ペットロスとは?症状・原因・向き合い方と心の整理につながる供養
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- 【 供養の基礎知識 】

大切なペットを失ったあと、深い悲しみや喪失感から気持ちの整理がつかず、「この状態は普通なのだろうか」「いつまで続くのだろう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。ペットロスは、ペットを深く愛してきたからこそ起こる自然な心の反応です。
本記事では、ペットロスの症状や向き合い方、心の整理につながる供養の考え方までを、やさしくわかりやすく解説します。
【もくじ】
1.ペットロスとは?
長年連れ添ったペットを失った悲しみは、覚悟していた以上に辛いものかもしれません。
ここでは、ペットロスとはどのようなものなのかについてご説明します。
ペットロスが起こる理由
ペットは、時にはご家族以上の存在になることもあります。そのペットを失ったときの衝撃や喪失感は、飼い主にとって計り知れないほどに大きいものです。ペットを失った体験そのものや、その悲しみをきっかけに生じる心理的な反応、さらには不眠や食欲不振などの心身の不調を総称して「ペットロス」といい、医学的には「ペットロス症候群」と呼びます。
ペット保険「PS保険」によると、犬や猫の飼い主の約6割がペットロスを経験し、そのうち85.5%が「悲しみや喪失感」を感じたとされています。ペットロスは決して特別なことではなく、多くの飼い主が経験する心の反応といえるでしょう。
出典:あなたはどう乗り越える? ペットロスで85.5%が「悲しみや喪失感」:ペット保険「PS保険」調べ|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000057917.html
グリーフ(悲嘆)との関係
ペットとの別れを経験した際に生じる深い悲しみは、「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれ、ペットロスの中核となる心理的反応のひとつと考えられています。ペットとの別れを経験すると、ペットと一緒に過ごした思い出とあわせて、死なせてしまった罪悪感や後悔、恨みなど説明しがたい複雑な気持ちさえ抱えてしまうこともあるのです。
2.ペットロス症候群の主な症状

ペットロス症候群の症状は、深い悲しみや精神的なストレスをきっかけに、心だけでなく身体や日常生活にも影響が及ぶのが特徴です。現れる症状や強さには個人差があり、「これが正解」「こうでなければならない」という形はありません。
一般的には、次のような心理的・身体的な症状が見られることがあります。
心理的な症状
・感情が不安定になる(気分が落ち込みやすい)
・孤独感・不安感・虚無感が強くなる
・やる気が起きない(以前楽しめていたことに興味がわかない)
・ペットのことを考えては涙が止まらない
身体に現れる症状
・不眠(眠りが浅い、寝つけない)
・食欲不振
・摂食障害(拒食・過食)
・息苦しさ
・強い疲労感
・頭痛・腹痛・めまい
行動や日常生活への影響
・亡くなったペットがそばにいるように感じる
・他人のペットを見るのが辛い
これらの症状は、ペットを深く愛してきたからこそ現れる自然な心身の反応であり、決して珍しいものではありません。
3.ペットロスを重症化させる原因
大切にしてきたペットを失ったことによるペットロスは、誰にでも起こりうることです。この状態は、時間を経れば、和らいで克服されていきますが、重症化してしまうと回復に時間を要します。
ここでは、重症化してしまう原因についてご紹介します。
強い罪悪感を抱えてしまう
ペットを失うと、飼い主が「もっとこうしてあげればよかった」と罪悪感を抱えてしまうケースがあります。ペットの症状に気がついたタイミングや、連れて行った病院の選定、治療の方針まで振り返って亡くなった原因を探り、自分の行動を責めてしまうのです。
生前、できる限りのケアをしていたとしても、ペットを失うと“たられば”の思考になりやすく、ペットロスを重症化させる原因になります。
心が現実に追いついていかない
ペットは自分の不調を伝えられませんから、病気の発見が遅れてしまうことがあります。不慮の事故で急死してしまう場合もあるでしょう。そのようなとき、飼い主にはペットを失う心の準備ができていないため、「心が現実に追いつかない」という状態が生じます。たとえ「いつかは」と別れを頭で想像していたとしても、実際に起こったときには、なかなか心では受け止められないものです。
また、仕事や人間関係、日常生活で辛いことがあった時期と、ペットの死が重なった場合に、重症化しやすい傾向にあります。ペットを失ってしまったことによる反動が出やすくなってしまうのです。
相談できる人が近くにいない
ペットを亡くしてしまったときに、その辛さに共感してくれ、自分の弱さをさらけ出して相談できる人が近くにいない状況にある可能性もあるでしょう。
飼い主の悲しみは、ペットを飼った経験がない人に理解をしてもらうのは難しいかもしれません。しかし、自分だけで悲しみを抱えていると、消化できずにペットロスを重症化させてしまいがちです。
4.ペットロスと向き合うための3つの方法

ペットロスからの回復のペースには大きな個人差があり、数週間で落ち着く方もいれば、数か月以上かけて少しずつ向き合っていく方もいます。期間は人それぞれです。
ここでは、心のケア(グリーフケア)の観点から、回復に役立つ3つの方法をご紹介します。
一人で悲しみを抱え込まない
ペットロスの悲しみは、一人で抱え込まないことが大切です。ペットとの関係性は人により異なりますし、他人に100%の理解を求めるのは難しいかもしれません。しかし、ご家族や友人に会い、自分の状況を説明して、寄り添ってもらうことで気持ちが和らぐ場合もあります。
また、インターネット上には、周りには明かしづらい同じような悩みを抱えた人が、悩みの内容や克服した方法などを公開していることがあります。自分と似た境遇にあった人の体験談を読むなどの方法も、抱えている悲しみは自分だけに限ったものではないと感じられ、気持ちを楽にしてくれるでしょう。
気持ちを切り替える工夫をする
気持ちを切り替える工夫とは、悲しみを否定することではなく、心を休ませるための小さなきっかけづくりです。
たとえば、ペット用品などを整理しながらお部屋の模様替えをすることが、気持を切り替えるきっかけになる場合もあります。
亡くなった悲しみよりも、生前一緒に過ごした楽しかった日々や、幸せだった時間を思い出して、少しずつでも感情を前向きに切り替えていきましょう。
専門家のサポートを検討する
身近な人に相談しても理解されないと感じたときや、悲しみが長引いて日常生活に支障が出ている場合には、ペットロスカウンセラーなどの専門家のサポートを受けることも選択肢のひとつです。ペットロスの症状に悩む方に寄り添ってきた経験豊富なカウンセラーであれば、心の状況に理解を示し、ペットロスと向き合うためのアドバイスをしてくれるはずです。
ペットロスについてよくある誤解
ペットロスの「克服」とは、悲しみを忘れることではありません。大切なペットとの思い出を否定せず、日常生活の中で悲しみと折り合いをつけていくことが、回復のひとつの形です。無理に気持ちを切り替えようとする必要はありません。
5.ペットを供養することが心の整理につながる理由

ペットを供養することには、どのような意味があるのか、飼い主にどのような影響があるのかについてご紹介します。
ペットを供養する意味
供養とは、亡くなった人、または動物の冥福を祈る行為です。お花やお供物を手向け、手をあわせることも供養の一環です。
人間は大切な方を亡くしたとき、ご家族やご友人、生前交友のあった方々をお招きし、お葬式を行います。お葬式というお見送りの機会を設けることで、故人様をしのび、気持ちの整理をつけるのです。
動物においても、現代ではペットとの関係性が昔とは変化して、しっかり供養したいと考える人が増えています。供養は、亡くなったペットのために行うものでありながらも、しっかりとお別れの機会を設けることで、飼い主は心を整え、ペットと過ごした思い出にひとつの区切りをつけられるでしょう。
ペット供養の主な方法
ペット供養の方法には、主にどのようなものがあるかをご紹介します。
ペットの葬儀を行う
ペットの供養をしたいと考え、人間と同じようにペットの葬儀を行う方も多くいます。
ペットの葬儀を行う場合、場所はさまざまですが、人間の供養の方法と大きな違いはありません。お花や、生前よく遊んだ玩具などを祭壇に飾り、好きだった食べ物などと一緒に火葬をしてもらうことも可能です。
葬儀については、お花で装飾を施し、お別れの儀式や読経を行う場合もあります。葬儀社では、ペット用の葬儀プランを用意しているところもあります。ご希望に合わせて葬儀の内容を提案してくれるでしょう。
ペット葬儀の流れや供養方法について詳しくは、「ペット葬・火葬はどこでする?」の記事を参考にしてください。
葬儀後にお墓を用意し供養する
ペットの葬儀を行ったあとは、お墓に埋葬するのが一般的です。
ご自宅の庭に火葬したご遺骨を埋葬することもありますが、現代では集合住宅や賃貸物件でペットを飼っているケースも多いため、住宅事情により庭への埋葬が難しい場合も多いでしょう。そのようなときには、ペット霊園を利用する方が多いようです。年間の管理費がかかりますが、定期的にお参りもでき、安心してペットのご遺骨を預けられます。
また、人間と同じように、自然に還すことを目的に、ご遺骨を海や山などに散骨する「自然葬」を希望する方もいます。この場合、将来のお墓の管理や霊園に支払う管理費について心配する必要がないケースもあります。
寂しがり屋なペットだったから、ずっと近くに置いてあげたいと考える方もいるでしょう。そのような方には、手元供養がおすすめです。火葬したご遺骨を骨壷に入れて目の届くところに置いて供養する方法もあれば、ご遺骨の一部を小さなカプセルやロケット型ペンダント、小さな骨壷に入れて、いつでも一緒にいられるように携行して供養する方法もあります。
飼い主によって、ペットへの思いや希望する供養方法についての考え方は異なります。状況と気持ちにしっかりと向き合って、自分に合った供養方法を選択してください。
6.ペットロスの人のために周りができること

身近な人がペットロスで深く悲しんでいるとき、「どう声をかければいいのか」「何をしてあげればいいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。ペットロスの悲しみはとても繊細で、何気ない一言が相手をさらに傷つけてしまうこともあります。
ここでは、周りの人ができる寄り添い方として、言ってはいけない言葉やかけるべき言葉をご紹介します。
言ってはいけない言葉
善意のつもりでかけた言葉でも、ペットロスの悲しみの渦中にいる人にとっては、心の負担になってしまうことがあります。
ペットロスの人に言ってはいけない言葉の一例には、以下のようなものがあります。
・「動物は早く亡くなっちゃうから、かわいそうにね」
・「元気だしなよ」
・「早く新しい子を飼えば?」
・「どうして死んじゃったの?」
これらの言葉は、ペットとの関係性や悲しみの深さを軽く扱われたように感じさせてしまうため、注意が必要です。
かけてあげるべき言葉
ペットロスの人にかける言葉で大切なのは、励ますことではなく、その人の悲しみやペットとの関係を肯定することです。
ペットロスの人にかけてあげる言葉の一例には、以下のようなものがあります。
・「最期まで大切にしてもらえて、幸せだったね」
・「〇〇さんのペットで幸せだったと思うよ」
・「辛いよね。気持ちが落ち着いたら、話聞かせてね」
・「近くで見守ってくれていると思うよ」
ペットロスの感じ方や回復のペースは人それぞれです。時間の経過とともに少しずつ気持ちが落ち着いていくこともありますので、無理に言葉をかけようとせず、そっと見守る姿勢も大切です。
専門家につなぐ判断の目安
一方で、混乱が強く日常生活に支障が出ているように感じられる場合には、専門家のサポートをすすめることも、周りにできる大切な配慮のひとつといえるでしょう。
7.新しいペットを迎えるという選択肢について

ペットロスの向き合い方のひとつとして、新しいペットを迎えることが選択肢になる場合もあります。
新しいペットを迎えることへの考え方
ペットロスにある人は、「新しいペットを迎えるなんて考えられない」という人も少なくないでしょう。飼っていたペットへの愛情が強ければ強いほど、亡くなったペットへの思いが強く、たとえ同じ種類のペットであっても、新しく迎える気にはなれないものです。
しかし、ペットと素晴らしい時間を過ごした経験がありますから、時が経ち、悲しみが癒えたなら、いつか再びペットを迎えたいと考える人が多いのも事実です。そして、新しいペットを迎えることが、悲しみを癒すきっかけになる場合もあるのです。
迎えるタイミングで気をつけたい点
気をつけなければならないのが、ペットロスの人が新しいペットを迎えるためには、人それぞれの時間の経過が必要だということです。悲しみが癒えていないまま無理に新しいペットを迎えると、ペットロスが悪化してしまうケースもあります。新しいペットを迎える際には、心の整理がついている状況なのかを客観的に判断し、タイミングに十分に気をつけて迎えましょう。
8.ペットロスに関するQ&A
A.症状によっては、専門家への相談をおすすめします。
ペットロスは大切な存在を失ったことによる自然な悲嘆反応であり、長引いているからといって必ずしも異常とは限りません。ただし、不眠や食欲不振が続く、日常生活に大きな支障が出ている、強い自己否定や無力感が改善しない場合は、医療機関や専門家への相談も選択肢のひとつです。
A.新しいペットを迎えること自体が、必ずしも悪いわけではありません。ただし、悲しみが強いまま無理に迎えると、亡くなったペットと比べてしまったり、気持ちの整理が追いつかず、かえってペットロスが深まる場合もあります。
大切なのは「迎えるべきか」ではなく、「今の自分の心の状態で向き合えるか」を見極めることです。焦らず、自分のペースを尊重しましょう。
A.供養や葬儀は必須ではありませんが、心の整理につながると感じる方は少なくありません。
お見送りの時間を設けることで、感謝や愛情を形にし、悲しみと向き合う区切りを持てる場合があります。
9.ペットロスと向き合うために、今できることを考えてみましょう
ペットロスからの回復には、悲しみと向き合い、気持ちに区切りをつけるための時間が欠かせません。重症化を防ぐためにも、無理に感情を押し込めず、自分なりの形でペットとの別れを受け止めることが大切です。
今、可愛がっているペットが元気でも、そのペットとのお別れに自信がない方は、事前にペットの葬儀について考えておくことをおすすめします。いつか来るそのときに備えることは、心の準備にもなるでしょう。
ペットの葬儀やお見送りの時間は、悲しみを否定するのではなく、感謝や思い出として受け止め直すための大切な機会でもあります。
どのようなお見送りが心の整理につながるかは、飼い主それぞれの想いによって異なります。形式に正解はなく、不安や迷いがある場合には、専門的な知識を持つ葬儀のプロに相談することもひとつの方法です。
花葬儀では、ペットとのお別れに向き合う時間が、飼い主様にとっても穏やかな心の整理につながるよう、豊富な知識と経験を活かしてサポートさせていただきます。まずはお気軽に、事前相談をご利用ください。











