永代供養と樹木葬の違いとは?費用から選び方・注意点まで解説
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- 【 お墓の基礎知識 】
「永代供養(えいたいくよう)」や「樹木葬(じゅもくそう)」といった言葉を聞いたことはあるでしょうか。あるとしても、その具体的な内容とそれぞれの違いについて説明できる方はそう多くないかもしれません。
そこで今回は「永代供養」と「樹木葬」について、違いや費用などをわかりやすく解説します。供養方法の選択時に後悔しないよう、永代供養付き樹木葬を選ぶ際の注意点もご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1.知っておきたい樹木葬と永代供養の基本
まずは、永代供養と樹木葬、それぞれの意味や関係についての基本を解説します。
樹木葬とはお墓の見た目・形式
「〇〇家之墓」などが彫られた墓石を墓標とする従来型のお墓に対し、樹木を墓標とするお墓を「樹木葬」といいます。墓標となる樹木は「シンボルツリー」とも呼ばれ、その根元や周辺にご遺骨を埋葬するのが大きな特徴です。
近年は樹木に限らず、草花を墓標とする樹木葬も登場しており、より多様な形へと広がっています。樹木葬は「自然に包まれて眠りたい」という願いを叶えるだけでなく、季節の移ろいと共に表情を変える木々を通して、生の美しさやはかなさを感じさせてくれる供養の形とも言えます。
永代供養とは供養の管理や仕組み
「永代供養」とは、ご家族に代わって墓地(霊園)管理者が、ご遺骨を永代に渡って管理・供養する仕組みを指します。永代供養を前提としたお墓は「永代供養墓(えいたいくようぼ)」と呼ばれ、本来ご家族が行う以下の行為を代行してもらうことが可能です。
- ・お墓参り
- ・お墓周辺の清掃
- ・年忌法要
- ・慰霊碑を建てての式典 など
かつてのお墓は、親から子へと承継していくのが当たり前でした。しかし近年は少子高齢化や生活スタイルの変化、お墓の価値観の多様化などによって、跡継ぎを必要としないお墓の需要が高まりつつあります。
なお、この「永代」とは「墓地や霊園が存続する限り」という意味であり、永遠ではない点に注意が必要です。多くの場合、寺院・霊園が決める安置期間を満了後、合祀(ごうし)や合同供養へ移行しますが、合祀されたあとも、継続して供養してもらえることが一般的です。
永代供養の費用や種類についてさらに詳しく知りたい方は、「永代供養とは」の記事もあわせてご覧ください。
樹木葬と永代供養の関係
それぞれの意味からわかるように、樹木葬は「お墓の形」、永代供養は「供養の仕組み」であって、両者は並列ではありません。まず供養の仕組みのひとつに永代供養があり、その永代供養の種類のひとつに樹木葬があります。
「どのようなお墓を用意したいか」「そのお墓をどのように管理・供養していくか」を考えた結果、「永代供養付きの樹木葬」を選択する方も少なくありません。
それぞれの関係をわかりやすくした以下の図をご覧ください。
種類 | 意味 |
---|---|
個別墓 (個人墓) |
・個別のお墓に埋葬 ・墓石タイプや樹木葬タイプがある |
集合墓 | ・収骨スペースに他のご遺骨と共に埋葬 ・墓石タイプや樹木葬タイプがある |
合祀墓 | ・骨壺から取り出したご遺骨を、他のご遺骨と共に埋葬 ・樹木をシンボルにした樹木葬タイプの合祀墓もある |
納骨堂 | ・さまざまな方法でご遺骨を納められる建物や施設 ・原則として樹木葬ではない |
2.樹木葬の主な種類と特徴
樹木葬は「埋葬法」や「場所」で種類が分かれています。
それぞれの特徴についてご紹介します。
埋葬方法による違い




樹木葬の埋葬方法には「個別型」「集合型」「合祀型」があります。なお、ここでご紹介するのはあくまで一般的な分類です。施設によっては独自の呼称を用いていたり、細かな運用ルールが異なったりするため、契約前には必ず詳細を確認しましょう。
個別型
個別に用意された区画に、ご遺骨を埋葬する方法を「個別型」といいます。ひとつの区画に、ご家族分のご遺骨を埋葬することも可能です。ご遺骨は骨壺に納める、または土に還る素材に包む、もしくは粉骨(パウダー状に砕いたご遺骨)を地面に撒くなど、墓地によって異なります。
個別型タイプでは、それぞれの区画にシンボルツリーが植えられていることが多く、一般的なお墓のようにお参りしやすいのも特徴です。
集合型
シンボルツリーの下に、他人のご遺骨と共に埋葬する方法が「集合型」です。ご遺骨が混ざらないように区分けされていたり、ご遺骨を土に還る素材で包んだりします。なお、区分けされている集合型は「区分け型」と呼ばれることもあります。
合祀型
「合祀型」は、骨壺から取り出したご遺骨を、血のつながっていない他のご遺骨と共に埋葬する方法です。最初からご遺骨が混ざることになるため、一度埋葬すると取り出すことができません。
なお、個別型や集合型でも、一定期間を過ぎたご遺骨は最終的に合祀されるのが一般的です。
施設の場所による違い
樹木葬には、環境や立地によって、「霊園タイプ」「公園タイプ」「里山タイプ」といった分類があります。
霊園タイプ
霊園や寺院で区画整理された場所にシンボルツリーを植え、その下にご遺骨を埋葬するのが「霊園タイプ」です。霊園タイプで供養する樹木葬は都市部に多いため「都市型樹木葬」とも呼ばれます。美しい樹木や草花に囲まれて眠ることができ、かつ、アクセスしやすいのが特徴です。
公園タイプ
公園のような環境に樹木葬の区画を設けているのが「公園タイプ」です。霊園や寺院が運営しているという点では霊園タイプと同様ですが、広い芝生やガーデニングのスペースがあるなど、より整備された場所であるのが特徴です。
里山タイプ
自治体から墓地として認可を受けている山林などに埋葬する形式で、自然環境そのものを生かして埋葬地とすることが特徴です。里山タイプのほとんどでは、ご遺骨は骨壺から取り出して埋葬されます。
里山タイプは山林にあることが多いため、霊園タイプや公園タイプと比べてアクセスが不便である傾向がありますが、広大な自然の中で静かに眠りたい方や、自然回帰志向の強い方にはおすすめです。
3.永代供養付きの樹木葬を選ぶメリット
ここからは、「永代供養を前提とした樹木葬」をメインに解説していきます。永代供養付きの樹木葬には、どのような魅力があるのでしょうか。まずはメリットから詳しくご紹介します。
緑や花に囲まれて眠ることができる
墓石のある従来のお墓は厳かで格式のある雰囲気が魅力ですが、飾ることのできる花の量に限りがあり、また、ご家族が定期的に花を取り換える必要があります。一方、永代供養付きの樹木葬であれば、大きな樹木や四季折々の草花に囲まれた、自然豊かな空間で眠ることができます。花や緑の管理は墓地の管理者が行ってくれるため、手間もかかりません。
植物が好きだった故人様や、あたたかな雰囲気の中で供養してあげたいと思うご家族にとって、大きな魅力と言えるでしょう。
一般的なお墓に比べて費用を抑えやすい
お墓にかかる費用の内訳は「墓石代」「墓地代」「管理費」の3つに大別され、全体の半分以上を占めるのが墓石代です。そのため、墓石を必要としない樹木葬の方が比較的安く購入できる傾向にあります。費用内訳の詳細は「お墓の費用の相場や内訳」の記事でご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
お墓の承継者がいなくても安心
お墓に関する悩みとして近年特に多く挙げられるのが、「承継者がいない」という問題です。従来のお墓は、親から子へと代々受け継がれるものでしたが、少子化や核家族化の影響で承継が難しくなるケースが増えています。
承継者のいなくなったお墓は荒れたまま放置され、最終的には「無縁仏」として撤去されてしまうかもしれません。そのような状況において、永代供養付きの樹木葬は、お墓の承継を必要とせず、かつ自然の中で安らかに眠りたいと考える方にとって、有効な選択肢となります。
たとえ身寄りがない方や子どもがいない方でも、墓地管理者が責任を持って供養と管理を続けてくれます。安心して自分の最期を託すことができるのも、永代供養付き樹木葬のメリットです。
宗教・宗派を問わない施設が多い
永代供養付きの樹木葬は、埋葬する方の宗教や宗派を問わないのが一般的です。そのため無宗教の人や、宗教宗派の考えにしばられない自由な埋葬を希望する人にも向いています。ただし、寺院が用意している樹木葬の一部では、檀家や法要についての条件が設定されていることもあるので、事前の確認が必要です。
4.永代供養付きの樹木葬を選ぶ際の注意点
樹木葬に限らず、埋葬の方法や場所を選ぶ際は、事前の詳細確認と慎重な判断が必要です。
こちらでは、永代供養付きの樹木葬を検討する前に押さえておきたい注意点を、詳しくご紹介します。
ご遺骨の取り出しや改葬が難しい場合がある
樹木葬は「自然にかえる」ことを前提としたお墓であるため、ご遺骨はパウダー状にしてまいたり、土に還りやすい素材に包んだりすることもあります。また、多くの場合、ご遺骨は最終的に合祀されるため、埋葬後に「ご遺骨を取り出したい」「墓地の移転(改葬)をしたい」と思ってもできない可能性に注意しましょう。
骨壺に納めて埋葬していた場合でも、墓地規約によっては改葬ができないこともあります。施設や契約により詳細が異なりますので、いずれの場合も、契約前に内容をしっかり確認することが重要です。
「自然にかえる」イメージと異なる可能性がある
「自然にかえることを前提」と前述しましたが、必ずしも樹木葬で埋葬したご遺骨が土にかえるとは限りません。例えば、骨壺に納められたまま埋葬される場合、ご遺骨は土壌と直接触れる機会がないため、自然に分解されることはありません。
そもそもご遺骨が完全に土にかえるまでにはかなりの長い年月を必要とし、土壌やご遺骨の状態によってもその期間は大きく異なります。埋葬してすぐに自然と一体になるわけではなく、「プランによっては骨壺内に安置される」もしくは「長い年月をかけて少しずつかえっていく」ことになります。
検討している施設の埋葬方法が一致しているか、事前に確認しておきましょう。
お参りの作法が従来のお墓と異なる
永代供養付きの樹木葬では、お参りのルールや雰囲気が一般的な墓地と異なることもあります。具体例としては以下の通りです。
- ・樹木や花を守るため、線香やロウソクの使用が禁止されている
- ・環境への配慮から、供花やお供え物に制限がある
- ・(集合墓や合祀墓の場合)お参りスペースが共同であることから、他の参拝者の話し声が気になったり、お盆やお彼岸など混雑時期にはゆっくりお参りできなかったりする
明るく開放的な雰囲気を持つ樹木葬だからこそ、他の参拝者との距離感をより近く感じるという側面があります。したがって、従来のお墓のように故人様の眠る場所の前でお供え物や線香をあげ、静かに手を合わせるスタイルを望む方には、大きなストレスとなることもあるでしょう。
管理状況によって将来的な景観が変わる恐れも
墓標が樹木や草花である樹木葬では、管理状況や天候の影響により、景観が大きく変わる可能性にも注意しなくてはなりません。具体的には、「病気や日照不足によって樹木が枯れてしまった」「冬場だけさみしい雰囲気になる」などが挙げられます。
特に里山タイプの樹木葬は、公園タイプのように人工的に整えられた環境ではないため、ギャップを感じてしまうこともあるかもしれません。また、墓地の管理状況以外にも「大規模な整備や開発が墓地周辺で開始した」など、外的要因による景観の変化も考えられるでしょう。
永代供養付き樹木葬で失敗しないためのポイントは、後述する『後悔しない「永代供養付き樹木葬」の選び方』をご覧ください。
5.永代供養付き樹木葬の費用
永代供養を前提とした樹木葬を選ぶ場合、費用はどの程度になるのでしょうか。
こちらでは、一般的な相場と、価格に影響する要素について解説します。
費用の内訳と一般的な費用相場
永代供養付き樹木葬の費用は、「墓地使用料」と「その他費用」の合算によって算出されます。まずは全体の費用相場と、それぞれの内訳を見ていきましょう。
全体の平均購入価格は68万円前後
墓地や霊園ごとに費用設定は大きく異なりますが、株式会社鎌倉新書が2025年に実施した調査によると、樹木葬の平均購入金額は67.8万円でした。
ただし、これはあくまで平均値です。実際には、シンプルなプランであれば10万円程度から、都心部の好立地な施設などでは150万円を超えることもあります。このように費用に大きな幅が生まれる理由については、「価格の違いが生まれる要素」で詳しく解説します。
出典:第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)
調査:株式会社鎌倉新書「いいお墓」
URL:https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2025/
費用の内訳1.墓地使用料の費用相場【種類別】
埋葬方法別に見る墓地使用料の目安は以下の通りです。なお、永代供養付きの樹木葬の場合、墓地使用料に永代供養料も含まれているのが一般的です。そのため墓地使用料を「永代使用料」と呼ぶこともあります。
- ・個別型:50~100万円(1区画あたり)
- ・集合型:20~50万円(1区画あたり)
- ・合祀型:5~20万円(1人あたり)
費用の内訳2.その他費用の内訳と相場
墓地使用料の他にかかる費用は、以下の通りです。なお、霊園や墓地によって、以下の費用の一部が墓地使用料にあらかじめ含まれていることもあります。実際の内訳は各施設にお問い合わせください。
- 【納骨手数料:1~5万円】
- 納骨をする際にかかる費用。2人以上を埋葬する場合は1霊(1人)ごとに費用が発生するのが一般的。
- 【石碑・彫刻料:1~20万円】
- 埋葬場所に小さな石碑を建てたり、故人様のお名前などが刻まれたプレートを設置したりする場合にかかる費用。
- 【年間管理費:0~2万5000円】
- 樹木葬のある施設を管理するための費用。かからない場合もある。
価格の違いが生まれる要素
先述の通り、永代供養付き樹木葬の費用には大きな幅があります。なぜこれほど価格に違いが生まれるのでしょうか。価格を左右する要素について解説します。
埋葬の種類と、区画の収容人数
樹木葬は集合型よりも個別型、さらに1区画内に収容できる人数が多いほど費用が高くなります。「1人用の個別型よりも、4人用の個別型の方が高い」ということです。
なお、費用は区画単位であり、実際に埋葬する人数によって変わるわけではありません。たとえば、4名分まで納骨できる家族用の区画を1人で利用したとしても、費用は同じである点に注意が必要です。
合祀されるまでの期間
永代供養付き樹木葬に埋葬されたご遺骨は、最終的に合祀されることがほとんどであるとご紹介しましたが、合祀されるまでの期間が長いほど費用が高くなる傾向にあります。一般的には10年や30年単位で合祀となるのですが、延長したり、合祀しない選択をしたりした場合は追加料金が発生するかもしれません。
アクセスや施設の充実度、サービスの追加
樹木葬の費用は、区画の大きさだけでなく、立地や施設の充実度によっても変わります。たとえば、アクセスのよい場所にある霊園や、設備・サービスが整った施設は比較的高額となる傾向があります。
また、「ペットと一緒に埋葬したい」「法要や会食も同じ施設で行いたい」といった希望がある場合、それに対応できる施設では費用も高くなるでしょう。希望と価格のバランスを考えることが大切です。
6.後悔しない「永代供養付き樹木葬」の選び方
永代供養付き樹木葬で後悔しないためには、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
こちらでは、選ぶ際のポイントをご紹介します。
ご家族で価値観を共有することが大切
樹木葬は墓石を持たない比較的新しい埋葬方法のため、代々受け継ぎ、自分たちで管理する従来のお墓に馴染みのある方にとっては、抵抗を感じることもあります。特にご遺骨が最終的に合祀されるケースが多い点に、不安を抱く方も少なくありません。
そのため、永代供養付きの樹木葬に関心がある場合は、ご家族としっかり話し合い、価値観を共有することから始めましょう。さまざまな意見を持つご家族の気持ちにも配慮しながら、納得のいく形を一緒に考えることが何よりも大切です。
初期費用だけでなく総額と内訳を確認する
「墓石を新たに建てるよりも安いから」という理由で永代供養付き樹木葬を安易に決めてしまうと、思いもしないトラブルに見舞われるかもしれません。ホームページやパンフレットに記載されている料金は、あくまで目安であることが多く、実際の費用とは異なる場合があります。必ず事前に見積もりを取りましょう。複数社から相見積もりを取って比較するのもおすすめです。
見積もりでは、特に初期費用に含まれるサービスの範囲に注意します。管理費や供養内容、法要の有無などがどこまでカバーされているか、追加費用が発生する可能性はあるかなどを、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。
価格に見合った管理が受けられるか見極める
永代供養付き樹木葬に限ったことではありませんが、「費用が高い・安い」だけで判断するのはおすすめしません。価格のみに目を向けてしまうと、サービスや環境に不満を抱く恐れがあります。
大切なのは、価格とサービスの内容が釣り合っているかを見極めることです。ご自身が望む供養の形に対する相場を知ることで、納得のいく選択ができるようになるでしょう。
現地でしかわからない雰囲気・管理状況も確認する
実際に埋葬場所に足を運んで確認することも大切です。管理がどの程度行き届いているか、施設の清潔さや雰囲気、アクセスの利便性など、現地に行って初めてわかることは多くあります。「イメージと違った」と後悔しないためにも、現地視察は可能な限り行いましょう。
7.樹木葬だけではない、ご家族に負担をかけない供養のかたち
ご家族に負担をかけない供養方法は、樹木葬以外にもあります。さまざまな手段を知っておくことで、より納得のいく決定ができるようになるでしょう。
承継者を必要としない、樹木葬以外の選択肢をご紹介します。
雄大な海へかえる「海洋葬」
パウダー状にしたご遺骨を、海にまいて供養する方法を「海洋葬」または「海洋散骨」といいます。海という雄大な自然にかえる方法として注目されている海洋葬ですが、以下のポイントに注意が必要です。
- ・散骨可能な海域は限られている
- ・ご遺骨の全てをまいてしまうと取り戻せない
- ・天候によっては予定していた日に供養ができない
海洋葬を行いたい場合は、海洋葬の実績が豊富な葬儀社への依頼がおすすめです。
天候に左右されずお参りしやすい「納骨堂」
「納骨堂」は、ご遺骨を収容する屋内の施設です。都心部のアクセスのよい場所にあることが多い納骨堂は、天候に左右されずに参拝できるだけでなく、納骨方法の種類が豊富という特徴があります。
一方、永代供養付きの樹木葬と同様に、契約期間後はご遺骨が合祀されることが多いことも知っておきましょう。納骨堂のより詳しい特徴や費用については、「納骨堂」の記事もあわせてご覧いただき、ご検討ください。
永代供養付きの「一般的なお墓」という選択も
樹木葬を検討した結果、望む条件に合う施設が見つからなかったり、ご家族から十分な同意が得られなかったりすることもあるかもしれません。そのような場合は、墓石のある一般的なお墓に永代供養を組み合わせるという選択肢もあります。
樹木葬と比べると費用は高くなりますが、従来のお墓が持つ厳かな雰囲気や安心感はそのままに、管理や供養の負担を軽減できる点で、バランスの取れた方法といえるでしょう。
8.永代供養の樹木葬に関するQ&A
A.基本的にお参りができなくても問題ありませんが、どうしても心配な場合は改葬などを検討する必要があるかもしれません。
永代供養付きの樹木葬は、ご家族に代わって墓地管理者がご遺骨の管理・供養を行ってくれます。頻繁に通うことができない場合であっても、お墓の手入れや供養の面で心配することはないでしょう。しかし従来型のお墓に馴染みがある方にとっては「定期的にお参りができないこと」に対する心苦しさを感じるかもしれません。
そのような場合は、別の場所への改葬(お墓の引っ越し)も選択肢のひとつですが、契約内容によっては改葬が認められていないこともあります。お墓の場所についての決定は慎重になると共に、契約時は内容をしっかり確認しておくことが大切です。
A.ペットと一緒に埋葬できる樹木葬がありますので、詳細を確認して検討されるとよいでしょう。
永代供養付き樹木葬の中には、ペットと一緒に埋葬できるタイプを用意している施設もあります。ただし、一定期間を過ぎた後に合祀される際、人とペットが別々に合祀されるケースもあるため注意が必要です。
なお、ペットと共に眠るという希望は、樹木葬以外にも、一部の一般墓や散骨、自宅墓といった方法で実現できます。選択肢の一つとして検討してみるとよいでしょう。
A.もちろん可能です。ただし、その分費用は高額になる可能性があります。
「2人用」「4人用」などの個別型の樹木葬を選べば、人数分のご遺骨を1つの区画に埋葬することが可能です。夫婦や家族で一緒に眠りたいと考える方にとっては、安心感のある選択肢といえるでしょう。
ただし、区画の規模や埋葬可能人数が多いほど、費用は高くなります。また、実際に何人が埋葬されるかにかかわらず、区画の広さに応じた料金が発生する点に注意が必要です。
A.もちろん可能です。メリット・デメリットを押さえた上で検討するとよいでしょう。
樹木葬を生前に契約することで、「自分の希望に沿う場所が選べる」「家族に経済的・精神的な負担をかけずに済む」といったメリットがあります。価格変動を避けられる点や、納得できるだけの時間をゆっくりかけられる点も安心材料です。
一方で、引っ越しで通えなくなる可能性や、契約後のキャンセル・変更が難しいなどのデメリットもあります。不安や疑問点は施設や詳しい専門家に相談し、慎重に検討しましょう。
A.樹木葬を選ぶこと自体は問題ありませんが、菩提(ぼだい)寺がある場合は慎重な対応が求められます。
樹木葬は宗教や宗派を問わないものも多く、無宗教の方はもちろん、特定の信仰を持つ方でも利用することができます。しかし、菩提寺(先祖代々の供養をお願いしてきた縁の深い寺院)がある方は注意が必要です。
菩提寺に断りなく他の場所での埋葬を決めてしまうと、関係が悪化したり、法要を断られたりなどのトラブルにつながる可能性があります。菩提寺がある場合は必ず事前に菩提寺に相談し、了承を得てから樹木葬を契約しましょう。
9.永代供養と樹木葬の基本を押さえて納得のいく選択を
「永代供養」はご遺族に代わって墓地の管理者が継続的にお墓の管理と供養を行う仕組みです。一方「樹木葬」は墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓の形を指します。この2つを組み合わせた「永代供養付き樹木葬」であれば、管理や供養の心配をせず、自然の中で安らかに眠ることができるでしょう。
しかし、供養の形は一つではありません。この記事でご紹介したように、海洋葬や納骨堂、従来のお墓に永代供養を付ける方法など、選択肢は多岐にわたります。それぞれの特徴や注意点を理解したうえで、ご自身やご家族が納得できる供養の形をお選びください。
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