オーダーメイド花祭壇とは?特徴から費用・事例・注意点まで解説
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- 【 花祭壇 】
オーダーメイドの花祭壇は、花をただ美しく飾るだけではなく、故人様らしさやご家族の想いを形にすることができ、後悔のないお別れを実現する手段として注目されています。デザイン・色・花材・演出のすべてを、可能な限り自由に設計できるため、参列者の心にも深く残る空間が生まれます。
この記事では、オーダーメイド花祭壇の特徴、費用の相場、具体的な事例、準備で気をつけるべきポイントまでを丁寧に解説します。納得のいく花祭壇づくりのために、ぜひご活用ください。
1.オーダーメイド花祭壇とは何か
オーダーメイドの花祭壇とは、どのような祭壇なのでしょうか。まず、その基本的な定義や、近年注目される背景について解説します。
オーダーメイド花祭壇とは
オーダーメイドの花祭壇は、生花や造花、葉物・グリーン・小物などを組み合わせて、色・形・配置を自由にデザインした祭壇を指します。オーダーメイドではない既製品の花祭壇では、決まった花材・デザインしか選べないのに対し、故人様が好んだ花を取り入れたり、テーマやモチーフを指定したりできる点が特徴です。
なぜ今、オーダーメイドが選ばれているのか
現代では、葬儀の価値観が多様化し、「その人らしい送り方」を求める傾向が強まり、従来の白木祭壇ではなく、花を用いて個性を表現したいというご家族の声が増えています。演出の自由度が高いため、宗教や地域の慣習にとらわれない新しい弔いのスタイルとして支持されているのもオーダーメイドの花祭壇が選ばれる理由のひとつです。
2.オーダーメイド花祭壇のデザインの特徴
花祭壇のデザインは、故人様の個性やご家族の想いを伝える大切な手段です。こちらでは、オーダーメイド花祭壇のデザインの特徴を整理します。
自由にデザインができる
オーダーメイド花祭壇の大きな魅力は、決まった形にとらわれず、イメージに合わせて、祭壇全体のデザインを一から作ることができる点にあります。従来の白木祭壇や、あらかじめデザインが決まっている花祭壇とは異なり、会場の雰囲気を自由に創り上げることが可能です。
例えば、クラシックやモダンといったデザインテイストを単に選ぶだけでなく、それぞれの要素を組み合わせたり、全く新しいコンセプトでデザインしたりすることが可能です。
色やテーマで故人様らしさやご家族の想いを伝える
オーダーメイド花祭壇において、色やテーマは、故人様の人柄やご家族の深い想いを表現し、参列者に伝えるために重要です。
色は人の感情に強く作用します。たとえば、白は清潔さや静けさ、ピンクは優しさや温かさ、深い紫やブルーは重厚感や荘厳さを演出します。故人様の人柄に合った色を中心にすれば、故人様らしい花祭壇を作ることが可能です。
また、「秋」をテーマに紅葉を用いたり、「思い出」をテーマに故人様の人生で縁の深い花を選んだりすることで、ご家族の深い想いが伝わる祭壇となるでしょう。
参列者・ご家族の記憶に残る演出となる
オーダーメイド花祭壇の価値は、花そのものだけでなく、故人様をしのぶ空間全体を演出し、記憶に残る時間を創り出せる点にあります。参列者やご家族が花祭壇を見たとき、「故人様が大切に思われていた」と感じられることが、その祭壇の大きな価値となります。
たとえば、故人様が愛用した品や趣味の道具を、ただ置くのではなく、祭壇デザインの一部として自然に溶け込ませると、故人様の人柄がより鮮明に伝わります。
さらに、葬儀社によっては、視覚だけでなく五感に働きかける一歩進んだ提案も可能です。故人様が好きだった香りを漂わせたり、祭壇を印象的に照らす照明を加えたりすることで、お別れの時間をより深くすることができます。
3.費用に関する基礎知識|相場と見積もりのポイント
オーダーメイドの花祭壇は、デザインや演出にこだわれるだけに、気になるのがその費用でしょう。こちらでは、相場の目安や金額を左右する要因、見積もりの注意ポイントを解説します。
花祭壇の一般的な費用相場
オーダーメイド花祭壇の費用は、使用する花材の種類や量、祭壇のサイズなどによって大きく変動します。そのため一概には言えませんが、標準的なオーダーメイド花祭壇の場合、40万円〜80万円前後が中心となります。
希少な花材をふんだんに使用したり、空間全体で大がかりな演出をしたりなど、デザイン性の高い祭壇は、100万円以上になることもあります。
費用を左右する主な要因
オーダーメイド花祭壇の費用は、ご家族のご要望によって変動します。花祭壇の見積もりを取る際には、以下の費用を左右するポイントを押さえておきましょう。
花の素材
花祭壇の費用に大きく影響するのが、「生花」と「造花」どちらをメインにするかという素材の選択です。それぞれの特徴と費用の傾向は次のとおりです。
【生花祭壇】
香りやみずみずしさがあり、自然の美しさを活かした演出ができますが、管理コストや季節による価格差が出やすく、全体的に費用は高めです。
【造花祭壇】
管理がしやすいため、季節や会場の条件によって、あるいはコストを抑えたい場合に適しています。ただし、生花のようなみずみずしさや香りなどがないため、思ったような仕上がりにならない場合がある点に注意が必要です。
花の種類・量
使う花の種類やボリュームで価格が大きく変わります。珍しい花・季節外の花は高くつき、生花を多く使うほどコストが上がる傾向にあります。
デザインの複雑さ・演出内容
写真パネル、照明、音楽演出などのオプションが入ると追加費用が発生します。オリジナルデザインは自由度が高い反面、コストも上がります。
会場の規模・背景・照明環境
広い会場・暗めの背景・照明が弱い空間などでは、視覚的な効果を出すために大きめの祭壇や追加照明が必要になるため、費用が高まります。
地域差
都市部では物価・人件費が高いため、同じ内容の祭壇でも地方より高くなる傾向があります。地域によって葬儀社の料金設定や花材入手のしやすさなども違ってきます。
見積もりを取る際のポイント
オーダーメイド花祭壇の見積もりは、決まった商品を比較するのとは全く異なります。ご家族の想いを形にするクリエイティブな作業が含まれるため、金額の内訳だけでなく、「提案の質」まで見極める必要があります。見積もりを取る際は、以下の点に注意することで、予算超過や意図しない追加費用を避けられます。
完成イメージが提示されるか
オーダーメイドの最大のリスクは「完成したらイメージと違った」という事態です。口頭での打ち合わせだけでなく、デザインのスケッチなどで、完成後の姿を具体的に共有してくれるかは極めて重要です。
提案の質はどうか
オーダーメイドの場合は特に、葬儀社によって提案力やデザイン力に差が出やすい傾向があります。同じ条件(花の種類・祭壇サイズなど)で相見積もりを取ることも大切ですが、金額だけで判断せず、提案内容やご家族に寄り添う姿勢も含めて比べることをおすすめします。
4.オーダーメイド花祭壇の実例紹介
花祭壇のデザインを頭で想像するだけではなく、「実際にこんな風に演出できる」という具体例を見ることが、納得と後悔のない選択に役立つでしょう。この章では、花葬儀が手がけたオーダーメイド花祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:ちぎり絵作品展
ご家族にとってかけがえのない故人様が作られた「ちぎり絵」の1枚1枚を、まるで小さな作品展のように丁寧に飾り、祭壇全体に命を吹き込みました。彩りにはアジサイやひまわりをはじめ、柔らかく明るい花々を使用し、温かみのある優しい空間を形づくりました。
祭壇名:大好きな紫色で
紫色を愛された故人様の想いを込めて、お好きだった色を主役にした祭壇をご用意しました。ダリアやアジサイなど、多彩な花々が織りなす彩りが、品格ある静けさを漂わせています。多趣味でアクティブだったお人柄を映し出す、存在感のある花祭壇です。
祭壇名:色とりどりのバラ
ご夫婦で栽培なさるほど、バラをこよなく愛された奥様。お二人が大切に育んだバラ園の風景を、祭壇として再現しました。
8種類のバラを贅沢に用い、華やかさの中にもやさしさが感じられる空間に仕上げています。バラに囲まれて穏やかに過ごす姿が思い浮かぶような、深い愛情に満ちたお別れの場となりました。
ご紹介したもの以外にも、多くのオーダーメイド花祭壇の実例を花祭壇ギャラリーでご確認いただけます。ぜひご覧ください。
5.後悔しないための準備と注意点
理想のオーダーメイド花祭壇を実現するためには、デザインや費用を知るだけでは不十分です。葬儀社選びや打ち合わせ、準備の進め方でつまずくと、花祭壇が希望と違ってしまうことがあります。最後に、後悔しないために知っておきたい準備と注意点を解説します。
柔軟に対応できる葬儀社かどうかを見極める
オーダーメイドの花祭壇は、担当者の提案力や柔軟さが仕上がりに直結します。葬儀社を見極める際は、過去の実例写真やデザイン画を提示できるか、希望を丁寧にヒアリングしてくれるかを確認しましょう。また、費用に関する説明が明確で追加料金の有無についても誠実に答えてくれるかどうかが信頼度の判断材料になります。
打ち合わせ前に希望や質問事項を整理する
打ち合わせの場では、多くの情報が短時間でやりとりされるため、事前に希望や質問を整理しておくことが大切です。希望の花材や色合い、取り入れたいテーマ、予算の上限などを書き出しておくとスムーズです。
6.オーダーメイド花祭壇に関するQ&A
A.はい、遺影や思い出の品の配置も可能です。
オーダーメイドの特徴として、遺影写真や、故人様が愛用していた帽子や趣味の品を一緒に飾る演出ができることが挙げられます。花の色合いや配置と調和させることで、思い出がより際立ち、参列者の印象にも残る花祭壇になります。
A.多くの宗教や無宗教の葬儀でも使用できます。
花祭壇は、仏教・キリスト教・神道などでも導入事例があり、僧侶や宗教者の理解があれば、問題ないことがほとんどです。ただし、寺院や宗教者によっては難色を示されることがあるため、事前確認が必須です。
A.基本的に、オーダーメイド花祭壇は花の選択の自由度が高いですが、尊重すべきルールや配慮すべき点がいくつかあります。
・宗教・宗派による決まり
・会場側の規則
・季節や天候などによる入手の困難さ など
こうしたご要望に対して、ただ「ルールなので使えません」とただお断りするのではなく、「祭壇本体ではなく、お棺の周りに少しだけ飾りましょう」など、代替案をご提案し、ご家族の想いを最大限に形にすることが、オーダーメイド花祭壇の真価だと言えるでしょう。
A.はい、宗教色を抑えた会でもよく使われます。
お別れ会やしのぶ会では、自由なスタイルの祭壇が選ばれることが多く、花祭壇との相性は抜群です。形式にとらわれず「感謝や想いを形にする」演出として、オーダーメイド花祭壇が使われることが多くあります。
7.オーダーメイド花祭壇で心に残る葬儀を実現しましょう
オーダーメイドの花祭壇は、故人様のお人柄や想いを丁寧に形にすることで、ご家族にとって深く記憶に残るひとときを生み出します。費用やデザイン、注意点をあらかじめ知っておくことで、納得のいく選択がしやすくなります。
私たち花祭壇は、この記事でお伝えしてきたような、想いを形にする「オーダーメイドの生花祭壇」を専門とする葬儀社です。ご希望のデザインについては、デッサンを行って完成イメージを共有し、ご納得いただけるまで丁寧にお打ち合わせを進めてまいります。
祭壇のスタイルやご予算の目安を確認したい方は、花葬儀がご提案する「葬儀プランと費用のご案内」をご覧ください。大切な方への想いを、形あるものとして穏やかに伝えられるように花葬儀が丁寧にお手伝いさせていただきます。