終活年賀状のメリット、失礼のない書き方は?文例も紹介します

終活年賀状のメリット、失礼のない書き方は?文例も紹介します

終活において「年賀状じまい」を行うことが増えてきています。年末は時間があまり取れない、文字を書くのがつらいなどの理由から、そろそろ年賀状の送付を終わりにしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、今回は「終活年賀状」についてご紹介します。終活年賀状はいつ、どのような理由で送るのか、また終活年賀状のメリット・デメリット、相手に失礼のない終活年賀状の文例もご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

1.終活年賀状とは?

終活年賀状とは、終活の一環として行う「年賀状じまい」のことです。年賀状じまいとは、「今回をもって年賀状を送るのは最後とします」という内容が書かれた年賀状のことを指しますが、終活にともなって年賀状にも区切りをつける人が増えています。

最近では20代、30代の中でも終活を意識したり活動したりする人が増加してきているようですが、そもそも終活は「人生の終わりを意識しつつ、それに向けた活動をすること」です。そのため、「高齢者の方が行うもの」と認識されることが多い傾向です。

株式会社よりそうの調査(※1)によると、20代で「終活に取り組んでいる人」は2.5%、30代では6.3%という数字が出ており、「終活」が高齢者だけに限られたものではないことがわかります。また、60歳以上になると、「終活に取り組んでいる人」は16.3%、「取り組もうと思っている人」が55.4%となり、多くの人にとって終活が身近な活動であることがわかります。

終活意識調査

※1
出典:第1回 終活意識調査/終活の取り組み状況グラフより
調査主体:株式会社よりそう
調査期間:2021年10月1日~4日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20代以上の男女
有効回答数:1,200
https://www.yoriso.com/corp/news/211118/

その終活の中で年賀状をやめる決断をする理由には、生活環境の変化や年齢によるものが多く、「年賀状を作る手間を省きたい」「連絡手段をSNSやメール、電話などに変更したい」など生活スタイルを変えることを目的とするケースが多く見られます。

しかし、年賀状を突然やめてしまうと、相手に余計な不安や心配を抱かせしまうかもしれません。これまでやりとりを継続してきた相手への「配慮」のためにも、「年賀状を終える理由と相手への思い」を最後の年賀状、もしくは寒中見舞いのはがきで、きちんと伝えるとよいでしょう。

※終活の準備について検討されている方は、こちらの情報も合わせてご活用ください。

2.終活年賀状のメリットは?

終活年賀状のメリットは?

終活年賀状を送ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
詳しく解説します。

人間関係や連絡先の整理ができる

普段ほとんど交流することがなく、長い間年賀状を送り合うだけの間柄の人がいる場合、終活年賀状を送ることで、お互いが「今後の付き合い方についてどうするべきか」を考えるきっかけになります。

誰とどのような付き合い方をしていきたいのか、本当に大切にしたい人は誰なのかなどをじっくりと考えることで、今後の人間関係の見直しができることは、ひとつのメリットといえます。

それと合わせて、年月と共に溜まっていた住所録を見直すことで、連絡先も整理することができます。いざというときに、ご家族が見てもわかりやすい住所録が残せることも、メリットといえるでしょう。

年賀状作成の手間や費用の負担がなくなる

終活年賀状を送ることで、毎年年賀状の作成にかかっていた手間や費用の負担がなくなることも、魅力的なメリットです。

年賀状を送付するまでには、送り先の選別、住所確認、挨拶文やレイアウトの設定、印刷、投函などのさまざまな工程があり、手間と時間がかかります。そのため、年末の忙しい時期に時間を作って作業をすることは大きな負担になりやすいでしょう。

また、印刷業者に依頼した場合にも、住所録を整理したり内容や画像を選んだりする手間はもちろん、費用もかかります。

年賀状じまいは、このような手間や費用から解放してくれるため、終活の一環として行うケースはもちろんのこと、終活以外の目的で年賀状をやめたいと思っている方にとっても、有効な手段でしょう。

別の連絡方法での交流が始まる場合もある

この後で触れますが、終活年賀状を送る際は、別の連絡手段を伝えることがマナーです。そのため、年賀状だけの付き合いだった人と、LINEなどのSNSやメールを通じて新たに交流が始まる場合もあります。

よりスムーズな連絡方法に切り替えることによって、関係性が復活する可能性があるという点も、終活年賀状のメリットです。

3.終活年賀状のデメリットは?

人間関係の整理や手間暇からの解放、新たな交流のきっかけになるなど、終活年賀状には魅力的なメリットがある一方、デメリットもあります。

終活年賀状を出した後で後悔をすることのないよう、デメリットも詳しく解説します。

絶縁状だと勘違いされる可能性がある

終活年賀状を送る人が増加傾向にあるとはいえ、まだ広く認知されているわけではありません。そのため、「来年から年賀状を送ることをやめる」と宣言する文面が入った終活年賀状をもらった相手が、「絶縁状を送られた」と勘違いする可能性も十分考えられます。

終活年賀状は絶縁状ではないこと、今後も付き合いを続けていきたいということをきちんと相手に伝えるために、文面には注意しなくてはなりません。

具体的な方法については、のちほど解説します。

年賀状の再開がしづらくなる

終活年賀状を送った後に「やっぱりもう一度年賀状を出したい」と思っても、最後であることを宣言している以上、出しづらいという点がデメリットとして挙げられます。

終活年賀状を送る前に、心変わりをすることがないか、十分に検討することが大切です。

住所変更や訃報などの情報が得づらくなる

送られてきた年賀状を見て、相手の住所が変わったことや、結婚したこと、子どもが誕生したことなどの情報を得るケースは多々あります。また、喪中はがきをもらい、相手やそのご家族の訃報を知ることもあるでしょう。

終活年賀状を送ると、その後の年賀状のやり取りがなくなるため、このような情報を得る機会が減るというデメリットがあります。特に訃報を知らないままでいると、お悔やみを伝えることができないまま何年も過ごしてしまったり、再開した際に不用意な発言で相手を傷つけてしまったりするかもしれません。

相手にとっての人生の節目など、大切な情報を取りこぼさないためにも、終活年賀状を送った後は連絡の代替手段を交換し、定期的な交流ができるよう心がけましょう。

4.終活年賀状を送るタイミングは?

終活年賀状を送るタイミングは?

終活年賀状を出すタイミングは人それぞれであり、年齢や「こうでなければならない」という決まりはありません。

たとえば、生活スタイルを変えたくなったときや、身辺整理をしたくなったとき、人生の節目など、以下のようなさまざまなタイミングが考えられます。

●SNSやメール、電話など手軽な連絡手段に切り替えたいとき
●人付き合いについて、見直しをしたくなったとき
●定年退職をしたり子どもが自立したりして人生に一区切りがついたとき
●還暦や米寿などの祝い年、病気を患い年賀状作成に時間を割けられなくなったとき
●子供と別居・同居する、老人ホームに入居するなど、家庭や環境に変化が訪れたとき

なお、終活年賀状を送る際には、「なぜこのタイミングなのか」をきちんと伝え、相手に納得してもらえるよう努めることを忘れないようにしましょう。

5.終活年賀状を送る相手に失礼のない書き方は?

終活年賀状を送る際には、終活年賀状のデメリットのひとつである「相手が絶縁状だと勘違いする可能性」についてしっかりと考慮しなくてはなりません。

終活年賀状は人間関係をリセットするのではなく、年賀状という媒体を使うことを終わりにするだけで、関係性は変わらないことを伝えるものです。そのため、相手が不快にならないよう、丁寧な内容を心がけます。

終活年賀状の書き方についてのポイントを5つ、詳しく解説しましょう。

新年の挨拶と近況を丁寧に書く

新年の挨拶と近況を丁寧に書くことは、年賀状も終活年賀状も同じです。いきなり年賀状じまいについて切り出さないようにしましょう。

終活年賀状の理由を明確に書く

人生の区切り、ライフスタイルの変化など、年賀状を今年で辞める理由や経緯を明確に書きます。理由をごまかす必要はありませんが、相手が「縁を切りたがっているのかな?」と思わせるような文面にならないよう、言葉選びには気をつけましょう。

相手によっては受け取り方も異なるため、伝え方には工夫が必要です。そこで、終活年賀状を送る伝え方の具体例を年齢別にご紹介します。

20~30代の場合

インターネットが普及した現代においては、「年賀状ではなくメールやSNSなどで新年の挨拶を続けていきたい」という理由で終活年賀状を送る人が多くなっています。特に20~30代の場合は、この理由で年賀状をやめるケースがほとんどであり、そもそも付き合い開始当初から年末・年始の挨拶をLINEなどのSNSで行っている人も少なくありません。

ただし、このような理由で終活年賀状を送る場合、近しい年代の人からは理解が得やすい一方で、目上の相手からは失礼ととられる可能性も考えられます。辞退の理由を告げた後は、「今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」など、相手に敬意をはらう一文を添えるとよいでしょう。

40~50代の場合

40~50代も、終活年賀状を受け取った人によっては、「終活をするには早い」と思われるかもしれません。そのため、終活年賀状を送る理由の説明には注意が必要です。

「私事ですが」と前置きを入れるなど、失礼のないような切り出し方を選び、相手が納得しづらい理由を添えられない場合は「諸事情で」「家庭の事情で」など、やんわりとした言葉を使うことをおすすめします。

60代以上の場合

子どもの自立、定年、祝い年など、人生の一区切りが多い60代以上であれば、終活年賀状を送ることも受け入れられやすいため、理由をきちんと伝えることができれば問題ないでしょう。

全員に出している旨を伝える

「自分だけに送ってきたのかな」と相手が思うことのないよう、同じ内容の年賀状を全員に出している旨を伝えます。

方法としては、文面に「皆様」や「どなた様も」といった、送り先全体に呼びかけるような言葉を添えると伝わりやすくなります。

今後の交流もお願いする

「今後も交流を続けていきたい」という内容を書くことが、終活年賀状を書く上で最も重要なポイントです。この一文がない場合、絶縁状だと勘違いされる可能性が高くなります。

「個人的な理由で年賀状は今年で最後としますが、あなたとの縁が切れるわけではありません」という意思表示を明確にすることによって、そのあとの人間関係も良好に保てるでしょう。

メールやSNSなど連絡の代替手段を示す

今後の交流をお願いしたいという気持ちをさらに表すために、年賀状に代わる連絡手段
(LINEなどのSNSのアカウント、メールのアドレス、電話番号など)を最後に伝えます。

ポイントは、相手が連絡しやすい手段を記載することです。分からない場合は、連絡手段を複数書いて相手が選べるようにしておくとよいでしょう。

6. 終活年賀状の理由別の【文例】

最後に、これまで解説してきたポイントを活用した終活年賀状の文例をご紹介します。

理由別にまとめていますので、「終活年賀状を書きたいけれどどう書けばよいのか分からない」という方は、ぜひ参考になさってください。

※文例は横書きとしていますが、年賀状を含めた挨拶状は縦書きが正式です。

他の連絡手段への変更が理由

<例文1>
あけましておめでとうございます。

昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。

さて、誠に勝手ながら、本年を最後に皆様への年賀状を控えさせていただくことに致しました。

今後はSNSで、より密に関係を築ければと思っております。

SNSの名前/アカウント:〇〇〇

お手数ですがこちらのご登録をお願いします。

引き続き今年もよろしくお願いいたします。

<例文2>
あけましておめでとうございます。

昨年は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、SNSを活用しての交流が盛んな昨今、私も時代の波に乗ることにいたしました。

こちらをもってこれまで皆様にお送りしていた年賀状は控え、これからはSNSを通じて近況などのご報告をさせていただければと思います。

SNSの名前/アカウント名:〇〇〇

誠に勝手ではございますが、今後はこちらで皆様とより親密な交流ができれば幸いです。

引き続き今年もよろしくお願いいたします。

会社の方針が理由(ビジネス用)

あけましておめでとうございます。

昨年中は格別のご厚情を賜り、深く感謝申し上げます。

さて、誠に勝手ではございますが、社の方針により、今後はメールにてご挨拶ならびに近況報告をさせて頂くはこびとなりましたので、ご報告いたします。

メールアドレス:〇〇〇〇@〇〇〇.〇〇

弊社の勝手な都合により恐縮ではございますが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

年齢、体調不良が理由

あけましておめでとうございます。

その後、皆様お変わりないでしょうか。

私はというと、寄る年波により細かな文字を書くことが難しくなってまいりました。

そのため、誠に勝手ながら本年をもちまして皆様にお送りしていた年賀状を控えさせていただきます。

今後は電話にてご連絡させていただけますと幸いです。

電話番号:〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

末筆ながら、皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。

定年退職が理由

あけましておめでとうございます。

昨年は大変お世話になりました。謹んでお礼申し上げます。

さて、私事ではありますが、今年で長年勤めていた会社を定年退職することとなりました。

つきましてはこれを機に、皆様との年賀状を通じてのお付き合いは終了とさせていただきます。

今後は以下の手段にて、皆様とこれまで以上に密なお付き合いができればと思います。

電話番号:〇〇〇〇

SNSの名前/アカウント名:〇〇〇〇

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

還暦など人生の節目が理由

あけましておめでとうございます。

昨年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

さて、私も古希を迎え、いよいよ終活を意識する年齢となりました。

よって、年賀状による新年のごあいさつは本年をもって最後とさせていただくことをご報告いたします。

ご無礼をどうぞお許しください。

皆様とはこれからもお付き合いしていきたいと思っておりますので、何かございましたらお電話いただければ幸いでございます(電話番号:〇〇〇〇)。

それでは、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

7.終活年賀状(年賀状じまい)は失礼のないよう気配りが大切!

終活年賀状は送る年齢に制限はなく、20代でも差し支えありません。送りたいと思ったタイミングで送ることができますが、内容には注意が必要です。

終活年賀状は絶縁状ではないため、引き続きお付き合いができるよう、相手に配慮した内容にすることを心がけましょう。

花葬儀では、終活に向けて動きだす方を真心こめて全力でサポートいたします。何から始めたらよいかのお悩みを解決するための方法もご紹介しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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