桜を使った祭壇の魅力とは?使われる理由・注意点・実例も解説
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- 【 花祭壇 】
桜は「日本の花」として親しまれていますが、実は葬儀の祭壇に取り入れることも可能です。
本記事では、桜の祭壇について、選ばれる理由や魅力、注意点、実例もご紹介します。葬儀の祭壇に桜の花を使いたいとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
1.桜が象徴する意味と日本人の死生観
桜には「精神の美」や「優美」といった、故人をしのぶ場にふさわしい花言葉があります。それに加え、桜そのものが持つ象徴的な意味合いが、葬儀でこの花が選ばれる大きな理由となっています。
桜が持つ象徴的な意味とは、咲き誇った花が短期間で潔く散っていく様子から連想される「はかなさ」です。満開の美しさと散り際の潔さは、人の命の移ろいや、限りあるからこその尊さと重なります。
古くから日本人は、桜の姿に独自の死生観を映し出してきました。平安時代以降、人の一生を桜にたとえる和歌が数多く詠まれているように、「永遠ではないものにこそ価値がある」と考える日本人の心に、桜は寄り添ってきたのです。
このような背景から、桜は故人様を静かに見送り、追悼の意を表すのにふさわしい花として、祭壇に選ばれています。
2.桜を取り入れた祭壇の魅力
では、桜を取り入れた祭壇には、具体的にどのような魅力があるのでしょうか。主な魅力をご紹介します。
故人様の“願い”を託すことができる
桜は、季節の訪れを知らせる花でもあります。故人様が「桜が咲くころまでは頑張ろう」「桜を見るまでは生きたい」と語っていた————ご遺族から、そのようなお話を伺うことがあります。祭壇に桜を添えることで、「桜を見ることを目標に頑張っていた故人様」の姿を呼び起こすことができるでしょう。
淡い色合いがやさしさをもたらす
桜の象徴性を表現するには、色調や配置といった演出も大切です。桜のやわらかなピンク色は、厳粛な葬儀の場に温かみを添えてくれます。白を基調とすることが多い祭壇の中に、淡い桜色が加わることで、空間全体がやさしい雰囲気に包まれます。参列者の緊張感をやわらげ、ご家族の気持ちにも穏やかさをもたらしてくれるでしょう。
季節感のある演出で印象に残る
春の訪れを告げる花として知られる桜は、季節を感じさせる演出に最適です。祭壇に桜を取り入れることで、「その時期ならではの記憶」として残ります。
3.桜を祭壇に使用するための注意点
桜はその美しさゆえに葬儀の祭壇にも映えますが、取り入れるにはいくつかの注意点があります。桜を祭壇に使う際のポイントを解説します。
桜を祭壇に使える時期は限られている
多くの桜の開花時期は3月〜4月ですが、市場に流通する期間は異なり、主に1月から3月頃までとなります。この期間を過ぎてしまうと、祭壇に桜を使うのは難しくなります。
また、暖冬や寒波など気候によって開花が前後する場合もあるため、注意が必要でしょう。桜を使用したい旨はできるだけ早めに葬儀社に相談し、手配が可能かどうかを確認することが重要です。
宗教や斎場の制約を確認する
葬儀を行う場所や宗教、祭壇の規定によっては、祭壇に使用できる花や、桜のような枝物に制約がある場合もあります。希望を実現するためにも、使用する花について、事前に葬儀社を通じて、宗教者や斎場に相談することをおすすめします。
4.桜を使った祭壇の実例紹介
桜を祭壇に取り入れると、空間はどのように彩られるのでしょうか。最後に、弊社「花葬儀」がおつくりしてきた桜の祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:河津桜が咲き始める頃に
白・紫・青を中心とした花々で、男性らしい落ち着きと華やかさを兼ね備えた祭壇をおつくりしました。ダリアやアジサイ、バラに加え、故人様が好まれていた河津桜を壺活けにして置き、早春の季節感を表現しています。
寒色系の花の色の重なりが印象的な中にも、桜のやわらかな佇まいが自然と視線を引き寄せる空間に仕上げました。
祭壇名:幻の滝
ご家族の「桜も入れたい」というご希望を受け、白とグリーンを基調に春のやわらかさを感じられる祭壇をおつくりしました。両脇には桜の枝を大胆に配し、淡く優しい空気が全体を包み込みます。静かな中にも季節のぬくもりが感じられる、穏やかな空間を形にしました。
祭壇名:ハナミズキと桜
優しいピンクに淡いイエローを重ねた色彩で、奥様のイメージに寄り添う祭壇をおつくりしました。
桜の花やハナミズキ、グリーンも取り入れ、ご出身地である福島の豊かな自然のやさしさが感じられる空間にしています。
桜を取り入れた祭壇に関しては「花祭壇を桜で彩り特別な別れに」の記事で詳しくご説明しております。また、ご紹介した以外にも、桜を取り入れた祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」に多数掲載しておりますので、ぜひ、そちらもご一読ください。
5.桜の祭壇で、故人様への想いを込めたお別れを
桜は、その美しさと象徴的な意味を兼ね備えた特別な花です。咲き誇り、あっという間にはかなく散っていく姿は、人生の最期を見送る場にも自然と調和します。
ただし、桜を祭壇に取り入れるには、仕入れの時期や宗教上の制約など、事前に確認しておくべき点があります。希望どおりの祭壇を実現するためには、信頼できる葬儀社に相談することが重要です。
花葬儀では、ご家族の想いに寄り添いながら、一つひとつ丁寧に祭壇をつくりあげています。桜を取り入れた祭壇をご検討の方は、花葬儀の事前相談までご連絡ください。大切な方とのお別れを、あたたかく悔いのない時間にするために、しっかりお手伝いさせていただきます。