喪中はがきの続柄~差出人の範囲早見表、続柄の書き方もご紹介~

喪中はがきの続柄~差出人の範囲早見表、続柄の書き方もご紹介~

「喪中はがきを出すべき人(差出人)は誰か」を考えるには、「故人様から見て、自分が何親等以内の続柄にあたるのか」を知ることがひとつのポイントです。

今回は、身内が亡くなり「自分は喪中はがきを出すべき範囲に入っているのか」とお悩みの方のために、喪中はがきの続柄について詳しく解説します。自分が喪中はがきを出す対象かどうかが一目で分かる早見表や、続柄ごとに見る喪中はがきの文例も合わせてご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

1.喪中はがきとは?

喪中はがきとは?

喪中はがき(年賀欠礼状)は、その年に身内を亡くした人が年賀状の代わりに送る挨拶状であり、以下の2つの役割があります。

1.喪中であることを知らせる
2.年賀状による新年の挨拶を控えることを詫びる

故人様を偲ぶ期間である「喪中」においてはお祝いごとを慎むため、新年を祝う言葉が使われる年賀状も控えなければなりません。11月~12月初旬の間に喪中はがきを出すことによって、年賀状を毎年やりとりしていた人や、親交のある人に対し「喪中につき年賀状は出せません」と伝えることができます。


喪中はがきについて「年賀状を受け取れないことを伝えるもの」「訃報連絡を兼ねてもよい」と理解している人がいますが、それは間違いです。

喪中はがきはあくまでも「こちらが年賀状を出せない」ことを伝えるものであり、相手からもらうことはマナー違反ではありません。また、訃報連絡を目的とする文書は死亡通知です。出す時期にもよりますが、訃報連絡は可能な限り、喪中はがきではなく死亡通知で知らせましょう。

※喪中はがきと死亡通知の違い、死亡通知の文例については、こちらの記事が参考になります。

2.「喪中はがきの差出人」となる続柄の範囲は?

喪中はがきを自分が出すべきかどうかについては、故人様から見た続柄を基本に考えます。
ここでは、喪中はがきを出す続柄の範囲と、続柄にまつわる基本情報についてご紹介します。

そもそも続柄とは?

「続柄」を「ぞくがら」と読む人が多くなっていますが、本来の読み方は「つづきがら」です。続柄とは親族間の関係性を指すもので、公的な書類を作成する際などに用いられます。また、続柄を見ることによって、その人の親子関係や兄弟の有無、婚姻関係などが一目で分かるようになります。

「ぞくがら」という読み方が普及した理由には、本来は送り仮名が入る「続き柄」が、役所などで内部用語として送り仮名を省略され、広まった先で「続柄(ぞくがら)」として定着してしまったという説があります。

そのため、最近では「ぞくがら」と読むことを一概に間違いであるとも言い切れなくなってきており、辞典で調べると「ぞくがらと読むこともある」といった説明がついていることもあります。

喪中はがきを出す続柄の範囲は2親等以内

喪中となる範囲は、基本的に故人様から見て2親等以内の続柄であり、同様に喪中はがきを出すべき人も、基本的には故人様から見て2親等以内が対象です。2親等までの範囲は、以下の通りです。

【故人様から見た2親等以内の続柄】
0親等……配偶者
1親等……両親、配偶者の両親、子、子の配偶者
2親等……祖父母、配偶者の祖父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、孫、孫の配偶者

故人様から見た2親等以内の続柄

上記は喪中はがきを出す目安となる範囲であり、ルールとして決まっていることではありません。そのため、2親等以内ではなくとも、故人様と特別深い縁がある人が喪中はがきを出すこともあります。逆に、2親等以内であっても、故人様とは疎遠で喪中はがきを出すことに疑問を感じる方もいるでしょう。

喪中はがきを出すかどうかは、続柄だけでなく故人様との親交の深さによっても決めることができますので、不安な場合は、事情を知っている身近な親族に相談することをおすすめします。

※喪中はがきを出す相手の範囲については、こちらの記事が参考になります。

親等とは?親等の数え方

喪中はがきを出すのは、故人様から見て2親等以内の続柄であると説明しました。ここでは「親等」の意味と数え方についてご紹介します。

親等とは、家族関係における距離を表す単位です。例えば、「自分の父」は1世代の距離があるため1親等となります。親等の数字が小さいほど親族関係が近くなり、親等で表すことができるのは、血の繋がりのある「血族」と配偶者の血族を含めた「姻族」までです。

なお、喪中はがきだけではなく、相続などの決め事や保険金の受け取り範囲にも「親等」という言葉が使われます。この機会に、親等の数え方について理解を深めてはいかがでしょうか。

※親等で考える喪中の範囲について、詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

3.喪中はがきを出すべきか?がわかる【続柄範囲早見表】

ここでは、自分が喪中はがきを出すべきかどうかが一目で分かる早見表をご紹介します。自分(本人)から見た故人様との関係が2親等以内に該当するかどうか、表を見て参考になさってください。

なお、この表では続柄を、公的な書類などで求められる正式な呼称(書き方)でご紹介しています。喪中はがきに続柄を入れる場合は別の書き方となるため、詳しくは次の見出し「喪中はがきでの続柄の書き方は?」をご確認ください。

【あなたは喪中はがきを出すべき人?続柄範囲早見表】
本人から見た親等 本人から見た故人様との関係 続柄(正式な呼称)
0親等
夫・妻
夫・妻
1親等
父・母
父・母
子ども
子どもの配偶者
子の夫・子の妻
配偶者の父母
夫の父・夫の母・妻の父・妻の母
2親等
兄弟・姉妹
兄・弟・姉・妹
兄弟・姉妹の配偶者
兄の妻・弟の妻・姉の夫・妹の夫
子の子
孫の配偶者
子の子の夫・子の子の妻
祖父母
父の父・父の母・母の父・母の母
配偶者の兄弟・姉妹
夫の兄・夫の弟・夫の姉・夫の妹
妻の兄・妻の弟・妻の姉・妻の妹
配偶者の祖父母
夫の父の父・夫の父の母・夫の母の父・夫の母の母
妻の父の父・妻の父の母・妻の母の父・妻の母の母

※公的な書類に続柄を記載する際は、各公的機関の担当者に確認してください。

4.喪中はがきでの続柄の書き方は?

喪中はがきで書くべき内容をご紹介します。
故人様の続柄の書き方は表を参考にしましょう。

そもそも喪中はがきで書くべき内容は?

喪中はがきで書くべき内容は、大きく分けて5つあります。

1.年賀欠礼の挨拶・・・・喪中につき、新年の挨拶ができないということをお詫びする一文。
2.感謝や労いの言葉・・生前のお付き合いへの感謝や、相手の健康を思いやる言葉。
3.お願い・・・・・・・喪中はがきで「縁が切れた」と思われないよう、今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉。
4.日付・・・・・・・・喪中はがきを投函する日付。基本的には年と月のみ。
5.差出人・・・・・・・差出人の住所、必要に応じてTEL・メールなどの連絡先、氏名。

喪中はがきでの続柄の書き方一覧

喪中はがきで「誰が亡くなったか」を記載する際には、氏名とともに「差出人から見た続柄」があったほうがよいとされています。喪中はがきで続柄を書く際の記載一例を下記にまとめましたので、参考になさってください。

なお、表においては、差出人を「本人」としています。

【喪中はがきに続柄を書くときの表記例】
本人から見た親等 本人から見た故人様との関係 喪中はがきに書く続柄の表記例
0親等
夫・主人
妻・家内
1親等
父・実父・義父・養父
母・実母・義母・養母
長男・次男・三男
長女・次女・三女・息子・娘
子の配偶者
長男の妻・長女の夫など
配偶者の父母(※1)
父・母・義父・義母
岳父(※2)・丈母(※3)
2親等
兄弟
兄・長兄・次兄・次男・末弟・弟
姉妹
姉・長姉・次姉・次妹・末妹・妹
兄弟の配偶者
兄の妻・弟の妻・義姉・義妹
姉妹の配偶者
姉の夫・妹の夫・義兄・義弟
孫・孫息子・孫娘
孫の配偶者
孫の妻・孫の夫
祖父母
父方の祖父・父方の祖母・母方の祖父・母方の祖母
祖父・祖母
配偶者の兄弟(※1)
兄・弟・義兄・義弟
配偶者の姉妹(※1)
姉・妹・義姉・義妹
配偶者の祖父母(※1)
夫の祖父・夫の祖母・妻の祖父・妻の祖母
祖父・祖母

※1夫婦連名で出す場合は世帯主から見た続柄を記載
※2岳父…妻の実の父 *3丈母…妻の実の母

5.喪中はがきで続柄を書く際のマナーは?

喪中はがきで続柄を書く際には、どのようなことに気を付けなければならないのでしょうか?
喪中はがきで続柄を記載するときのマナーについて解説します。

夫婦連名で出す場合の続柄の書き方

夫婦連名で喪中はがきを出す場合、基本的には「世帯主から見た続柄」を記載します。例えば、世帯主が夫のケースにおいて、夫の母が亡くなった際の喪中はがきには「母」を、妻の母が亡くなった際の喪中はがきには「義母」「丈母(じょうぼ)」などを書きます。

後者の場合、妻にとっては、自分の名前も入っている喪中はがきで実の母に「義」とつけることに抵抗があったり、「丈母」よりも分かりやすい表記にしたいと考えたりするかもしれません。そのような場合には、「妻〇〇の母」と記載してもよいでしょう。

配偶者の両親が亡くなり「本人の名のみで出す場合」の続柄の書き方

配偶者の両親が亡くなり、本人の個人名のみで出す際には、世帯主が誰であるかに関係なく、「義父」「義母」と記載します。例えば、夫の父または母が亡くなり、妻が個人名で喪中はがきを出すことになった場合、続柄は「義父」「義母」と書くのが一般的です。

このケースにおいて夫婦連名(夫が世帯主の場合)で出す場合は、「父」「母」と書きます。

義理の子どもが亡くなった場合の続柄の書き方

自分の子の配偶者(義理の子)が亡くなった際の喪中はがきには、「長男の妻」「長女の夫」という書き方をします。

「義理の息子」「義理の娘」と書くのは一般的ではありません。

6.喪中はがきの続柄別の文例

喪中はがきの「続柄別の文例」をご紹介します。実際に喪中はがきを書く際の参考になさってください。

配偶者を亡くしたケース

【妻を亡くした夫が出す喪中はがきの文例】

喪中のため 新年のご挨拶を控えさせていただきます
本年〇月 妻〇〇〇〇が〇〇歳にて他界いたしました
ここに生前のご交誼に深く感謝いたしますとともに
今後とも変わらぬお付き合いのほど よろしくお願い申し上げます

令和〇年〇月
(差出人住所)
(連絡先※必要に応じて)
(差出人名)

子供を亡くしたケース

【長男を亡くした両親が出す喪中はがきの文例】

喪中につき 新年のご挨拶を失礼させていただきます
今年〇月 長男〇〇〇〇が〇歳にて永眠いたしました
息子が私たち夫婦に与えてくれた幸せに感謝しながら
これからの日々を歩んでいく所存でございますので
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます

令和〇年〇月
(差出人住所)
(連絡先※必要に応じて)
(差出人名)

義父・義母が亡くなったケース

【妻の母を亡くした夫が出す喪中はがきの文例】

喪中につき年頭のご挨拶を控えさせていただきます
本年〇月 義母〇〇〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
故人になり代わりまして生前のご厚情に深く感謝申し上げます
寒い日が続いておりますので どうぞご自愛ください
来年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます

令和〇年〇月
(差出人住所)
(連絡先※必要に応じて)
(差出人名)

父・母が亡くなったケース

【実の父を亡くした本人が出す喪中はがきの文例】

喪中のため年末年始のご挨拶を遠慮させていただきます
今年〇月 父〇〇〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
平素のご厚情に感謝申し上げますとともに
来年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます
厳しい寒さの折、どうぞご自愛ください
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますようお祈り申し上げます

令和〇年〇月
(差出人住所)
(連絡先※必要に応じて)
(差出人名)

7.喪中はがきと続柄に関するQ&A

喪中はがきと続柄に関するQ&A

A.絶対に書かなければならないというわけではありません。
dummy
喪中はがきの印刷を依頼する際に氏名や年齢、続柄を記入する項目があると、書かなければならないと思いがちですが、そうではありません。
dummy
続柄について記載を控えたい場合は省略することが可能です。ただし、続柄の記入が無い喪中はがきでは、「差出人にとってどのような関係の人が亡くなったのか」が分かりづらくなるという点に注意しましょう。

A.続柄によって喪中期間は異なります。
dummy
喪中の期間は一定ではありません。例えば、故人様の配偶者や両親の喪中期間は約1年、実の子どもは3カ月~1年です。しかし厳密なルールがあるわけではなく、喪中期間は故人様との親交の深さによっても変わりますので、分からない場合は身近なご親族に相談してみるとよいでしょう。

A.必ずしも夫婦連名である必要はありません。
dummy
喪中はがきの連名に関して決まりはありません。ただ、一般的に喪中はがきは新年の挨拶を行わないという年賀欠礼の目的で送るものですから、普段から年賀状を連名で出している場合は、喪中はがきも同様に連名で出すという方法を採用してもよいでしょう。

8.喪中はがきを出す際は、続柄をきちんと確認しましょう

喪中はがきを出すか出さないかを判断する際には、故人様との続柄がポイントとなります。「2親等まで」という範囲は意外と思っているよりも広いものです。「実は喪中はがきを出すべき対象だった!」と後で慌てないためにも、事前にきちんと確認しておくことが大切です。

また、喪中はがきに故人様の続柄を記載する際には、書き方に注意が必要です。喪中はがきは、相手に喪中であることを伝え、新年の挨拶ができないことをお詫びするためのものですから、失礼や不足のないようにしましょう。

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