信頼できる葬儀社の選び方|押さえるべき5つのチェックポイントと3つの手順
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
信頼できる葬儀社を選びたいと思っていても、深い悲しみの中、限られた時間では、すぐには探せないものです。大切な人との別れは、覚悟していたとしても、突然のことのように感じられますので、信頼できる葬儀社を事前に探しておきたいものです。
本記事では、葬儀社選びで失敗しないためのチェックポイントと、信頼できる葬儀社を見極める具体的な手順をご紹介します。葬儀は一度きりだからこそ、葬儀後に「別の葬儀社にすればよかった」と後悔しないために、ぜひ、最後までお読みください。
1.葬儀社選びで陥りやすい後悔の実例3つ
信頼できる葬儀社を選べなかったことで、後悔をしたというケースは珍しくありません。実際に葬儀を経験された方の声をもとに、よくある失敗として3つの実例をご紹介します。
見積もりが不透明で、予想外の費用がかかってしまった
急逝したご家族のため、葬儀を急ぎで手配した女性は、葬儀社から「このプランで十分です」と説明され、提示された見積もりや金額に安心をして契約をしました。ところが、後日届いた請求書には、控室の利用料や会葬礼状の印刷費、祭壇の花の変更分など、最初の見積書には書かれていなかった費用がいくつも加算されていたのです。
質問をしても明確な回答が得られず、不本意なまま支払い、不意に増えた費用負担だけでなく、葬儀社への不信感が心に残る結果となってしまいました。
画一的なサービス対応にがっかりした
ある男性は、長年連れ添った妻のため、生前の趣味や人柄をできるだけ反映したいと考え、好きだった色や音楽の希望を葬儀社に伝えました。しかし当日行われたのは、進行・演出・装飾すべてがテンプレートのような葬儀で、故人様との最後の時間が、機械的に消化されていくように感じられたそうです。
「葬儀社には、こちらの想いを聞く姿勢がなかった」と振り返り、もっと信頼できる葬儀社を探すべきだったと後悔していると語っていました。
配慮に欠ける対応をされ、精神的に疲弊した
突然の訃報を受け、ある女性は考えがまとまらないまま葬儀社との打ち合わせに臨みました。しかし担当者は終始マニュアル通りの対応で、質問をしても「一般的には皆さんこのプランです」と話を遮られ、疑問点を十分に確認できなかったといいます。
さらに、通夜が始まる直前、依頼していた通夜振る舞いの料理が届かず、確認したところ、手配漏れであったことが判明しました。葬儀社は慌てて料理を手配しましたが、参列者が集まる中、ご家族は「本当に間に合うのか」と、心休まらない時間を過ごすことになりました。
「ただでさえ辛い状況で、どうしてここまで疲れなければならなかったのか」と、葬儀後もしばらく気持ちの整理がつかなかったそうです。
2.なぜ、葬儀社選びで失敗することがあるのか?
では、どうして葬儀社選びで失敗してしまうのでしょうか。主な要因を解説します。
予期せぬ悲しみで適切な選択が困難になる
大切な人を亡くした直後は、心の準備がつかないまま、急な対応を迫られます。焦りと混乱の中で葬儀社を選ぶことになり、冷静な判断ができない状況で葬儀社を決めてしまう方も少なくありません。
時間的・精神的な余裕がないままでは、本当に信頼できる葬儀社かどうかを丁寧に見極めることができず、「希望と違う葬儀になってしまった」「よくわからない費用がかさんだ」などと後悔するケースが多く見られます。
知識不足や思い込みで判断を誤ってしまう
葬儀の費用の目安や準備の流れなどを知らずに、「家族葬を選ぶと安いはず」「どこも同じような対応だろう」といった思い込みや、断片的なネット情報によって葬儀社を選ぼうとすると、判断を誤りやすくなります。
また、専門用語や業界特有の慣習はわかりにくいことも多く、葬儀社からの説明を鵜呑みにして契約してしまい、あとから悔やむケースも少なくありません。
葬儀社の運営形態の違いを理解していない
実は、葬儀社には大きく分けて「仲介型」と「直接施行型」という2つの運営形態があります。仲介型と直接施行型とでは、仕組みや対応に違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解しないまま選ぶことも、葬儀社選びで失敗する要因のひとつです。
仲介型
葬儀社のポータルサイトなどが窓口となり、登録されている葬儀社を紹介する形式です。様々な葬儀社と提携しているため、どこに相談して良いか見当もつかない時には便利でしょう。
一方で、紹介元と実際に施行する葬儀社が別会社となるため、希望が正確に伝わらない場合があります。また、仲介手数料が料金に含まれてしまうことから、提供されるサービスに対して割高になる場合もあります。
直接施行型
相談から葬儀施行まで、すべてを1社で担当する形式です。同じ会社が一貫して対応するため、ご家族の要望が式に反映されやすく、費用面でも中間料が発生しません。ただし、地域によって対応できるエリアが限られる場合があります。
このように、葬儀社の運営形態は、費用やサービスの質に大きく影響します。ご自身の状況や希望に合った信頼できる葬儀社を選ぶためにも、事前にこれらの違いを把握しておくことが重要です。
葬儀社のペースに流されてしまう
ご遺族が冷静に判断できない状況において、「すぐに決めたほうが安心です」といった言葉で契約を急がせる葬儀社も中には存在します。悪徳業者とまではいかなくとも、十分な説明をしないまま高額なオプションを勧めるケースもあります。
必要以上のサービスを提案したり、費用の全体像を曖昧にしたりする葬儀社には十分注意しましょう。
3.信頼できる葬儀社選びに欠かせないチェックポイント5つ
信頼できる葬儀社を選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。こちらでは、葬儀社選びに欠かせない5つのポイントを解説します。
実績の豊富さ・利用者からの評判
過去の実績や利用者からの評判も、大切なポイントになります。実際に依頼したご遺族の声や、公式サイトに掲載された葬儀事例、アンケート結果、第三者による口コミなどを確認することで、その葬儀社の信頼度を客観的に把握できます。
明瞭で納得できる見積もり
葬儀費用は項目が多く、不明瞭になりがちです。信頼できる葬儀社であれば、何にいくらかかるのかを説明し、見積もりに含まれる内容や追加費用の可能性についても丁寧に伝えてくれるはずです。見積もりに対して「この金額の根拠は?」「別途かかる費用はある?」といった疑問にきちんと答えてくれるかどうかは大きな判断材料になります。
ご遺族に寄り添う丁寧な対応
ご遺族に寄り添う丁寧な対応ができるかどうかも、葬儀社を見極めるうえで重要な要素です。悲しみの中にあるご遺族に対して、言葉遣いや態度が一方的・事務的だと、お互いの信頼関係を築くことはできません。担当者の姿勢や受け答えの丁寧さは、その葬儀社の誠実さを映し出すものです。
ニーズに応じた柔軟なサービス
葬儀のかたちは、ご家族の意向や故人様の遺志によって大きく異なるため、希望に柔軟に応じられるかどうかは、葬儀社選びの重要な判断基準となります。また、宗教・宗派のしきたりや地域ごとの風習を尊重した対応が可能かどうかも、しっかり確認しましょう。
葬儀後のサポート体制
葬儀後には、役所への届け出や名義変更など、慣れない事務手続きが数多く発生します。これらに対し、葬儀後も相談に応じたり必要な情報を提供してくれたりする葬儀社であれば、ご遺族の負担は大きく軽減されます。
4.信頼できる葬儀社は「事前相談」で見極める
最近では、あらかじめ葬儀について相談できる「事前相談」の窓口を設けている葬儀社が増えています。亡くなってから慌てて探すのではなく、前もって情報を得ておくことが、信頼できる葬儀社を選ぶことにつながるからです。また、ご自身の将来の備えや、終活の一環として、葬儀の事前相談を利用される方もいらっしゃいます。
ここでは、葬儀の事前相談を行うことの主なメリットをご紹介します。
葬儀全体の流れ・費用の目安が把握できる
事前相談では、葬儀の進行や必要な手続き、費用の概算などを具体的に把握できます。大切なご家族のための備えとしても、ご自身の終活としても、事前に内容を理解しておけば、いざという時の不安を大きく軽減できるでしょう。
葬儀社やスタッフの雰囲気を確認できる
実際に担当者と話すことで、葬儀社の雰囲気やスタッフの姿勢を確認できます。丁寧に話を聞いてくれるか、希望や不安に真摯に向き合ってくれるかは、その会社が信頼できる葬儀社かを見極めるポイントです。「この人たちなら任せられる」と思える関係が築けるかどうかを、事前にしっかりと確認しましょう。
不安や疑問を解消し、心の準備ができる
葬儀に対する不安や疑問は人それぞれで異なり、「何がわからないのかが、わからない」と感じる方も少なくありません。事前相談では、そうした漠然とした不安にも丁寧に寄り添ってもらえるため、気持ちを整理する助けになります。
5.信頼できる葬儀社を選ぶ手順
葬儀社を選ぶには、段階的な比較・検討がきわめて重要です。その基本手順を解説します。
候補を2~3社に絞り、情報収集や相談を行う
候補となる葬儀社は、できれば2〜3社に絞って情報収集や相談を行いましょう。急ぎの場合でも数社に直接問い合わせるだけで、対応や説明の仕方を実際に見聞きでき、信頼できるかどうかの判断材料になります。
時間に余裕があれば、事前相談を通じて対応の丁寧さやサービス内容を確かめると、より納得のいく選択につながります。
同じ条件で見積もりを取り、チェックポイントを確認
複数の葬儀社に見積もりを依頼するときは、条件をそろえて比較しましょう。参列人数や葬儀の形式などについて、同一条件で見積もりを取ることで、公平な比較が可能になります。
提示された見積書においては、基本費用の内訳や追加料金の有無のほか、説明の丁寧さなども確認しましょう。単に金額の多寡だけでなく、対応の誠実さやわかりやすさも、信頼性の判断に直結します。
ご家族で話し合って納得のいく葬儀社を決める
葬儀社を最終的に決定する際は、ご家族でしっかりと話し合うことが大切です。誰か一人が独断で選ぶと、後で「聞いていなかった」「思っていた内容と違う」といった不満や誤解が生まれる場合もあります。
希望する葬儀の形式や重視したい点、予算などをご家族で共有し、候補となる葬儀社の対応や見積もり内容について意見を出し合いましょう。可能な限り、それぞれの思いを尊重しながら選ぶことで、ご家族全員が納得できる葬儀となります。
6.信頼できる葬儀社に関するQ&A
A.時間に余裕がない場合でも、最低限以下の3点を押さえることが重要です。
・スタッフの相談や質問への対応が、丁寧で誠実か
・見積もりが明瞭で、追加料金の有無が説明されているか
・判断を急がせたり、不必要なオプションを強く勧めたりしないか
これら3点を押さえるだけでも、信頼できる葬儀社かどうかを見極める重要な判断材料になります。
A.いいえ、病院から紹介された葬儀社に依頼しなくてもかまいません。
しっかりと検討してから信頼できる葬儀社に依頼したい場合は、「搬送のみをお願いします。葬儀の依頼は改めて検討します」と伝えることも可能です。葬儀社は自由に選ぶことができるため、ご家族の希望や予算に合った葬儀社を選ぶためにも、落ち着いて判断しましょう。
A.いいえ、事前に葬儀社を探しておくことは、むしろ非常に有意義です。
葬儀は、急に準備が必要になることが多く、深い悲しみの中で冷静な判断を下すのは難しいものです。生前に信頼できる葬儀社を探しておけば、費用やプランの比較ができ、希望に合った葬儀を実現しやすくなります。ご本人の意向を反映できるという点でも、事前に葬儀社を探しておくことは、大きな意味を持ちます。
7.大切な方との後悔のないお別れのために、信頼できる葬儀社を選びましょう
信頼できる葬儀社を選ぶことは、大切な方との最期の時間を心残りなく過ごすための第一歩です。本記事でご紹介したように、見積もりが不透明だったり、画一的なサービス対応で故人様らしいお見送りができなかったりといった後悔は、決して珍しくありません。
葬儀の内容や費用に納得できるか、対応は誠実かなどをしっかり確認することが、満足できるお別れにつながります。
ご自身の希望をしっかり伝えておきたい、あるいは大切な方の葬儀で後悔したくないとお考えでしたら、花葬儀の事前相談をご活用ください。どんな小さな不安や疑問にも丁寧に対応し、無理に契約を勧めることはありません。
ご相談者の想いに寄り添いながら、「その方らしいお見送りだったね」と心に残るオーダーメイドの葬儀や花祭壇をご提案いたします。