【神式葬儀の花祭壇】最近の傾向から注意点、デザイン実例まで解説
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- 【 花祭壇 】
「神式で花祭壇は使えるのか」「どのような花を選べば良いのか」神式の葬儀について、このような疑問をお持ちではありませんか?日本では仏式の葬儀が多数を占めているため、いざという時、「何に気をつければ良いのだろうか」と戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、神式葬儀における花祭壇の特徴や、花の考え方を紹介します。具体的な花祭壇事例もご紹介しますので、花祭壇のイメージを膨らませていただければ幸いです。
【もくじ】
1.神式葬儀でも花祭壇は使える
「神式の葬儀には白木の祭壇しかないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、神式葬儀でも花祭壇は可能です。実際に、故人様やご家族の意向に合わせて、花をメインにした祭壇を選ぶケースも増えています。
近年、神式でも花祭壇が選ばれるようになった背景には、以下のような理由が挙げられます。
・従来の形式にとらわれず、故人様の好きだった花や色で送りたいというニーズの高まり。
・葬儀に対する考え方が多様になり、より自由な形式を求める声が増えた。
・花祭壇のデザインやプランが豊富になり、選択肢として身近になった。
もちろん、神式ならではの考え方がありますので、いくつかのポイントを知っておくことが大切です。以降の章で、詳しく見ていきましょう。
2.神式葬儀における花祭壇の伝統的な色と花
神式葬儀で花祭壇を用いる場合、まず知っておきたいのが伝統的に用いられてきた色や花の考え方です。
神道における白の意味
日本では古来、白は神聖で穢れ(けがれ)のない色とされてきました。白い花で祭壇を飾ることは、故人様の清らかな旅立ちを願い、神聖な儀式の場を整える意味合いがあります。
伝統的に使われてきた花は「菊」
花の種類として、神式の花祭壇で多く用いられてきたのが菊です。理由には以下のような点が挙げられます。
・皇室の紋章にも使われるなど、格調高いイメージがある
・「高貴」「清浄」といった花言葉が神式葬儀にふさわしい
・年間を通じて入手しやすく、花持ちが良い など
このように、菊は神式の持つ格式や清浄さを表現する上で、長年にわたり中心的役割を担ってきました。
3.多様化する神式花祭壇の選択肢
時代の変化とともに、葬儀に対する価値観や故人様への想いを表現する方法も幅広くなりました。「神式だから白い菊」という従来の考え方にとらわれず、故人様らしさやご家族の想いを反映した花々が、柔軟に取り入れられています。ここでは、神式の花祭壇における新しい潮流をご紹介いたします。
近年は白い「洋花」も人気
神式花祭壇では菊に限らず、白い洋花もよく用いられるようになりました。それぞれが持つ意味合いや雰囲気が、故人様をしのぶ気持ちを表してくれます。
●カーネーション
・「亡き母への愛」などの花言葉がある
・清楚で優しい雰囲気
●ユリ
・純粋さ・威厳の象徴
・存在感のある美しさ
その他、胡蝶蘭やトルコキキョウ、ダリアなども、上品なたたずまいや花言葉から選ばれることがあります。
多様な色合いでより故人様らしさを表現することも
「神式の葬儀で白以外の花を使うのは、作法に反しないか?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。近年では、故人様の好きだった色や、人柄を表すような色合いを取り入れるケースが増えています。
もちろん、地域の習慣や神職の方のお考えもありますので、使用したい色や花のイメージについては、事前に葬儀社を通じて相談することをおすすめします。
私たちの経験では、故人様への想いを丁寧に説明すれば、多くの神職の方が柔軟に対応してくださいます。事前にコミュニケーションを取ることで当日の進行も円滑になり、納得できる形で故人様を送ることができるでしょう。
4.神式葬儀の花祭壇で押さえておきたい注意点
自由なデザインが可能な花祭壇ですが、神式葬儀ならではの要素や作法に配慮することも忘れてはなりません。
神式葬儀では、以下のようなお供え物や神具が用いられます。
・玉串:榊(さかき)の枝に、紙垂(しで)と呼ばれる白い紙を取り付けたもの
・神饌(しんせん):お米・野菜・果物・魚・酒などのお供え物
・神饌台、五色旗などの神具
花祭壇を設ける際は、お供え物や神具を定められた位置にきちんと配置することが求められます。また、玉串奉奠(たまぐしほうてん)や祭詞奉上(さいしほうじょう)といった神事が滞りなく行えるよう、スペースや動線が確保されているかを確認することも大切です。
5.【花葬儀の事例紹介】神式葬儀の花祭壇デザイン実例
ここでは、弊社「花葬儀」にてお作りした実際の神式花祭壇をいくつかご紹介します。花葬儀はオーダーメイドの生花祭壇を専門としており、神式の基本を踏まえながらも、ご家族のご希望や現代的なデザイン感覚を大切にしています。具体的な事例を通じて、その雰囲気をご覧ください。
お好きだったダリアを主役にした華やかな祭壇
ダリアはキク科の花で、「気品」「華麗」といった花言葉を持ちます。この祭壇では、紫色のダリアをメインに据え、上品に彩りました。柔らかな印象の白いカーネーションやトルコキキョウも添え、全体を調和させることで、神式の格式を保ちつつ、優雅な空間を創りあげました。
白ユリやカーネーションでご自宅のお庭を再現
ずっとご自宅へ帰りたいと願っていた故人様の願いを叶えるべく、ご自宅のお庭のような空間を再現しました。白のユリやカーネーション、トルコキキョウの他、陶芸の壺や藍染めなど故人様が手掛けた作品もお飾りし、思い出が詰まった温かな空間となりました。
6.神式葬儀の花祭壇に関するQ&A
A.神式の花祭壇で「絶対に使ってはいけない」という花はありません。
一般的に、トゲのある花や香りの強い花は、葬儀にはふさわしくないとされることもありますが、これらは一概に禁止されているものではありません。
故人様が生前こよなく愛した花、ご家族が飾ってさしあげたい花であれば、最大限ご希望に沿えるよう努めます。どのような花でも、まずは「この花を使いたい」という想いを遠慮なくお聞かせください。
A.神式だからといって、花祭壇の費用が仏式よりも特別に高くなるということは、通常ありません。
花祭壇の費用は、祭壇の大きさ、使用する花の種類や量、デザインによって大きく変動します。そのため一概に「いくら」とは言えませんが、生花のみで飾る生花祭壇の場合、30万円~80万円程度が一つの目安となるでしょう。
ご希望のスタイルによっても変わってきますので、まずは葬儀社に予算とイメージを伝え、具体的な見積もりを取ることをおすすめします。
A.花の華やかさと、榊の持つ神聖さが両立するように配慮するとよいでしょう。
神式葬儀において榊は非常に重要な意味を持ちます。花祭壇を設ける場合でも、榊を飾るスペースや玉串を置く場所は必ず確保し、神具と共に祭壇の中心や周辺に配置するのが一般的です。
花葬儀ではご要望にあわせて、花と榊、神具のバランスも考慮して空間デザイナーが花祭壇をデザインいたしますので、どうぞご安心ください。
7.神式葬儀の作法と故人様への想いを両立した花祭壇を選びましょう
神式葬儀における花祭壇は、近年、故人様の個性やご家族の想いを反映した、より自由で多様な表現が可能になっています。神道の考え方や儀式への配慮は大切ですが、過度に形式にとらわれる必要はありません。
心に残るお別れを実現するためには、葬儀社や神職の方と事前にしっかりとコミュニケーションを取り、ご家族の想いを共有することが大切です。形式と故人様やご家族の気持ち、その両方を大切にした、悔いのないお別れの形を見つけることが望まれます。
花葬儀では、お客様一人ひとりのご希望に合わせた、オーダーメイドの神式葬儀プランをご用意しております。経験豊富な葬儀プランナーが、神式の作法に精通した上で、故人様らしさを最大限に引き出す花祭壇をご提案いたします。
「どんな花を選んだら良いかわからない」「費用が心配」といったご不安にも、丁寧にお答えいたします。まずはお気軽にご相談ください。