通夜、葬儀・告別式の違いとは?お葬式の意味も解説

通夜、葬儀・告別式の違いとは?お葬式の意味も解説

「お通夜」「葬儀」「告別式」はよく聞く言葉ですが、実はそれらがどう違うのかを知らない方も多いのではないでしょうか。

あらかじめ、それぞれの内容や流れをわかっていれば、葬儀に参列する際や喪主を務めなければならなくなったときに慌てずに済みます。

そこで今回は、通夜や葬儀・告別式、それぞれの内容や流れ、違いなどを解説するほか、「お葬式」の意味に関してもご紹介します。

1.通夜とは?

通夜とは?

通夜は「通夜式」とも呼ばれ、もともとはご家族やご親族などの近親者が、故人様と一夜をともにしてお別れをする儀式のことをいいました。その際、邪霊が入ってくるのを防ぐため、線香やろうそくの火を絶やさず、故人様を一晩中見守っていたことから「通夜」と呼ばれてきたそうです。

しかし、近年は、斎場や葬儀場など自宅以外で通夜を行うケースが増えたこと、防災上の観点から夜通し火をつけておくのは危ないことなどから、夜の数時間で散会する「半通夜」を営むのが一般的になっています。

また、仕事を持っている方は日中の葬儀より通夜のほうが参列しやすいため、今では一般の方も弔問できる場合がほとんどです。

2.葬儀とは?

葬儀とは?

葬儀という言葉には、二通りの意味があります。一つは葬送儀礼の略で、この場合は、故人様が亡くなってから通夜、葬儀式、告別式だけではなく、火葬や納骨など四十九日の忌明けまでに行われる宗教的な儀式すべてを指しています。

もう一つは、告別式と火葬が行われる当日に行われる宗教儀式のことをいいます。よく耳にする「葬儀・告別式」は、正式にはそれぞれ「葬儀式」「告別式」と呼ばれ、一般的にはこの葬儀式のことを略して葬儀と呼ぶことが多いといえます。


この葬儀式は「僧侶が主導して、ご家族やご親族など近親者が故人様の冥福を祈る宗教的な意味合いが強い儀式」のことであり、僧侶の読経、弔辞や弔電の拝読、ご家族やご親族のお焼香までを葬儀式と呼びます。実は、葬儀式と告別式はまったく別の意味を持ち、内容も異なる儀式なのです。

以下、この記事では「葬儀式」のことを「葬儀」と表現し、「通夜、葬儀・告別式の違い」について説明します。

3.告別式とは?

告別式とは?

告別式は「喪主様が主導して、故人様の友人や知人、近隣者、会社関係者など故人様が生前に縁のあった人たちが、故人様と最後のお別れをする社会的儀式」のことです。

告別式では、友人や知人、仕事関係の方のお焼香、喪主様による挨拶などが行われます。

4.葬儀・告別式とは?

ご説明したように、葬儀式と告別式は本来、意味が異なるため、別々に行われていました。しかし近年は、時間短縮のために両方の儀式をあわせて「葬儀・告別式」として同日に行うことが一般的になっています。

また、葬儀・告別式をあわせて告別式、あるいは葬儀と呼ぶことも増えてきました。

5.通夜、葬儀・告別式の流れの違い

通夜、葬儀・告別式の流れの違い

通夜と葬儀・告別式の流れはどのように違うのでしょうか。ここでは、それぞれの流れをご紹介します。

通夜の流れとは?

現在の一般的な通夜の形である「半通夜」のおおまかな流れは、下記のとおりです。

1.僧侶入場
僧侶が入場して通夜が開始します。

2.読経とお焼香
僧侶による読経が始まると、ほどなくお焼香が始まります。喪主様、ご遺族、ご親族、参列者の順番にお焼香を行います。

3.法話
読経とお焼香が終わると、僧侶が法話をする場合もあります。

4.僧侶退場
お焼香も終わり、法話が済むと僧侶が退場します。

5.喪主挨拶
喪主様が、弔問客への謝意や故人様が生前に賜った厚誼(こうぎ/深い親しみの気持ち)への感謝、翌日の葬儀の時間を伝えるほか、通夜振る舞いがある場合にはその案内をします。

6.通夜振る舞い
ご遺族が弔問客への謝意を込めて酒食を振る舞い、弔問客は故人様を偲びながら食事をします。

7.通夜振る舞いの終了
通夜振る舞いは、一般的に1~2時間程で順次散会し終わります。

前述のとおり、こうした通夜振る舞いで終了する通夜を「半通夜」と呼び、これが現在の通夜の大半のスタイルとなっています。

葬儀・告別式の流れとは?

葬儀と告別式をあわせて行う葬儀・告別式の大まかな流れは下記のとおりです。

【葬儀式】

1.僧侶入場
僧侶が入場して告別式が開始します。

2.読経
僧侶が読経を行います。通夜ではこのときの読経の際にお焼香を行いますが、ここでは読経のみです。

3.弔辞
葬儀会社の担当者が弔辞を述べる人物の紹介を行い、紹介された方が弔辞を読み上げ、読み上げた弔辞を祭壇に供えます。

4.弔電
葬儀司会者が弔電を3通ほど読み上げます。その他の弔電は名前だけが読み上げられ、その後、弔電は祭壇に供えられます。

5.読経
再び僧侶の読経が始まります。

6.遺族・親族のお焼香
喪主様、ご遺族、ご親族の順にお焼香を行います。

【告別式】

7.一般参列者のお焼香
一般参列者がお焼香を行います。

8.僧侶退場
参列者のお焼香が終わると、僧侶が退場します。

9.閉式
僧侶が退場したあとに、司会者もしくは代表者が閉式の挨拶をします。

10.お別れの儀
ご遺族や故人様と特に親しかった方は、祭壇から降ろした棺を囲んでお花を敷き詰め、故人様と最期の対面を行います。このとき、副葬品を入れることもできます。

11.棺の運搬
棺の扉を閉めたら、霊柩車へ棺の運搬を行います。

12.遺族代表の挨拶
喪主様が遺族代表者として、参列者に向けて挨拶を行います。

13.出棺
霊柩車とともに喪主様とご遺族は火葬場へ移動し、一般の参列者は解散となります。

これらの一連流れを通して告別式、あるいは葬儀と呼ぶこともありますが、基本的には6番の「遺族・親族のお焼香」までが葬儀式、7番「一般参列者のお焼香」から13番「出棺」までが告別式にあたるといわれています。

※葬儀・告別式の内容や流れは、地域・宗教・宗派によっても異なります。

6.通夜、葬儀・告別式の日程の決め方

故人様が亡くなった当日や翌日に通夜を、その翌日に葬儀・告別式を行うものだと考えている方が多いようですが、日程の決め方に決まりはありません。

僧侶の都合や、遠方の参列者の都合、さらには火葬場の空き状況などを考慮して、通夜や葬儀・告別式の日程を決めます。

亡くなってから数日後に通夜や葬儀・告別式を行う地域もあるため、風習やご親族の習慣を確認することも大切です。

※ご葬儀の流れ、時間や日程についてはこちらを参考になさってください。

7.通夜と葬儀・告別式に参列する際の服装の違いは?

通夜と葬儀・告別式に参列する際の服装には、次のような違いがあります。

通夜に参列する際の服装

通夜の場合は、「急ぎ駆けつける」という意味から、喪服ではなく、地味な服装であれば平服でもよいとされています。

葬儀・告別式に参列する際の服装

葬儀・告別式では平服はマナー違反となります。

男性の場合は、モーニングコートか、ブラックスーツを着用します。女性の場合は、光沢のない黒無地、あるいは黒に近いグレーのアフターヌーンドレスか、ワンピース、スーツが基本です。

8.「お葬式」とは?

一般的によく使われる「お葬式」という言葉は、通夜、葬儀・告別式、場合によっては火葬までを含めた全体を指します。

現代では、葬儀やお葬式という言葉を使い分けることは、ほとんどなくなっているのが現状ですが、厳密にいうと、葬儀(葬儀式)はお葬式の一部であるといえます。

9.通夜や葬儀・告別式の意味を理解して「心を込めたお見送り」を

通夜や葬儀(葬儀式)、告別式はいずれも故人様との最後のお別れをする儀式ですが、目的や内容は異なります。それぞれの儀式が持つ意味を把握することにより、時と場に応じた正しい立ち居振る舞いが自ずとできるようになるのではないでしょうか。

故人様との最後のお別れの場である、通夜、葬儀・告別式を落ち着いた温かい気持ちで見送るためにも、意味や流れを理解した上で参列するようにしましょう。

花葬儀では、故人様のお話をご遺族から伺い、故人様らしいお別れの場となるよう通夜、葬儀・告別式のお手伝いをさせていただきます。

費用、葬儀会場についての事前相談、アドバイスも365日24時間体制で行っておりますので、お困りの際にはお気軽に花葬儀にご相談ください。

花葬儀のプランと葬儀費用
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