お香典を葬儀後に渡すとき、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。「直接と郵送、失礼がないのはどちらだろう?」「そもそも、お香典を葬儀に持参せず、後になって渡す行為は問題ないの?」と悩む方も少なくありません。 そこで今回は、お香典を葬儀後に渡すときの方法とマナーについて詳しく解説します。葬儀後にお香典を渡すタイミングや、お香典の金額相場の他、最近増えている「家族葬」の後にお香典を渡すときの注意点も解説します。ぜひ最後までお読みください。 【もくじ】 1.お香典を葬儀後に渡す方法 2.お香典を葬儀後に持参して渡すときのマナー 3.お香典を葬儀後に郵送するときのマナー 4.お香典を葬儀後に渡すときの金額相場 5.お香典を葬儀後に渡すときの表書き 6.【家族葬の場合】お香典を葬儀後に渡すときの注意点 7.葬儀後のお香典に関するQ&A 8.お香典を葬儀後に渡す場合は、事前に確認し、マナーを守って渡しましょう 1.お香典を葬儀後に渡す方法 お香典は、葬儀参列時に持参するのが一般的ですが、諸事情で葬儀に参列できなかったり、訃報を後から知ったりすることもあるでしょう。お香典の目的は、「故人様を悼む気持ちの表れ」「ご遺族の金銭的な補助」ですから、お香典を渡すのが葬儀後になったとしても、決して失礼にはあたりません。 葬儀後のお香典の渡し方は「直接」か「郵送」 葬儀後にお香典を渡す方法は、「直接」と「郵送」の2種類があります。 「お香典を郵便で送るのは失礼ではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お香典を郵送すること自体は失礼ではありません。葬儀後に故人様のご自宅を訪れることが難しい場合は、郵送することも選択肢のひとつです。 お香典を送ってよいか必ず訃報を確認 お香典を葬儀後に送る前に、まずは訃報を確認しましょう。訃報にお香典を辞退する旨が記載されている場合は、渡すのを控えます。辞退の背景には「香典返しの手間や負担をなくしたい」というご遺族の意向があるからです。 ただし、このメッセージは、主に親族以外の一般の方へ向けたものですから、ご親族である場合には、訃報にお香典を辞退する旨の記載があっても、渡すのが通例です。 なお、お香典を受け付けているかをご遺族に直接確認するのは控えましょう。直接尋ねると、例えお香典を受け付けていても、ご遺族が恐縮し辞退してしまうかもしれません。訃報の内容のみを確認し、記載内容に従うことが大切です。 2.お香典を葬儀後に持参して渡すときのマナー 葬儀後にお香典を持参する場合、ご遺族を訪ね、弔意を表す「弔問」を行います。この際、故人様に手を合わせ、悲しみの中にいらっしゃるご遺族と対面することになります。そのため、マナーを守って失礼のない振る舞いを心がけなくてはなりません。 ここからは、お香典を葬儀後に持参し、ご遺族に直接渡す際のマナーについてご紹介します。 事前に弔問の許可をとり日程を調整 お香典を渡したいからといって、いきなり故人様の自宅を弔問するのは適切ではありません。ご遺族はまだ気持ちの整理が付かず、混乱されている可能性があります。必ず事前にご遺族から弔問の許可を得て、日程の調整をしてから伺います。 故人様の自宅を弔問するタイミングに決まりはありませんが、葬儀の直後はご遺族が忙しくされていることが多いため、葬儀後1週間から10日後あたりがよいでしょう。 なお、ご遺族から訃報の連絡がない場合や、ご遺族が弔問を望まれない場合は、弔問を控えるのが礼儀です。 弔問するときのマナー 葬儀後に故人様のご自宅を弔問する際のマナーは、以下の通りです。お悔やみを述べる際は、葬儀に参列するときと同じく、忌み言葉などは避けるようにしましょう。 【弔問時のマナー例】 ・服装は平服とし、靴や鞄は落ち着いた色味のデザイン、光沢のない素材とする ・華美なメイクやアクセサリーは避ける ・コートを着ている場合は玄関に入る前に脱ぐ ・忌み言葉や重ね言葉は使わない ・故人様の死因への言及は慎む ・「生きていた頃」「亡くなった後は~」といった表現を避ける 弔問では、故人様のご自宅に上がる場合がほとんどですから、足元にも注意が必要です。靴下の色や柄が弔問にふさわしいか、穴や汚れがないかは出発前にきちんと確認しておきましょう。 弔問におけるマナーについては「弔問とは?タイミング、服装やマナー、流れも解説」の記事でより詳しくまとめていますので、参考になさってください。 お香典の渡し方・タイミング 葬儀後の弔問においてお香典を渡す方法やタイミングは、以下の通りです。 【弔問でのお香典の渡し方例】 1.玄関先で挨拶をし、お悔やみの言葉を述べます。 2.ご遺族に「お上がりください」と案内されたらご自宅に上がります。(案内がなければここでお香典を渡し、すみやかに退出しましょう。) 3.仏壇の前に座りお焼香をします(仏教以外の場合も、祭壇などにお参りをします)。 4.お焼香の後はご遺族に向き直り、改めてお悔やみの言葉やご遺族を気遣う言葉を伝えてから、袱紗(ふくさ)からお香典取り出し、お渡しします。 葬儀の準備や他の来客への対応で、ご遺族が疲弊している可能性もあるため、お香典を渡し終えたら、過度に長く滞在せずに早めに退席しましょう。 3.お香典を葬儀後に郵送するときのマナー 郵送でお香典を送る場合、ご遺族と直接会って話をすることができないぶん、弔意が伝わりにくいと感じる方もいるでしょう。しかし、マナーを守り手順を間違えなければ、故人様を偲び、ご遺族を思う気持ちが伝わるはずです。 ここでは、お香典を葬儀後に郵送する場合のマナーをご紹介します。 お香典を送るタイミング 葬儀が行われるのを知っていて参列ができなかった場合には、葬儀後ご遺族が少し落ち着き、郵便物を確実に受け取ることのできる頃にお香典を送ります。具体的には、葬儀の2~3日あとから1週間以内に届くようにするとよいでしょう。 必ず現金書留で送る 郵便法第17条により、現金を普通郵便で送ることは禁止されています。お香典は、必ず郵便局で現金書留を使って送りましょう。現金書留には、相手に届いているかが分かる追跡サービスや、万が一の紛失時の補償もついているので安心です。 「配達日指定」や「配達時間帯指定郵便」といったサービスも併用すると、受け取る側の都合に合わせやすくなります。 お悔やみの手紙を同封する […]