいでしょう。
2.死亡診断書の受け取り
「死亡診断書」とは、その人の死を証明する公的な書類で、故人様の状態を確認した医師が作成します。この死亡診断書はその後の死亡届手続きなどに必須ですので、忘れずに受け取り、コピーを5枚程度取っておきましょう。
なお、自宅での死亡や、その場での死因判断が難しい場合などは、警察の介入が必要になることもあります。そのようなケースでは、死亡診断書の代わりに「死体検案書」が作成されます。それぞれの違いや取得にかかる金額については「死亡診断書の料金」の記事でご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
3.故人様のケア
故人様につながれていた医療器具を取り外し、お身体をきれいにします。これを「エンゼルケア」と呼びます。そして死亡した方の口に水をふくませる「末期(まつご)の水」の儀式も、このタイミングで行うのが一般的です。
エンゼルケアの内容に厳密な決まりはありませんが、基本的には医療的な処置が中心となります。着替えやお化粧は、その後に葬儀社が担当するケースも少なくありません。また、エンゼルケア自体を葬儀社が行うこともありますので、病院でどこまで行うのかは、担当の医療従事者に聞くとよいでしょう。
エンゼルケアについてさらに詳しく知りたい方は、「エンゼルケアって何?」の記事を参考になさってください。
4.故人様の搬送手配
死亡した場所に関係なく、亡くなった方のお身体をそのままにしておくことはできません。お身体の状態を維持するための「安置所」、またはご自宅に搬送する手配が必要です。
ご遺族が自家用車で故人様を搬送することは、法律で禁じられていません。しかし、搬送中の事故・損傷リスク、衛生管理の観点から、通常は葬儀社が搬送手続きを行います。
この時、搬送してくれた葬儀社に必ずしも葬儀を依頼しなければならないわけではありませんので、ご安心ください。病院が紹介してくれた葬儀社に故人様の搬送のみを依頼し、葬儀は別の会社に依頼しても問題ありません。
「どのようなお見送りをしたいか」によって、最適な葬儀社は異なります。時間と精神的余裕のない中ではありますが、複数社を比較・検討することでより納得のいく葬儀が執り行えるでしょう。お急ぎの方は、以下よりご連絡ください。
5.安置
通夜・葬儀までの間、安置所やご自宅にて故人様を安置します。なお、死後24時間以内の火葬は法律で禁止されているため、故人様は最低でも1日以上は安置所などで過ごしていただくことになります。
ご遺族の希望に応じて、故人様の枕元には「枕飾り」が設置されます。枕飾りとは、死亡後から葬儀までの間に置く祭壇のことで、魂が無事に成仏できるよう供養するためのものです。枕飾りの準備や設置は基本的に葬儀社が行うためご遺族の負担はありませんが、宗教宗派によって飾るものが異なるので、正確に伝えられるようにしておきましょう。
3.【安置後~】葬儀社との打ち合わせ・葬儀準備
安置後から通夜前までにご遺族が行うことをご紹介します。葬儀内容の打ち合わせがあるため、この時までに葬儀を依頼する葬儀社を決定しておきましょう。
喪主の決定/各人の役割確認
ご遺族の代表として葬儀全般を取り仕切る「喪主」を決めます。一般的には故人様に最も近しい関係にある方(配偶者や長子)が務めますが、生前故人様が喪主を指定している場合は、その方が担います。
主宰である喪主様が中心となって通夜・葬儀の準備を進めますが、一人で全てを負担することはできません。「葬儀当日の受付」「葬儀費用のとりまとめ」「参列者対応」などの役割は、他のご遺族と話し合って振り分けましょう。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社との打ち合わせを行います。まずは、葬儀の形式を決めましょう。
【主な葬儀形式】
- ・一般葬:参列者を広く招いて行う従来の葬儀
- ・一日葬:通夜を省略し、告別式から火葬までを1日で行う葬儀
- ・社葬:会社が主体となって行う葬儀
- ・家族葬:故人様にとってごく近しい人だけで行う比較的小規模な葬儀
- ・直葬:通夜・告別式を省略し、簡単な儀式と火葬のみのお見送り
- ・自宅葬:自宅で行う葬儀
葬儀形式以外の相談内容としては、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
葬儀の規模・日程の決定 | ・参列者の範囲とおおよその人数 ・葬儀会場、火葬場の決定 ・日程の決定 ・訃報連絡の作成 ・弔辞、受付の依頼 ・宗教宗派の確認 |
葬儀の内容の決定 |
・祭壇や花の選定 ・会葬礼状のデザイン、文章決定 ・斎場の装飾、案内看板の有無 ・会食の内容 ・返礼品の発注 ・喪主挨拶の確認 ・遺影写真の確認 ・マイクロバスの手配 ・初七日法要の有無 |
この後の流れについて確認 | ・見積もりの確認 ・次回の打ち合わせスケジュール ・担当連絡先 など |
葬儀の内容についてご遺族の意向もあるとは思いますが、故人様の意思を尊重することが大切です。打ち合わせ前に、故人様が葬儀の希望を残していないか確認をしましょう。
なお、株式会社鎌倉新書が2024年に発表した調査結果によると、近年は「家族葬」を選ぶ方が全体の半数を占めており、葬儀にかかった費用の総額平均は118.5万円でした。迷った際の参考になさってください。
出典:第6回お葬式に関する全国調査(2024年)
URL:https://www.e-sogi.com/guide/55135/
宗教者への連絡・手配
菩提寺(ぼだいじ)がある場合、葬儀の読経は基本的に菩提寺の僧侶にお願いします。菩提寺は、先祖代々がお世話になっている縁の深いところですから、斎場が遠方にある場合でも必ず連絡を入れましょう。なお、この連絡はご遺族が行います。
菩提寺がない場合は、葬儀社が僧侶をご紹介し、手配します。また、宗教的儀式を伴わない「無宗教」での葬儀(自由葬)を希望する場合、宗教者の手配は不要です。
死亡届の提出と火葬許可証の取得
医師から死亡診断書を受け取ったら、7日以内に「死亡届」を書いて役所に提出します。死亡届の用紙は死亡診断書とセットになっているため、新たに用意する必要はありません。死亡届を提出する際は「火葬許可証」も申請します。この許可証は、故人様を火葬・埋葬するために必要です。
【死亡届・火葬許可証の手続きまとめ】
- ・手続き先
- 死亡した人の本籍地
- 死亡した場所を管轄する役所
- 届出人の所在地を管轄する役所 のいずれか
- ・期日
- 死亡を知った日から7日以内(死亡届)
- 期日を過ぎると過料が発生する可能性がある
死亡届の提出は、葬儀社が代行してくれることもあります。役所まで行くことが難しい場合は相談してみるとよいでしょう。
通夜・葬儀の準備
通夜や葬儀当日までに必要な準備は、主に以下の通りです。
【訃報連絡】
- ・近親者、ご親族
- ・故人様と親交のあった友人、知人
- ・会社や学校
- ・近所や町内会、自治会 など
【服装】
- ・喪主様やご遺族の喪服用意
【役割確認】
- ・通夜、葬儀での役割(受付、会計など)の確認
【その他】
- ・返礼品や会食の手配(まだ終わっていない場合)
- ・遺影や棺に納める副葬品の用意
- ・忌引き休暇申請 など
4.【葬儀前日】通夜の流れ
葬儀前日に通夜を行う場合の流れをご紹介します。
納棺
故人様のお身体を棺に納める儀式が「納棺」です。納棺には「故人様が安らかに旅立てるように身支度を整える」「ご遺族の心にひとつの区切りをつける」という意味があります。納棺の儀の流れは主に以下の通りです。
- 1.末期の水
- 2.湯かん
- 3.死装束へのお着替え
- 4.死化粧
- 5.棺にお体と副葬品を納める
納棺の詳しい流れや副葬品については「納棺とは?」が参考になります。
準備・受付
ご遺族は通夜開始1~2時間前に会場入りし、事前に決めていた役割や段取りを葬儀社と確認します。僧侶が会場に到着したら喪主様がお出迎えし、控室にご案内しましょう。お布施をお渡しするタイミングは、通夜前や通夜後などさまざまですので、葬儀社からのアドバイスを参考になさってください。
開場したら、受付担当のご遺族は「お香典の受け取り」「記帳のお願い」を行い、通夜会場へ案内しましょう。なお、香典返しは、お香典をいただいた当日にお渡しする当日返しが主流ですが、後日お渡しする場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
通夜
以下の流れに沿って、通夜を執り行います。
- 1.参列者、ご遺族着席
- 2.僧侶入場
- 3.僧侶による読経、参列者焼香
- 4.僧侶による法話
- 5.喪主様挨拶
なお、僧侶による法話は、省略されることもあります。喪主様が行う挨拶の文例は「葬儀の喪主挨拶」に掲載しておりますので、参考になさってください。
通夜ぶるまい
通夜の後は、故人様への供養と参列者への感謝を表す食事を振る舞います。これを「通夜ぶるまい」と呼びます。喪主様は開始・終了時の挨拶と、参列者の座るテーブルへお礼をしながら回ります。
通夜ぶるまいの後は、故人様のそばに寄り添う「棺守り(寝ずの番)」の時間となります。昔はロウソクと線香の火を絶やさないよう夜通しで見守っていましたが、近年は火災リスクや斎場規則などを理由に、短縮される傾向にあります。本来長時間にわたる通夜が1~2時間程度で終了する「半通夜」が一般的となったことも、変化の一因と言えるでしょう。
ご遺族は心身共に疲れている状況ですから、無理をせず、休息を取りながら故人様との時間を過ごしましょう。
5.【葬儀当日】葬儀・告別式から出棺までの流れ
葬儀から出棺までの流れをご紹介します。
なお、こちらでは、仏式葬儀における流れを取り上げております。神式の葬儀の流れは「神式の葬儀の特徴」にてご確認いただけます。
ご遺族集合・受付開始
葬儀・告別式開始の約1時間前に喪主様とご遺族が集合し、通夜の時と同じように段取りを確認します。喪主様は僧侶が到着次第、挨拶をして控室にご案内しましょう。
葬儀・告別式の受付開始は開式30分前ですが、前後することがあります。葬儀社が状況を見て判断してくれますのでご安心ください。
葬儀・告別式
葬儀・告別式を執り行います。なお「葬儀」は宗教的儀式、「告別式」はお別れの儀式を指し、それぞれ異なる意味を持ちますが、続けて行われることがほとんどです。葬儀・告別式の一般的な流れを以下にご紹介します。
【葬儀の流れ】
- 1.喪主様、ご遺族、ご親族、参列者着席
- 2.僧侶入場
- 3.開式の挨拶
- 4.僧侶による読経
- 5.弔事読み上げ、弔電紹介
- 6.僧侶による読経、全員による焼香
- 7.僧侶による法話
- 8.僧侶退場
- 9.閉式の挨拶
【告別式の流れ】
- 1.開式の挨拶
- 2.花入れの儀(棺の中に花などを納める儀式)
- 3.喪主様挨拶
喪主様による挨拶の文例を以下にご紹介しますので、参考にご覧ください。
本日は母〇〇の葬儀ならびに告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に終えることができましたことを感謝申し上げます。
人付き合いが大好きな母でしたから、多くの方に見送ってもらえたことを喜んでいるのではないかと思います。
皆様のご厚情を胸に、これから家族一同精進して参りますので、ご指導ご鞭撻をたまわりますようよろしくお願い申し上げます。
改めまして、本日は誠にありがとうございました。
出棺
棺に蓋をし、火葬場まで搬送します。棺にご遺族が蓋をする「釘打ちの儀」というのがありますが、近年は行われることが少なくなっています。
棺をご遺族、ご親戚、故人様の友人や知人などに手伝っていただきながら霊柩車に載せます。喪主様は位牌、喪主様の次に故人様と関係が深かった方が遺影写真を持つのが一般的です。
6.【葬儀当日】火葬場での流れと収骨
火葬場への移動から収骨までの流れをご紹介します。
火葬場への移動・到着後の手続き
位牌と遺影写真を持つ方は霊柩車に同乗し、他のご遺族は霊柩車が出発した後に手配していたマイクロバスで火葬場まで移動します。火葬場併設の斎場の場合、大きな移動はありません。
火葬場到着後、死亡届提出の際に申請していた「火葬許可証」を提出します。火葬終了後、火葬許可証に「火葬済証明印」が押印されて「埋葬許可証」となり、納骨の際に使います。この埋葬許可証がないと埋葬が行えないため、必ず受け取るようにしましょう。
火葬の準備が整うまで、ご遺族は控室にて待機します。
火葬・精進落とし
火葬場の職員の案内に従って火葬炉前に移動し、お別れの式を執り行います。流れは以下の通りです。
- 1.位牌と遺影を用意してある祭壇に飾る
- 2.僧侶による読経と焼香
- 3.焼香(喪主様から始め、故人様と近しい間柄のご遺族へと順に行う)
式が終わると故人様が納められた棺を火葬炉の中に運び、火葬します。火葬時間は炉の性能や身体のサイズによっても異なりますが、1時間前後が目安です。火葬終了までご遺族は控室で過ごすことになりますが、この時もしくは火葬後に「精進落とし(葬儀の後に僧侶や参列者に振る舞う感謝の気持ちを込めた会食)」を行います。
喪主様は「献杯の挨拶」「各席を回っての挨拶」「締めの挨拶」を行います。ご遺族は、各テーブルの飲み物や食べ物が足りているか注意をはらいましょう。
以下に、喪主様による献杯の挨拶文例をご紹介します。精進落としの意味や他の文例は「精進落としの挨拶」でもご紹介しておりますので、ぜひお役立てください。
皆様、本日はご参列いただき誠にありがとうございました。おかげさまで全て滞りなく執り行うことができました。これもひとえに、皆様のお力添えのおかげです。心ばかりではございますが感謝の気持ちを込めてお食事をご用意しましたので、故人の思い出話などを交えながらごゆっくりお召し上がりください。
それでは献杯をさせていただきますので、ご唱和願います。献杯。
収骨
再び火葬場スタッフの案内で火葬炉の前に移動し、ご遺骨を骨壺に納めます。これを「収骨(骨上げ)」と言います。地域によって異なりますが、一般的な方法は以下の通りです。
【収骨の方法】
- ・故人様と縁の深かった方から順に、2人1組で行う
- ・2人一緒に箸でご遺骨をつまみ、骨壺に納めていく
- ・足の骨から頭に向かって進めていき、最後は喉仏の骨を喪主様が納める
- ・箸で拾いきれない細かな骨は、火葬場のスタッフが骨壺に納める
初七日法要
本来であれば故人様の死亡後7日目に行う「初七日法要」を、葬儀・告別式と同じ日に執り行うことがあります。これを「繰り上げ法要」と呼びます。告別式の後や火葬後など、タイミングはご遺族で相談して決めるとよいでしょう。初七日法要の主な流れは以下の通りです。
- 1.開式
- 2.僧侶による読経
- 3.焼香
- 4.閉式
繰り上げ法要を行う場合は、僧侶に事前に相談して了承を得たうえで、葬儀社への依頼や会場の用意を行いましょう。
帰宅・ご遺骨の安置
骨壺を自宅に持ち帰ります。四十九日を迎えるまでは「後飾り祭壇」を用意し、そこに骨壺を安置しましょう。
【一般的な後飾り祭壇に必要なもの】
- ・香炉・線香/ロウソク立て・ロウソク/花立・花/遺影/白木位牌(仮位牌)/骨壺/鈴(りん)と鈴棒/お供え物
- ・それらを置く白い棚(白い布をかぶせた棚でも問題なし)
後飾り祭壇はご遺族側で用意して設置することもできますが、葬儀社に依頼することも可能です。葬儀前までに設置してもらえるため、火葬から帰ってきた後の負担が軽減されるでしょう。
7.【葬儀後~】必要となる手続き・やるべきこと
葬儀後もご遺族がやるべきことは数多くあります。
必要な手続きなどを一挙にご紹介しますので、「いつまでに何を行うか」を押さえておきましょう。
関係者へのお礼・挨拶回り
故人様と生前親交のあった近所の方や、忌引き休暇の間に業務を負担してくれた上司など、お世話になった方へお礼を伝えます。直接お礼を伝えるのが難しい場合は、手紙や電話でも差し支えありません。丁寧な挨拶を心がけることで、故人様ならびにご遺族を支えてくださった方々への感謝が伝わるでしょう。
葬儀費用の精算
葬儀に参列する人数によって飲食代や返礼品費が変動するため、葬儀費用は通常、葬儀後に支払うのが一般的です。葬儀社が定めた支払い期限を確認し、精算しましょう。
葬儀費用は、相続する予定の故人様の財産から支払うことも可能ですが、その際にはいくつかの注意点があります。「葬儀費用は相続財産から払える?」の記事をご覧のうえ、慎重にご判断ください。
速やかに行うべき公的な手続き
葬儀後に必要な公的な手続きのうち、特に期限の短いものをご紹介します。
年金受給権者死亡届(年金停止の手続き)
故人様が年金を受給していた場合、受給停止手続きを行います。手続きを怠ると「不正受給」として罰則が課される恐れがあるためご注意ください。
【期限】
- ・国民年金:死亡後14日以内
- ・厚生年金:死亡後10日以内
健康保険・介護保険の資格喪失届
「国民健康保険」「被用者保険」「後期高齢者医療制度」「介護保険」に故人様が加入していた場合、それぞれの資格喪失届を提出します。各申請期限は以下の通りです。
- ・国民健康保険:死亡後14日以内
- ・被用者保険:死亡翌日から5日以内(保険証は死亡後14日以内に返却)
- ・後期高齢者医療制度:死亡後14日以内
- ・介護保険:死亡後14日以内
住民票の世帯主変更届
故人様が世帯主であった場合、世帯主の変更を死亡後14日以内に行います。ただし「次の世帯主が明瞭である場合」「世帯に誰も残っていない場合」は手続き不要です。
葬祭費・埋葬料の申請
葬儀費用の補助としてもらえる給付金に「葬祭費」「埋葬料」があります。それぞれの条件や期限は以下の通りです。
【葬祭費】
- ・条件:故人様が「国民健康保険」または「後期高齢者医療制度」に加入していた場合
- ・期限:葬儀を終えた日から2年以内
【埋葬料】
- ・条件:故人様が協会けんぽに加入していた場合
- ・期限:死亡した日から2年以内
なお、両方を受け取ることはできません。
各種名義変更・解約手続き
公的手続き以外のやるべきことをご紹介します。
公共料金・通信費などの契約変更/解約
故人様名義で契約していた公共料金や通信費は、そのままにしておくと基本料金が発生し続けます。不要な場合は解約し、ご遺族が引き続き利用する場合は必ず名義変更を行いましょう。
金融機関の口座手続き
金融機関は口座の名義人が死亡した事実を確認すると、資産を守るために口座を凍結します。凍結すると、相続手続きが完了するまで、原則として他の人が預金を引き出すことはできません。
相続手続きが完了したら、各金融機関の指示に従い、口座の解約や払い戻しを行いましょう。
保険金の請求
故人様が加入していた生命保険金の受取人になっている方は、「死亡保険金」を受け取るための手続きが必要です。申請期限は故人様の死亡後3年~5年と長いため、忘れないように注意しましょう。
香典返しの準備
参列者からいただいたお香典へのお返し(香典返し)は、葬儀当日に当日返しをしなかった場合、死亡後49日が経った頃の忌明け以降に送るのが一般的です。いただいたお香典金額の半分~3分の1程度にあたる品物を用意しましょう。
なお、相手から香典返しの辞退を受けた場合など、香典返しが不要となるケースもあります。
四十九日法要
仏教宗派の多くは、亡くなってから49日目に魂が成仏すると考えており、この時に行う「四十九日法要」は大きな節目にあたります。
菩提寺に四十九日法要の依頼をして、執り行いましょう。四十九日法要の準備の進め方は「法事の準備」の記事を参考になさってください。
納骨
「納骨」とはご遺骨をお墓などに埋葬することを指し、多くの場合、四十九日法要と同じ日に行います。お墓に魂を入れる儀式などが必要となるため、四十九日法要の相談をする際に納骨についても確認しておくとよいでしょう。
相続関連の手続き
故人様の保有していた財産のうち「何を」「誰が」相続するのかを決定します。故人様が遺言書を遺していた場合は原則としてその内容に従い、ない場合は相続人による話し合いが必要です。相続内容が決定したら「相続税の申告」「名義変更」などを期限内に行います。
ご紹介した以外にも、故人様の死亡後に行う手続きは数多くあります。「死亡後に行うべき手続きの流れ」にてより詳細に解説しておりますので、ぜひご覧ください。
8.死亡から葬儀、その後までの流れに関するQ&A
A.故人様の希望を最優先に、「規模」「宗教」「予算」「場所」などを総合的に見て判断するとよいでしょう。
葬儀形式を選ぶ際は、まず故人様の希望を最優先に考えましょう。希望が確認できない場合は、「どのように見送ってあげたいか」をご家族で話し合い、以下の項目について考えると、ふさわしい形式が自然と見えてきます。
・規模:「大勢で見送りたい」「家族などごく近しい人だけにしたい」
・宗教:「信仰している宗派の教えを守りたい」「無宗教で自分たちらしい式にしたい」
・予算:「豪華な式にしたい」「費用はなるべく抑えたい」
・場所:「アクセスの良い場所にしたい」「火葬場が併設している場所にしたい」 など
また、質の高い葬儀社を選ぶことで、ご家族の希望や予算に合わせた最適な形式を提案してもらうことができます。「失敗しない葬儀社の選び方」を参考に、信頼できる葬儀社を探してみましょう。
A.「直葬」「無宗教葬」を除いて、ほぼ同じとお考えください。
一般的な葬儀では宗教儀礼や弔辞、焼香などが行われますが、直葬(火葬式)は、簡単な式と火葬のみを行うシンプルな流れです。また、同じ一般葬でも、宗教葬ではなく無宗教葬を選択した場合は、宗教的儀式が省略され、代わりに故人様をしのぶ演出を中心とした内容になります。
一般的な式と流れが大きく異なる葬儀を執り行う際は、参列者が戸惑わないよう、丁寧な案内を心がけることが大切です。
A.死亡した場所に関わらず、死亡届や相続などの「最終的に必要な手続き」は同じですが、初動の流れや葬儀のタイミングには大きな違いが生じます。
病院または介護施設などで亡くなった場合、医師が死亡を確認し、「死亡診断書」がご遺族に渡されます。
一方、自宅や屋外など、死因の特定が難しい状態で亡くなった場合、警察による事情聴取や
検視、必要に応じて解剖やDNA鑑定などが行われ、「死体検案書」が作成されます。故人様が返ってくるまでに時間を要するため、葬儀などの供養のタイミングも変わるでしょう。
9.死亡から葬儀までの流れを押さえて納得のいくお見送りに備えよう
ご家族が死亡した際、深い悲しみや動揺の中で多くの手続きを進めなければなりません。葬儀までの流れを事前に把握しておくことで、必要な対応を落ち着いて進めやすくなります。また、生前のうちから希望する葬儀の形式や内容を話し合っておくことで、より納得のいくお別れの時間を過ごすことができるでしょう。
緊急で葬儀社をお探しの方や、これからじっくりと葬儀について考えたい方は、花葬儀にご相談ください。花葬儀では故人様のお人柄や想いを反映した、心に残る葬儀をお手伝いしております。ご相談は24時間365日対応の電話、もしくは無料の事前相談をご利用ください。