生花祭壇とは?費用相場や装飾事例もご紹介

生花祭壇とは?費用相場や装飾事例もご紹介

「生花祭壇」を葬儀で選ぶ方が、近年増えています。生花祭壇と聞くと、お花を使った祭壇であると想像はつくものの、他の祭壇との違いや、どのような特徴があるかまではわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、2002年の創業からこれまで8,000件以上の生花祭壇づくりをお手伝いしてきた花葬儀が、生花祭壇について解説します。花葬儀の生花祭壇の実例を交えてご紹介しますので、ぜひご一読ください。

1.葬儀で使われる「生花祭壇」とは?

葬儀における「祭壇」とは、故人様を供養するために作る壇や棚のことです。祭壇には、白木祭壇(仏式)や神葬祭壇(神式)など、複数の種類があります。このうち、花を使用して作る祭壇を「花祭壇」といい、造花ではなく生花を使ったものを「生花祭壇」といいます。

祭壇を設けずに葬儀を行うことも不可能ではありませんが、「祭壇あり」の葬儀を選ばれる方が圧倒的に多いのが実情です。花葬儀のお客様でも8割以上が祭壇、そして生花を使っての葬儀を行っています。

2.一般的な生花祭壇の特徴

ここからは、一般的な生花祭壇の特徴について、さらに詳しくご紹介します。

特別感のあるお別れができる

生花祭壇の最も大きな特徴は「その人らしさが表現された、特別感のあるお別れができるところ」にあります。

生花祭壇は、葬儀社のカタログやパンフレットにラインナップされている、数あるデザインの中から選択できるため、「その方のためだけの祭壇」としてご用意することができます。故人様を身近に感じやすくなるぶん、より一層心に残る葬儀が行えることでしょう。

形にとらわれず幅広い表現が可能

生花祭壇と白木祭壇の両方を組み合わせた祭壇デザインも見られます。菊やカーネーションでラインを表現したデザインの生花祭壇が例としてあげられます。

また、生花で故人様を象徴するモチーフを再現することにより、「モダンかつ故人様だけの特別な祭壇」にすることもできます。宗教色を感じさせず、祭壇の形にとらわれない幅広い表現が可能な点も、生花祭壇の特徴です。

コンパクトスタイルから大規模な葬儀まで対応

サイズ・予算の規模に合わせた対応ができるのも、生花祭壇ならではの特徴です。例えば、少人数の葬儀会場の場合はその間取りに合わせたサイズを、社葬などの大規模な葬儀であれば斎場を大きく使っての祭壇の設置が可能です。

3.生花祭壇で使われる花の種類

生花祭壇で使われる花の種類

「祭壇に飾る生花」と聞くと、白を基調としたものを思い浮かべるかもしれません。実際、生花祭壇ではどのような花が使われているのでしょうか?こちらで詳しくご紹介します。

従来から祭壇で使用されてきた花

伝統的な祭壇に飾る花は、ある程度種類が決まっていました。これは厳密なルールというわけではないものの、古くからの習わしを大切にする日本人の気質や宗教感が背景にあると推測されます。

従来の祭壇で一般的に使用されてきた花の種類は、宗教別に以下の通りです。

【宗教別に見る、従来から祭壇で主に使用されてきた花】

宗教 花の種類 補足
仏教 白い菊、カーネーション、ユリ、デンファレ、胡蝶蘭など 白を基調とし、薄い黄色や薄いピンクを入れることも
神道 白い菊、カーネーション、ユリ、胡蝶蘭など 白を基調とし、薄い黄色など白になじむ色味も使う
キリスト教 ユリ、カーネーション、胡蝶蘭、小菊、スプレーマムなど 洋花が中心

生花祭壇では洋花が中心に

近年では、上でご紹介した伝統的に使われる花に加え、さまざまな花が使用されるようになりました。洋花を使った生花祭壇や、故人が生前好んだ花や色をテーマにした生花祭壇も増えてきています。

4.生花祭壇を考えるときの基準

生花祭壇を考えるときの基準

ここからは、生花祭壇を考えるときの基準について、詳しく解説します。

祭壇の種類

祭壇の種類は主に、「仏式」「神式」「キリスト教式」「無宗教」の4つがあります。詳しくは、以下の表を参考にご覧ください。

【宗教別、主な祭壇の種類】

宗教名 使用される主な祭壇 詳細
仏式 白木祭壇 白木でできた祭壇。「段」と「輿(こし)」に大きく分かれているのが伝統的なスタイル。 宗派によって飾るものの種類が違うので要注意。
神式 白木祭壇 白木でできた祭壇という点では仏式と同じだが、お供え物を飾るために脚が8本ある「八足(はっそく)」などを使用。
キリスト教式 キリスト教式祭壇 腰の高さほどの台の上に棺を置く形が一般的。祭壇の中央部にある十字架を挟むように燭台を置き、周りに生花を飾る。カトリックかプロテスタントかによって、飾るものに違いがある。
無宗教 特になし 故人様の遺影や思い出の品など、自由な形で葬儀会場に飾ることができる。

生花祭壇は、どの宗教宗派の祭壇にも取り入れることが可能です。希望される場合は、葬儀を担当する宗教者に相談しておきましょう。

祭壇の大きさ・デザイン

会場の広さによって、設置できる生花祭壇の大きさは変わります。会場が決まっている場合は、設置できる祭壇のサイズを聞き、大きさを基準に選ぶのも良い方法です。

大きさにこだわりがないのであれば、希望のデザインを基に祭壇を考える方法もあります。まずはホームページや広告、口コミなどで感性に合うものを探し、詳細を決めてみてはいかがでしょうか。

予算

生花祭壇の価格は、使う花の種類や祭壇の大きさによって、大きく変動します。それらにこだわりがなければ、予算を基準として考えるのもひとつの方法です。

葬儀社

生花祭壇を作るにあたって、葬儀社の選択は非常に重要です。信頼のできる葬儀社を見つけられるかどうかは、葬儀全体の流れと品質に大きな影響を与えます。

生花祭壇を選ぶ人は「どうしたら故人様に喜んでもらえるか」「どうしたら納得のいく葬儀が行えるか」を特に重視しているはずです。祭壇づくりで失敗しないためにも、以下のポイントを参考に葬儀社を検討しましょう。

【生花祭壇を作るにあたり、重要視したい葬儀社選びのポイント】
・時間をかけて祭壇の希望を聞いてくれるか
・予算に合わせた明確な料金やプランを伝えてくれるか
・ご遺族に疑問が残ったまま話を進めようとしていないか

祭壇の具体的なイメージが湧かずに困っていたとしても、話をしっかり聞く葬儀社であれば、納得のいく生花祭壇を提案してくれるでしょう。

5.生花祭壇の費用と予算の考え方

生花を使用する生花祭壇は、費用面が気がかりだという方もいらっしゃいます。生花を使った祭壇の費用は、どのくらいなのでしょうか。また、生花祭壇を検討する際、どのように予算を考えたらよいのでしょうか。

ここでは、生花祭壇の費用と予算の考え方について、詳しく解説します。

生花祭壇の相場

生花祭壇の相場は、一般的には20万円から80万円が相場とされています。

【生花祭壇の費用相場】
・シンプルな生花祭壇 : 10~20万円程度
・小規模な生花祭壇  : 30~50万円程度
・中~大規模な生花祭壇: 30~80万円程度

より華やかに演出する場合は、100万円超の予算をかけることも珍しくありません。

生花祭壇の予算を考えるときのポイント

一般的な生花祭壇は、デザインカタログのラインナップの中から選ぶことが多いようです。横幅が1.5~3mほどの棚を数段飾るスタイルが基本となっています。祭壇が1~2段のものは、上述した「シンプルな生花祭壇」に当てはまります。

この基本の設定に加えて、以下のような要素によって、費用は変動します。

・祭壇の段数
・花の本数
・花の価格

ラインナップがあるとイメージしやすい一方、「故人様のイメージと合わない」「どこかで見たような生花祭壇になってしまった」と感じることもあるかもしれません。

6.花葬儀のオーダーメイド生花祭壇

花葬儀のオーダーメイド生花祭壇

ここまで、生花祭壇を選ぶときの基準や予算やについて解説しました。ここからは実際に、数多くの生花祭壇を手掛けてきた花葬儀における生花祭壇について、ご紹介します。

予算や祭壇のサイズよりもヒアリングから

花葬儀では、「100人100通りのお葬式」のコンセプトで、故人様らしさとご家族の想いが反映された「世界にただ一つの葬儀」を実現するために、「オーダーメイドの生花祭壇」をお作りしています。

祭壇の打ち合わせでは、ご予算や祭壇のサイズといった基本的な質問よりも、故人様のお人柄をうかがい知るための深い対話からスタートします。長いときは数時間かけてお話を伺い、空間デザイナーがイメージして描いたデッサン画を見ながら、お客様と一緒に詳細を詰めていきます。

生花祭壇のみならず式場全体の空間を演出する

祭壇のイメージと金額が決定したら、専任スタッフがご希望通りに祭壇をお作りします。花葬儀では、生花祭壇と合わせて、より故人様とご家族の想いを形にできるよう、入口から祭壇に至る空間全体をデザインの対象とするのが他社との違いのひとつです。

また、葬儀当日は、打ち合わせ時に使用したデッサン画や、祭壇のコンセプトを記したコンセプトボードを掲示します。さらには空間デザイナーより、使用したお花やデザインについて直接ご説明するなど、生花祭壇と空間演出に込めた想いについて知っていただく時間を設けています。

故人様を大切に思う方々で作り上げる「エクステンション供花」

花葬儀では、生花祭壇を依頼された方に「エクステンション供花」をおすすめしています。エクステンション供花とは、ご家族と話し合ってデザインした葬儀空間を、供花代分の費用で拡充する仕組みを指し、以下のような特徴があります。

【エクステンション供花の特徴】
・いただいた供花分の費用を祭壇費用に組み込めるため、ご家族の費用負担を軽くできる。
・花のボリュームを減らさずに、祭壇を華やかに飾ることができる。
・故人様のために贈った供花代がどのように活用されたのかがわかりやすい。

エクステンション供花を取り入れ、デザインコンセプトを共有することで、葬儀に集まった全員がひとつになって祭壇を作りあげたと実感できるでしょう。

7.実際の生花祭壇の実例

ここでは、実際に花葬儀で生花祭壇を選択した方々のインタビュー記事をご紹介します。
生花祭壇を考える際の参考になさってください。

8種類のひまわりで飾った家族葬の生花祭壇

「費用を抑えつつ、主人らしい祭壇のある家族葬を行いたい」という奥様のために、ご主人の誕生月やお人柄をイメージした、ビタミンカラーの花で彩られた祭壇をデザインしました。

ご要望のあったヒマワリは、8種類をご用意。さらにご主人様の趣味である鉄道写真や、願い及ばなかった四国旅行の風景写真や好物を祭壇周りに配置し、近しい身内と友人が集まる家族葬を行いました。

詳しい内容は、こちらからご覧になれます。
費用を抑えても、やっぱり最期は素敵な祭壇で送りたい

バラ・桜で大胆にアレンジした生花祭壇

「しきたりや形式にこだわらず、明るいお葬式を」と生前お話ししていた奥様のために、ご主人様が花葬儀に依頼。デザインのお仕事をされているお嬢様と当社フラワーデザイナーとが相談して作った祭壇は、バラと河津桜を取り入れた大胆で美しい生花祭壇でした。

葬儀後、亡くなった奥様の希望通り海洋散骨を行ったご主人様からは、「300万点のお別れができたと満足しています」とお喜びの声をいただきました。

詳しい内容については、こちらからご覧ください。
春の南伊豆を思わせる、明るい花祭壇のお別れ会

赤など暖色を使ったグラデーションの生花祭壇

仕事に尽力されたご主人様のために、白を基調とした花の中に、異なる色のカーネーションでラインを強調し、まじめで正義感のあるご主人様らしさを表現した祭壇をご用意しました。

コロナ禍の葬儀でしたが、しっかりとした感染対策を行うことで、メモリアルコーナーの設置や特別な手土産を参列者にお渡しするなど、希望通りの葬儀を行うことができました。

詳しい内容は、こちらからご覧になれます。
私のわがままを叶えるために動いてくださったプランナーさんにただただ感謝です。

上記の実例以外にも、花葬儀では、例えば春なら桜、秋ならコスモス、梅雨の時期なら紫陽花のように、四季を感じる花々を取り入れた生花祭壇を制作しています。また、「故人様のお人柄を感じさせる花や色」で祭壇を飾る方も多くいらっしゃいます。

予算に合わせて生花の種類や色、デザインを一から作るオーダーメイドの生花祭壇であれば、より柔軟に、希望に添ったデザインの生花祭壇を作ることが可能なのです。

8.生花祭壇に関するQ&A

A.生花祭壇に飾ったお花は、故人様のために棺に入れます。棺に入りきらず余った花は処分することも、持ち帰ることも、どちらも可能です。

花葬儀の葬儀に参列された方々は、「デザインが綺麗」「記念に持ち帰りたい」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。持ち帰りを希望される方には、ミニブーケにアレンジし直したものをお渡ししています。

一方で、「葬儀に使った花を持ち帰るのは縁起が悪い」と考える方もいらっしゃいますから、無理にお持ち帰りいただくことはございません。

A.生花祭壇は、さまざまな宗教で取り入れられた実績があります。

仏教葬の白木祭壇や、神式の祭壇など、宗教宗派によって祭壇の種類はさまざまです。しかし、それぞれの宗教の特徴を生かしながら生花祭壇を作ることは十分可能であり、そのような実績も豊富にあります。

ただし、信仰されている宗教や、所属している寺院によっては、特有の規則や傾向がある場合もありますから、事前に確認しておくことをおすすめします。

A.使ってはいけないお花は、基本的にありません。

従来の葬儀では菊を使うことが多かったため、花の種類にマナーがあると思う方もいらっしゃいます。しかし、葬儀で使えるお花に決まりはありませんから、ご希望のお花を祭壇に使用しても問題ありません。

実際に花葬儀では、赤いバラで生花祭壇を作られた実例もございます。ご遺族の方々には、デザイナーから生花祭壇のデザインの意図等を説明いたします。内容を参列者にも伝えれば、より理解していただきやすくなるでしょう。

ただし、基本的にはどのような花でも祭壇に使用できますが、季節などを理由に入手ができないケースもあります。使いたい花がある場合は、葬儀社に事前に伝えて用意が可能かをご確認してください。

9.その人らしさを表現できる生花祭壇で心に残るご葬儀を

実例からもわかるように、希望に沿った生花祭壇を作るためには、葬儀や祭壇に対する要望を持つことが重要です。

しかし、葬儀社と打ち合わせをするときは、突然のことに気が動転している状態がほとんどでしょう。イメージが浮かばない時は、生花祭壇を考えるときの基準でご紹介した項目に加え、下記のような項目を考えてみると、具体的な希望が見えてくるかもしれません。

・故人様が好きだった物
・故人様との思い出
・故人様にしてあげたかったことなど

これらを葬儀社の方から聞いてくれるかも、生花祭壇の依頼先を決める重要なポイントとなります。

生花祭壇の最大の特徴は、「ご家族の想いを大切にし、故人様らしい祭壇を作ることができる」点にあります。花を見るたびに故人様のことを思い出すような、素敵な生花祭壇を考えてみませんか。

花葬儀では、ご家族の話を大切に聞き、それを生花祭壇のデザインに反映させることを心がけています。「オーダーメイドの生花祭壇とは、どのようなものか」と疑問に思われた方は、ぜひ、花祭壇ギャラリーをご覧ください。

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