喪中はがきで本人の死亡を伝えてもよい?故人様の友人には死亡通知を

喪中はがき
「喪中はがきで、本人の死亡を伝えてもよいのだろうか?」――喪中はがきを用意しようと思ったときに、このような疑問を持った方は多くいらっしゃることでしょう。

実は、その答えは喪中はがきを送る相手や時期によって異なります。

ここでは、喪中はがきで知らせてもよいケースや、故人様の友人に対して故人様の訃報を知らせる死亡通知の書き方や例文もご紹介します。

1.喪中はがきで本人の死亡を伝えてもよい?

本人の死亡
故人様が亡くなったことを本人の友人などにお知らせする正しい方法は、喪中はがきではありません。ここでは正式な方法をご紹介します。

基本は死亡通知を送る

最近では、喪中はがきで故人様の友人などに本人の死亡を伝える方が多くいらっしゃるようですが、できるだけ避けるべきでしょう。

詳細は後述しますが、喪中はがきとは本来、差出人が自身の関係者に対し「喪中で年賀状での新年の挨拶を控えることのお詫び」を目的として出されるものだからです。また、新年に亡くなった場合は、喪中はがきですと約1年後に訃報を伝えることになってしまいます。

故人様の友人などに故人様が亡くなったことを伝える場合は、可能な限り死亡通知を送ることをおすすめします。

死亡通知とは、故人様の友人や知人など親交が深かった方々に故人様の亡くなったことを知らせるためのもので、「はがき」もしくは「カードを入れた封筒」を郵送します。この死亡通知は、葬儀前に出す場合と葬儀後に出す場合とで目的と内容が異なります。

葬儀前に出す死亡通知

葬儀前に出す死亡通知は、葬儀に参列してほしい人に葬儀の行われる日時や場所を伝えるためのものです。

しかし、一般葬や家族葬などの葬儀に参列してほしい場合、故人様の友人や知人への連絡は時間がかかる郵送ではなく、電話で行われることがほとんどです。

そのため、葬儀前の死亡通知は、多くの場合、葬儀までに時間の余裕がある社葬などの際に、会社関係や取引先などに詳細を知らせるケースで使用されます。

葬儀の後に出す死亡通知

葬儀後に出す死亡通知は、故人様が亡くなったことを知らせていなかった故人様の友人や知人に故人様の訃報を伝える挨拶状です。

死亡通知は、忌明けを目安に送りましょう。

*死亡通知について詳しく知りたい方は、死亡通知の意味や書き方などを解説している下記のサイトを参考になさってください。

*喪中はがきについて詳しく知りたい方は、喪中の範囲や喪中はがきを出す相手、文例についても解説している下記のサイトを参考になさってください。

喪中はがきを出す相手や文例も解説します

時期や相手によっては喪中はがきでもよい

喪中はがきの差出人が、故人様の友人や知人と年賀状のやり取りがある場合で、故人様が10月から年末の間に亡くなったケースにおいては、死亡通知と喪中はがきを送る時期が重なってしまいます。

このケースにおいては、2種類を出すのはおかしいので、故人様の訃報を喪中はがきでお知らせしても差し支えないでしょう。

2.喪中はがきと葬儀後に出す死亡通知の違いは?

喪中はがきと死亡通知の違い
前述したように喪中はがきと葬儀後に出す死亡通知の目的は異なり、2つは似て非なるものです。

喪中はがきと死亡通知を混同してしまっている方も少なくないので、両者の特徴を表にまとめました。喪中はがきと死亡通知の違いをご確認ください。

喪中はがき 死亡通知
目的 喪中のため年賀状による新年の挨拶を控えることを詫びる 故人様が亡くなったことを知らせる
送り先 差出人の関係者 故人様の友人などの関係者
差出人 差出人の氏名 ご親族の代表者の氏名
出す時期 11月~12月上旬ごろ 葬儀のあと速やかに、もしくは忌明け(四十九日)を目安に送る

3.喪中はがきで死亡を伝えるときの文例(故人様の友人あて)

喪中はがきの文例
10月から年末の間に故人様が亡くなったときは、故人様の友人などに喪中はがきで故人様の訃報を伝える場合もあります(基本的に差出人が毎年年賀状のやりとりをしている場合)。

喪中はがきには、亡くなったこととともに生前お世話になったことへの感謝の言葉を書くとよいでしょう。その際は、下記の文例を参考にしてください。

【文例】

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
祖父●●が本年10月に●歳にて永眠いたしました
ここに生前のご厚情に深謝いたしますと共に
ご通知が遅くなりましたことお詫び申し上げます
なお時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます

令和4年○月

また、故人様の友人用の喪中はがきを手配する余裕がなかった場合には、自分用に作った喪中はがきの余白部分に「生前は祖父が大変お世話になり、ありがとうございました」と書き添えたものを送っても失礼にはならないでしょう。

4.葬儀後に送る死亡通知に書くべき内容と文例

死亡通知書の文例
葬儀後に送る死亡通知は、どのように書けばよいのでしょうか。ここでは、死亡通知に書くべき内容と具体的な文例をご紹介します。

葬儀後の死亡通知に書くべき内容

葬儀後に送る死亡通知に書くべき内容は、おおよそ下記のようになります。

(1) 故人様と差出人の間柄がわかる表記:祖父、妻など
(2) 故人様の氏名:氏名の最後に「儀」と書く
(3) 死亡日と年齢
(4) 葬儀後の通知となったことへのお詫びの言葉
(5) 葬儀や納骨をしたことなどの報告
(6) 投函予定の年と月
(7) 差出人の住所
(8) 故人様と差出人の続柄または「喪主」:最初に明記されている場合は省略される場合もある
(9) 差出人の氏名

葬儀後の死亡通知の文例

【文例】

父 ●● 儀
天寿を全ういたし 去る令和4年8月15日 82歳の生涯を閉じました
本来ならば早速お知らせ申し上げるところでございましたが
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
なお 葬儀は故人の遺志により8月18日近親者のみにて執り行いました
故人が生前賜りましたご厚誼につきまして深謝申し上げます

令和4年8月
住所   東京都品川区●●
喪主   ●●●●

※書き方の注意ポイント
文頭をそろえて句読点はつけない
数字は、横書きの場合は算用数字、縦書きの場合は漢数字で書く

5.喪中はがきや死亡通知で大切なことは差出人の気持ちを伝えること

故人様の友人など交流のあった方に、故人様の死亡を伝える手段は、正式には死亡通知です。

ただし、故人様が10月や11月などに亡くなった場合は、喪中はがきと死亡通知の2通を同時に送る必要はないので、喪中はがきで故人様が亡くなったことを伝えてもかまいません。

いちばん大切なことは、故人様の友人などに亡くなった事実とともに、故人様に成り代わってお礼の気持ちを示すことです。

喪中はがき、死亡通知のいずれの場合においても、故人様の生前にご厚情があった皆様に、ご親族の代表として故人様の訃報と感謝の言葉をしっかりお伝えしましょう。

花葬儀では、葬儀のマナーに関するページを公開しております。
供養、お墓参りのマナー、葬儀・お葬式の服装・靴・髪形、お悔みのご挨拶、お香典など、気になる葬儀や法要に関するマナーについてはこちらを参考になさってください。

葬儀参列者のマナーガイド
https://www.hana-sougi.com/manners/

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