一日葬にお香典は必要?辞退の案内があったら?相場やマナーも解説

一日葬は香典必要

「一日葬」という葬儀の形式を耳にしたことがあるでしょうか。一日葬は近年、首都圏を中心に増加傾向にある比較的新しい葬儀のスタイルです。

その歴史はまだ浅いため、参列経験がない方も多いことでしょう。まだ馴染みがない葬儀ではありますが、コロナ禍でニーズが広まったこともあり、一日葬が最近注目されてきています。

そこで、今回は、大切な人を正しいマナーでお見送りするために、一日葬のお香典にフォーカスを当てて、お香典が必要かどうか、相場金額やマナーについて詳しく解説します。

1.一日葬とは?

一日葬とは

一日葬とは、お通夜を行わずに、告別式から火葬までを1日の中で行う葬儀のことをいいます。一般的には、1日目にお通夜を行い、2日目に葬儀・告別式、火葬を行いますが、1日葬の場合はお通夜がないため、全て1日で終わります。

そのため、突然の訃報を受けてから仕事を調整し二日間の都合をつけることが難しい方、高齢者の方、遠方から来られる方など、時間的・体力的に負担になってしまうご親族や参列者にとって、一日葬はメリットがあるといえるでしょう。

2.一日葬にお香典は必要?

一日葬に香典必要か

一日葬の場合でも、お香典は持参するのがマナーです。お香典を用意することには、二つの理由があります。ひとつは「お悔やみの気持ちを込めてお花やお香の代わりにご霊前に供えてもらうため」、もうひとつは「ご遺族の金銭的な負担を軽くするため」です。

葬儀代は少なからずご遺族の負担になるもので、一日葬だとしても大きな出費となります。お香典は、そのようなご遺族の負担を軽くする意味も含めて用意します。お通夜を行わずに葬儀・告別式を一日で行う一日葬であっても、他の葬儀形式とあまり変わらず費用はかかるので、お香典は用意しましょう。

3.一日葬で香典辞退の案内があったら持参しない

一日葬の香典辞退

葬儀を一日葬で行うことには、故人様の生前のご意向はもちろん、喪主様やご遺族が考える理由がありますが、金銭的な理由ではなく、時間的・体力的負担を懸念して一日葬を選択することも少なくありません。

喪主様やご遺族が「香典返しの段取りが負担になる」と考えてお香典を辞退するケースもあり、一日葬では香典辞退がとりわけ多いようです。その意向には、遠慮の気持ちだけではなく、ご遺族の思いが他に隠されている場合もあるため、お香典を辞退する案内を受けた場合には、お香典を持参するのはマナー違反となるので控えましょう。

4.一日葬のお香典の金額相場は?

一日葬の香典の相場

一日葬のお香典は、一般的にいくらくらい包んでいるのか、ここでは、お香典の金額の相場をご紹介します。

一日葬のお香典の相場

一日葬の場合のお香典の金額は、一般の葬儀と同じように考えましょう。お通夜がある、なしに関わらず、普通の葬儀で用意するお香典と同じ金額で用意すれば問題ありません。

一般的に故人様と関係性の近い人ほど高い金額を包みます。

一日葬のお香典の金額相場

  • ・親または、子:3万円〜10万円
  • ・兄弟姉妹:3万円〜5万円
  • ・祖父母・孫:1万円〜5万円
  • ・伯父(叔父)・伯母(叔母):1万円〜3万円
  • ・従兄弟:1万円〜3万円
  • ・その他の親戚:5千円〜1万円
  • ・友人:5千円〜1万円
  • ・仕事関係の知人:5千円〜1万円
  • ・近隣の知人:3千円〜5千円

※一日葬に夫婦で参列する場合のお香典の金額相場は、こちらの記事が参考になります。

一日葬のお香典を包むときに気をつけること

お香典を包むときには、注意すべき金額があります。まず、割り切れる偶数は「故人様とのつながりを切る」という連想をさせるため、お香典の金額としては避けたほうがよいといえます。しかし、近年では偶数でも差し支えないとする風潮もあります。たとえば、2万円を包む場合は、お札の数を奇数にしておくとよいでしょう。

さらに、「死」を連想させる「4」、「苦」を連想させる「9」の数字は避けて包むのがマナーです。この数字は、金額の数字だけでなく、紙幣の枚数としても避けるべき数字です。お香典の金額を検討する際には、これらの点に気をつけましょう。

5.一日葬に参列できない場合、お香典はどうする?

一日葬に参列できない

一日葬は葬儀が昼間に行われることが多いため、どうしても都合がつかず、参列できない場合もあるでしょう。そのときの対処方法について解説します。

お香典を郵送する

一日葬に参列できない場合には、お香典を郵送する方法があります。お香典を郵送する場合には、「現金書留」で送る必要があります。

お香典を郵送する場合のお香典の包み方や表書きの記入方法などは、葬儀に参列する場合と同じですが、お香典だけではなく、喪主様またはご遺族にお悔やみの気持ちを込めたお手紙を添えましょう。

お香典に添える手紙を用意したら、郵便局で購入できる現金書留専用の封筒に入れて、郵便局の窓口で発送依頼をします。一般的に葬儀から1週間以内に届くように送るのがマナーとされています。

 後日弔問して渡す

一日葬の日程に都合がつかず参列することができなくても、ご自身で直接お香典を渡し、お悔やみを伝えたいという方も多いことでしょう。ご自宅を弔問する場合には、葬儀直後は避けるのがマナーです。ご遺族はすべきことが多く、短時間の弔問でも負担になってしまうからです。

目安としては、四十九日法要を済ませた後、ご遺族にご都合を伺ったうえで、ご迷惑にならない時間帯に訪問してお香典をお渡しするとよいでしょう。

6.一日葬でお香典を渡すタイミングとマナーは?

香典を渡すタイミング

一日葬に参列した際は、特にお香典に関するマナーを守りたいものです。ここでは、一日葬でお香典を渡すタイミングと渡し方のマナーについて解説します。

お香典を渡すタイミング

一日葬でのお香典を渡すタイミングは、一般の葬儀と同様です。葬儀会場に到着して、入口に設けられている受付で記帳をしたあとに渡しましょう。受付がない場合には、喪主様にお香典を渡しますが、喪主様は果たすべき役割が多いため、邪魔にならないようにタイミングを見計らってお渡ししましょう。

お悔やみの言葉は伝えるのがマナーですが、長話は喪主様の負担になる可能性があるので控えた方がよいでしょう。

お香典の渡し方のマナー

一日葬でお香典を渡す際のマナーは、一般の葬儀の渡し方と同じです。受付で渡す場合でも、喪主様に直接お渡しする場合でも、下記の手順でお香典を渡しましょう。

  1. 1.右手に袱紗(ふくさ)に包んだお香典を持ちます。
  2. 2.左手で袱紗からお香典を取り出します。
  3. 3.渡す相手から見て香典袋が正位置になるようにして、お悔やみの言葉とともに渡します。

7.一日葬の香典袋の選び方は?

一日葬香典袋の選び方

お香典は、仏教から始まった文化ですが、現在の日本では、仏教に限らず、神道やキリスト教の葬儀でもお香典を用意するのがマナーとなっています。ここでは、一日葬のお香典袋の選び方についてご紹介します。

一日葬の香典袋の絵柄・水引

香典袋が売られているお店に行くと、絵が描かれているもの、無地のものなど数種類が売られています。水引があるもの、ないものもあるでしょう。香典袋は好きに選ぶのではなく、故人様の葬儀の宗教により使い分けをします。一日葬の葬儀でも、一般の葬儀と同じように香典袋を選ぶマナーがありますので、覚えておきましょう。

仏式の一日葬

仏式の一日葬の場合には、「無地」または「蓮の花」が描かれた香典袋を選びましょう。水引の色は、白黒または、双銀を用いるのが一般的ですが、京都などの地域によっては、黄色と白の水引の香典袋が使われます。

キリスト教式の一日葬

キリスト教の一日葬の場合、「無地」の香典袋、または「十字架」または「百合の花」が描かれた香典袋を選びましょう。キリスト教の場合には、水引はないものを選択するのが一般的です。

神式(神道)の一日葬

神式の一日葬の場合には、香典袋は絵柄のない無地のものを選びましょう。水引は、黒白か双銀、または双白のものを選ぶのが一般的です。

一日葬の香典袋の表書き

宗教によって適した香典袋の表書きがあるので、どの宗教で一日葬が行われるのか、お香典を用意する前に把握しておく必要があります。

表書きが印字されている香典袋を購入しても、ご自身で手書きしても良いですが、葬儀の宗教に合わせた表書きの香典袋を用意しましょう。ここでは宗教によって異なる香典袋の表書きについてご紹介します。

仏式のお香典の表書き

仏式の一日葬の場合、一般的に「御霊前」の表書きが記載された香典袋を使います。「御仏前(御佛前)」と記載された香典袋は、故人様が仏になると考えられている四十九日以降に供えるお香典で使います。
ただし、仏式でも、浄土真宗と曹洞宗は教義が異なるため、お香典の表書きに「ご霊前」は使用せず、「御仏前」または「御香典」を使うのが相応しいとされています。

仏式の香典袋

キリスト教式のお香典の表書き

キリスト教式の一日葬では、仏式の葬儀でお焼香を行うように、「献花」を行います。そのため、表書きでは「御花料」という表書きを用いるのが一般的です。これはカトリックでも、プロテスタントでも同じです。

キリスト教式の香典袋

神式(神道)のお香典の表書き

神道では、葬儀のことを「神葬祭(しんそうさい)」といいます。亡くなった方の冥福を祈り見送るための儀式ではなく、故人様を家の守り神とするために行う儀式です。お香典の表書きは「御神前」が一般的で、「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」と記載することもあります。「御霊前」も使用しても問題はありません。

神式の香典袋

8.一日葬でもお香典は用意しましょう

一日葬は香典は必要

一日葬は、お通夜を省いて一日で葬儀を行いますが、喪主様やご遺族が故人様を供養したいと思う気持ちには何ら変わりはありません。訃報を受け、一日葬に参列する場合には、基本的には一般的な葬儀と同じようにお香典を用意しましょう。

お香典は、故人様やご遺族へ思いを届ける手段でもあります。喪主様やご遺族の気持ちを優先しながら、マナーを守って思いを届けましょう。

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