家族葬と一般葬の違いは?費用や流れを比較!メリット・デメリットも紹介します

家族葬と一般葬の違い
家族葬と一般葬は内容・式場・費用などに違いがあります。家族葬は親しい人たちとともに自由なスタイルで行いますが、一般葬は大勢の参列者とともに伝統的な形式で行います。

家族葬と一般葬はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、両方を把握したうえで選択することが重要です。

そこで今回は、葬儀の費用や流れ、メリット・デメリットなど家族葬と一般葬の違いについて解説します。

1.家族葬と一般葬、それぞれの特徴は?

家族葬と一般葬はどちらも葬儀の形式ですが、異なる特徴があります。どちらが適しているのか選択しやすくするために、家族葬と一般葬それぞれの特徴を見ていきましょう。

一般葬とは?

一般葬とは、これまで日本でおもに行われてきた伝統的な葬儀形式によって行われる葬儀のことです。一般葬の伝統的な形式においては、まず夕方頃に葬儀前の儀式として通夜を行い、翌日にお別れの式典である告別式を行います。

ご遺族の方や親戚だけでなく、友人・知人・近所の住民・仕事の関係者など、故人様と生前に何らかの関係にあった大勢の人々が参列し、故人様をお見送りします。

また、一般葬では葬儀だけでなく、僧侶・参列者・ご家族・ご親族と伝統的な形式に基づいた会食を行いますが、これも特徴の一つです。会食には、通夜の後の食事会である通夜振る舞いや、葬儀後の精進落としなどがあります。

家族葬とは?

家族葬には人数や場所、スタイルなどに決まった定義はありません。おもにご家族が集まって行う葬儀であれば、人数やスタイルなどに関係なく家族葬と呼ばれます。

ただし、家族葬は文字通りにご家族を中心に葬儀を行うので、結果的に葬儀に参加する人数が少なくなることが多くあります。

また、家族葬という名称から、ご家族のみが参加すると思われるかもしれませんが、家族葬は必ずしもご家族のみで行うとは限りません。生前に親しかった友人・知人を家族葬に招くこともあります。

葬儀も会食も、一般葬と比べると比較的自由な形式で行うことができるので、ご家族を中心に、気心の知れた者同士でゆっくりと最後のお別れのときを過ごせるのが、家族葬の特徴です。

2.家族葬と一般葬の違い

家族葬と一般葬の違い
家族葬と一般葬には様々な違いがあります。葬儀の内容・式場・費用などの様々な要素について、家族葬と一般葬の違いを見ていきましょう。

内容の違い

家族葬は故人様と親しい間柄の人だけが参列するため、社会的な儀式というよりも、故人様とのお別れの会という側面が強いのが特徴です。小規模の式場や祭壇でシンプルに葬儀をしたり、香典返しやお礼状を省略したりするなど、比較的自由な形式で行えます。

一方、一般葬は、故人様とのお別れの儀式という面ももちろんありますが、大勢の人が参列する社会的な儀式という側面が強い葬儀形式です。通夜・葬儀・告別式・火葬など、伝統や宗教的儀礼に沿って、様々な儀式が厳粛に行われるという特長があります。

このように、家族葬は比較的自由な形式で行うことができますが、一般葬は伝統や宗教的儀式に従って行われることが多いという違いがあります。

式場の違い

家族葬は一般的にご家族や親しい友人・知人などで行うので、大規模な式場ではなく家族葬専用の小さな式場を選んだり、自宅で実施したりします。一般葬に比べると、家族葬は小規模な式場でシンプルに行われる傾向にあるといえるでしょう。

一般葬の場合、多くのケースで幅広い範囲の参列者を招きます。人数を予想した上で式場を手配しなければならないため、参列者の人数が多いケースでは、おもに葬祭会館・斎場などの式場を利用します。

このように、家族葬はおもに小規模な式場で、一般葬は大規模な式場で行われるという違いがあります。

費用の違い

家族葬は一般葬と比べると、費用を安く抑えやすいのが特徴です。ご家族や友人など、基本的に親しい間柄だけで行うので、大規模な式場や会食の場などを手配する必要がないことが多く、参列者の人数が少ないほど、葬儀費用を抑えることができます。

また、ご家族など身内だけで自由な形式で故人様を見送ることもできるため、返礼品(参列者へのお礼として渡す粗品)やお礼状を省略したケースにおいては費用が安くなります。

一方、一般葬の場合は、家族葬よりも費用が高くなりがちです。その理由には、参列者の人数が多いために大規模な式場が必要になることや、葬儀の手配や会食に費用がかかることなどがあげられます。

実際の費用は地域、参列者の人数、会食の内容、祭壇や棺のグレード、葬儀の日数などによって異なりますが、家族葬に比べると一般的に高くなります。

お香典の違い

家族葬と一般葬では、お香典のマナーが違います。

家族葬は基本的にご家族などで葬儀を行うため、お香典を辞退する場合も少なくありません。その場合、法要後は香典返しを省略して挨拶状のみを送ったり、香典返しと挨拶状の両方を省略したりすることもあります。ただし、葬儀当日にお渡しする会葬礼状や会葬御礼の品は参列いただいたことへのお礼の気持ちとしてお渡しするものですから、準備しておきましょう。

一般葬の場合、参列者からお香典を受け取るのが一般的であり、受け取ったお香典に対しては、法要後に挨拶状と香典返しを送ります。

参列者(招く範囲)の違い

家族葬は親戚や友人など、家族葬に参列してほしい人だけを招くので、招く範囲は狭くなります。

一般葬は故人様に関わりのある人が大勢参加するため、基本的に参列者を招く範囲は広くなります。
ご家族・ご親族・友人だけでなく、職場の関係者や近所の住民などにも声をかけるのが一般的です。

周囲へのアナウンス(案内)の違い

招く範囲が異なるため、アナウンスの範囲にも違いが生じます。

家族葬の場合、多くのケースにおいて、親戚や友人・知人など故人様との縁が深い人に対してのみ、通夜・葬儀の具体的なアナウンスをします。

参列の案内をしない友人・職場関係者などに対しては事後報告をするケースも見られますが、花葬儀ではできるだけ事前に訃報連絡をすることをおすすめしています。その際は、「家族葬のため、参列はご遠慮くださいますようお願いいたします」と丁寧にお詫びしましょう。

一般葬の場合は、家族葬に比べてアナウンスの範囲が広くなります。基本的に、親戚や友人などの親しい間柄だけでなく、故人様と交流のあった多くの人に通夜・葬儀の連絡をします。

※招かなかった人への事前連絡が困難で事後報告を行う場合は、以下の記事を参考になさってください。

3.家族葬のメリット・デメリット

家族葬のメリット・デメリット
家族葬を検討する前に、まずはメリットとデメリットを把握することが重要です。それぞれについて解説します。

家族葬のメリット

家族葬のメリットには、以下のものがあります。

肉体的な負担が少ない

一般葬は、お通夜・告別式を儀礼やしきたりを重視して行うため、肉体的な負担が重くなりがちです。しかし、家族葬は一般葬とは違い、基本的に自由なスタイルで葬儀を行えるので、無理のない葬儀内容にすることで、肉体的な負担を軽減することができます。

精神的な負担が少ない

一般葬は大勢の人が参加するので、あまり親しくない方々の応対やねぎらいが必要になり、精神的な負担が重くなりがちです。
しかし、家族葬はご家族や友人など、招待した親しい人だけが参列するので、気を遣いすぎることがなく、精神的な負担を軽減することができます。

故人様との最後のお別れをしやすい

一般葬は葬儀のスケジュールが詰まっているので、葬儀の運営に追われてしまい、故人様とのお別れの時間を十分に取れなくなる可能性があります。

しかし、家族葬は自由な形式で葬儀を実施できるので、一般葬とは違い、親しい人たちと一緒に、故人様とのお別れの時間を十分に取ることができます。

葬儀の内容が自由で費用を抑えやすい

家族葬は葬儀の場所や内容などの自由度が高いので、故人様の生前の好みやスタイルにあわせるなど、オリジナリティのある葬儀にしやすいのが特徴です。

基本的に参列者が少ないので、葬儀会場や祭壇をコンパクトにしたり、会食や返礼品を省略したりするなど、費用を抑えやすいのもメリットといえます。

家族葬のデメリット

家族葬のデメリットには、以下のものがあります。

周囲の理解を得にくい場合がある

葬儀の伝統や形式に非常にこだわりがある親戚などが、一般葬とは様々な点で違いがある「小規模な形式の家族葬」を行うことに不満を抱く可能性があります。

また、家族葬には限られた方々を招くので、葬儀に参列できなかった方々が不満を感じることもあります。

そのため、家族葬を実施する場合、事前に説明や説得をすることで、周囲の理解を得ておくことが重要です。

お香典を辞退すると葬儀費用と相殺できない

家族葬は参列者の人数が少ないので、葬儀費用自体は低く抑えやすい葬儀形式です。しかし、お香典を辞退した場合、葬儀費用とお香典を相殺できないので、結果として予想以上の出費になる可能性があります。

家族葬でお香典を辞退する場合は、葬儀費用を事前にしっかり把握しておくことが重要です。

4.一般葬のメリット・デメリット

一般葬のメリット・デメリット
家族葬と同様に、一般葬にもメリットとデメリットがあります。なんとなく一般葬を選択してしまうと、家族葬のほうがあっていたなど後悔する可能性があるので、メリットとデメリットの両方を把握しておきましょう。

一般葬のメリット

一般葬のメリットは、以下の通りです。

故人様の生前を知る機会になる

一般葬には、喪主様も知らなかった意外な友人や、故人様にお世話になった人などが参列します。いろいろな方から話を聞くことで、故人様の生前の意外な一面を知ることができるかもしれません。故人様の人柄を偲ぶよい機会になるでしょう。

多くの人が参加しやすい

一般葬は昔ながらの伝統やマナーに従って行われる葬儀形式です。そのため、従来の葬儀の方法に慣れているお年寄りや、体裁を気にしがちな親戚など、様々な人が納得して葬儀に参加しやすい点が、メリットといえるでしょう。

葬儀後に弔問客の対応に追われずに済む

一般葬には親しい間柄だけでなく、近所の人や年賀状のやりとりをするだけの人なども参列することが多いので、後日、弔問のために多くの人が自宅に訪れる可能性は低いといえます。

葬儀後も香典返しなどやるべきことが多いため、弔問客が少ない方がご遺族の負担を軽減できるでしょう。

一般葬のデメリット

一般葬のデメリットには、以下のものがあります。

葬儀の対応に追われて忙しい

一般葬は様々な儀式を伝統的な形式に沿って行わなければならないので、忙しくなりがちです。通夜や告別式を2日間にかけて実施することもあり、一般葬を執り行うご遺族は相当に忙しくなることでしょう。

単に儀式を行うだけでなく、参列者へのねぎらいや気配りもしなければならないので、精神的な疲れもたまりやすくなります。

一般葬を行う場合は、肉体的な忙しさや精神的な疲れに対処するために、順番に交代で休憩をとったり、スタッフに担当してもらったりするなど、工夫しましょう。

参列者の人数の調整が難しい

一般葬は故人様と関係のあった大勢の人を招くため、人数を把握するのが難しいというデメリットがあります。

社会的な行事という側面が強いので、たとえ一般葬に招いた方でなくとも、近所の方などが参列を希望すれば断らないのが一般的です。

そのため、人数の把握が難しいことから、予想以上に参列者の人数が多くなってしまったり、逆に思っていたほど集まらなかったりする可能性があります。

参列者の人数を把握するには、経験の豊富な葬儀スタッフに相談するのも一つの方法です。

また、花葬儀では、対面式ではない葬儀の受付サービス「オンライン記帳サービス」を提供しております。こちらをご利用いただくことにより、喪主様は事前に参列者の人数を把握することができます。

5.家族葬と一般葬、それぞれの注意点

家族葬と一般葬の注意点
家族葬と一般葬における注意点を把握しておくことで、葬儀の際に慌てることなく対処することができます。そこで、家族葬と一般葬それぞれの注意点を解説します。

家族葬を行う場合の注意点

家族葬を行う場合、参列者として呼ばれなかった方が不満を感じることがあるので注意しましょう。

訃報連絡をしていなかったケースにおいては、亡くなったことを知らなかった、お別れの言葉を言いたかったなどと言われ、トラブルになることがあります。

また、家族葬を終えた後に、招かなかった方が自宅に弔問に訪れ、気を遣ったり対応したりしなければならない可能性もあります。

そのため、家族葬を行う際は、故人様との関係をよく考えて、「亡くなったこと」「身内だけで葬儀を行うこと」(葬儀後の弔問をお断りしたい場合はその旨も合わせて)を事前に伝えることをおすすめします。

一般葬を行う場合の注意点

一般葬は葬儀の運営で忙しくなるため、故人様とゆっくりお別れをする時間が取りづらいことに注意しましょう。

一般葬は、家族葬と違いご家族の方以外の参列者が大勢いるため、挨拶やもてなしなどで忙しくなりがちです。気がついたら通夜などの儀式が終わってしまっていたなど、気持ちの余裕がないままに、葬儀の運営だけで手一杯になる場合も少なくありません。

葬儀の運営ばかりに気を取られると、故人様とのお別れの時間をゆっくり取ることができずに、後悔する可能性もあるのです。

ご家族で役割分担をして、それぞれがお別れの時間を十分取れるように工夫しましょう。

6.家族葬と一般葬の違いを把握して葬儀スタイルを選択しましょう

葬儀スタイルを選択
家族葬はご家族や友人など、親しい人たちと自由なスタイルで行う葬儀であり、一般葬は大勢の人が参列し、伝統的な形式によって行われる葬儀です。そのため、それぞれ費用、流れ、特徴などに違いがあります。

これらの中で特に重視していただきたいことは、メリットとデメリットです。たとえば、家族葬には肉体的・精神的な負担が少ないことや、自由なプランで葬儀を行えることなどのメリットがあり、一般葬には多くの人が参加しやすいことや、尋問客の対応に追われないことなどのメリットがあります。

それぞれの違いや特徴を把握して、故人様やご遺族の方にふさわしい葬儀を選びましょう。

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