自宅葬で花祭壇を選ぶ魅力とは?メリットや注意点、実例を解説
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- 【 花祭壇 】

住み慣れた我が家でお別れする自宅葬。そのお別れの空間を、より故人様らしく、あたたかく彩るものとして注目されているのが花祭壇です。しかし、自宅葬で花祭壇を取り入れることに対して、「花祭壇って本当に自宅に合うの?」「どんな準備が必要?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自宅葬における花祭壇の魅力や、注意すべき点についてご紹介します。大切な方とのお別れを特別な時間にしたい――そんな想いを持つ方のために役立つ情報をお届けします。ぜひ最後までお読みください。
【もくじ】
1.自宅葬と花祭壇の基本
近年、葬儀のかたちが多様化する中で、自宅葬という選択肢が再び注目を集めています。ここでは、自宅葬と花祭壇、それぞれの基本的な特徴について解説します。
自宅葬とは
自宅葬とは、葬儀式場を利用せず、故人様のご自宅で執り行う葬儀を指します。家族葬や無宗教葬など、葬儀の形式を問わず、ご自宅で行われる葬儀であれば、すべて自宅葬と呼ばれます。
かつてはご自宅での葬儀が一般的でしたが、住宅事情の変化によって斎場での葬儀が主流となりました。しかし、現在では少人数での葬儀が増えたことや、自由な形式の葬儀を求める声の高まりから、その良さが見直されています。
花祭壇とは
花祭壇は、花を主役に構成された祭壇のことで、仏式葬儀でよく見られる白木祭壇とは趣が大きく異なります。白木祭壇が無垢材を用いた重厚で格式のある構造を基本とするのに対し、花祭壇は色とりどりの花で祭壇を彩ります。
花祭壇には、使用する素材によって次の2種類があります。
●生花祭壇
新鮮な生花を使用した祭壇です。自然の香りや季節感を生かした演出が可能で、華やかなあたたかみのある空間が生まれるため、花祭壇の主流となっています。
●造花祭壇
アーティフィシャルフラワー(造花)を使った祭壇です。費用を抑えたい場合に特に適しています。
この記事では、葬儀でよく選択肢に挙げられる「生花祭壇」を中心に解説を進めます。
2.自宅葬に花祭壇を取り入れる魅力とメリット
自宅葬で花祭壇を選ぶことには、特有なメリットがあります。その代表的な利点を解説します。
故人らしさとご家族の想いを最大限に表現できる
花祭壇は、使用する花材や色合い、デザインが自由で、故人の人柄を表現できる点が大きな魅力です。思い出の詰まったご自宅でこそ、その魅力は最大限に発揮されます。
故人様が好きだった花を加えたり、色合いを調整したりするだけでも、「その人らしさ」は十分に表現できます。さらにオーダーメイドの花祭壇であれば、思い入れのあるモチーフを組み込んだり、お好きだった風景と調和させたりなど、よりご家族の想いを反映させ、オリジナリティあふれるお別れにすることが可能です。
時間のゆとりを持って、温かい雰囲気のなかで見送ることができる
自宅葬は、会場の利用時間に縛られないため、式の進行やお別れに焦ることなく、心の準備を整えることができます。空間の印象を柔らかく整える花祭壇で彩ることで、より温もりのある雰囲気にすることができるでしょう。
新鮮な生花は、繊細な花びらの重なりや、自然の立体的な花姿が、まるで芸術作品のような美しさを生み出します。花のほのかな香りが空間に広がることで、参列者の緊張をほぐし、悲しみをやわらげてくれます。香りは記憶とも結びつきやすく、故人様との思い出を呼び起こすきっかけにもなります。
花が持つ自然な力と穏やかな空気感のなか、ご家族らしい自然なお別れのひとときを、お過ごしいただくことが可能です。
スペースを最大限、有効に活用できる
自宅葬では、葬儀会場のような広さが確保できないケースも少なくありません。しかし、花祭壇は、設置場所や広さに合わせてサイズや形状を柔軟に調整することができるため、限られたスペースにおいても無理なく設置ができます。
また、自宅葬ではスタンド花を並べるのが難しく、供花の置き場所に悩むことも多いものですが、オーダーメイドで作る花祭壇であれば、参列者から贈られる供花も、祭壇の一部として自然に組み込むことが可能です。「誰の花をどこに飾るか」といった気遣いもしなくてすむため、ご家族の負担軽減にもつながります。
費用を「こだわりたい部分」に集中させ、調整しやすい
花祭壇は、使用する花材やボリューム、装飾の工夫によって費用の調整がしやすいのも利点です。特に自宅葬は式場費用が発生しない分、祭壇や花など、ご家族のこだわりに応じて予算を柔軟に配分しやすくなります。
葬儀社との打ち合わせの段階で、希望や上限額を伝えることで、予算に合わせた花祭壇のデザインにできるのも大きな利点といえるでしょう。
3.自宅葬で花祭壇を設置する際の注意点
花祭壇は、ご自宅の環境によっては配慮すべき点も生じます。花祭壇をご自宅に設置する際の注意点を解説します。
花粉や香りに対する配慮が必要
花祭壇に用いる生花には、花粉が舞いやすいものや香りが強いものがあります。アレルギー体質の方や香りに敏感な方がいらっしゃる場合は、打ち合わせの際にその旨を葬儀社の担当者に伝えておきましょう。花粉の少ない花や、香りの穏やかな品種を提案してくれるなど、専門家の視点で配慮してくれます。
花の美しさを保つ工夫が必要
生花は乾燥や急な温度変化に少し弱い性質があります。特に冬場に自宅で花祭壇を設ける際は、暖房の使用が花の鮮度維持に影響を与える可能性があるため、専門知識を持った葬儀社スタッフによるサポートが重要です。
生花祭壇の設営経験が豊富な葬儀社であれば、花の特性を熟知しているため、暖房の温風が直接当たらない場所を選んで設置するなど、花が少しでも長く瑞々しさを保てるよう工夫してくれます。花の状態を美しく保ちながら、参列者が心地よく過ごせる方法を提案してくれるでしょう。
希望通りの花を用意できない可能性がある
自宅葬に限ったことではありませんが、希望する花材が必ずしも用意できるとは限らない点にも注意が必要です。花の入荷状況は季節や天候、流通状況に左右されます。特定の品種や色などの希望がある場合は、なるべく早い段階で葬儀社の担当者へご相談ください。
万が一、希望の花が手に入らない場合でも、類似の花材でイメージに近づける対応ができるか、専門家の視点で最善を尽くしてくれるでしょう。
4.自宅葬の魅力的な花祭壇の実例
最後に、花葬儀が自宅葬でおつくりしてきた花祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:心地のよいご自宅で

大輪のダリアやユリを中心に、バラやトルコキキョウをふんだんに使用し、お部屋全体が花に包まれるような優しい空間としました。棺には生前、故人様のお好きだったキルトをかけ、故人様と穏やかなお別れの時間をお過ごしいただけるようお手伝いしました。
祭壇名:才色兼備

真紅の布で背景を彩り、バラとユリをメインにあしらうことで、どの角度から見ても華やかで美しい祭壇をおつくりしました。赤と白のコントラストが際立ち、ご自宅でありながら印象的で格調高いお別れの場となっています。
ご紹介した以外にもご自宅での花祭壇の実例を花祭壇ギャラリーに掲載しております。ぜひご覧ください。
5.自宅葬の花祭壇に関するQ&A
A.自宅葬で花祭壇を設ける際は、事前にご近所へお知らせをしておくと安心です。
特に、祭壇の搬入出時には車両の出入りが発生するため、通行や騒音に配慮した説明があると丁寧です。また、香りの強い花を使用する場合や、参列者の出入りが多くなるときは、その旨も伝えておくとトラブルの回避につながります。
A.はい、自宅葬でも宗教に配慮した花祭壇にできます。
仏式や神式、キリスト教式などに合わせて、花の色や配置、装飾の仕方を調整できます。たとえば、仏式では菊の花を取り入れたり、神式では白を基調とした清らかな印象に仕上げたりするなど、花祭壇はどの宗教でも利用できます。
A.花祭壇の撤収や片付けは、基本的に葬儀社が対応します。
使用したスペースを元の状態に戻す必要があるため、あらかじめ撤収方法やスケジュールについて葬儀社に確認しておくと安心です。装飾品や花の処分も任せられることが多く、ご希望があれば、祭壇の花の一部を記念にお手元へ残すこともできます。
A.はい、自宅葬での花祭壇の写真撮影は基本的に可能です。
ただし、ご家族などの意向によって、撮影を控えなければならない場合もあるため、事前に喪主様に確認することが必須です。記録として残しておきたい場合は、葬儀前に祭壇だけを撮影する方法もおすすめです。
A.はい、多くの場合、花祭壇に使用された花の一部をお持ち帰りいただけます。
自宅葬では、すべての花をご自宅に残しておくのは難しい場合が多いこともあって、一部の花を「故人様の形見」として持ち帰るご家族もいらっしゃいます。葬儀社に事前に相談しておけば、取り分けやすいように準備してもらえることもあります。
6.自宅葬ならではの花祭壇の魅力も知って葬儀を検討しましょう
葬儀をどこで、どのように行うかは、ご家族にとって大きな選択です。もし「自宅でゆっくりと見送りたい」「ありきたりではない花祭壇にしたい」と思っているなら、自宅葬ならではの花祭壇の魅力に目を向けてみてはいかがでしょうか。
ご自宅での葬儀を検討している方や、花祭壇に関心のある方は、花葬儀の事前相談までご連絡ください。実績ある専門スタッフが、大切な人との最期の時間を後悔のないものにするために、ご家族に合ったお見送りのかたちをご提案いたします。











