紅葉の祭壇で表すご家族の想い|彩りと季節感を生かした演出、注意点や実例も解説
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- 【 花祭壇 】
秋の深まりとともに色づく紅葉は、見る人の心にそっと寄り添う美しさをたたえています。そんな紅葉を葬儀の祭壇に取り入れたいと思う方も多いでしょう。
本記事では、紅葉の祭壇について、伝えられる想いや演出の工夫、使う際の注意点、実際の事例をご紹介します。祭壇に紅葉を使うことを検討している方は、ぜひ参考になさってください。
1.紅葉の祭壇で表現できること
秋の象徴である紅葉を祭壇に取り入れることで、どのような想いや情景を表現できるのでしょうか。代表的なものを解説します。
人生の最終章の美しさ
紅葉は、自然の中でもとくに移ろいの意味を示してくれる存在です。葉が色を深め、やがて静かに散っていく姿は、人生の最終章と重なります。紅葉を使った祭壇は、歳月を重ねて培われた故人様の懐深いお人柄や、静かに幕を閉じていく命への敬意を映し出します。
静かな彩りで伝える感謝と穏やかな別れ
紅葉の穏やかな彩りは、ご家族の故人様への心情をさり気なく伝えます。鮮やかすぎず控えめな赤や橙が、故人様に対する感謝や慈しみといった想いを、自然に表現してくれるのです。
秋を愛した「故人様らしさ」
紅葉を用いることは、自然や季節の移ろいを大切にし、とくに秋を愛していた故人様を表す手段になります。秋の風景を好み、山や庭の景色に親しんでいた大切な方の思い出が、紅葉の色彩とともにご家族や参列者の心によみがえることでしょう。
2.紅葉を活かした祭壇の飾り方のアイデアと工夫
紅葉の祭壇を印象深く仕上げるには、その魅力をどう引き出すかが重要です。ここでは、紅葉ならではの特徴を生かした祭壇の飾り方の工夫をご紹介します。
赤や橙など濃淡の違う葉を重ねて奥行きのある祭壇に
紅葉の魅力は、葉ごとに色づき方が異なり、赤や橙、黄色の葉が重なり合って豊かな表情を見せてくれるところにあります。さまざまな色合いの葉を丁寧に重ねることで、平面的になりがちな祭壇に奥行きが生まれます。
枝ぶりを生かして、自然の風景を再現
紅葉した枝ものを適度に配置すると、室内でありながら山あいの風景や庭木のたたずまいを思わせる雰囲気を出すことができます。高さや広がりを感じられる枝物を使うと、視覚的にも伸びやかになり、自然と呼吸が深まるような空間になります。
紅葉と和の花材で日本らしさを演出
紅葉の彩りに、和の花材や小物を組み合わせることで、日本らしい奥ゆかしさを感じさせる祭壇に仕上がります。たとえば、日本の秋を象-徴する白や紫の小菊、リンドウといった秋の代表的な和花は、日本らしい趣を深めてくれるでしょう。さらに、木製の器や竹細工を取り入れれば、空間全体をより凛とした雰囲気にまとめることも可能です。
3.紅葉を取り入れた祭壇を希望する際の注意点
祭壇に紅葉を取り入れたい場合、準備の段階でいくつか気をつけるべき点があります。ここでは、事前に確認しておきたい注意点を解説します。
紅葉を使える時期は非常に限られる点に注意
紅葉は、季節の変化に大きな影響を受けます。自然のものですから、その年の気候によって、色づきや品質は大きく変わります。美しい状態を楽しめる期間はごくわずかで、天候にも左右されやすいので、葬儀の日程によっては入手が困難になることを理解しておきましょう。
宗教・式場のルールを確認しておく
紅葉を祭壇に取り入れたいと希望しても、宗教や式場によっては叶わないこともあります。たとえば、花の装飾に厳格な決まりがある寺院では、紅葉の使用が制限される場合があります。また、安全管理上のルールがある斎場もあるため、僧侶や葬儀社への事前の確認が欠かせません。
紅葉を扱える「技術力」のある葬儀社を選ぶ
紅葉は非常に繊細で、水揚げなどの処理が難しく、美しい状態を保つには、高度な技術と経験が求められます。そのため、たとえ紅葉の季節であっても「うちでは対応できない」と断られてしまうケースも少なくなく、対応できる葬儀社は限られているのが実情です。紅葉の真の美しさを引き出すためには、豊富な実績を持つ葬儀社を選ぶことが不可欠といえるでしょう。
イメージや希望を葬儀社と事前に共有する
「紅葉を使いたい」という気持ちだけでなく、どのような雰囲気にしたいのか、紅葉にどんな思い出があるのかなどを、葬儀社に具体的に伝えることが大切です。紅葉にまつわるエピソードなど、ご家族だけが知るストーリーが、祭壇をよりその人らしい、温かみのあるものにします。
一見難しそうに思えるご希望でも、まずは一度ご相談いただくことで、理想に近いお別れの場が実現しやすくなります。
4.紅葉を使った花祭壇の実例紹介
紅葉は、主に生花を中心につくられる花祭壇でも、よく用いられます。
最後に、花葬儀が実際にお手伝いした紅葉を使った花祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:紅葉
赤や橙、黄色の花々を重ね、秋の枝ものとして紅葉したドウダンツツジをあしらうことで、深まりゆく季節の情景を祭壇に映し出しました。ライトアップの演出により、紅葉や花々の彩りが浮かび上がり、しみじみと秋を感じられる空間に仕上がっています。
祭壇名:秋風
季節を大切にされていたお父様のために、穏やかで秋らしい祭壇をおつくりしました。赤や黄色、オレンジの花々が自然に調和し、まるで秋の野にいるような自然なたたずまいを感じさせます。
ご紹介したほかにも、紅葉を使った花祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」で、ご覧いただけます。また、紅葉の美しさを祭壇で表現するさまざまな方法について、「紅葉の魅力を花祭壇に」の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。
5.紅葉の祭壇が彩る故人様へ想い
紅葉の彩りには、人生の最終章を静かにたたえるような美しさがあります。その深みのある赤や橙、そして移ろいゆく葉の姿は、故人様への感謝や慈しみ、ご家族の穏やかな想いを自然に表現してくれるでしょう。
紅葉を取り入れた祭壇は、秋ならではの情緒を大切にしながら、その方らしさをかたちにできますが、実現には季節や斎場のルール、そして何より葬儀社の技術力といった点も関わってきます。
紅葉を用いた祭壇をお考えの方、紅葉を使えるのか不安な方は、花葬儀までご連絡ください。花葬儀には空間デザイナーが在籍しており、照明や配置まで計算して情景を創り上げるため、紅葉が持つ本来の美しさを最大限に引き出すことが可能です。まずはお気軽に、事前相談までお問い合わせください。