年始状とは?喪中でも送れる?マナーや書き方、文例を解説

年始状とは?喪中でも送れる?マナーや書き方、文例を解説

「年始状」と呼ばれる挨拶状を送る方が、近年増えています。年始状は年賀状と同じく、年始に届くように送り、名前も似ているため、「年賀状と何が違うのか」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、年始状とはどのような挨拶状なのかや、マナーや書き方、文例をご紹介します。

1.「年始状」はお祝いの言葉を使わない新年の挨拶状

「年始状」はお祝いの言葉を使わない新年の挨拶状

年始状とは、「おめでとう」などのお祝いの言葉を使わない新年の挨拶状で、最近見られるようになった新しい習慣です。

年始状は、2011年に起きた東日本大震災をきっかけに誕生したといわれています。被災された方々に年賀状を出してもよいか迷った方々が、「お祝いムードの文面はふさわしくないけれども、新年に励ましの言葉を伝えたい」と考えたことから生まれたとされています。

そのため年始状では、年賀状で使うような「謹賀新年」や「あけましておめでとう」などのお祝いの言葉は使いません。

なお、辞書などでは年始状は年賀状と同じ意味だと説明されているため、年始状を年賀状と同じ意味として使う方もいらっしゃいます。

年賀状とは異なる用途で使われる年始状は、悲しい出来事に見舞われた方々への思いやりから生まれた知恵ともいえるかもしれません。

2.年始状を出してもよいケース

新しい習慣の挨拶状である年始状ですが、どのような場合に出すものなのでしょうか。こちらから詳しく解説します。

喪中の方へ新年の挨拶をする場合

喪中はがきをいただいた場合、寒中見舞いで返事をするのが一般的です。

しかし、「毎年、必ず年賀状を出しているから、今年も年始に挨拶状を送りたい」「新年に励ましの言葉を届けたい」といった場合には、年始状を送ることができます。

喪中の方に年賀状を送ること自体は、実はルール違反ではありません。喪中はがきは年賀欠礼の挨拶状であって、「年賀状を送らないでほしい」というものではないからです。

しかし、不幸のあった相手に対し、「おめでとう」の言葉が入った年賀状を送るのは失礼だという考えが、現在は広く浸透しています。また、喪中の方に「おめでとう」の意味をもつ年賀状を送ることは相手を傷つけたり、周囲から非常識だとされたりするかもしれません。

そのため、年賀状の代わりに年始状を送ることで、喪中の方に配慮しつつ、年始の挨拶を伝えることができます。

※喪中はがきをいただいた場合の返事については、「喪中はがきに返事は必要?返信の方法・タイミングや文例も紹介」が参考になります。

被災された方へ新年の挨拶をする場合

地震や台風などの自然災害に遭われた方は、通常、大きく落胆されており、とても新年を祝う気持ちにはなれないことが多いものです。

そのような方々に「新年の挨拶をしたい」と思った場合にも、お祝いの言葉を使わない年始状という形で新年の挨拶をすることが可能です。

喪中はがきの代わりに使われることも

年始状は、喪中はがきの代わりに使われる場合もあります。以下に、その主な例をご紹介しましょう。

・普段お付き合いがほとんどない遠い親戚に不幸があり、喪中はがきを出すべきか迷うような場合
・年の瀬に急な不幸があって、喪中はがきを出す時期(遅くても12月上旬とされます)を過ぎてしまった場合
・喪中はがきを送っていない人から年賀状をもらった場合

上記のようなケースでは、寒中見舞いを送るのが一般的です。しかし、寒中見舞いを送る時期まで待たずにご挨拶をしたい場合などに、年始状を代わりに送ることができます。

なお、寒中見舞いは、松の内(関西:1月7日/関東:1月15日)の翌日から立春までの間に送ります。

寒中見舞いを送る時期・タイミングについては、「喪中の相手にお年賀は贈れる?寒中見舞いは?マナーや渡す期間を紹介」が参考になります。の記事も参考になりますので、ぜひご一読ください。

3.年始状のはがきと切手の選び方

年始状のはがきと切手の選び方

年始状は、お祝いの言葉を使用しない挨拶状ですから、年賀はがきは使用しません。新年のお祝いを意味する「年賀」の言葉が入っているからです。

年始状用のはがきとしては、郵便局で官製はがきを選ぶのがおすすめです。また、文房具店やコンビニエンスストアなどではがきを購入する際にも、おめでたい雰囲気のある派手なものは避けます。

切手も、カラフルな色合いでなく、植物などが描かれた落ち着いたデザインのものを選びましょう。

4.年始状で失礼のない書き方・マナー

年始状で失礼のない書き方・マナー

こちらでは、年始状において失礼にならない書き方やマナーをご紹介します。ポイントを押さえて、相手への礼儀と思いやりを表す年始状にしましょう。

賀詞や派手なイラストを使わない

「賀詞」とは、お祝いの言葉のことです。下記のような年賀状でよく使われる言葉は、年始状では使わないようにします。

・賀正
・謹賀新年
・あけましておめでとう

またあわせて、おめでたさを感じさせるような派手なイラストなどを使うことも避けましょう。

句読点は打たない

儀礼的な挨拶状や案内状には、「、」「。」などの句読点を使わないのがマナーとされています。例えば年賀状や結婚式の招待状、喪中はがきなどでも、句読点は使いません。年始状においても、句読点は控えるようにします。

不幸のあった相手には気遣いのある言葉も添える

年始状は多くの場合、ご不幸があったり、被災したりする方などに送ります。そうした方には、相手を気遣う、あるいは思いやる言葉を添えることが大切です。

そのほかに書く内容としては、通常の年賀状と同様に「昨年、お世話になったお礼」「今年も引き続きお付き合いをお願いする言葉」「近況報告」などを記載することが一般的です。

送るタイミングに注意する

年始状は年賀状と同様に、松の内の間に届くように送ることが一般的です。松の内とは門松を飾る期間という意味で、元旦から関東地方では1月7日まで、関西地方で元旦から1月15日までとされています。

年始状は年賀はがきを使用しないため、普通郵便として扱われます。あまり早く投函すると年末までに届いてしまいますから、12月の末まで待って投函するように注意しましょう。

5.年始状のシーン別3つの文例

年始状の書き方やマナーを踏まえた上で、ここからは、年始状を送るシーン別に、3つの文例をご紹介します。

【文例1】喪中の方へ新年の挨拶をする場合

新年のご挨拶を申し上げます
故人様のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに
○○様にとって新しい年が幸多き年でありますよう
心より祈りいたします
旧年中はたいへんお世話になりました
本年もよろしくお願いいたします

令和〇〇年 元旦

なお、「冥福」という言葉は仏教(浄土真宗以外以外)の用語であり、他の宗教・宗派では使いません。年始状においても留意して使うようにしましょう。

ご遺族へのお悔やみの言葉については、「弔辞の例文や知っておきたいマナー、書き方も紹介」の記事で詳しく解説しておりますので、気になる方はぜひご一読ください。

【文例2】被災された方へ送る場合

年頭のご挨拶を申し上げます
昨年の大災害に対し心からお見舞いを申し上げます
何かお役に立てることがありましたら お気軽にご連絡ください
新しい年が○○様にとって明るく
幸せな一年となるようお祈りいたします
どうかお体を大切にお過ごしください
本年よろしくお願い申し上げます

令和〇〇年 元旦

【文例3】喪中はがきを出していない方から年賀状をもらった場合

謹んで新年のご挨拶を申し上げます
ご丁寧に新年のご挨拶状をいただきましてありがとうございました
〇〇の喪中につき こちらからの年頭の
ご挨拶を控えさせていただいておりました
本来ならば旧年中にご連絡すべきところ
遅れてしまった失礼を深くお詫び申し上げます
本年が○○様にとって希望に満ちた年になりますよう
心よりお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

令和〇年 元旦

6.年始状で相手への気遣いや思いやりを伝えましょう

年始状は、喪中の方や災害に被災された方など、新年に「おめでとう」といったお祝いの言葉をかけにくい方に対して、新年のご挨拶ができ、気遣いの気持ちも伝えられる新しい習慣です。

寒中見舞いを送る時期まで待たずご挨拶をしたい場合は、配慮とマナーをもって送りましょう。そうすれば、相手への思いやりや日頃の感謝が伝わるはずです。

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