お葬式に数珠は絶対に必要?忘れたときの対処法や基本マナーも解説

お葬式に数珠は絶対に必要?忘れたときの対処法や基本マナーも解説

数珠は、お葬式に参列する際に必要な持ち物として知られていますが、絶対に必要なのでしょうか。また、もし事前に数珠を準備する場合には、どのように数珠を選んで購入すればよいのでしょうか。

今回はこれらの疑問について解説し、数珠の持ち方や選び方といった基本的なマナーから、お葬式で数珠を忘れてしまったときの対処法までお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。

1.数珠とは?

数珠とは?

数珠とは、小さな珠に糸を通して輪にした法具のことで、念珠とも呼ばれます。起源は諸説ありますが、古代インドのバラモン教(ヒンドゥー教の古い呼び名)で用いられていた連珠が「数珠」の原型であった、という説が有力のようです。また、後に、ヒンドゥー教徒が祈りの数を数える際に、その珠を使用していたといわれています。

その連珠を仏教の創始者であるお釈迦様が取り入れ、日本では飛鳥時代に中国を経由して仏教と共に伝来したとされていますが、一般庶民に普及したのは、仏教が着々と浸透していった平安時代末期から鎌倉時代のことです。

それまで貴族社会だったことから仏教は一部の人たちのものでしたが、鎌倉時代に移行するにつれて仏教を含めた貴族文化が武家社会に広がりました。

2.お葬式で数珠が必要な理由は?

もともと数珠は、念仏を唱えた回数を数えるための法具として使われていました。人の煩悩は108個あるとされていますが、108個の珠で仕立てられた数珠を持ち一つずつ数えることで、煩悩を消して身を清めると考えられています。煩悩は仏教用語で、人の心身を乱し悩ませて悟りの妨げとなる作用のことを指します。

現代の仏式葬儀や法事などでは、「故人に敬意や供養の気持ちを表す」という意味が込められていることから、「仏教徒の場合は数珠を持つこと」が参列の基本マナーとなっています。

また、数珠は、災厄を取り除くお守りとしても重宝されている仏具です。数珠はお葬式のために使用されるだけでなく、様々な理由から必要とされ大切に扱われているのです。

3.お葬式に数珠は絶対に必要?

お葬式に参列する際に、数珠は絶対に必要なのでしょうか。その答えは、参列者の信じる宗教や考え方によっても異なります。宗教儀礼としては「数珠は必要」といえますが、数珠を用意しなかったとしてもマナー違反にはならない、といってよいでしょう。

自分、もしくは故人様やご親族が信じる仏教で、心を込めて念仏を唱えながら故人様をお見送りしたい場合は、数珠を持ち、手を合わせた方がよいといえます。しかし、自分が無宗教や他の宗教の信者である場合、必ずしも数珠が必要かというと、そうではありません。

お焼香においては、故人様や仏様を拝み、故人様に感謝する心がもっとも大切ですから、ご自身が信じる「最善の方法」で、故人様をお見送りしてはいかがでしょうか。

なお、実際のお葬式の現場においては、数珠を持たない人も少なくありません。故人様を思う気持ちは同じでも、参列者によって故人様を見送る方法は異なると考えてよいでしょう。

4.お葬式まで時間がない!数珠の選び方は?どこで買う?

お葬式まで時間がない!数珠の選び方は?どこで買う?

急なお葬式で手元に数珠がないこともあるでしょう。そのような時、どこで数珠を買えばよいのでしょうか?
数珠を選ぶポイントも含めて、詳しく解説していきます。

数珠の選び方は?

略式数珠を選ぶ

数珠は大きく「略式数珠」と「本式数珠」とに分類されます。略式数珠は、片手数珠とも呼ばれる「宗派問わず利用できる一重の数珠」で、手元に一つあると便利です。本式数珠は、宗派ごとに形が決まっている正式な数珠で、輪を二重にして利用します。

ご自身の家の宗派が不明な場合や、参列する葬儀の宗派が不明な場合には、「略式数珠」を購入するとよいでしょう。

男性用と女性用があるので注意

基本的に男女兼用の数珠はなく、男性用と女性用とで数珠の大きさ、房の色、仕立てなどが異なるため、選ぶ際には注意しましょう。

男性用の略式数珠は、玉のサイズが10〜12mmと大きめで落ち着いた黒や茶色などが無難です。また、女性用は玉のサイズが小さめの6〜8mm、色はピンクや紫といった華やかな数珠が一般的です。

数珠が購入できるところは?

数珠は仏具専門店や百貨店、ホームセンターやコンビニ、百円ショップなどで購入することができます。

本式数珠を購入するなら仏具専門店や百貨店を選ぶとよいでしょう。急いでいるときはホームセンターやコンビニ、百円ショップでも購入可能ですが、特に百円ショップの数珠は紐が切れやすいなど耐久性に劣るケースがあるため、取り扱いに注意してください。

いざというときに慌てないためにも、事前に数珠を用意しておくことが大切です。

5.お葬式に数珠を忘れたときの対処法は?

お葬式に数珠を忘れたとき、どのようにすればよいのでしょうか。
数珠の持参は必須ではありませんが、数珠を持って参列したいという方に向けて解決方法をご紹介します。

葬儀会場で売っていないか確認する

葬儀会場で数珠を販売していないかどうか確認してみましょう。当日忘れてしまった人のために、多くの葬儀会場では数珠の販売をしています。男性用と女性用、子供用とで種類が選べるように用意されていることがほとんどです。

近くにコンビニや百円ショップがないか確認する

葬儀会場の近くにコンビニや百円ショップがないかどうか探してみましょう。店舗により異なりますが、数珠を販売している場合があるため、急いでいる場合には利用してもよいでしょう。

コンビニや百円ショップで売っている安価な数珠を持っていても大丈夫なのか心配されるかもしれませんが、数珠の価格や素材にルールはありません。ご自身のお好きなものを選んでください。

葬儀会社のスタッフに相談する

葬儀会社のスタッフに相談するのも一つの方法です。葬儀社のスタッフであれば、斎場で販売しているのかどうか、また近くに販売店がないかどうかの情報に詳しいからです。よいアドバイスをもらえる可能性があるため、まずは確認することをおすすめします。

なお、数珠を忘れたことに気づいたときは、できるだけ早めに、遅くともお焼香の前に尋ねるようにしましょう。

6.数珠を貸し借りするのはマナー違反

数珠の貸し借りはしない方がよいとされています。数珠は、持ち主の災厄を取り除くお守りであり分身です。ご家族やご友人の間柄であっても、貸し借りは避けてください。基本的に一人一つの数珠を持つことがマナーとなるため、ご自身専用の数珠を用意するようにしましょう。

両親の形見である数珠を引き継いで使うことについては、その数珠を守り大切にしていくことになるので問題ありません。先祖代々受け継がれた数珠は、故人樣と新たに持たれる方の想いが込められた貴重なものとなります。

使い続けているうちに紐が切れてしまったという場合は、修理をするとよいでしょう。

7.数珠の持ち方の基本的なマナーは?

数珠の持ち方は、男性も女性も同じですが、数珠の種類やお葬式の場面によってマナーが異なります。
略式数珠と本式数珠の持ち方の違いと注意点について、詳しく解説します。

略式数珠の持ち方は?

葬儀中の場合

葬儀の最中は、数珠は肌身離さず手元に置いておきます。常に左手首に数珠をかけて持つようにしましょう。

お焼香する場合

お焼香では房を下に向けた状態にして、数珠を左手で持ち歩くようにします。ご遺族と僧侶に一礼し、数珠を左手にかけたまま右手でお焼香します。元の場所に戻るときにも左手で持って移動します。

合掌する場合

合唱する時は両手に数珠をかける方法と、左手に数珠を通して行う方法があります。明確なルールはないため、その場に応じた方法で合掌しましょう。

本式数珠の持ち方は?

本式数珠は、宗派によって持ち方が異なります。多くの宗派では数珠の輪を二重にして、左手の親指と人差し指の間にかけて合掌をしますが、該当しない宗派もあるため確認が必要です。

ご自身の宗派に合った、正しい持ち方やマナーなどの作法を調べておきましょう。

8.お葬式に数珠が必要かどうかは参列者の考え方次第!大切なことは故人様への敬意を表すこと

お葬式に数珠が必要かどうかは参列者の考え方次第!大切なことは故人様への敬意を表すこと

数珠は、仏教においては、故人様を供養するために必要な仏具のひとつです。お葬式において数珠を持ち、仏教でしっかりと故人様をお見送りしたい場合は、あらかじめ数珠を用意したほうがよいですが、数珠がなくてもマナー違反にはなりません。故人様への供養の気持ちや故人様への敬意を表すことが、もっとも重要なことといえます。

そのため、「数珠が必要か必要でないのか」だけを捉えるのではなく、どのようにお見送りしたいのかを考えた上で、必要かどうかの判断をすることが大切です。誠意をもって故人様に接することで、その気持ちは十分、故人様やご親族に伝わることでしょう。

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