看取りの手順と流れー自宅・病院・特養・その他介護施設

本記事でわかること。

  • ・看取りの意味が変わってきたこと
  • ・在宅での看取りの流れと手順

看取りとは?

「看取り」とは、もともと死にゆく人を最後まで面倒を見て見送ることを指します。ただ最近その臨終の際の辞書的な意味に、新しい意味が追加されつつあります。それが看取りケアや看取り看護に代表される医療や介護の現場で生まれた言葉です。在宅医療を専門とする医師と、在宅看護や介護を行うスタッフ、そしてご家族の共同事業として、死に逝く大切な方を生活の質を確保しながら、ご自宅や介護施設などで死を「看取ること」の意味として、新しい「看取り」が生まれつつあります。
現時点においては、個々での定義はありますが、決まった形というものがあるわけではありません。その理由は、複数の都合に基づいて、意味が追加された言葉だからです。

ご家族の希望と現実

医療技術の発展と、医療制度の充実とともに、死亡場所は、自宅から病院へと変化していきました。延命治療の技術的発展により、「死んでいない」という状態を作り出すことは難しいことではなくなってきました。

死亡場所の推移

一方で、ご家族や本人の希望する死に場所は、

希望場所

上記の通り、病院についで約30%の人が「自宅」を希望していますが、現実に自宅で亡くなれる人は、12.4%というギャップがあります。
この不要な延命をせずに、愛着のある自宅で亡くなりたいと希望する人が出てきていることが「看取り」に関し新しい意味が生まれた一つです。

医療費の高騰と病床数の削減という現実

もう一つの要素としては、国の財政の大きな負担である医療費を削減したいという意図です。毎年のように国や厚生労働省では、病床数の削減を謳っています。社会的入院という言葉がありますが、行く場所のない高齢者がコストがとても高い病院での入院で医療費を消費しているという事実です。病院で入院すると一か月に150万円ほどを国が負担しています。その大本である病床数を削減し、在宅での治療・療養に切り替え、入院と比べると安いコストで高齢者医療を賄いたいという国の思いがあります。
2000年から、継続して言われている病床数削減ではありますが、徐々に、病院から在宅への流れは確実に進んできています。
本人の希望と制度上の要請により、「看取り」は一般化の過程を歩んでいます。

看取りに必要な手続き、手順

通常、何の準備も前触れもなく、突然自宅で亡くなった場合には、不審死や変死扱いとなり、警察での検死や検案の対象となります。調書も取られたりするので、望む形でのお見送りとはいかない部分が出てきます。これは自宅での突然死は事件や事故の可能性があり、ある意味必要な措置と言えます。それを避けるためにわざわざ死亡後に救急車を呼び、病院で死亡宣告をしてもらうケースもあるくらいです。
そのような検死・検案を避けるために病院以外での看取りには、必要な手続きをとり手順を踏む必要があります。
まず、病院外での看取りを希望する場合は、下記を理解する必要があります。

・誰でも、「看取り」を実践できるわけではなく、もうすでにどのような医療処置を持っても回復する見込みのない対象者に限ること。
・医師を中心として、複数の専門家(看護師・ケアマネージャー・介護士等)と家族の連携が重要であり、家族の側にも負担が発生すること。

在宅での看取りの流れ

訪問診療をしてくれる診療所・病院のうち、自宅から半径16km圏内の「看取り」にも対応してくれる医師を探す。【在宅での看取りの流れ①】

時期:~6か月前より以前
看取りを行ってくれる医師を探すのが、在宅で看取るための第一ステップとなります。一般的に医療保険上の届け出の中に、「在宅療養支援診療所」というグループがあります。自宅から半径16km以内に、在宅療養支援診療所がない場合は、在宅での看取りは難しいと思ってください。なぜ16kmかというと、医療保険制度上、何かあった際に飛んでいける距離が16kmと想定され、在宅療養支援診療所は、その範囲でないと医療保険上の加算が受けられないためです。在宅療養支援診療所は往診による在宅医療を積極的に行っている診療所になりますが、すべての在宅療養支援診療所が在宅での「看取り」に積極的なわけではありません。医師が3人以上いることが条件になってはいますが、現実として在宅医療の高齢者100名以上に往診を行っていると、医師は夜間対応も多く発生し、スケジュールは休みもなく、身体的に相当きつい状態と聞きます。結果的に「看取り」になるケースもありますが、医師の中には終末期は病院での医療が望ましいと考える方もいらっしゃいます。どちらが正しいわけでもありません。医師と面談の上、対象者の希望により「どうしても在宅で看取りたい」ということを伝え、受けてくれるかどうかを聞く必要があります。また長い付き合いになりますので、相性はどうかを医師、家族双方で判断してください。
ポイントとしては、やはり①話を聞いてくれるか、②理由を説明してくれるか、です。また良いお医者様には、やはり患者がかなり多く待っているケースがあります。通院できるうちから、希望を伝え、タイミングを待つことが必要になってくるかもしれません。また介護を担当しているケアマネージャーに紹介をしてもらっても良いでしょう。

「チームの結成」と、同意書【在宅での看取りの流れ②】

前述で医師は見つかりました。ただ在宅看取りは、医師のみでできるものではありません。医師を中心とした看取りのチームが必要になります。一般的には、家族と医師、ケアマネージャー、訪問看護師、訪問介護士で構成され場合によっては、訪問調剤の薬剤師や、訪問歯科での口腔ケア、管理栄養士による栄養ケアなども追加されます。目的としては、その方に訪れる旅立ちのための生活の質の向上が目的となります。
また、多くの場合、この時点で、在宅での看取りのリスクの説明や医療行為・延命治療に関する事前指示書、同意書の類が整備されます。
家族が理解しておかなければならないのは、事前の指示書や同意書なしに、医師は延命治療を拒否することができない点です。医師法の第十九条に『診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。』と明記され、救命のすべがある場合には、そのすべてを使う必要があり、延命治療も例外ではありません。正当な事由を作るためには、事前指示書が必須になります。医師は、特定の書面なしに治療しない自由がないことを家族は知っておく必要があります。

終末期宣言【在宅での看取りの流れ③】

事前指示書を整備しても、看取りが始まるわけではありません。そこから対象者の容態の変化を注意深く観察し、ケアしていく時間が始まります。全く元気なうちに、医師を見つけ、事前指示書を整備しても、『終末期宣言』が医師から出ない場合は、通常の治療が継続されます。『終末期宣言』とは、もうどのような治療を施しても回復する見込みがないと医師が判断した場合に宣言され、それ以降を終末期とし、在宅で亡くなるための経過観察が始まります。
老衰の場合は、寝ている時間が長くなり、徐々に息が浅くなっていきます。脈拍が弱くなり、声や音に対する反応が鈍くなり、四肢が冷たくなっていきます。のどがゴロゴロとなり、死へ至ります。

医師、看護師の連携のもと、死亡診断書が書かれ、死亡が宣告されます。
以上が大まかに言った看取りへの道になります。
当然、個々のケースにより、変わりますし、必要な要素も異なっていることにご留意いただければ幸いです。

経済的には、病院の個室で長く入院しているよりは安いかもしれませんが、介護保険料は、所定の要介護の枠を超えることは想定しておいたほうが良いかと思います。そのほかに医療費もかかります。安くはないかもしれませんが、私は、自宅で死にたいと思っています。

特養(特別養護老人ホーム)・老健・グループホーム等の介護施設での看取りの流れ

施設自体が「看取り」に前向きかどうかが問われますが、自宅での看取りと比べれば、非常に楽です。なぜなら、特養・老健なら医師が常に居ますし、グループホームや有料老人ホームの場合も、必ず何らかの医療機関と連携しています。流れとしては、自宅とほぼ変わらないです。認知症になっていない場合、単に延命治療を拒否したいだけなら、司法書士や弁護士と話をして、「延命治療拒否の事前指示書」や「尊厳死宣言」を公正証書にしておくと治療を担当する医師側も安心して、延命治療をしない決定ができます。住み慣れた場所で死にたいという強い思いがない場合なら、そちらをおすすめします。
認知症の場合は、あらゆる契約行為が無効になるので、認知症になる前に、死に方を考えてみてください。

いつ、葬儀の準備をしたほうがいいか?

在宅で看取ることを家族で決めて、医師が定まったら、葬儀に関する事前相談をすることをお勧めします。その方の性格にもよりますが、対象者のご意向も反映した形で、素敵な葬儀を考えるは、意外と前向きに考えてくださるという実感があります。もちろん、家族だけで事前相談される方も多いです。
どちらにせよ、花葬儀は7割ほどが事前相談のお客様ですし、葬儀社の中には、事前のご相談だとやる気のない会社も多いですが、私どもは事前相談にとても前向きに取り組んでいる葬儀社の1社です。些細なことでもご相談いただければ幸いです。
お墓や相続、延命治療拒否の事前指示書の件などでも、良くご相談いただいております。

ながながとご説明申し上げましたが、在宅での看取りの流れについて、多少なりともお役立ちいただければという気持ちで書かせていただきました。
もし、私の認識不足の点などがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

葬儀プランナーY・K

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