白木祭壇と花で故人様らしさを表現~伝統と想いを調和させた祭壇づくり~
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- 【 花祭壇 】
花が好きだった故人様を想い、伝統的な白木祭壇に花を飾って送りたい――そう願うご家族は少なくありません。しかし、「白木祭壇に花を添えても大丈夫なのか」「親族から反対されるかもしれない」と不安に感じることもあるでしょう。
そこで本記事では、従来の白木祭壇の特徴や背景を整理したうえで、白木祭壇に花を取り入れる具体的な演出例や注意点を解説します。
1.白木祭壇とは?特徴と使われる背景
まず、白木祭壇の基本的な構造や素材、そしてなぜ現代でも多くの場面で選ばれているのかについて解説します。
白木祭壇の基本構造と素材
白木祭壇は、白木と呼ばれる無塗装の木材を用いて構成された、仏式葬儀における伝統的な祭壇です。ヒノキや杉などの自然な風合いを持つ素材が多く使用されます。構造は段差のある壇状で、中央に遺影や位牌を安置し、その両側に供物や仏具、燭台などを配置するのが一般的です。
白木祭壇が選ばれ続けてきた理由
葬儀において白木祭壇が使用されてきた背景には、加工や塗装を施さない自然の木材が、「無垢」や「清浄」といった意味合いを持つとされ、葬儀の場にふさわしい厳かな雰囲気を演出できるという考えがあります。
地域によっては「葬儀といえば白木祭壇」との認識が根強い点も、選ばれ続ける理由のひとつです。
2.白木祭壇に花を組み合わせることもできる
白木祭壇に花を取り入れることは、葬儀では徐々に一般化しつつあります。葬儀に対する価値観が多様化するなか、「伝統を守りながらも少しだけ柔らかさを加えたい」「温かみのある空間にしたい」など、ご家族の想いに応える形で白木祭壇に花を組み合わせるケースは増えているのが現状です。
3.白木祭壇と花を組み合わせた演出例
伝統を大切にしながら、花の色や配置を工夫することで、祭壇に個性や季節感を添えることも可能です。ここでは、白木祭壇と花を組み合わせた演出方法の一例をご紹介します。
白や淡いピンクの花でやさしい印象を演出する
白木祭壇に白や淡いピンクの花を加えると、全体の印象がやわらぎ、落ち着いたやさしさが感じられる空間になります。たとえば、白を基調にトルコキキョウやカーネーションなどを取り入れ、部分的にピンクを差し色として用いると、過度に派手にならず上品な祭壇に仕上がります。
季節感を活かして祭壇全体を統一する
季節の花を添えると、白木の清らかな質感と調和し、祭壇全体に自然な統一感が生まれます。春には桜やチューリップ、夏にはユリやひまわり、秋にはリンドウやコスモス、冬にはシンビジウムや蝋梅など、季節の移ろいに合わせた花を選ぶことで、その時期ならではの趣を感じさせる空間を演出できます。
故人様らしさを表す花をアクセントに取り入れる
故人様の好きだった花や思い出の花を部分的に取り入れることで、その人らしさが自然と伝わる祭壇になります。白木の風合いを損なわないようにしつつ、アクセントカラーとして花を使うと、形式を守りながらも故人様らしい表現が可能です。
4.白木祭壇に花を添えるときの注意点
白木祭壇に花を加える際は、いくつかの点に注意が必要です。事前に押さえておきたい主な注意点を3つご紹介します。
斎場や宗派によっては制限がある
斎場や宗派によっては花の使用に制限が設けられていることがあります。たとえば、一部の仏教宗派では、花を飾る場所や花の種類に決まりがあるほか、仏具以外の装飾を控えなければならない場合もあります。さらに、公営斎場や寺院の本堂では、施設の規定により祭壇まわりに花を自由に配置できない場合もあります。
花を飾ることに制限があるかどうかは、利用する斎場や僧侶によって異なるため、事前の確認が欠かせません。希望する演出の可否を、早い段階で葬儀社を通じて確認しておくと安心です。
親族や地域の理解を得ることが必要
代々白木祭壇を使ってこられた家系や伝統的な価値観が根強い地域では「葬儀は白木祭壇のみで行うべき」との認識があり、花を飾ることに違和感を持たれる場合があります。
無理に進めてしまうと、思わぬトラブルにつながるおそれもあるため、花を取り入れたいと考える場合は、あらかじめご親族間で意向を共有し、地域の慣習にも配慮して、周囲の理解を得ることが大切です。
対応可能な葬儀社を選ぶ
白木祭壇に花を組み合わせたい場合は、柔軟に寄り添ってくれる葬儀社を選ぶことが重要です。伝統的な白木祭壇の形式に厳密に従い、花の装飾を積極的に提案しない葬儀社がある一方で、形式を尊重しながらも、ご家族の希望に合わせた演出を提案できる葬儀社もあるからです。
希望する内容を実現できるかどうかを見極めるには、葬儀社の事前相談を活用するとよいでしょう。
5.白木祭壇に花を添えて、ご家族の想いのこもった葬儀にしましょう
白木祭壇は、厳かで清らかな空間をつくる日本の伝統的な祭壇です。そこに花を添えることで、ご家族の想いを表現し、故人様らしさをさりげなく伝えることもできます。伝統とご家族の想いの両方を大切にしたい方にとって、白木祭壇と花の組み合わせは、有効な選択肢となるでしょう。
白木祭壇に花を取り入れたい方や、故人様らしい祭壇を希望される方は、花葬儀の事前相談までご連絡ください。経験豊富なスタッフが、祭壇のデザインやお花の種類、ご親族への配慮の方法まで丁寧にご案内いたします。