葬儀に子どもを連れていくときの服装は?年齢別・季節別に詳しく解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
子どもを葬儀に連れて行く際、服装に悩む方は多いでしょう。「喪服を準備すべきなのか」「手持ちの服で代用できるのか」など、判断に迷う場面も少なくありません。服装だけでなく、靴・靴下・ヘアスタイルなどの細かい点も気になるところです。
そこで今回は、葬儀の子どもの服装について、詳しく解説します。髪型や靴・小物選びのポイントや、赤ちゃんの服装の選び方もご紹介します。葬儀にお子様を参列させる予定のある方、いざというときのために備えたい方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
【もくじ】
1.葬儀の子どもの服装は喪服が基本?
子どもの場合、葬儀の服装は喪服でなくてもマナー違反にはなりません。特に赤ちゃんや幼児は成長が早く、喪服を用意してもすぐにサイズが合わなくなるため、無理にそろえる必要はなく、手持ちの服で代用するのが一般的です。
子どもは大人と比べて長時間フォーマルな服を着ることに慣れておらず、窮屈な服装が負担になることがあります。着心地が悪いと途中で落ち着きをなくし、葬儀の進行に影響を与えかねないため、動きやすさや快適さを考慮した服装選びも大切です。
では、実際に子どもが葬儀に参列する際、どのような服装が適切なのか、次項から詳しく説明していきます。
2.葬儀における子どもの服装|制服がある場合
幼稚園や学校で定められた制服がある場合は、基本的に制服を着用するのがマナーとされています。制服はフォーマルな場に適した服装とみなされるため、葬儀の場にもふさわしいです。
ただし、制服のデザインが華美な場合や色が明るい場合は、黒や紺のブレザーやカーディガンを羽織るなどして、落ち着いた印象に整えるとよいでしょう。落ち着きのある私服を着用してもかまいません。
3.葬儀における子どもの服装|制服がない場合
こちらでは、制服がない場合における年齢別・男女別の葬儀の服装について解説します。
幼児・小学生の男女別の服装
幼児や小学生で制服がない場合は、無理にフォーマルな服を新調する必要はありません。ただし、派手な色や柄の服は避け、襟なしのトレーナーやフード付きパーカー、ジーンズ、フリースなどはカジュアルすぎるため避けます。動きやすさや着心地も考慮してあげましょう。
ここからは、男女別に具体的な服装例をご紹介します。
女の子の服装例
【シャツ】
襟つきの白いシャツが基本です。白いシャツが準備できない場合は、薄いブルーやごく薄いピンクのシャツも代用可能ですが、フリルやレースがついたものは避けます。襟付きのポロシャツを選んでもかまいません。
【ボトムス】
黒のスカートが基本です。黒が手に入らない場合は、紺や濃いグレー、茶色など暗めの色を選んでも問題ありません。サテン地など光沢のある生地や、カジュアルすぎるミニスカートやショートパンツは避けます。
【上着】
黒いジャケット、ブレザー、またはカーディガンを合わせるのが一般的です。
男の子の服装例
【シャツ】
白い襟付きシャツが基本ですが、持っていない場合は白っぽいシャツでもかまいません。
【ズボン】
黒いズボンが無難ですが、暗い色のズボンなら他の色でも問題ありません。
中学生・高校生の男女別の服装
中学生・高校生は、大人と同様にフォーマルな装いを意識することが大切です。低年齢の子どもよりも、より落ち着いた色合いやデザインを選び、きちんとした印象を心がけましょう。男女別の具体的な服装例と注意点をご紹介します。
女の子の服装例
【シャツ・ブラウス】
襟付きの白いシャツまたはブラウスが基本です。フリルやレースが目立つデザインは避け、シンプルなものを選びます。
【ボトムス】
黒のスカートが望ましいですが、紺や濃いグレーでも問題ありません。スカートの丈はひざ丈以上を選び、ミニスカートやショートパンツは避けます。
【ワンピース】
黒や紺、濃いグレーのシンプルな無地のワンピースが適しています。光沢のあるサテン地のものは控えます。
【上着】
黒や紺のジャケット、カーディガン、またはフォーマルなボレロを合わせると、より落ち着いた印象になります。
男の子の服装例
【シャツ】
白い襟付きのシャツが基本ですが、淡い色の無地シャツでもかまいません。フード付きのパーカーやTシャツは避けます。
【ボトムス】
黒や紺、濃いグレーのスラックスやチノパンを選びます。ジーンズは黒であってもカジュアルすぎるため適しません。
【上着】
黒や紺のジャケット、ブレザーを着用すると、よりフォーマルな印象になります。
4.葬儀に赤ちゃんを連れて行くときの服装の選び方
赤ちゃんが着る服は、黒やグレー、白などの落ち着いた色が理想ですが、ベビー服にはこうした色が少ないため、原色や花柄、紅白などのお祝い感を与える色合いを避ければ大丈夫です。
葬儀の場で過ごすことを考えると、着心地のよさも重要です。無理に堅苦しい服を着せる必要はなく、赤ちゃんの快適さを最優先に考え、葬儀の場でも過ごしやすい服装を選んであげましょう。
赤ちゃんは成長が早く、すぐに服のサイズが合わなくなるため、葬儀のためだけに新しい服を購入する必要はありません。お手持ちの服の中で、できるだけ落ち着いたデザインのものを選べば、十分に対応できます。
5.夏・冬の葬儀の子どもの服装の工夫
葬儀の子どもの服装は、夏は暑さ対策、冬は防寒対策を考えながら選ぶことが大切です。夏と冬の葬儀で、マナーを守りつつ、快適に過ごせる服装の工夫について解説します。
夏の葬儀|暑さ・熱中症対策を考えた服装の工夫
子どもは大人よりも体温調節機能が未熟で、暑さを感じてもうまく伝えられないことがあります。熱中症を防ぎ、快適に過ごせるよう、以下の点に特に配慮しましょう。
通気性のよいフォーマル服を選ぶ
子どもは汗をかきやすいので、綿やリネン素材のシャツやボトムスを選ぶと快適に過ごせます。ポリエステルなどの化学繊維が多い服は汗がこもりやすく、蒸れて不快になるため避けます。
服を重ね着して体温調節をしやすくする
葬儀会場はエアコンが効いているため、半袖シャツの上に薄手のカーディガンやボレロを重ねると、冷房の効いた室内での寒さ対策になります。親が脱ぎ着させやすいような服装にすることで、外と室内の気温差にも対応できます。
涼しい色合いのフォーマルウェアを用意する
葬儀では黒や紺などの暗い色が適していますが、夏場に黒い服は熱を吸収しやすいため、白や淡いグレーのシャツやワンピースを選ぶのも一つの工夫です。暗めのボトムスと組み合わせれば、全体的にフォーマルな雰囲気を保ちつつ暑さ対策にもなります。
通気性のよい靴と靴下を選ぶ
暑さを考慮し、メッシュ素材や通気性のよいフォーマルシューズを選ぶと快適に過ごせます。夏場でも、サンダルや裸足での参列は避け、つま先と踵のある靴を選びます。靴下は薄手のものを選び、足元の蒸れを防ぎましょう。
冬の葬儀|防寒対策を考えた服装の工夫
小さな子どもは体温調節が難しいため、大人以上に防寒対策が必要です。寒さを我慢しがちだったり、逆に厚着で動きにくかったりすることもあります。寒さを和らげながらも、きちんとした印象を保つ服装の工夫には、主に次のようなものがあります。
暖かさを確保できるコートを選ぶ
葬儀で着るコートの色は黒、濃いグレー、濃茶、濃紺などが理想ですが、子どもの場合は防寒を最優先し、茶系などの明るい色でも問題ありません。ダウンコートも大人は避けるべきといわれますが、子どもは防寒が最優先されるため許容されます。必要に応じて、保温性の高いコートを選びましょう。
ただし、キャラクターものや華やかな装飾は避け、できるだけシンプルなデザインにします。またコートは、会場に入る前には脱ぐのがマナーとされます。
足元の防寒対策
葬儀の場ではブーツを避けるのが一般的ですが、積雪が多い地域では例外的に黒や濃紺のシンプルなブーツや防寒長靴を履かせても問題ありません。転倒防止のためにも無理は禁物です。可能であれば、会場内では履き替えられるようにするとより丁寧です。
6.葬儀での子どもの髪型・靴・小物選びのポイント
葬儀における子どもの身だしなみは、故人様への敬意を示すための大切な要素です。髪型や靴、小物の選び方などについて、以下にポイントをまとめました。子どもらしい清潔感を大切にしながら、場にふさわしい身だしなみを心がけましょう。
男女別の適切な髪型
葬儀という正式な場にふさわしい子どもの髪型を、男女別に説明します。
女の子の場合の髪型
髪が肩より長い場合は、耳より下の位置で一つまたは二つにまとめると清潔感が出ます。結べない長さの場合は、黒や茶色の目立たないピンで前髪やサイドの髪を留め、顔周りをすっきりさせます。本人が気にならない範囲で整えることも大切です。
男の子の場合の髪型
寝ぐせなどを直し、清潔感を保つことが大切です。整髪料を使う場合は、子ども用の肌に優しいものや無香料タイプを選び、ごく少量にとどめます。前髪や襟足が長い場合は、目にかかったりだらしなく見えたりしないよう整えます。
靴・靴下・ヘアアクセサリーの選び方
靴や靴下、ヘアアクセサリー、それぞれのアイテムの選び方は、以下のとおりです。
靴
黒の靴が望ましいですが、子どもの場合、未就学児であれば黒や紺を基調としたスニーカーでも問題ありません。蛍光色やキャラクターデザインが施されたもの、光る靴、音の鳴る靴は避けます。
靴下
白や黒、紺などの無地でシンプルな靴下を選びます。派手な柄や色のものは避け、フォーマルな場にふさわしい靴下を着用します。
ヘアアクセサリー
黒や茶色のシンプルなヘアゴムやピンを使用し、華美な装飾がついたものは避けます。バレッタやシュシュも、黒色でシンプルなデザインのものが適しています。大きすぎる飾りや光る素材、キャラクターものは避けましょう。
葬儀の場での荷物のマナー
子どもには可能な限り手ぶらで参列させることが望ましいです。ハンカチやティッシュはポケットに入れるか、親が持ち、不要な荷物を減らすことで紛失や忘れ物を防ぎます。どうしてもバッグを持たせる場合は、光沢や金具のない、地味なものにします。
7.葬儀で子どもの服装と一緒に準備したい必需品
葬儀に子どもを連れていく際、服装だけでなく、いくつかの必需品を準備しておくと安心です。葬儀の場で困らないためのアイテムをご紹介します。
ハンカチ・ティッシュ
子どもが泣いたり、汗をかいたりした際にハンカチやティッシュが必要です。予備を含めて数枚持参するようにします。
飲み物やお菓子
長時間の葬儀では、子どもが退屈したり、お腹が空いたりする場合があります。飲み物や軽食を少量持参すると気分転換になります。周囲の迷惑にならないよう音の出ない包装のお菓子や飲み物を用意しておけば、葬儀中の子どもの不安や不快感を和らげられます。
防寒具や日除け対策
季節に合わせて、防寒具や日除け対策の品を準備しましょう。寒い季節には温かい上着や使い捨てカイロなどの防寒具を、暑い季節には帽子や日焼け止めを持参すると安心です。
おもちゃや絵本
静かな場所で過ごす葬儀の場では、子どもが退屈することもあります。絵本やおもちゃを持参すると、子どもが静かに時間を過ごせます。ただし、音を立てるおもちゃや他の参列者に迷惑をかけるものは控えます。
8.子どもの葬儀用服装をレンタルする方法
葬儀で子どもに喪服を用意したくても、子どもは成長が早いため喪服を新調してもすぐに着られなくなることが多く、迷われる方も少なくありません。そのようなときに役立つのが、子ども用の葬儀服をレンタルできるサービスです。
ここでは、レンタルを利用する際のメリット・デメリット、そして確認しておきたい注意点について解説します。
子ども用喪服をレンタルするメリット・デメリット
子ども用喪服をレンタルする際は、メリットとデメリットの両面を理解しておくことが大切です。
【メリット】
・成長が早い子どもには、買うよりレンタルの方が経済的
・シャツや靴などがセットになっている場合もあり、準備が楽
・フォーマルな場にふさわしい見た目が整う
【デメリット】
・着慣れない服に子どもがぐずる可能性がある
・サイズが合わないと動きにくくなることも
・オンラインサービスの場合、急な葬儀では配送が間に合わない場合がある
・返却期限や汚れへの配慮など、管理に気をつかう
レンタルを検討する際は、これらの点を踏まえ、購入や手持ちの服で代用する方法とも比較し、ご自身の状況に合った方法を選びましょう。
レンタルする際の注意点
レンタルサービスを利用する際には、以下の点に注意しましょう。思わぬトラブルを防ぐためにも事前の確認が大切です。
サイズをしっかりと確認する
サイズが合わないと着心地が悪く、ぐずる原因にもなりかねません。身長だけでなく、胸囲や胴囲などの詳細なサイズガイドを確認しましょう。可能であれば試着サービスを利用し、サイズ交換が可能かどうかも事前にチェックしておくと安心です。
服の取り扱いに注意
汚れや破損があると修繕費用やクリーニング代が請求される場合があります。特に小さな子どもは汚しやすいため、食事の際や移動時は注意が必要です。
料金体系(総額・追加料金)を確認する
往復の送料や保険料・クリーニング代などが別途発生する場合もあります。レンタル料金以外にどのような費用がかかるのかを事前にチェックし、総額を把握しておきます。
返却方法や期限も把握する
期限を過ぎると延滞料金が発生することがあるため、余裕をもって返却手続きを行います。また、返却方法(コンビニ持ち込み・宅配業者集荷など)によっては手間がかかる場合もあるので、出発前に確認しておくとスムーズです。
9.葬儀の子どもの服装に関するQ&A
A.子どもが、濡れたり冷えたりしないように、レインコートや長靴の着用は問題ありません。
ただし、派手な色やキャラクター柄は避け、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色を選ぶのが望ましいです。葬儀会場に入る際は、レインコートを脱ぎ、長靴も可能であればフォーマルな靴に履き替えることをおすすめします。
A.子どもがぐずってしまった場合、まずは葬儀の場から離れ、静かな場所で落ち着かせましょう。そのうえで、乱れた服装を整えます。
服装の乱れが整い、落ち着いた状態になったら、再び葬儀に参列します。子どもがぐずって服装が崩れることがないように、音の出ないおもちゃなどを用意しておくとよいでしょう。
A. はい、大丈夫です。
最近は、黒や紺など落ち着いた色合いのシンプルなデザインの子ども服が多くあります。たとえば、女の子なら、無地のワンピースやカーディガン、男の子なら襟付きのシャツに黒やグレーのパンツなどは、フォーマルな場でも違和感がありません。
清潔感があり、TPOをわきまえた服装であれば、普段着ている服でも問題ないでしょう。
10.子どもを葬儀に連れて行くときは服装と心の準備を大切にしましょう
葬儀の子どもの服装には、大人ほど厳しい服装のマナーは求められません。喪服を新たに用意しなくても、清潔感があり、派手すぎない落ち着いた印象であれば、手持ちの服で十分に対応できます。
もっとも大切なのは服装の形式ではなく、故人様をしっかりと見送る気持ちを持つことです。親がそっと寄り添い、子どもなりに故人様をしのぶことができるよう、葬儀にふさわしい態度や過ごし方を教えて導いてあげましょう。
葬儀にお子様を参列させる際の服装でお困りのときは、どうぞお気軽に花葬儀の事前相談をご利用ください。お子様の年齢や季節、ご家庭の状況に合わせて、葬儀の服装の選び方や代用方法などのアドバイスを丁寧にいたします。
突然の葬儀で準備が間に合わない場合も、経験豊富なスタッフが、お子様にも安心して参列いただけるよう、心を込めて服装のサポートをさせていただきます。