余命宣告された家族のためにできること|支え方・心構え・費用までわかりやすく解説
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- 【 生き方のヒント 】

ご家族が余命宣告を受けたとき、多くの方は何をどうしたらよいのか分からなくなるものです。突然の宣告に戸惑い、苦しむ気持ちは当然とも言えます。
この記事では、余命宣告を受けたご家族の支え方や、自分自身の心との向き合い方について具体的に解説します。さらに、終末期を穏やかに過ごすためのヒントや、外部の協力を得る方法もご紹介します。この記事が、大切な時間を少しでも安らかなものにする道しるべとなれば幸いです。
1.余命宣告を受けた方のご家族へ──まず知ってほしい心構え

大切な人が余命宣告を受けたら、ご本人はもちろん、支える家族も想像を超える衝撃を受けます。日常は一変し、これから何をどうすべきか分からないまま時間だけが過ぎてしまうこともあるでしょう。しかし、そんなときこそ、まずご自身の気持ちに目を向けることが大切です。
大きな病を抱えた方のご家族は「第二の患者」とも言われます。病気になったご本人を最優先に考え、自分のことを後回しにした結果、心身共に大きな負担を抱えてしまうケースも珍しくありません。
もし疲れたと感じたら、一人で休む時間をつくることも大切です。好きな音楽を聴いたり、短い時間でも散歩に出たりすることで、気持ちが少し楽になることもあります。ご自身の心がすり減ってしまわないよう、意識してケアをしてあげてください。
また、すべてをご家族だけで背負う必要はありません。医師や看護師、ケアマネジャーなどの専門家、あるいはご親戚や信頼できる友人に気持ちを話してみましょう。誰かに相談することで、少しだけ心が軽くなるかもしれません。
つらいと感じるのは当然のことです。まずはその気持ちを受け止めましょう。
2.ご家族が余命宣告されたとき、まずすべき7つのこと
ご家族が突然余命宣告を受けてからすること、考えることはたくさんあります。しかし大きなショックを受けている中、全てに取り掛かるのは難しいものです。
こちらでは、「余命宣告を受けた方のご家族がまずやるべきこと」を、7つに整理してご紹介します。
1.ご本人の意思を尊重し、今後のことを話し合う
ご本人が、ご自身の病状について「詳しく知りたい」のか、それとも「今は知りたくない」のか。まずは、そのお気持ちを何よりも大切にしてあげましょう。
ご家族だけで「伝える・伝えない」を一方的に決定するのではなく、ご本人の意思を基本として医師や看護師も交え、これからどうしていくかを話し合うことが大切です。タイミングや伝え方については、医師や看護師に相談することもできます。
2.医師との対話やセカンドオピニオンを検討する
余命宣告を受けた直後は、頭の中が混乱し、医師の説明がうまく入ってこないこともあります。まずは主治医と改めて話し合い、現状と今後の見通しについて整理しましょう。後で見返せるようメモをとり、理解できないことは遠慮せずに聞いてください。
また、必要に応じてセカンドオピニオンを求めることも大切です。他の医療機関の意見を聞くことで、治療の選択肢やケアの方法が見つかることもあります。ご本人の体調や希望に合わせて、柔軟に情報を集めましょう。
3.本人の希望ややりたいことを整理する
ご本人が余命宣告を受けたこと知っている場合、残りの時間をどのように過ごしたいか、希望を聞いてみることも大切です。旅行に行きたい、会いたい人がいる、好きな食べ物を食べたいなど、小さなことでもご本人の「やりたいこと」を整理してみましょう。
ただし、ご本人が話したがらない場合は無理に聞く必要はありません。話したくなる時までそばで静かに寄り添うことも、大きな支えとなります。
4.家族自身の相談先・支えを確保する
ご家族自身も、不安や悩みをひとりで抱える必要はありません。多くの病院では医療ソーシャルワーカーを始めとした相談員が在籍しているため、費用や生活のことなどを相談することができます。
また、地域の介護支援専門員(ケアマネジャー)も心強い味方です。頼れる支援者を早めに見つけ、自分たちの心を守る工夫をしておきましょう。支援先について詳しくは、後述する「外部の専門家や支援を頼る」をご覧ください。
5.お金の状況を整理し見通しを立てる
終末期(回復の見込みがなく、死が近づいている状態)には、想像以上にお金が必要になる場面があります。なにに、いくらかかるかの目安は「余命宣告から終末期までにかかるお金」で後述しますので、いざというときに安心して選択肢を広げられるよう、今からお金の備えをしておきましょう。
6.終活について話せることから確認する
ご本人が希望する場合は、将来に備える準備を一緒にしてみましょう。具体的には以下の通りです。
| 備え | 具体例 |
|---|---|
| 身の回りの整理 | ・家の中を片付ける ・思い出の品を保管する ・不用品を処分する など |
| デジタル資産の整理 | ・ネット銀行 ・ネット証券 ・SNSのアカウント など |
| 契約の見直し | ・サブスクリプション ・保険 ・スマートフォン など |
| いざという時に使える制度を知る | ・介護保険 ・任意後見制度 ・家族信託 ・死後事務委任契約 など |
| エンディングノート(※)をつくる | さまざまなことに関する希望や情報をまとめ、整理する |
| 介護、終末医療の希望について考える | ・どこまでの治療を望むか ・最期はどこで過ごしたいか ・延命治療は望むか など |
| 資産の確認・整理 | ・複数の口座をまとめる ・借金を清算する ・不要な資産を売却する など |
| 遺言について考える | ・誰に、何を、どのくらい残すのか決める ・遺言書を作成する など |
| 葬儀に向けて準備する | ・葬儀社の決定 ・葬儀の内容決定 など |
| 埋葬、供養の方法について考える | ・どのような方法で埋葬してほしいか ・どこに埋葬してほしいか ・生前契約を結ぶ など |
(※)死後に向けた希望や伝えたい情報をまとめるツール
これらは、「終活」と呼ばれる活動の一部です。余命宣告を受けている・いないに関わらず、多くの方が取り組まれています。詳しくは「終活でやること12選」をご覧ください。
しかし、余命宣告を受けているご家族と、終活や葬儀の話をするのは勇気がいるものです。無理にではなく、ご本人の気持ちや体調に合わせて、「昔の写真を一緒に見る」など、少しずつ進めてみましょう。
7.周囲と協力し、思い出の時間を作る
ご本人と家族だけで抱え込まず、時にはご親戚や親しい友人にも協力してもらう気持ちを持ちましょう。人とのつながりは、辛い心境にいる人の心を穏やかにする力になります。
また、一緒に写真を撮ったり、短い外出をしたり、できる範囲で思い出づくりの時間を持つことも大切です。無理なく、今できることを楽しむ時間が、ご本人にとっても家族にとっても大切な宝物になるはずです。
3.余命宣告から終末期までにかかるお金
余命宣告を受けたご家族を支えるには、心だけでなくお金の準備も必要です。いざというときに慌てないためにも、どのようなお金が、どれくらい必要になるのか把握しておくことが大切です。
ここでは、余命宣告から終末期までにかかる費用目安をご説明します。
過ごす場所とかかる費用の目安
ご本人の体調や希望によって、余命宣告後をどこで過ごすのか、そしてどのようなことにお金がかかるのかは異なります。
自宅・介護施設・病院の3つの選択肢ごとに内容を見ていきましょう。
自宅で過ごす場合
自宅で過ごす場合に必要となる、主なサービスは以下の通りです。
・医師による定期的な訪問診療
・看護師による訪問看護・緩和ケア支援
・介護ヘルパーによる日常生活支援
・福祉用具(車いす、ベッド、手すりなど)のレンタル・購入
利用するサービスや頻度、また利用する方の身体の状態によっても異なりますが、月平均3万円~10万円近くがかかるようです。自宅でケアを受けながら過ごすことのメリットや注意点は「終末期の在宅ケア」をご覧ください。
介護施設で過ごす場合
介護施設は大きく分けて「民間施設」と「公的施設」があります。介護施設にかかる費用は、施設によって異なりますが、月額約8万円から、高額になると100万円以上かかることもあります。
目的や受けられるサービスの範囲などによって十数種類もの介護施設があるため、「どこで、どのような時間を過ごしたいか」をしっかり検討することが大切です。
病院で過ごす場合
余命宣告後、入院して必要な医療ケアを受ける場合、かかる費用は「どのような医療措置を受けるか」と「患者の年齢や収入」によって大きく異なります。例えば75歳以上で100万円を超える医療費がかかった場合、自己負担額は1~3割程度です。全額負担とならない理由は、次項でご紹介します。
保険活用や事前整理でお金の不安を軽減
経済的な不安を減らす方法には「制度や保険の活用」があります。
こちらで詳しく見ていきましょう。
介護保険制度
介護が必要になった人を支える制度です。40歳以上になると介護保険への加入が義務付けられ、その後介護が必要になった際に、自己負担額が1~3割ほどになります。
介護保険の対象になるもの、また、受けられるサービスは主に以下の通りです。
【介護保険の対象になるもの】
・訪問介護、訪問看護
・訪問リハビリステーション
・福祉用具貸与 など
【受けられるサービス】
・居宅介護支援
・居宅サービス など
詳しくは「介護保険制度をわかりやすく解説」をご覧ください。
高額医療費制度
高額医療費制度とは、医療費が高額になった際に一部を払い戻してくれる制度です。払い戻し額は、利用者の所得や年齢に応じて変わります。例えば70歳未満で年収が370万円以下の方の場合、自己負担額の限度は5万7600円です。
なお、医療と介護の両方を必要とする場合は、1年間にかかった医療と介護費用の基準額を超えた分を払い戻してくれる「高額医療・高額介護合算療養費」の利用がおすすめです。利用には条件がありますので、お住まいの自治体にご確認ください。
民間の医療・生命保険なども確認を
公的制度だけでは、金銭的な不安が残る場合もあるかもしれません。その際は、ご本人やご家族がすでに加入している民間の生命保険の内容を一度確認してみましょう。
たとえば、生命保険の中には「リビング・ニーズ特約」が付加されているものがあります。これは、医師により一定の余命期間と判断された場合に、死亡保険金の一部または全部を前倒しで受け取れるというものです。
余命宣告を受けてから新たに加入することはできませんが、もし現在加入中の保険に付加されていれば、経済的不安を解消するために活用することができます。まずは保険証券を確認したり、保険会社に問い合わせたりしてみましょう。
4.外部の専門家や支援を頼る──家族だけで抱え込まないために
余命宣告を受けた方のご家族は、ご本人を支えるために懸命になりがちです。しかし、すべてを家族だけで抱え続けるのは、心身ともに大きな負担となります。つらいと感じたときは、どうか無理をせず、外部の支援に頼ってください。
医療機関や地域には、家族を支えるための専門家やサービスがたくさんあります。ここでは、利用できる支援の具体例をご紹介します。
病院・介護施設で利用できる相談窓口
多くの病院には、医療ソーシャルワーカーが在籍しており、患者ご本人だけでなくご家族の相談にも対応しています。介護サービスの手続きや生活面の不安、費用の悩みなど、幅広い相談が可能です。
また、地域の包括支援センターや介護事業所では、ケアマネジャーが家族の相談に応じています。サービスの利用方法や制度の活用法について、専門的なアドバイスが受けられるため、早めに相談窓口を探しておくと安心です。
がん情報サービスなど家族向け支援
国立がん研究センターが提供する「がん情報サービス」などでは、ご家族向けのサポート情報がまとめられています。病気や治療に関する基本情報だけでなく、家族が抱える不安や悩みに寄り添う相談窓口も紹介されています。身近な相談先が見つからない場合は、こうした公的な支援サイトを活用して、頼れる場所を探してみましょう。
がん情報サービス 公式HP|国立研究開発法人国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/index.html
親戚や友人にも頼ることも大切
専門機関だけでなく、身近な親戚や友人に相談することも大切です。ご本人の状況や介護のことなど、話すだけで気持ちが軽くなることもあります。
「誰かに迷惑をかけたくない」と思う方も多いかもしれませんが、あなたの力になりたいと願っている人は必ずいます。困ったときは、「話を聞いてほしい」と、素直に声をかけてみましょう。頼ることは、弱さではありません。ご家族全員が穏やかに過ごすための、ひとつの手段です。
5.ご家族で残された時間を穏やかに過ごすためにできること
余命宣告を受けた後の時間は、ご本人にとってもご家族にとっても、かけがえのないものです。日々の生活やコミュニケーションをどのように過ごすかで、残された時間の意味は大きく変わってきます。無理をせず、できる範囲で心穏やかに過ごせる工夫を考えていきましょう。
こちらでは、医療面と心の面において、具体的な過ごし方をご紹介します。
医療・緩和ケアの支援を早めに受ける
ご本人の身体的な苦痛を和らげることは、穏やかに過ごすための第一歩です。早い段階で緩和ケアを受けることで、痛みや息苦しさを軽減することができます。
緩和ケアは、治療が終わってから始めるものと思われがちですが、治療中から利用できる場合もあります。主治医や看護師に相談し、適切なタイミングでケアを取り入れましょう。身体の苦痛が和らぐことで、ご本人も家族との時間をより穏やかに過ごせるようになります。
ご本人のペースに合わせて過ごす
余命宣告を受けた方の体調は日によって大きく変わることもあります。予定を詰め込まず、その日の様子に合わせて過ごすことが大切です。
「今日はゆっくりしたい」と言われたら、そっと寄り添うだけでも十分です。逆に「どこかに行きたい」と元気な日があれば、短い外出をして気分転換を図るのもよいでしょう。ご本人のペースを尊重しながら、一緒にいる時間を積み重ねていくことが、何よりの思い出になります。
ご家族自身の気持ちも大切にする
ご本人にばかり気を遣いすぎて、自分の気持ちを押し込めてしまうご家族も多いものです。しかし、自分自身の心の声を大切にすることも忘れないでください。
「自分もつらい」「心配だ」と正直な気持ちを、ご本人に配慮しながら、少しずつ共有できる場合もあります。無理に伝える必要はありませんが、お互いの本音を少しずつ伝え合うことが、結果的に確かな絆や心の支えになるかもしれません。
ときには一緒に泣き、一緒に黙って過ごすだけでも、気持ちはつながっています。大切なのは、ご本人と家族、どちらの心も置き去りにしないことです。
6.余命宣告を受けたご家族の声──体験談と心に寄り添う書籍
「余命宣告」という現実は、言葉では表せないほどの衝撃を家族に与えますが、その苦しさは決してあなただけのものではありません。実際に同じ経験をされたご家族の声や、心に寄り添ってくれる本の存在が、あなたの背中をそっと押してくれるでしょう。
ここでは、余命宣告を受けたご家族の体験談と、気持ちを支える書籍をご紹介します。少しでも心の助けになれば幸いです。
花葬儀インタビュー
限られた時間をどう過ごし、どのように最期を見送るかは、ご家族の未来にとって、とても大切な意味を持ちます。
ここでは、弊社「花葬儀」をご利用された皆様の心温まるインタビューをご紹介します。
余命宣告後の日々を、笑顔と愛情で紡いだ夫婦
余命宣告を受けた日、涙の後に「泣いていてもしょうがない、歌おう!」と手を取り合ったご夫婦。毎朝のハグを習慣にし、辛い闘病生活さえもユーモアに変え、最期まで笑いの絶えない日々を過ごされました。
「病気だからと沈まずに、夫の前では明るく元気でいよう」。奥様のその想いが、辛い闘病生活を、かけがえのない時間に変えていきました。
<花葬儀 お客様インタビュー>
癌を治すのは「ハグ」しかない!笑うことは愛である!
https://www.hana-sougi.com/interview/09/
10歳で旅立った女の子とご家族の軌跡
小児がんのため、10歳で旅立たれた“あーちゃん”のお母さまにお話をお伺いしました。病気が発覚してから1年3カ月、短い時間の中であーちゃんとご家族がどのように過ごされたのか、また、どのようなお見送りをされたのかがお読みいただけます。
<花葬儀 お客様インタビュー>
【小児がん】10歳で天国にいった女の子の闘病と母の愛
https://www.hana-sougi.com/interview/07/
心を支えるおすすめ書籍3選
不安や悲しみに寄り添ってくれる本をご紹介します。言葉にできない気持ちに、そっと答えてくれるはずです。
がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方 関本剛/宝島社
40代で末期がんを宣告された「緩和ケア医」であった著者が、闘病生活の中で感じたことや考えたことをつづった実話です。
「残りの人生をどう過ごすか」
「死とどう向き合うか」
多くの方を看取ってきた著者だからこそ見える答えは、闘病中の方だけでなくそれを支えるご家族にも、やさしくそっと響くでしょう。
家族で看取る おくりびとの心得10 余命を告げられた日から家族ができること 髙丸 慶/学研プラス
「大切な人の死をどう受け入れて生きるかは、どう看取るかにかかっています。」そう語る著者は、余命3カ月の末期がん患者の看取りに特化した訪問看護サービスを運営しています。余命を告げられたご家族に対し、どのような看取りができるのか、10の心得と共に紹介しています。後悔しない看取りを目指すご家族にとって、指針となる1冊です。
妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした 小林孝延/風鳴舎
妻の末期がん闘病中、つらさから会話が少なくなり家族仲は最悪の状態に。そんなとき、著者は保護犬の「福」を飼うことを決めます。
新たな家族「福」との生活を通して、少しずつ絆を取り戻していくご家族の様子が、飾らず、しかし心にすっと届く文章でつづられています。「余命宣告にまつわる本は読んでいて苦しくなる」という方もきっと手にとれる、あたたかなノンフィクション本です。
7.余命宣告を受けた家族に関するFAQ
A.無理に声をかける必要はなく、ただそばに寄り添うだけでも励ましになることがあります。
大切な人を励ましたいという気持ちは、とてもやさしく温かいものです。しかし「励まさなければ」と頑張りすぎる必要はありません。ご本人が励ましを望んでいないこともあるからです。
無理に前向きな言葉をかけたり、外に連れ出したりしなくても、そばにいるだけで十分な支えになる場合があります。もし、ご本人が「話したい」「聞いてほしい」と感じたときには、焦らず静かに耳を傾けてあげましょう。
「頑張って」「きっと大丈夫」などの前向きな言葉は、時にご本人の負担になることもあります。それよりも「つらいよね」「しんどいね」と気持ちに寄り添う言葉をかけることが、心を救う力になることもあるのです。
A.無理に戻る必要はありませんが、「離れていて後悔しそう」と感じるなら戻る選択肢も考えてよいでしょう。
お父様とお母様を思うお気持ちはとても尊いものです。ただ、今の生活を犠牲にしてまで戻る選択肢しかないわけではありません。たとえば、電話やビデオ通話で声を届けたり、書類手続きや資金管理を手伝ったり、現地の家族を精神的に支える役割も大切なサポートです。
一方で、「離れたままでいることが後悔につながりそう」とあなた自身が感じる場合は、一時的に帰省する・休職して実家で過ごすなど、戻る選択肢を考えることも間違いではありません。
大切なのは「自分の気持ちに納得できる選択かどうか」です。あなたの存在は、離れていても、そばにいても、お父様とお母様の大きな支えになっているはずです。
A.葬儀準備はご本人なりの前向きな行動かもしれないので、悲しい気持ちを抱えつつ、無理に止めず見守ることも大切です。
ご本人にとって葬儀の準備は、「残される家族の負担を減らしたい」「自分らしい最後を自分で決めたい」という前向きな行動かもしれません。しかし、大切な人が自ら葬儀の準備を始める姿を見て、「生きることを諦めてしまった」と感じてしまうのも自然なことです。悲しいと感じたあなたの気持ちも、ご本人の想いも、どちらも間違いではありません。
あなたのその悲しみは、ご家族を大切に想う証です。どうか、ご自分の気持ちも大切にしてください。
8.ご家族が余命宣告を受けたあなたへ、今伝えたいこと
大切な家族が余命宣告を受けたとき、心の中は不安と悲しみでいっぱいになるでしょう。支えたい気持ちと、どうすればよいか分からない気持ちの間で揺れることも、ごく自然なことです。しかしまずは、「あなた自身もつらいのだ」ということを認め、自分を責めないことから始めてください。
そして、ひとりで抱え込まないことも大切です。医療や介護の専門家、親しい友人や親戚など、頼れる人には遠慮なく助けを求めてください。あなたが元気でいることが、きっとご本人の安心にもつながるはずです。
弊社花葬儀では、余命宣告を受けたご本人やそのご家族をサポートしております。これからのこと、介護のこと、資金のこと、気持ちとの向き合い方…多くの方の別れを見守ってきた立場だからこそできることがあります。まずは今のお気持ちをお話しください。ご相談は24時間365日対応のお電話、または無料の事前相談にてお受けしております。











